アリスト社労士事務所(港区・渋谷区)のブログ

社労士ブログ

2023.07.21

システム全面復旧

 東京都渋谷区のアリスト社労士行政書士
代表の社会保険労務士 郡山博之です。

本日は、久しぶりの更新となります。
6月5日(月)より、弊社が利用しています社労士用システムがサイバー攻撃にあいました。

幣所お客様には、多大なご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございませんでした。

本日まで、臨時代替システムで業務を行ってきました。
本当に復旧するのか?事務所の運営が大丈夫か?等様々な課題や悩みにぶつかってしまい、疲弊した1か月半でした。

やっと来週の月曜日よりシステムが完全復旧することになり、一安心です。

2023.04.30

4月を振り返り5月以降の業務

東京都渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士の郡山博之です。

4月も今月で終わりですね。
本日から、大型連休の方もいらっしゃると思います。

本年は、新型コロナウィルスが収束しているためか、3月、4月の入社や退社等の手続き業務が例年になく多かったです。
人の出入りが活性化してきているのでしょう。

当事務所もそうですが、5月から7月前半は、人事担当者の繁忙期となります。
毎年のことですが、5月は、住民税のセットアップ、労働保険の年度更新の用意がスタートします。

また、6月は、算定基礎届の準備が必要になります。

スケジュールを密に行わないと、上記手続きや給与計算は待ってくれません。

世の中は、GWですが、1日、2日は、こつこつと、上記に備え、用意をしていこうと思います。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございます。

2023.03.26

4月から鉄道会社の料金改定により通勤費が値上がりする場合の注意点

東京都渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

今月の給与計算をじていますと、通勤費を前払いされるクライアント様の通勤費の改定がありました。
つまり、通勤費の上昇は、固定的賃金の上昇のため、社会保険料が変更になる可能性があります。

例えば、当月締めの当月払いかつ、通勤費が3月に4月分を前払いの場合は、仮に昇給がない場合でも、残業等で、6月の月額変更届が必要になります。
また、4月に昇給がある場合は、6月の月額変更届、さらに、7月の月額変更届が必要となる場合があります。

当月締めの翌月払いの場合は、5月支給から通勤費が変動になりますので、8月に月額変更届が必要となる場合があります。

通勤費は、社会保険上、固定的賃金とみなされるため、消費税の上昇や、鉄道会社の通勤費の上昇により、社会保険料が改訂となる場合がありますので、
月額変更届等の漏れがないか?等、本年は、通常の算定基礎届の他に、月額変更届が発生する場合がありますので、給与計算担当者は、注意が必要です。

以上、ご参考にしていただければ幸いです。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございます。

2022.12.11

令和4年就労条件総合調査より(年次有給休暇について)

東京都渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

厚生労働省の令和4年就労条件総合調査が公表され、令和3年の年次有給休暇の平均取得率は58.3%と、昭和59年以降では過去最高となったようです。
労働者一人平均では17.6日の年次有給休暇が付与され、10.3日が取得されました。
また、年次有給休暇の計画的付与制度がある企業割合は43.1%で、付与日数は「5~6日」という企業が71.4%と、最も多くなっています。
取得率上昇の背景として考えられる理由としてはやはり、コロナ禍、また、2019年4月の労基法改正により、年5日以上の有休取得が義務化されたことが平均値を上昇させる大きな要因となったと考えられます。
求職者からは、休日数や残業時間数で企業が評価される時代となっています。
有給休暇の取得率を上昇させることは今いる人材の定着率と、自社への求人数の上昇にもつながると考えます。
以上、ご参考にしていただければ幸いです。
ここまで当事務所のブログを読んでいただき、ありがとうございました。

2022.11.20

役員と従業員との法律上の違いとは?

東京都渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

通常、株式会社や特例有限会社「以下、株式会社等といいます。」おいては、取締役等の役員と従業員が働いており、双方会社から給与が支払われます。
しかし、同じ会社で勤務していても、法律上における株式会社等と役員の関係性と、株式会社と従業員間の関係性は全く異なります。
具体的には、役員等は委任契約、従業員は雇用契約が締結されます。
本日は、2つの契約の違いについてご案内させていただきます。
会社法は、株式会社等と役員の法律関係を委任関係であると明記しています。
これは、双方の間には、民法上の委任契約の規定が適用されることを意味します。
委任契約とは、使用者に従属していないことです。
つまり、会社から、業務上の指揮命令を受けないため、受任者が行う業務内容に対して裁量が認められています。
従がいまして、役員は出勤時間が明確に定められているわけではなく、残業代等発生しません。
勿論、就業規則の適用もありません。
ただし、本契約によって報酬が発生することを定めれば、報酬を受け取ることが出来ます。
株式会社等は通常、株主総会の決議において役員の報酬額が決定されています。
役員は、株主総会の過半数の同意があればいつでも解任できるため、法的地位は必ずしも安定していません。
また、会社に対し、善管注意義務や忠実義務といった法的責任を負っており、各種義務に違反した場合は、重い損害賠償責任を負う可能性もあります。
一方、従業員の法律関係は雇用関係です。
雇用契約の特徴は、委任契約と逆で「使用者に従属している」ということです。
勤務場所や勤務時間は雇用契約締結時において確定し、使用者から指揮命令を受けます。
また、就業規則の適用もあり、勤務時間を超過して勤務した場合は残業手当が付きます。
使用者からの解雇が労働契約法上極めて難しいとされていることから、法的地位はかなり安定しています。
※従業員には要件を満たせば雇用件に加入しますが、役員には雇用保険はありません。
上記例外として、「使用人兼務役員」の場合もあります。
以上、ご参考にしていただければ幸いです。
ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2022.06.26

令和4年度算定基礎届

東京都渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士の郡山博之です。

来週から令和4年度の社会保険の算定基礎届が開始しますね。
一昨年までは、総括表があり、全従業員の印字されたデーターが紙媒体でありましたが、昨年より、総括表が廃止され、本年は、従業員データーも紙媒体でなくなりました。

当事務所も昨年までは、年金事務所より、総括表や被保険者データーが到着しましたら、事務所へ、PDFにてお客様へメールくださいと、お願いしていました。

今年は、逆に、総括表もなくなり、被保険者データーの印字もありません。

顧問契約の範囲内で、業務を遂行するのみですが、長くお付き合いのあるお客様からは、

「今年は、PDFの案内文章がないから、送った方がいい?」

と数社質問がありました。もちろん、「不要で破棄していただいて結構です」とご回答していますが・・・・

年々、算定の案内文が、単純な案内文となり、「必要な従業員報は、お客様で自己責任で管理してください!!」という風潮に推移してきたなと、思ってしまいました。

以上、本日は、まとまりが悪いですが、ご参考にしていただければ幸いです。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2021.12.12

Web年末調整について

東京都渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

昨年からの新型コロナウィルスの影響で、Web化(電子化)、ペーパーレス化の広告宣伝が多くなっていますよね。

当事務所も、数社のクライアント様より年末調整業務を請け負っています。


本年より、1社のクライアント様よりWeb年末調整のご要望があり、当事務所として初めてWeb年末調整業務に携わりました。
当事務所の基幹システムが「社労夢」のため、「社労夢」連携の「e-NEN」を導入しました。

Web年末調整を導入したからと言って、必ずしもペーパーレスにはなりません。
住宅ローン控除や生命保険料控除などは、「台紙」に張り付けていただき、これまで通りの、チェックが必要です。
また、クライアント様の方で、その「台紙」の保管も必要となります。


また、入力方法は、画面上で対話式で社員様が個別にシステムに入力していただきます。
しかし、保険料等の誤入力が数人見受けられました。

やはり、人事様や当事務所にて、これまで通り、人の目による確認が必要です。

「社労夢」の方でも、従業員様が入社時等の書類をダイレクトに入力したり添付したりするシステムも開発されていますが、従業員様が入力したものをそのまま、雇用保険や社会保険の取得手続きにて電子申請すると、ご入力があった場合は、「エラー」となり返戻となります。
つまり、人事担当者か社会保険労務士事務所等で、再チェック、再確認が必要です。

IT化、自動化と言われる世の中ですが、人の手入力や人の目でチェックは、簡単にはなくならないなと思いました。

本年、初めてWeb年末調整を経験しての感想です。

当事務所の職員も、長年の慣れか、紙の方がチッェク作業が容易と言っていました。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2021.11.21

出張先で楽しむ「ブレジャー」

東京都渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士行政書士の郡山博之です。

「ブレジャー(Bleisure)」という言葉をご存じですか? 

これは「仕事(Business)」と「余暇(Leisure)」を組み合わせた造語で、観光庁は「業務目的の旅行の前後に余暇目的の旅行を組み合わせること」と定義しています。たとえば地方への出張に合わせて有給休暇を取得し、出張先で旅行や観光を楽しむ……まだ日本では浸透しているとはいえない働き方・休み方ですが、昨今認知度が高まっている「ワーケーション(Workation=Work+Vacation。こちらは旅行先で仕事をするやりかた)」とともにワーク・ライフ・バランス実現のための働き方として注目されており、観光庁も「新たな旅のスタイル」として国内での普及に向けて検討を重ねています。

〇ブレジャーのメリット・デメリット

日本では「出張から帰るまでが仕事」「有給休暇を取得しづらい」という意識もあって、出張に休暇を組み合わせたことがないという人は8割に上るという調査結果があります。しかし、ブレジャーを推奨することで、企業には、リフレッシュによる従業員の生産性向上や、エンゲージメントの向上、これらによる人材定着といったメリットがあるといわれています。また、ブレジャーへの取組みを好評することで、企業のブランド力の向上も期待できます。 一方で、ブレジャー中に事故が生じた場合などには、業務とプライベートの境目が曖昧であるために労災等の責任問題が複雑になる可能性があります。
以上、ご参考にしていただければ幸いです。
ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2021.01.24

厚生労働省「令和2年就労条件総合調査 結果の概況」のご案内

 東京都渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日は、厚生労働省の「令和2年就労条件総合調査」の結果概要についてご案内します。
この調査は、主要産業における企業の労働時間制度、賃金制度等について総合的に調査され、民間企業における就労条件の現状を明らかにすることを目的として実施されています。

1. 企業平均の年間休日総数

平成31年・令和元年(または平成30会計年度)の年間休日総数を1企業平均で見てみると109.9日となりました。
平成30年は108.9日となっていましたので、1.0日増えたことになります。この年間休日総数について平成21年以降の推移より、近年は、年々増加傾向にあると言えます。

2. 年次有給休暇の取得状況

年次有給休暇(有給休暇)の取得状況については、平成31年・令和元年(または平成30会計年度)の1年間に企業が付与した有給休暇の日数(繰越日数は除く)は、労働者1人平均18.0日で、そのうち労働者が取得した日数は10.1日となっています。取得率をみてみると、前年52.4%から56.3%に上昇しています。また、企業規模別の取得率は、30人から99人が51.1%、100人から299人が52.3%、300人から999人が53.1%、1,000人以上が63.1%となっており、企業規模が大きくなるにつれて取得率が高くなっています。
次に、計画的付与制度の有無についてみてみると、企業割合は43.2%となっており、平成30年が22.2%であったことと比較し、倍増しています。
これは、平成31年4月より年休の5日取得義務がスタートしたことで、確実に年5日の年次有給休暇を取得させるために、導入する企業が増えたことが原因であると考えられます。

3. 週休制度

主な週休制は、「何らかの週休2日制」を採用している企業割合が82.5%で、「完全週休2日制」を採用している企業割合は44.9%でした。
以上、自社の状況と比較され、今後の労務管理のご参考にしていただければ幸いです。
ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2020.12.13

フリーランスが加入するべき公的保険制度 と経営者の質問事例

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

最近、マスコミ等で、フリーランスの方が増えてきていると話題になっています。
フリーランスとは、業務委託で働く方や、自営業の方を指します。

本日は、フリーランスの方の公的保険制度をご案内させていただきます。

会社に勤務しているときは、健康保険、雇用保険、厚生年金、労働保険等の公的保険制度、また、住民税や所得税等の税金に関する手続きはすべて会社が代行するため、ほぼ会社任せで問題ありませんでしたが、フリーランスになれば、当然ですが全てご自身で手続きをされる必要があります。

1 国民健康保険健康保険 

国民健康健康保険は健康保険制度の一種で、被保険者が病気やけが、出産などで医療機関にかかったときに費用の70%を補填してくれる制度です。 
一般的に、国民健康保険は、前年度の所得に応じて保険料が変わります。
そのため、所得が高い人は支払う料も高額になるケースがあります。

2 国民年金 

会社に勤務している場合、厚生年金に加入しますが、フルーランスになりますと国民年金となり、ご自身で加入手続きや納付をしなくてはいけません。

3 労働保険 

労災保険と雇用保険を総称して労働保険と言います。
フリーランスの場合は、この労働保険という制度が、一部の業界を除きご自身で加入することが出来ません。

当事務所のクライアントさんからの質問事例

「従業員が社会保険に加入すると手取りが減ってこまる。」と言われるが、外注でも可能なの?と聞かれました。
その従業員さんは、前職では外交員委託契約で働いていたようです。
いくら、外交員委託契約で働いていても、会社側の指揮命令下で勤務する場合は、契約書の内容に係わらず、労働者として取り扱われます。
つまり、前職は、社会保険逃れをされていたのでしょう。
社会保険制度は、給与から保険料が控除されるため、手取りが低くくなると思われがちですが、実際は、国民年金や国民健康保険にご自身で加入し納付しなくてはならず、所得によりますが、大きな差異が生じない場合もあります。
外交員委託契約書上は、所得税控除後の額面支給のため、手取り額は多く感じられますが、後からご自身で保険料を納付する義務があります。
そもそも、会社側は、会社負担分があり、従業員は、将来の年金も多くもらえます。
万が一、従業員に、正社員でなく、外注が良いと言われた場合は、このように説明されたらいかがでしょうか?
以上、ご参考にしていただければ幸いです。
ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございます。

2020.10.18

同一労働同一賃金に関する最高裁判所の判決

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本年4月より、同一賃金・同一同道制度が導入された以降、初の最高裁判所判決ということで注目された判決が先週2つ出ました。
同一賃金・同一労働とは、企業内で正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差解消を目指すものです。
※中小企業は来年度から実施されます。

1.アルバイト職員が、ボーナスが支給されないのは不合理な格差だと訴訟

大阪高等裁判所では6割支給すべきだと判断されたのに対し、最高裁判所では、賞与がない労働条件について「不合理な格差に当たらない」と判断されました。

 

2.元契約社員が、退職金が支給されないのは不合理な格差だと訴訟

東京高等裁判所では正社員の4分の1は支給すべきと判断したのに対し、最高裁判所では、退職金がない労働条件について「不合理な格差に当たらない」と判断されました。

3.契約社員が、手当や休暇の待遇が格差があるのは不当だと訴訟

契約社員が東京高等裁判所、大阪高等裁判所、福岡高等裁判所で訴訟し、最高裁判所では、手当や休暇のうち、以下の手当や休暇は、違法として判断されました。
〇扶養手当
〇年末年始の勤務手当
〇お盆と年末年始の休暇
〇病気休暇
〇祝日の賃金

上記の内容により、今回の年末年始手当や夏季冬季休暇などの個別の手当や休暇の付与について、正社員は長期雇用を前提としているから、契約社員は長期雇用を前提としていないからという趣旨で手当の支給に差をつけることは不合理となり得るということを示した判決となります。今後は、各手当や休暇の目的洗い直し、是正・適用・運用が必要と考えます。

以上、ご参考にしていただければ幸いです。

ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございます。

2020.08.23

お客様からのご相談事例(2020年8月)

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所

代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。
顧問先ではないですが、、建設業許可関連のの行政書士業務のお客様からのご相談がありました。
例年だと、7月から8月は繁忙で休みをとれないくらい忙しいとのことです。
しかし、今年は急に、仕事がなくなったとのことです。
そこで、ご相談を受けました。
最近、「コンサル会社から助成金で儲かります。国からの無償の資金ですと。是非、ご利用ください。」と
これって、どうなんですか?
また、お客様の知っている複数の会社で、「もらえるものはもらってしまえ助成金という、適正ではない助成金受給申請をされているけーすがあすけど大丈夫なの?」
私は、はっきりと、
「勤怠管理や、現社員の採用状況で、助成金申請のためこれまで運営されましたか?」
「もし、万が一運営されていなくて、助成金申請しようとして、貴社としての数年後のリスクは担保できますか?」
と申し上げました。
勿論、そのお客様も当事務所も顧客からの売り上げで経営が成り立っています。
しかし、無理して手元資金が欲しいからと言って、助成金の支給申請・受給したり、実態と異なる書類を作成することは断固止めていただきたいです。
もし、数年後、監査・調査があった場合は、その助成金の返金等を求められ、会社名も公表され社会的な信用を失う旨お話ししました。
「当事務所も、お客様も、本業の売り上げの他に追加の収入があれば有難いですが、無理して、助成金に手を出し、会社・事業経営するくらいなら、お互い事業存続、事業種類、事業規模を見直し、かつ現在の内部留保等勘案し、再構築を図った方がよろしのでは?」
とも申し上げました。
お客様は
「郡山先生の意見に同感・強調します。無理は禁物ですね」
ということで、9月、10月迄売り上げを見て慎重に助成金申請も検討されるとのことです。勿論、10月以降に直接、ハローワークに相談に行かれるとのことです。
大切な、当事務所のお客様。目先だけで経営をしてもらいたくなく、アドバイスさせていただきました。
助成金は、入金があったとしても、非課税ではありません。これも大切なポイントです。
以上、ご参考にしていただければ幸いです。
ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2020.06.07

令和2年度労働保険年度更新の書類が届きました。

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山 博之です。

6月1日に東京労働局より令和2年度労働保険年度更新のご案内が届きました。

当事務所の年度更新分です。

本年は、新型コロナウィルスの影響で、昨年と以下の点が異なります。

年度更新期間:令和2年6月1日(月)~8月31日(月)
※令和2年6月1日~7月10日から令和2年6月1日~8月31日に延長

保険料納付期間:8月31日(月)迄
※口座振替の場合は、第1期の口座振替日が例年9月7日ですが、本年は10月13日に変更となっています。

早速、当事務所のお客様からも、申告書の表紙が2社PDFでメールをしていただきましたので、先週2社の申告書の申請が完了しました。

ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2020.04.12

社会保険の換価の猶予のご案内

東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

当事務所は、今月をもちまして、東京都内にて事務所再開後5年を経過し、6年目に入ることが出来ました。
これは、お客様、ご協力者様のおかげです。
今後とも、引き続きよろしくお願いいたします。

さて、本日のテーマですが、「換価の猶予」についてご案内させていただきます。

今般の新型コロナウイルス感染症の影響により、事業所の経営状況等に影響があり、一時的に厚生年金保険料等を納付することが困難な場合に、事業主からの申し出に基づき、「換価の猶予」が認められる場合があります。

「換価の猶予」とは、厚生年金保険料等を一時に納付することにより事業の継続等を困難にするおそれがある場合、厚生年金保険料等を分割納付できる制度です。

ご参考にしていただければ幸いです。

参考URL

詳しくは、管轄の年金事務所へお問合せください。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2020.01.26

同一賃金・同一労働に関するお客様からのご相談(派遣受入会社)

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

前々回のブログで、派遣会社の同一賃金・同一労働に関してご案内しました。
当事務所のお客様と面談する機会がありまして、ちょうど話題が出ました。

お客様が受け入れている派遣会社から、契約変更依頼がきており、方式は、「労使協定方式」とのことです。
派遣料金が上昇となり、お客様の会社の賃金制度から見ても、正社員やアルバイトの方が賃金が安くなる可能性があり頭を悩まされていました。

今後、派遣契約を続けるか、自社採用で、アルバイトか正社員を採用されるか悩まれていました。

最近、ニュースやインターネットの記事を見ますと、「同一賃金・同一労働」の影響で、正社員の賃金がカットされる可能性があるなど、さまざまなマイナスなことが多いです。

4月から施行される法律。まずは、派遣業界が動かなくてはいけませんが、今後の動向には十分な注視が必要です。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2019.11.17

厚生年金の標準報酬月額の上限改定について

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

20191030日に第13回社会保障審議会年金部会が開催され、議題は次の通りでした。

1.その他の制度改正事項及び業務運営改善事項

2.その他

具体的には、 

1.その他の制度改正事項及び業務運営改善事項としては、次の内容が厚生労働省より示されました。

厚生年金保険の適用除外要件の見直し
現行では、雇用契約が2ヵ月以内かどうかで社会保険の適用が判断されており、2ヵ月以内の雇用契約であっても繰り返し契約している場合には「引き続き使用されるに至った場合」として社会保険を適用しているが、最初の契約期間である2ヵ月は適用の対象とならない。そのため、2ヵ月を超えて使用されることが見込まれる人についても社会保険の対象とすることができるように改正を行う。これにより、最初の2ヵ月の雇用を含めて当初から社会保険を適用することが可能となります。
〇未婚のひとり親等の申請全額免除基準への追加
〇脱退一時金制度の見直しの方向性
〇年金生活者支援給付金制度における所得・世帯情報の照会の対象者の見直し等
〇国民年金手帳から基礎年金番号通知書(仮称)への切替え
〇厚生年金保険法における日本年金機構の調査権限の整備
〇年金担保貸付事業の廃止

 2.その他

「現行の厚生年金保険法の規定に基づく標準報酬月額等級の改定について(報告事項)」が厚生労働省より提示されました。
ここが大きなポイントです。現在、厚生年金に加入している会社代表者、役員について、役員報酬が100万円だろうが、200万円だろうが、厚生年金保険の標準報酬月額の上限額は62万円です。つまり、役員報酬が、月額605,000円以上であれば、会社負担も本人負担も同じ保険料ということです。

しかし、令和23月末において、【全厚生年金被保険者の標準報酬月額の平均額】の2倍が62万円を超えていることが確認されたら、令和29月から、政令改正によりこの厚生年金保険の標準報酬月額の上限が、62万円から65万円に上昇されます。

つまり、現行の最高等級31級/62万円の上に、32級/65万円が追加されます。

追加された場合は、役員報酬が月605,000円以上の会社代表者・役員は、標準報酬月額が62万円から65万円に変更され、年間会社負担と本人負担分の合計で、65,880円増えることになります。

ご参考にしていただければ幸いです。

ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2019.09.25

新しいクライアント様と税理士さんと3社の打ち合わせ

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

先日ですが、新しいクライアント様とその顧問税理士さんと3社間で打ち合わせをしてきました。
内容としては、税理士事務所と社会保険労務士事務所の業務分担についてです。
非常に、合理的な税理士さんで助かりました。

税理士業務で電子申請できる業務は税理士

社会保険労務士で電子申請できる業務は社会保険労務士

ということになりました。

税理士業務としては
・法人税や源泉徴収税、年末調整や住民税の異動届

社会保険労務士業務としては
・雇用保険、労働保険、社会保険手続き

当事務所で給与計算をさせていただくことになりましたが、給与計算は、税理士、社会保険労務士、行政書士等各士業の独占業務ではありません。
しかし、税関係や社会保険関係に関する業務が不随しますので、税理士が多く、次に社会保険労務士なんです。勿論、私の仲間で行政書士で給与計算をされている事務所もあります。

ここで、問題となるのは、給与計算=社会保険労務士=住民税の手続き=年末調整業務とお考えになられているお客様です。これは、お客様のせいではなく、各士業の独占業務等が伝わっていないということでしょう。また、税理士さんの中には、「住民税の異動届は引き受けない。年末調整業務は引き受けない。社会保険労務士に頼んでください」という事務所もあります。

当事務所は、税理士事務所と合同事務所ですので、お客様との契約で、顧問税理士が住民税異動届や年末調整業務を引き受けない場合は、合同事務所の税理士さんが申告等していますが、もし、社会保険労務士単独で、年末調整業務を引き受ける際は、非常にグレ-ゾ-ンですのでリスクがありますね。

ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2019.09.04

働くパパママ育休取得応援事業について(お客様との連携)

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の社会保険労務士・行政書士郡山博之です。

先週の月曜日ですが、長いお付き合いのお客様より、東京しごと財団の働くパパママ育休取得応援事業についてのご質問がありました。
ダイレクトメ-ルでお客様へ送られたとのことです。

当事務所は、そのお客様の給与計算・労働保険・社会保険の手続き・労務管理・労務相談と一式業務を受託させていただいています。
内容を確認し、この「パパママ育休取得応援事業」についての内容を確認しますと、当事務所の解釈ですと申請ができると判断し、早速、東京しごと財団へ問い合わせをしてみました。
すると、ご丁寧にご教示いただき、
・就業規則の変更で在宅ワ-クの規程があること
・育児休業規程で通常より上乗せがの条件があること
・上記労基署の届出印があること
・東京都税納税証明書
・謄本
・タイムカ-ド
・雇用保険被保険者証
等があればクリアするとのことでした。
また、お客様の育児休業終了で通常勤務復帰が4月1日とのことで、8月中に書類を東京しごと財団に必着で送付すれば、受理→審査→受給できるとのことです。

早速、お客様へ、ご案内し、お客様自身もご協力をいただき、当事務所は、就業規則の改定、在宅ワ-ク規程、育児休業規程の上乗せ要件を作成し、お客様へメ-ルで納品・申請書も当事務所で作成し、不明な点は、お客様で作成される条件で納品し、お客様が労基署へ提出、各種書類の手配を行い、8月中に間に合いました。

後は、東京しごと財団が受理し、審査受給できればいいですね。

当事務所は、一元さんの助成金申請や補助金申請のお客様はお断りしていますが、長いお付き合いのお客様で、要件クリアとが出来ると判断すれば、申請代行等は行っていませんが、ご協力をさせていただいています。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただき、ありがとうございました。

2019.07.24

長時間労働を削減するには

東京・渋谷区 アリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

最近は、長時間労働が問題となっています。その長時間労働を削減できる可能性がある手段をご案内させていただきます。

多くの経営者より、「従業員に早く帰れと言っても、従業員が残業をする」困ったよ!お聞きします。そもそも、残業は従業員が自ら進んで勝手に行うものではありません。会社が与える仕事が所定労働時間内に終わることができないため、会社から従業員にお願いして仕事をしてもらうものが残業です。つまり、仕事は「会社が従業員に与える」ことが基本です。

しかし、実態は、会社が業務を与えるか否かに係わらず、従業員が定時までに業務を終わらせることができず、そのまま残業となっているのが一般的になっています。

 

そこで、個々の業務内容がどのようになっているのか?洗い出しを行う必要があります。

その洗い出しで個々の従業員の業務の内容を把握してください。業務の内容の把握が出来なければ、現在の業務が不要なのか?不合理的遂行なのか?仕事が特定の人だけに偏っていないか?と見極めが出来ません。勝手は判断の場合、従業員からの反発で問題解決が進みません。何が必要で何が必要ではないのかについては、経営者がしっかりと把握していなければ、長時間労働の削減が困難になります。

 

 長時間労働が常態化している会社にありがちなことに、社内の雰囲気が長時間労働をすることが「当たり前」「文化」になっていることがあります。もし社内が、早く帰りづらい雰囲気になっているのであれば、会社として望んでいないと経営者から強く周知する必要があります。これは会社を守るために重要で、会社に残業をさせる気がないのであれば、残業を否定していることをしっかり従業員に伝えないと、会社として長時間労働を推奨していると言われかねません。

 長時間労働を会社として望んでいない周知は、一度だけではすぎにもとに戻りますので、何度もしつこく周知する必要があります。強い気持ちで「長時間労働を撲滅する」と周知を続けてください。

 

 そのうえで、業務のシステム・運用を変えたり、労働時間の設定の見直しをしたりするなど、長時間労働にならないよう工夫をしていく必要があります。こうやって変えていくには、就業規則の見直しなどが必要になる場合があります。会社側本気で長時間労働を無くそうとしていると従業員側に伝わるよう動かなければ、達成は難しいです。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。 

2019.07.07

大企業の社会保険手続きが電子申請に義務化されます。

東京・渋谷区のアリスト社労士行政所事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

社労士業界の繁忙期と言われる6月の労働保険年度更新、7月の算定基礎届の業務もほぼ完了しました。後は、無事にエラ-なく、社会保険算定基礎届の公文書を入手するのみです。

当事務所は、電子申請で行える労働保険、社会保険、雇用保険の手続きに対しては、100%電子申請で実施しています。

さて、本日は、社会保険手続きの電子申請義務化についてご案内します。

国は以前から電子申請での手続きを企業に促してきましたが、社会保手続きでは利用率が向上しない状態が続いています。そのため大企業を対象に、原則として2020年4月より一定の社会保険手続きについて、電子申請で行うことが義務化されることになりました。
原因は、健康保険組合の電子化が進んでいないことも1つの要因と考えられます。

電子申請義務化になる大企業と時期

対象となる大企業とは、資本金または出資金の額が1億円を超える法人ならびに相互会社、投資法人および特定目的会社に係る適用事業所です。義務化の時期は、対象企業の2020年4月1日以降に開始する事業年度からとされています。なお、社会保険労務士事務所または社会保険労務士法人が、大企業に代わって社会保険の手続きを行う場合も、同様に電子申請で行うことが義務となります。

電子申請で行うことが義務化となる対象手続き

電子申請で行うことが可能な社会保険手続きは多数ありますが、今回義務化される手続きは以下のとおりです。

1.健康保険・厚生年金保険
・被保険者報酬月額算定基礎届
・被保険者報酬月額変更届
・被保険者賞与支払届
・70歳以上被用者 算定基礎・月額変更・賞与支払届
2.労働保険
・概算保険料申告書、確定保険料申告書、一般拠出金申告書
・増加概算保険料申告書
3.雇用保険
・被保険者資格取得届
・被保険者資格喪失届
・被保険者転勤届
・高年齢雇用継続給付支給申請
・育児休業給付支給申請
それにあわせて、健康保険組合の社会保険手続きも電子申請義務化が予定されています。また、健康保険組合における電子申請の具体策として、届書における本人署名等の省略、電子申請ガイドラインの策定、マイポータル等を利用した電子申請環境の構築により、電子申請環境が整っていない健康保険組合への電子申請の導入を図ること。ただし、この対策を行うに当たっては、APIソフトの普及や、e-Govの利便性の向上に向けた対策を併せて講じることとする。 
APIの活用推進については、事業主はAPIソフトを利用することにより、社内で利用している人事・労務管理のデータを用いて、申請に必要な添付書類を自動作成し申請ごとに添付書類を作成することなく電子申請が可能となります。 
当事務所もクライアント様の情報をAPIソフトを利用し、人事台帳から給与システムと連動させており、ワンストップで電子申請を行っています。ただし、APIソフトにて、電子申請が不可能な場合は、e-Govを利用して電子申請を行っています。
※e-Gov・・・現在紙によって行われている申請や届出などの行政手続を、インターネットを利用して自宅や会社のパソコンを使って行えるようにするものです。e-Gov電子申請システムは、各府省が所管する様々な行政手続について申請・届出を行うことができます。複数の府省へ申請・届出を行う際など、e-Gov電子申請システムを利用すると、まとめて申請・届出を行うことができ、便利です。
ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2019.05.19

算定基礎届の提出すべき対象者の範囲

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日は、5月19日。私事の余談ですが、私の誕生日です。
いよいよ50代に突入しましたが、プレイングマネージャーとして頑張ります。プレイングマネージャーの意味は、プレイヤーとしての業務と管理職としてのマネジメント業務の双方を担うポジションと言われていますが、私の場合、プレイヤーとしての業務と経営者としての経営業務の双方を担っています。単純な個人事業主ですね。40歳前後は、行政書士の受験勉強からスタ-ト。合格後は社会保険労務士の受験勉強開始・合格。この10年間は、会社勤務、受験勉強、独立開業と20代、30代の会社勤務時代と比較し、あっという間に時が流れたように感じます。

さて、来週あたりから、核事業所さんに、労働保険の年度更新のご案内や、従業員の住民税特別徴収のご案内などの郵送物が多く届く時期となります。

社労士業業界では、6月は労働保険年度更新、7月は算定基礎届と繁忙期と言われています。

本題ですが、算定基礎届【厚生年金・健康保険】の取り扱いの変更についです。

平成31329日付の厚生労働省年金局事業管理課長名の通達で、「月額変更届」の提出によって7月から9月に標準報酬月額が改定されることとなる予定の人については、事業主から申出があれば、「算定基礎届」を提出しなくてもよいことになりました。

「算定基礎届」とは、その年の4月・5月・6月に支給した報酬月額を71日~710日に年金事務所等に提出する届出です。「算定基礎届」で届け出た報酬月額に基づいて、その年の9月から翌年8月までの1年間の標準報酬月額が決定されます。一方「月額変更届」は、昇給などの、固定的賃金の変動で「月額変更届」を提出し、その年の7月・8月・9月から標準報酬月額が改定されます。

結論を言いますと、7月の「算定基礎届」の中で7月・8月・9月の「月変変更届」対象(予定)者は、法律上提出する必要はないということです。


今まで、東京方式と呼ばれていた方式です。埼玉や神奈川県の年金事務所では、算定基礎届の際、備考欄に7月月変予定記載し届出、その後、改めて、月額変更届を届出していました。(7月対象者は算定と月変と重複届け出になります)

勿論、通達が出たからと言って、今まで通りの実務でも構いません。
とりあえず、7月「算定基礎届」(8月・9月月変予定者を含む。)「月額変更届」については提出し、8月や9月の「月変対象予定者」は、給与支給月に給与システムが抽出してくれますので、その後、「月額変更届」を提出された方が実務上漏れがないですし、「戻し算定基礎届」のリスクがないです。

ここまで当事務所のブログをよんでいただき、ありがとうございました。

 

 

2019.05.15

求人の年齢制限について

東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

今月は、大型10連休もあり、本日で5月の折り返し地点。5月も後半月となりました。

当事務所のクライアント様で従業員が退職されたため、ハロ-ワ-クにて求人を掲載したいとのことで、私の方でクライアント様の代わりに求人の申込に行ってきました。

クライアント様との事前打ち合わせで、可能であれば、「年齢不問」でなく、現在の社員の年齢構成を考え年齢制限をつけたいとご相談を受けました。
結論としましては、例外で年齢制限を設けることは、認められます。

「年齢不問」は平成19年10月の雇用対策法の改正により労働者の募集および採用について
【年齢にかかわりなく、均等な機会を与えなければならない】
と規定されています。つきましては、求人の際、年齢制限を設けて人材を募集することは、原則として禁止されています。
禁止された背景としましては以下の通りです。

〇年齢制限禁止の義務化は、個々人の能力、適性を判断して募集・採用することにより、一人ひとりにより均等な働く機会が与えられるようにするという目的

〇年齢制限を設けて募集・採用を行うことは、職を求める高齢者や年長フリーターなどの、応募・就職の機会を閉ざしてしまうことにつながる。
〇少子高齢化が急速に進展するなかで、日本の就業者数は、2020年には2009年と比較して433万人減少することが見込まれて、若者や高齢者などの就業の促進が重要な課題
〇「年齢不問」としながらも、書類選考で実質的に年齢制限しているケースも見受けられ、人柄や意欲などは、書類選考だけでは適切に判断することができないものです。書類選考だけでなく、実際に面接をして判断することが、求める人材の採用につながります。
しかし、例外として年齢制限が求められる場合があります。
例外事由1号
定年年齢を上限として、その上限年齢未満の労働者を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合

例外事由2号
労働基準法その他の法令の規定により年齢制限が設けられている場合

例外事由3号イ
長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合

例外事由3号ロ
技能・ノウハウの継承の観点から、特定の職種において労働者数が相当程度少ない特定の年齢層に限定し、かつ、 期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合

例外事由3号ハ
芸術・芸能の分野における表現の真実性などの要請がある場合

例外事由3号ニ
60歳以上の高年齢者または特定の年齢層の雇用を促進する施策(国の 施策を活用しようとする場合に限る)の対象となる者に限定して募集・採用する場合

以上、ご参考にしていただければ幸いです。

ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2019.04.21

キャリアアップ助成金の要件変更について

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士の郡山博之です。

平成31年度の雇用保険のリ-フレットが公開されましたが、「キャリアアップ助成金」の要件で、昨年と変更になった箇所があります。

②正規労働者等として雇用することを約して雇い入れられた有期労働者等(正社員求人に応募して、雇用された者のうち、有期雇用労働者として雇用されたものを含む。)でないこと

と記載されました。

今般、助成金の不正受給が取りざたされていますが、まさに、これまでの不正受給で多い事例なのかと推察されます。

これは、ハロ-ワ-クの求人等で正社員求人にて採用し、本人同意のもとで有期契約社員に変更し、助成金を受給する場合を指しているのでしょう。

(事例)当事務所のクライアントさんで、従業員雇用の際、当初、お試し期間で時給で1か月間の有期労働契約、現在は、1年間の有期労働契約をされている従業員がいらっしいます。この従業員は、1年契約終了時に、さらに1年間の契約更新or打ち切りor期間の定めのない契約(正社員)へ面接等で決定されます。仮に期間の定めのない契約(正社員)へ変更れましたら、キャリアアップ助成金の支給申請要件として問題ないのではないでしょうか。

余談ですが、
「助成金の申請をしたいがいくらもらえますか?」
「助成金の成功報酬は?」
と、漠然とした問い合わせがまたにありますが、全てお断りしています。

何故なら、受給額や報酬のお話の前に、助成金を支給申請する際の、就業規則を含む労務規程や勤怠管理、賃金台帳などの法定帳簿が完全に揃っていないケ-スが多いです。
逆に、規程整備の必要性。例えば、就業規則作成の料金等をお話ししますと、電話を切られますね。

今般、会社独自または助成金コンサル会社の関与、同業者の関与で意図的に支給申請書、裏付け書類が作成され、不正受給を行い大きな問題が発生しているようです。

助成金を申請・受給される場合は、くれぐれもご注意ください。

ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2019.01.27

ライフプラン研修の講師をさせていただきました。

東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所の
代表 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

1月25日(金)に1部上場企業グル-プ会社のクライアント様45歳以上を対象にライフプラン研修の講師をさせていただきました。(東京都港区)

「テ-マ」は、【50歳になったらライフプランの準備を】です。

内容は、
・65歳の定年退職までの働き方と備え
・支出の整理
・年金制度の仕組み
・退職後の健康保険の選択

等です。

多数の社員様に参加していただきましたが、研修会終了の後の懇親会で、非常に役に立つ内容だったと好評をいただきました。

当事務所のクライアント様以外でも研修会をさせていただきますので、お気軽にお問合せいただければ幸いです。

ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2019.01.09

東京労働局需給調整事業部へ

東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日は、以前からのお客様と、そのお客様が子会社を設立されるとのことで、朝一番で打ち合わせに行ってきました。
会社設立の業務から就業規則などの労務規程の業務を受託させていただきました。

昨日は、東京労働局需給調整事業部へ行ってきました。
需給調整事業部とは、労働者派遣業許可申請や職業紹介事業許可申請の窓口です。
今回の用件は、3年前に労働者派遣業許可と有料職業紹介事業許可の新規申請をさせていただきましたクライアント様の案件で更新となります。3年経過するのは本当に早いですね。

ところで当事務所は、行政書士業務も行っていますので、建設業許可申請なども携わっていますが、建設業許可申請については、書類作成後、都県庁に事前確認なしで一発申請します。しかし、労働者派遣業許可や有料職業許可の申請は、書類作成後、必ず事前に確認に行きます。なぜならば書類作成後、建設業許可のようにすぐに申請しても、不受理になるのが見えているからです。労働者派遣業許可は特に平成27年に法改正があり、派遣従業員のキャリア計画などの審査が厳しくなっているからです。

今回の案件は、新規でなく更新なので、スム-ズに進められると考えていましたが、書類の書式は変更がないにもかかわらず、新規許可申請時は受理された内容が、更新申請にも関わらず修正が入りました。

東京労働局需給調整事業部は、JR山手線の田町駅から10分ほど歩きますが、途中の景色が好きなので、撮影してみました。

東京労働局需給調整事業部の入り口です。

ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2018.12.19

正社員と契約社員の格差の判例のご案内

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

昨今、正社員と契約社員(有期契約労働者)の賃金等の格差が取り上げられるようになり、2018年6月1日、最高裁が一つの方向性を示しました(ハマキョウレックス事件)。
正社員と契約社員で賃金・手当に差を設ける場合、ハマキョウレックス最高裁判決を例にご案内します。

最判小二平成30.6.1/「ハマキョウレックス事件」
・事案の概要 
Xは、Y社との間で契約社員として有期労働契約を結ぶトラック運転手である。
Xは、Y社に対し、正社員との労働条件の相違が不合理であり、労働契約法20条に違反すると主張して、正社員と同一の権利を有する地位にあることの確認、各手当の支給(主位的)、差額相当額の損害賠償(予備的)を求めた。
 争点になったのは、
①無事故手当
②作業手当
③給食手当
④住宅手当
⑤皆勤手当
⑥通勤手当
⑦家族手当
⑧賞与
⑨定期昇給
⑩退職金
についての格差である。
なお、⑦~⑩についての請求は、附帯上告受理の際に排除されており棄却されている。
Y社においては、正社員と契約社員で業務内容及び業務に伴う責任の範囲に相違はなかった。
 他方で、正社員は配置転換や出向が予定され、等級役職制度の適用があったが、契約社員はいずれも予定されず、適用されないこととなっていた。
・判旨の概要
 労働契約法20条は、有期契約労働者の労働条件につき、期間の定めがあることにより不合理なものとすることを禁止したものであり、労働条件の相違があることは前提として、その相違が職務内容や配置の変更の範囲、その他の事情を考慮して不合理でないことを求めた規定である。
したがって、有期の者と無期の者の労働条件の相違が、期間の定めがあることに関連して生じた際に、それが不合理と評価される場合には、その相違については無効となる。
①無事故手当 → 不合理
 優良ドライバーの育成や安全な輸送への顧客の信頼獲得のための手当なので、有期・無期とは関わりなく支給されるべきものであること等から、相違が不合理と評価された。
②作業手当 → 不合理
 特殊作業を行った対価であり、有期・無期とは関わりなく支給されるべきものであること等から、相違が不合理と評価された。
③給食手当 → 不合理
 勤務時間中に食事をとらねばならない従業員に対する補助であり、有期・無期とは関わりなく支給されるべきものであること等から、相違が不合理と評価された。
④住宅手当 →不合理ではない
従業員の住宅費用補助を目的とし、正社員には転居を伴う配置転換が予定されているため、契約社員よりも費用が多額にわたる可能性があるため、相違は不合理ではないと評価された。
⑤皆勤手当 → 不合理
 運送業務を円滑に行い従業員の出勤を確保するための手当であり、有期・無期とは関わりなく支給されるべきものであること等から、相違が不合理と評価された。
⑥通勤手当 → 不合理
 通勤交通費を補助する趣旨のものであり、有期・無期とは関わりなく支給されるべきものであること等から、相違が不合理と評価された。
【結論】
 労働契約法20条違反だからといって契約社員の契約内容が正社員と同じものになるわけではなく、正社員と契約社員の就業規則が別に作られているので、地位確認請求及び差額賃金請求は認められない。
 予備的な損害賠償請求は不合理とされた範囲において認められる
この判例は、正社員と契約社員の職務内容や配置転換の予定等を詳細に検討し、手当ごとにその目的や趣旨を考えた上で判断されています。正社員と契約社員の職務内容が同一であったため、手当の相違が不合理と認められています。
ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2018.11.12

江戸川年金事務所と埼玉労働局に行ってきました。

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日は、午前中から、1日中外出でした。

朝一番で、新小岩の江戸川年金事務所へ。
当事務所、クライアント様の年金事務所の定期調査でした。
健康のためにバスを使わずに、約25分歩きました。
調査担当者の方が非常に良い方でした。
また、当事務所で給与計算から社会保険手続きを一貫して受託させていただいていますので、調査担当者の方から「安心して、書類をみさせていただきました。問題ありません。」と言われました。専門職として当たり前のことですが、嬉しかったです。

午後からは、埼玉県川口市のクライアント様の有料職業紹介事業許可申請の仮申請のため、さいたま新都心の、埼玉労働局へ行ってきました。東京労働局より、さすがさいたま新都心ビル街なので立派な建物でした。さらに、順番を待たずに、書類をチェックしていただきました。
当事務所として、埼玉労働局の許可申請は初めてです。少し、東京動労局とル-ルがが異なっていましたが、無事、次回は本申請です。建設業許可と同じく、若干、都府県により異なりますね。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2018.10.31

定年退職後の健康保険の切替方法について

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士の
代表 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

11月に当事務所のクライアント様の50歳以上の従業員を対象に、「定年退職後のライフプラン」の研修をさせていただくことになりました。
研修資料の内容で、よくクライアント様から問い合わせのある定年退職後の健康保険の加入方法について、本日はご案内させていただきます。

定年退職後の健康保険の選択方法は4つあります。

1.従業員の住所地(市区町村)の国民健康保険に加入
2.定年退職前に加入していた健康保険の任意継続被保険者として加入
3.家族が加入する健康保険の被扶養者となる
4.再び再就職し、再就職先の健康保険に加入

この選択方法で主なポイントをご案内します。
1.国民健康保険
当初の1年間は、前年度のすべての所得などを基に保険料が決定されます。

2.健康保険の任意継続被保険者として加入
健康保険料は、退職時の標準報酬月額(平成30年4月現在28万円を超える場合は28万円※)に基づいて決定されますが、在職中は事業主が折半で負担していた保険料を定年退職者自身が負担することになります。加入できる期間は最長2年間であり、この間の健康保険料は原則変更されません。任意継続被保険者となるためには、退職日の翌日から20日以内に、住所地の協会けんぽまたは健康保険組合で手続きを行います。
※健康保険組合の標準報酬月額の上限は健康保険組合ごとに決まっています。

3.家族の加入する健康保険の扶養者となる
被扶養者の要件は、被扶養者の年収が退職日から将来に向かって180万円未満(60歳以上の場合)であり、被保険者と同居の場合は被保険者の年収の1/2未満、別居の場合は年収の額が被保険者からの仕送額(援助額)よりも少ない場合という収入に関する要件があります。被扶養者となった場合は健康保険料の負担がないことから、定年退職者にとって負担の少ないものとなります。

4.再就職先の健康保険に加入
正社員でない場合でも、正社員の所定労働時間の4分の3以上の勤務や、アルバイトやパ-トでも会社によっては健康保険に加入できる場合があります。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2018.05.13

「市区町村民税・都道府県民税特別徴収通知書」が送付される時期です。

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表 社会保険労務士・行政書士 郡山 博之です。

5月も中旬となり、そろそろ会社(事業主)に「市区町村民税・都道府県民税特別徴収通知書」が送付される時期です。
先週の金曜日ですが、当事務所のクライアントさんから、都内某区より「市区町村民税・都道府県民税特別徴収通知書」が送付されたとの連絡が入りました。
給与計算上、この「市区町村民税・都道府県民税特別徴収通知書」を基に、原則6月支給から翌年5月支給迄、毎月の住民税の控除額を変更します。
「市区町村民税・都道府県民税特別徴収通知書」は、従業員の住所地の市区町村に提出した前年分の「給与支払報告書」を基に住民税が計算され、毎年5月末日までに従業員が居住している各市区町村から12等分(端数がある場合は6月分で調整)された1年分の住民税が記載され送付されます。送付された「市区町村民税・都道府県民税特別徴収通知書」を基に、従業員の給与から住民税を控除して、会社(事業主)で一括して毎月納付します。
■納付期限
支給日を含む月の翌月10日
■納付先
従業員の本年1月1日現在の住所地の市区町村
■提出書類
市町村民税・都道府県民税納入申告書

※注意点
万が一、従業員が退職した場合ですが、退職した 従業員の給与から住民税を徴収(特別徴収)している場合は、手続きが必要になります。
毎年6月を起点に給与から控除する住民税ですが、6月~12月に退職した場合と、1月以降に退職した場合で手続きが異なります。
〇6~12月に退職した場合
退職月分以降は会社での徴収が不可能になるため、「給与所得者異動届出書」を退職した従業員の居住している市町村に提出する必要があります。 従業員の住所地によって指定の申請書があります。それを提出することで、退職後は、従業員が自分で納めることになります。
〇1~5月に退職した場合
退職月から5月分までの住民税を一括して納税する義務が生じます。3月退職なら3ヶ月分、4月なら2ヶ月分、5月なら1ヶ月分の住民税を天引きします。もし、退職時の給与が、一括して支払う住民税を下回っている場合は、普通徴収も選択できます。 【渋谷区の給与所得者異動届】
給与計算の際、退職時にいつものように1月分だけ住民税を控除して、翌月から気付かず住民税を会社が納め続けるということになりかねないため、退職者で特別徴収の方がいる場合は、注意して給与を計算をする必要があります。
ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございます。

2018.03.28

採用面接時の給与条件の注意点

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の郡山博之です。

本日のテーマは、「採用面接の給与条件」の打診をする際の注意点です。

ここ数年は、税負担や社会保険料負担が増加し、額面給与の割に手取り額が少ないのが通例化しています。

採用担当者や経営者が、面接時の給与条件の際、額面支給額で話すか?求人者の希望通り手取り金額で話すか?がポイントになります。
額面での給与条件なら、さほど大きな問題となりませんが、
手取りでの給与条件なら、単純に行かない場合があります。
当然のことですが、給与からは、以下の4点が控除されます。
1.所得税
※家族構成により、税率が異なります。
2.住民税
※前年の所得により当年は決定されるため、面接だけでは把握できません。
3.社会保険料(厚生年金・健康保険)
※社会保険料は、40歳以上であれば介護保険料が発生しますし、通勤費も含まれて額面総支給額で社会保険料が決定されます。
4.雇用保険料
※一般の保険料率ですと、通勤費も含んで額面総支給額の1000分の3の保険料が発生します。

さらに、会社共済費を控除しているケースもあります。 

上記より、面接時の給与条件で手取金額を口頭で約束し、採用した場合には、上記の控除のハードルをクリアする必要があり、かつ、毎年、上記控除額は、定額ではなく変動する金額です。
もし、【賃金支払いの5原則に基づき】※額面条件で雇用契約をしたとしても、上記金額の変動により、面接時の手取り額を割ってしまうケースが発生する可能性があります。そうしますと、会社側と従業員側と思わぬところで、「言った」「言わない」「雇用契約書の明記通り」とトラブルが発生する場合があります。

つきましては、面接時の給与条件の注意点として、【手取り額】で口約束をしないことが大切です。

※【賃金支払いの5原則】労働基準法(24条)
A通貨払いの原則賃金は通貨で支払わなければならないという原則です。「通貨」とは、国内で強制的に通用する貨幣(銀行券、鋳造貨幣)のことです。外国通貨や小切手は、換金の不便さや価値の変動リスクから「通貨」とは認められません。ただし、賃金を労働者の同意を得た上で、労働者が指定する金融機関へ振り込む場合、労働組合と労働協約を締結して現物給与を支給する場合などでは、通貨払いの原則の例外が認められています。  
B直接払いの原則
賃金は労働者本人に支払われるものです。従って、労働者が未成年者であっても親や後見人が代わって受け取ることはできません。
C全額支払いの原則
賃金はその期間分を全額支払わなければなりません。ただし、社会保険料や源泉所得税など、法令に基づく控除は認められています。また、労使協定で定められた天引き分は差し引くことができます。
D毎月1回以上支払いの原則
賃金は、少なくとも毎月1回以上支払わなければならないという原則です。臨時に支払われる賃金、賞与等については、この原則は適用されません。賃金は毎月1日から末日までに1回以上支払わなければなりません。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2018.03.11

万が一従業員が在職中に死亡した場合の手続きと給与計算

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の社会保険労務士・行政書士の郡山博之です。

会社の経営者として、従業員が在職中に病気や事故で死亡することは、避けたいことです。
そのために、従業員の健康診断の実施や労災の予防対策に取り組んでいる経営者が多いです。
しかし、万が一、死亡した場合の社会保険・雇用保険・給与計算や年末調整についてご案内させていただきます。

1.社会保険(厚生年金・健康保険)

従業員が死亡した日から5日以内に事業主が「被保険者資格喪失届」を提出します。
その他、喪失手続の他に下記の支給申請手続きができます。
(1)遺族年金

①要件
被保険者(従業員)が死亡したとき、または被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡したとき。
※1ただし、遺族基礎年金と同様、死亡した者について、保険料納付済期間(保険料免除期間を含む。)が国民年金加入期間の3分の2以上あること。)
※2ただし平成38年4月1日前の場合は死亡日に65歳未満であれば、死亡日の属する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がなければ受けられます。

②対象者
死亡した者によって生計を維持されていた、妻、夫、子、孫(18歳到達年度の年度末を経過していない者または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の者)、55歳以上の夫、父母、祖父母(支給開始は60歳から。ただし、夫は遺族基礎年金を受給中の場合に限り、遺族厚生年金も合わせて受給できます。)
※1 30歳未満の子のない妻は、5年間の有期給付となります。
※2 子のある配偶者、子(子とは18歳到達年度の年度末を経過していない者または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の障害者に限ります)は、遺族基礎年金も併せて受けられます。

(2)健康保険埋葬料(費)

被保険者(従業員)が業務外の事由により亡くなった場合、亡くなった被保険者(従業員)により生計を維持されて、埋葬を行う方に「埋葬料」として5万円が支給されます。埋葬料を受けられる方がいない場合は、実際に埋葬を行った方に、埋葬料(5万円)の範囲内で実際に埋葬に要した費用が「埋葬費」として支給されます。
また、被扶養者(従業員の家族)が亡くなったときは、被保険者(従業員)に「家族埋葬料」として5万円が支給されます。

2.雇用保険

従業員が死亡した日の次の日から10日以内に「雇用保険被保険者資格喪失届」をハローワークに提出します。

3.給与計算

死亡日と支給日・締日の関係で所得税の計算の取り扱いが異なります。所得税は、死亡した従業員の給与で、死亡後に支給期が到来するものについては、所得税を控除する必要はありません。死亡日後に支給期(支給日)がある賃金は、死亡した従業員の「給与所得」ではなく、相続税の対象となる「相続財産」とみなされるためです。
例えば、月末締め翌月20日支払いの給与であれば、この「翌月20日」が支給期にあたり、この日が死亡日の前後により判断します。
仮に、2月15日に死亡した場合だと、1月の1ヶ月分(1月分給与で2月20日支給)と2月1日~15日までの給与(2月分給与3月20日支給)となり、死亡日より後の給与支給となり、相続財産となり所得税を控除する必要はありません。ただし、万が一、12月分給与で本来1月20日に支給する給与が、2月20日に遅れて支給する場合は、所得税が発生しますので注意が必要です。
たとえ、相続財産となり所得税の控除対象にはなりませんが、雇用保険だけは控除が必要です。
さらに、今回の例で言えば、1月20日支給の給与だけは、年末調整をする必要があります。

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2018.02.18

給与計算上の借上げ社宅のポイント(給与計算上の課税)

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日のテーマは、従業員に社宅や寮を貸した時に、従業員の給与からこの会社が借り上げた賃料相当分を課税(源泉徴収)するか?否か?です。

この場合、原則【賃貸料相当額】とは以下のことを言います。
○(その年度の建物の固定資産額の課税金額)×0.2%
○12円×( その建物の総延床面積・㎡ ÷ 3.3㎡ )
○(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%

この【賃貸料相当額】は、上記算式の全ての合計額となります。

つきましては、従業員で無料で貸与した場合は、この【賃貸料相当額】が給与して課税されます。しかし、従業員から【賃貸料相当額】の50%を以上の金額を借上げ社宅利用料として給与控除している場合は、給与として課税されません。

例:賃料相当額が2万円の社宅を従業員に貸与した場合
1.従業員に無償で貸与する場合は、2万円が給与として課税されます。
2.従業員から6千円の借上げ社宅利用料を給与控除する場合は、【賃貸料相当額】×50%以下(2万円×50%=1万円)のため、2万円-6千円=1.4万円が給与として課税されます。
3.従業員から1.2万円の借上げ社宅利用料を請求する場合は、1.2万円は【賃貸料相当額】2万円の50%以上ですので、差額の8千円は給与として課税されません。

これは、会社が所有する社宅や寮を貸与する時だけに限られず、家主から借りて貸与する場合も、上記数式の3つの合計した金額が【賃料相当額】となります。
つきましては、家主からか賃借した社宅や寮を従業員に貸す場合も、家主等から固定資産税の課税標準額を確認することが必要です。
なお、現金で支給される住宅手当や、従業員が家主と直接契約しているにも関わらず、会社が家賃を負担するような場合は、社宅の貸与として認められないので給与課税が必要です。
給与計算上の当事務所の実務では、
「給与支給項目」に【賃料相当額】2万円
「給与控除額」に【賃料相当額】2万円
と、同額を支給・控除する形にして、計算しています。そうすると、他の給与支給項目とあわせて、給与課税し、ただし、実際に支給する2万円でないので、控除すると所得税の計算が明確に計算できます。
また、この2万円は、労働保険・雇用保険から除外します。
なお、社会保険は、別に、現物給付という制度がありますので、改めて、ご説明します。

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2018.01.24

社会保険料(厚生年金・健康保険)の給与控除について

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の郡山博之です。

昨日の大雪で、今朝の私の自宅近所周辺は、路面が凍結しており、駅までの自転車の道のりが、普段より、遠く感じました。

さて、本題です。
当事務所は、クライアントさんからの給与計算と労働保険や社会保険の手続きと一式受託しています。
その中で、人事担当者から、質問がある事例をまとめてみましたので、ご案内します。

事例1

従業員の退職日が、12月31日。賞与の支給日が1月10日の場合の社会保険料(厚生年金・健康保険)の控除は、どうなりますか?

1月1日付で、社会保険の喪失となるため、1月10日時点での賞与に関する社会保険料は発生しません。
余談ですが、給与計算上は、既に退職済みのため、所得税法上は「甲欄」計算ではなく、「乙欄」計算となりますので、注意が必要です。

また、退職日が7月25日で、賞与支給日が7月31日の場合でも、7月26日付で社会保険の喪失となりますので、賞与に関する社会保険料は発生しません。

事例2 

給与が、当月月末時締めで当月25日払いで月末退職の場合、何故、社会保険料(厚生年金・健康保険)の控除が2カ月分なのですか?

社会保険は、取得した月の翌月に保険料が発生します。つまり、4月1日に入社をされた従業員の社会保険料は、5月に控除となるのが原則です。
例えば、7月31日に従業員が退職した場合は、社会保険の喪失日が8月1日となりますので、7月25日の給与で社会保険料を2カ月分控除する必要があります。
内訳は、6月分の社会保険料と7月分の社会保険料の2カ月分ということになります。
これは、あくまでも原則となります。
当事務所クライアントさんでは、従業員から入社した月から社会保険料を控除しているケースがあります。この場合は、7月31日に退職しても社会保険料控除は当然のことながら1か月分で済みます。

余談ですが、当月締めの翌月20日払いのケースは、常に1か月分の社会保険料の控除なり、会社側も勤怠管理もし易いため、当事務所は、就業規則の作成から給与計算の業務を受託する場合は、クライアントさんにお勧めしています。

事例3 

当月末締め翌月10日払いのケースで1月20日に退職した場合、なぜ、2月10日支給の給与には社会保険料(厚生年金・健康保険)が発生しないのですか?

社会保険料は、日割りでなく、月割りとなります。つきましては、1月20日に会社を退職した場合は、1月は最初から社会保険の対象者とならなくなり、国民年金や国民健康保険の対象者になります。また、次の転職先が決まっている場合は、次の転職先で社会保険料の対象者になり、その転職先で社会保険料が控除されることになります。

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2018.01.17

求人内容と労働条件相違の訴訟

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士の郡山博之です。

採用担当者は、求人の際、どうしても、採用を急ぎたい場合、応募数を増やすために、求人内容を曖昧としたり、実際の労働条件より、内容をよく見せかけたりしようする心理が働くかもしれません。
しかし、求人内容と実際の労働条件が異なると、会社側と従業員がトラブルとなり、会社側にとって大きな不利益を招く恐れがあります。

職業安定法は労働条件の明示を企業に義務付けており、企業が自社サイトなどで直接募集して採用する際には、虚偽情報に対する罰則(6月以下の懲役または30万円以下の罰金)があります。しかし、ハローワークなどに虚偽の求人を出しても、是正を求める行政指導はできるものの、現在は、罰則がない状況ですが、昨年から労政審で具体案をさらに協議してるようです。

昨年の実際の判例をご紹介します。


【京都地裁判決 平成29年3月30日判決】

 
○概要 
当時64歳だったBさんは、定年がない点に魅力を感じ、A福祉施設に応募。
A福祉施設のハローワークの求人票には、「雇用形態:正社員」、「雇用期間:期間の定めなし」、「定年制なし」と記載されていました。面接時には,定年制についてはまだ決められておらず、労働契約期間について特にやりとりはありませんでした。しかし、採用後の面談でA福祉施設の代表者はBさんに「定年あり:満65歳」と記載した労働条件通知書を提示し、口頭でも大まかな内容を説明しました。 
翌年、A福祉施設は雇用契約を更新せずBさんを定年扱いとしましたが、これを不服に思ったBさんは“求人に記載されている通りの定年のない雇用契約”を主張し、訴訟を起こしました。 

○判決 
裁判所は、「求人票記載の労働条件は、当事者間においてこれと異なる別段の合意をするなどの特段の事情のない限り、雇用契約の内容となると解するのが相当である」とし、Bさんの署名押印のある労働条件通知書に記載された内容ではなく、求人票に記載された内容での雇用契約の成立を認めました。
その結果、本契約は期間の定めのない労働契約であり、解雇は無効とされました。 

この判決ですと、労働者の同意の有無は、「労働条件通知書」や「労働契約書」の署名押印の有無ではなく、労働者の自由な意思に基づく同意の有無について判断しており、実務の参考になるので、紹介させていただきます。


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2017.12.27

働く人から選ばれない企業にならないための注意点

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本年最後の記事更新となります。
当事務所は、12月28日(木)より平成30年1月4日(木)迄、冬季休業とさせていただきます。
休業中もホームページからのお問い合わせは歓迎いたします。1月5日(金)以降、順次ご回答させていただきます。

本題ですが、今般、多くの業種において人で不足は深刻な問題です。そもそも、一昔前と比較し、【終身雇用】に対する労働者の期待は下がっており、転職に対する抵抗感も今後ますます低くなると考えます。私自身も、転職が多い方ですが、面接時や入社後に、「年齢の割に転職が多いですね?」と言われたこともありました。「だからなんですか?」と心では叫んでいましたが、勿論笑ってすませました。
この雇用が流動化する時代に、働く人から選ばれない企業にならないために気をつける点をご案内します。

長時間労働

長時間労働は「選ばれない理由」としての一つです。「働き方改革」「ブラック企業」などの言葉が声高に言われるようになり、長時間労働を是正しない企業スタンスは嫌われてしまいます。採用面接の場でも近年は「残業の有無」「休日」「休暇」などの労働時間に関する確認が応募者からされることが珍しくなくなりました。
長時間労働への対策としては、IT化、不採算部門の見直しがあげられます。

業務の属人化

業務の属人化とは=その人しかわからない仕事がある状態のことを言います。
その人しかわからない仕事があればあるほど、その人(担当者)が辞めてしまうと後任者の対応が大変になり、後任者の業務負荷が増えて疲弊し、退職するという悪循環になってしまう場合が多いです。スタッフが頻繁に辞めないという前提で「業務の共有」を怠っている状態は会社として会社経営として危険です。
属人化を防ぐ方法は、メールの共有、業務チーム担当制、グループウェアの活用などがあげられます。

採用活動の内製

採用サイトや転職サイト、人材紹介、求人誌などの人材サービスのコストは今後ますます高くなることが予想されます。今や多くの企業において人材確保のためにこれらの人材サービスは欠かせなくなってきていますが、雇用が流動化して人々が頻繁に転職してくれた方が人材サービス業にとっては都合がよい側面もあります。人材サービスに頼り続けなければ人が確保できないということは、採用のコスト分、競争力が低下してしまう可能性を否定できません。
採用活動の内製化の方策としては、既存社員からの人材紹介、学校との強化、自社独自の採用イベントなどがあります。

出戻りの許容

最近は、1度退職した社員をもう1度受け入れるという企業の方が人材確保に適しています。退職した理由は、子育て、親の介護、キャリアアップ、年収アップとありますが、出戻りを許す寛大さが必要でないでしょうか。

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2017.12.13

Web明細書のメリット

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の郡山博之です。

この時期は、年末調整、賞与計算、給与計算、クライアント様の2018年度の年間カレンダー作成のアドバイス、一斉休暇付与制度のアドバイスなど、社会保険労務士事務所としては、繁忙期です。

当事務所の給与計算を行っているクライアントさんは、ほぼ100%Web給与明細書を活用いただいています。(一部PDFの給与明細書のクライアントさんもいますが)

Web給与明細書のメリットは、


1.給与の締日と支給日が短い場合(月末締め翌月10日払いなど)で、急な、給与計算の訂正が発生した場合など、給与データーの作成は即作成できますが、もし、一般的な紙の給与明細書ですと、当事務所としても宅急便を利用しても給与日に間に合わない場合があります。また、仮に自社で給与計算をしていたとしても、紙の明細書の印刷などで社員の残業が増加してしまいます。
※一般的な紙の給与明細書は、手差し印刷で、手間がかかります。
一方、Web明細書の場合は、給与のデーターも即作成でき、即、給与明細もWeb上で更新が出来るため、当事務所としてもクライアントさんとしてもメリットがあります。

2.紙の給与明細書に比べて、非常に地球に優しいです。

3.直行直帰の社員や、在宅勤務の社員、全国に支店がある会社など、紙の給与明細書ですと、社労士事務所としても、自社で給与計算をされている場合でも、時間と郵送コストに追われてしまいます。しかし、Web給与明細書の場合は、一斉に全員、パソコンやスマートフォンで給与明細を確認することが出来ます。

4.紙の給与明細書ですと、会社の机の中、自宅の本棚などが、給与明細書で束になってきますが、Web明細書の場合は、当然ですがそのようなことはありません。また、紛失することもなく、2年間閲覧可能です。閲覧だけでなく、PDFのため、自宅のパソコンなどでプリントアウトすることも可能です。

しかし、クライアントさんの社長から言われることがあります。
「手渡しでないと、社員は給与のありがたみがないのでは?」

確かに、それは、一理あります。
また、Web明細化のデメリットは社員の同意が必要なのです。もし、同意されない社員につきましては、クライアントさんの担当者または管理者の管理画面からプリントアウトされ紙の給与明細書を発行することが可能です。
つまり、Web明細書導入の設定をしていただければ、クライアントさんの方で、これまでどおり、書式は変更となりますが、紙の給与明細書の可能なんです。紙の給与明細書は、通常のレーザープリンターでプリントアウト(手差し不要)します。後は、3つ折りにされて、社員にお渡しされているケース、封筒に入れてお渡ししているケースがあります。

当事務所は、事務処理の合理化を推進しています。また、雇用保険・社会保険の入社、退社の手続きも、Webにて電子申請が可能な届出は、100%電子申請にて手続きを行っています。もし、事務処理を今迄通りの紙の届出書で行うと、もっと人員も必要となり、通信交通費など事務所運営コストが上昇するため、比例してクライアントさんの月次料金も上昇せざるを得ないからです。

余談ですが、現在のクライアントさんに、
「前の社労士事務所は、入退社の手続きのために、当社へ来社され、多忙な中、時間をさいていたが、当事務所に切り替えてからは、メール1本で手続き完了してくれるので、非常に利便性がよくあり、無駄な時間がなくなり、助かっている。」
とお言葉をいただきました。

給与計算・入退社手続きのアウトソーシングとWeb明細書のへの移行をご検討の場合は、当事務所へお気軽にお問い合わせください。

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2017.12.06

就業規則と雇用契約の関係

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の社会保険労務士・行政書士の郡山博之です。

本日は、クライアントさんから良くある質問の中で、就業規則と雇用契約の関係です。

例えば、就業規則上、始業・終業時間が9:00~18:00 休憩12:00~13:00で、月給20万円としましょう。
しかし、株式会社Aは、採用するBさんに、以下の雇用契約を打診します。

1案
始業・終業10:00~16:00 休憩12:00~13:00で、月給20万円

2案
始業9・終業9:00~19:00 休憩12:00~13:00で、月給20万円

この場合、1案は、就業規則を上回る雇用契約のため、有効となります。
しかし、2案は、始業終業時間も就業規則時間より長く、就業規則より条件を下回るため無効となり、労働基準法にも抵触します。

休みも同じです。
例えば、就業規則上、完全週休2日制(土・日)と規程されている場合に、株式会社A社は、採用Bさんに以下の雇用契約を打診します。

1案
完全週休3日制

2案
週1休

この場合は、1案は、就業規則を上回る雇用契約のため、有効となります。
しかし、2案は、就業規則を下回るため無効となります。

つまり、
就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効とされます。この場合において、無効となった部分は、就業規則の定める基準によることとなります。逆に超える部分は有効です。
☆就業規則は、法令(労働基準法など)や当該事業場において適用される労働協約に反してはなりません。

民法は、お互いの合意により契約が成立すると言われます。(公序良俗に反しない限り)
民法の一部でありますが、労働法が特別法であるため、完全に民法上の契約行為と同じようには行かないことがポイントです。日本の労働に関する主要な法律として以下の法律があります。


○個別的労働関係法:個別的な労働関係、労働契約関係についての法律

労働契約法・労働基準法・労働安全衛生法・男女雇用機会均等法・パートタイム労働法・パートタイム労働法・育児介護休業法・最低賃金法

○集団的労働関係法(労使関係法/使用者と労働組合との関係についての法律)

労働組合法・労働関係調整法

○労働争訟法(個別的労働紛争の簡易な解決を目指す法律)

労働審判法

○労働市場法(労働市場の規制に関する法律)

職業安定法・雇用保険法・労働者災害補償保険法・労働者派遣法

などがあります。一般に周知されて馴染みがあるある関係法令から、こういう法律もあるんだ?と言うくらい幅広いですよね。

最近、就業規則や労働基準法には抵触しないけど、民事上どうか?という問題も多くなっているようで、労務管理が益々厳しくなっている時代だと思います。必ずしも、就業規則に規定しているとか、雇用契約書に明示しているから安心だ!大丈夫だ!という時代ではなくなっているのかもしれません。書面だけではなく、実態上どうか?が大切です。

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2017.11.29

労働契約法第20条【同一労働同一賃金】

 東京・渋谷区のアリスト

「同一労働同一賃金」についての条文である労働契約法第20条の話題です。

同一労働・同一賃金というブームに対して、実は「公平性」ではなく「ハイパフォーマーの優遇」ではないかと考えます。公平さというのは一筋縄ではいかない概念で、働いているのが人間であり個性がある以上、全ての面で公平な処遇というのはできないものです。
そして従業員間の公平性は企業の目的ではなく継続勤務をしてもらうため(あるいは労使トラブルを防ぐため)の手段の一つであるので、「公平さの実現」については、ピンとこない経営者が多いのではないかと思います。
賃金はつまるところ経営理念に照らして公正であるべきで、同一労働同一賃金のポイントは、
「我が社が重視している行動は○○である」
「我が社ではこのタスクを評し△△△△円という価格をつける」
「会社の経営目標達成に必須のタスクを行うことができる人の評価を優遇する」
と意思表示をすることだと思います。
そして、再度、会社のビジネスモデルを分析し経営目標達成に必要なコア業務を特定したりそのコア業務に対する評価体系や職務給を設定したりし、人事評価制度や給与テーブルをまずは、見直すことが大事だと考えます。
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2017.11.26

職業安定法の改正について(平成30年1月1日施行)

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の社会保険労務士・行政書士の郡山博之です。

11月も残すは、1週間となり、いよいよ師走に入ります。
再来月より、職業安定法が一部改正されます。

○求人や労働条件を変更する場合の明示義務です。

具体的に、求人募集の際に、最低限明示されねければいけない事項

(1)試用期間

(2)裁量労働制を導入している場合
具体的に、【9時間働いたものとみなされる】などを明示する必要があります。
裁量労働制導入であっても、1日8時間、1週間40時間のルールは適用されますので、基本給などを設定する場合は、予め、そのルールも考慮し、設定しないと、最低賃金が割れるリスクがあります。

(3)固定残業制度を導入する場合
以下のような記載が必要です。
① 基本給××××××円(②の手当を除く額)
② 固定残業手当やみなし残業手当(時間外労働の有無に関わらず、○○時間分の時間外手当として△△△△△円を支給)
③ ○○時間を超える時間外労働分についての割増賃金は追加で支給

(4)募集者の氏名又は名称

(5)派遣労働者として雇用する場合

と定められます。

具体的に労働条件変更の際に明示が必要な事項

(1)「当初の明示」と異なる内容の労働条件を明示する場合
例)当初 基本給30万円/月 ⇒ 基本給25万円/月

(2)「当初の明示」の範囲内で特定された労働条件を提示する場合
例)当初 基本給25万円~35万円/月 ⇒ 基本給30万円/月

(3)「当初の明示」の労働条件を削除する場合
例)当初 基本給30万円/月、住宅手当5万円/月 ⇒ 基本給30万円/月

(4)「当初の明示」で明示していなかった労働条件を後から追加する場合
例)当初 基本給30万円/月 ⇒ 基本給30万円/月、住宅手当5万円/月

【明示の方法】

1.当初明示されていた内容と変更された内容を対照できる書面の発行
2.労働条件通知書によって、下線をひいたり、着色したりして脚注をつける方法

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございます。

 

2017.11.22

在宅勤務のメリットと導入手順

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日は、在宅勤務のメリットと導入手順について記事を書いてみます。

在宅勤務のメリットとは?

1.労働者側のメリット
①静かな労働環境で集中できる
②通勤時間がなくなる分、家族と過ごす時間が増える
③育児・介護と仕事を両立できる
などです。

2.企業側のメリット
①優秀な人材の確保と定着率の向上
柔軟な働き方を会社が提供することで人材の流出を防ぐことが出来るほか、優秀な人材が集まりやすくなります。
②電子化や業務改善の促進
在宅勤務の導入をきっかけに【資料の電子化】が促進されます。また、在宅できる業務・出来ない業務を切り分けて見直す過程で業務改善につながります。
③非常時の事業継続
震災などでオフィスが被災したときや交通機関が麻痺したとしても、事業を継続することが可能です。

導入手順

導入手順は、ルールづくりからはじめます。
1.対象者の選定
例えば、育児や介護をしながら働く社員のみ対象とする。あるいや、新入社員や製造部門など、一人で業務が出来ない社員以外は対象とする。
2.労働時間の管理
PCに遠隔機能を設置し、実際に業務をしているか否かのシステムの導入。始業終業時間を管理者へメールで送信。など
3.給与体系や評価体系の見直し・策定
給与や評価基準は、現状を維持した方がいいかと考えますが、会社に出社しないと出来ない業務もあります。在宅勤務の頻度によって、定期代を支給するか、実費を支給するかなどの検討が必要です。
4.備品などの費用負担
備品の費用負担、水光熱費の負担などの取り決めが必要です。3.給与体系とも連動しますが、例えば、在宅勤務手当として一律支給することも検討の人るです。

ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございます。

2017.11.19

使用期間中の給与は減額可能か?

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

昨夜から風が強く、急に気温が下がりましたね。温暖化と言いますが、本当に温暖化なんでしょうか?単純にここ数年、異常気象になっているなと、感じます。

さて、本題です。他士業の方の事務所便りに出ていましたが、試用期間中の給与の減額は可能か?

私も当事務所のクライアントさんも以下のようなことを感じたり、相談されるケースがあります。

・求人媒体に費用をかけてどうにか採用できたけれど、期待したほど仕事はできない。 
・もう少し給与を安くすればよかった。 
・もしくは今後、試用期間中は給与を減らしたい。 
ここで、試用期間中の給与減額ですが、相談された場合、「結論から言えば試用期間中は給与の減額が可能です。」と回答させていただいています。
ただし、使用期間中だから、給与は、いくらでも設定出来るというわけではありません。都道府県別に決められている【最低賃金】を下回らないことが必須です。【最低賃金】を下回らければ、会社と労働者との合意のうえで、試用期間中の給与を低く設定することが可能です。いくらでも設定可能です。 ただし、就業規則や労働契約書にその旨を明記する必要があります。
月次給与30万円
※だたし、試用期間中3か月間は20万
試用期間というのは、一般的に入社後一定期間を試用期間または見習期間とし、この間に労働者の人物・能力を評価して本採用をするかしないか決定するものとして設けていることが多いです。ただし、1年以上の期間設定は、裁判で不当と判断された判例があります。一般的には、1~3か月が多いです。 さらに、試用期間中だからといって、経営者の中には、解雇が自由にできると誤解されているケースがありますが、自由ではなく、法律の制限がありますので、要注意です。


(参考条文)
労働契約法第6条(労働契約の成立)
労働契約は、労働者が使用者に使用され労働し、使用者はこれによって賃金を支払うことについて、労働者と使用者が合意することによって成立する。


【最低賃金】の例外ですが、試用期間中に、最低賃金よりも低い金額に設定されたい場合、都道府県労働局長の許可があれば、最低賃金より最大で20%まで減額することができます。 
ただし、厚労省の中央最低賃金審議会で示された統計資料においては、試用期間中の減額特例の許可件数に関して、ゼロの年も少なくありませんでした。 この許可は、かなりハードルが高いと言えます。
具体的に最低賃金とは? 
最低賃金は2種類あります。 
各都道府県ごとに定められた【地域別最低賃金】」と、特定の産業に定められた【特定最低賃金】です。

 
【地域別最低賃金】

【特定最低賃金】

【地域別最低賃金】とは、各都道府県で働く全ての労働者とその会社(使用者)に対して適用される最低賃金です。 
47件の各都道府県ごとに最低賃金が定められています。 
産業や職種による制限はなく、正社員・契約社員・派遣社員・臨時・嘱託・パート・アルバイトなど、雇用形態や呼称に関係なく、働く全ての労働者と会社(使用者)に適用されます。 
【特定最低賃金】は、特定の産業について設定されている最低賃金です。 
基幹的労働者を対象として、【地域別最低賃金】よりも金額水準の高い最低賃金を定めることが必要と認められた産業について、設定されます。


今回は試用期間中という条件なので産業別の【特定最低賃金】は適用されず、【地域別最低賃金】が基準となります。
このように試用期間中の給与の減額は可能ですが、労働者との合意による賃金の設定・期間の設定・就業規則や労働契約書への記載といった注意点があります。


試用期間中の給与の減額は、現実的には難しいケースが多いと思います。また、最近の人手不足の時代、期待した能力以上に給与を支払わざるを得ないこともあるようです。
まずは、求人募集の前に、現状の人員で業務を効率運用することを考え、これを実践したり、アナログ作業があれば、可能な限りIT化への移行、アウトソーシングなど検討する必要があります。
ここまで、当事務所のブログを読んでいただき、ありがとうございます。

2017.11.15

5Sについて

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の社会保険労務士・行政書士の郡山博之です。

先週の土曜日ですが、私の母校の日本大学出身の社会保険労務士の会である日本大学社労士桜門会に出席しました。
その会で、経済学部の教授の講演会がありまして、テーマは「5Sと経営戦略」でした。

5Sとは、

・整理:要るものと要らないもの区別

・整頓:要るものを使いやすいように

・清掃:要るものを最高の状態に

・清潔:上記を維持した状態

・躾 :上記の状態を維持する人間

を指します。講演会の中で、5Sを徹底することにより、製造業や倉庫業などは、業績が増えた実例もあるとのことです。

私は、月曜日に出社した際、早速掃除から始めましたが、三日坊主にならないよう継続をさせようと思います。

ただし、ここで労務管理上一番、話題となることは、
「始業時間20分前に、出社命令をし、社内清掃をさせた場合にこの時間は、就業?か否か?」

勿論、就業時間となります。もし、この社内清掃時間に、何ら残業手当などを会社が支払わない場合は、残業代未払いとなりますので注意が必要です。

従って、始業開始10分間などと、あくまでも終業時間内に社内清掃時間を設けられたらいかがでしょうか?

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2017.11.12

「残業代と基本給を明確」に区別が重要

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日のテーマですが、【年俸制】の場合、残業代が不要と解釈されている企業も多いです。
じかし、【年俸制】であっても、実は、残業代が必要なんです。

労働基準法によると年俸制だからという理由で残業代の支払いを免除するという条文はありません。高収入の人には残業代を支払わなくてもよいという条文もありません。

月給や年俸に残業代を含めて支払うことは許されますが、その場合は、残業代の部分いくらで何時間分に相当するのかを明確に表示する必要があります。

しかし、過去の判例では、年俸が3000万円超と極めて高額であったことなどから、残業代の部分が明確に示されなくても労働者の保護に欠ける点はないとして、残業代が含まれていると認めた判例はあります。

詳しくは、当事務所にお問い合わせください。

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2017.11.08

働き方改革を自社に取り入れるには

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士の郡山博之です。

全国的に「働き方改革」の取り組みの必要性が説かれています。残業の抑制、ワークライフバランスが社会的評価に少なからず影響するため、世間のキャンペーンを参考に前向きに実行することに価値はあることだと考えます。

その中で通勤ラッシュ回避のための取り組み例として「時差出勤」、「フレックスタイム制」、「テレワーク」などがあります。鉄道事業者では、「混雑の見える化」、「オフピーク通勤利用者へのポイント付与」などの取り組みが進んでいるようです。

取り組み事例 内容
時差出勤 始業時刻を早めたり遅らせたりすること
フレックスタイム 始業・終業時刻を社員に任せること
テレワーク 在宅などで勤務すること

これらの取り組みをすることで、①満員電車や通勤渋滞で疲弊しない→②ストレスを軽減し生産性を向上させる→③余裕が生まれてより自由度の高い働き方が実現する、という好循環が生まれます。

実際に運用するには?

「習慣や慣習にある【無駄】を【価値】に転換する」点にあります。習慣(個人が慣れ親しんだ行動パターン)や慣習(集団や業界が常識として従う暗黙のルール)の中には無駄があり、それは考え方によってプラスに転換できる可能性があります。

 この「習慣・慣習にある無駄」という観点で職場を見てみると、次のような考え方ができるかもしれません。

習慣・慣習 無駄の可能性
9時に始業する 通勤ラッシュに巻き込まれ、身体が疲労し、作業のパフォーマンスが落ちる
12時に昼食をとる 混んでいる飲食店に並んで、無駄な時間を過ごし、ゆっくりと体を休めることが出来ない。
夜遅く酒席に参加する 翌日の朝の二日酔いや体のけだるさが生じる時間
通勤する 通勤時間や通勤定期代
社内の稟議書や報告書 書類作成や書類整理、書類をまとめる行為が目的化し、実行が遅くなる
電話をする 作業が中断し、集中力が継続しない。ミスが発生する。
メールの挨拶文 丁寧に毎回入力する時間
書類の保管 保管スペースの無駄遣い

自社内で当然のように行っている慣習について、見直すべき項目がないか、社内で意見を出し合い、検討してみては、いかがでしょう。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただき、ありがとうございました。

2017.11.05

懲戒解雇と労基署の認定について

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

3連休も最終日ですが、中日の夕方以外は、行楽日和ですね。
私は、遠出はせずに、近場をサイクリングやドライブをしています。

さて、本題です。会社には懲罰委員会を設置されている場合があります。その懲罰員会で、例えば、11月30日を解雇とする決定が出た場合、労基署の認定を待たないと解雇が出来ないのか?否か?
結論からは言えば、労働者の責に帰するべき事由がある場合、解雇自体可能です。ただし、認定が出るまでに解雇をしても、その後認定が出たときは、その処分は申請の時にさかのぼって効力を発生することができます。
(通達 昭和63・3・14基発150号) 

万が一、労基署の認定が受けられなかった場合には、即時解雇としては無効ですが、使用者が即時解雇に固執する趣旨でない限り、30日の期間を経過するか、解雇予告手当を支払ったときに解雇の効力が生じます。この場合、即時解雇の意思表示以降、解雇の効力が発生するまでの間は、使用者の責に帰すべき事由による休業として、労基法第26条の休業手当の支払いを要します。

【労基署の認定が必要な要な解雇事由】

1. 天災事変のため事業の継続が不可能となった場合
2. 労働者の責に帰すべき事由に基づいて解雇する場合

解雇は、次の種類があります。

1.普通解雇
2.懲戒解雇
3.論旨解雇
4.退職願等の提出を勧告し、即時退職を求める論旨退職に応じない場合に、懲戒解雇をするといった取り扱い

しかし、労働基準法ではこれらの種類では区別されておらず、解雇に関する規定が適用されます。
その規定が、解雇制限(19条)や解雇予告義務(20条)です。 
20条によると、解雇しようとする場合、少なくとも30日前に予告をしなければならず、予告をしない使用者は、解雇予告手当を支払わなければならないとしています。また予告と手当を併用する形(20条2項)もあります。
この予告は次の者には、適用されませんので留意ください。
1.日々雇いいられるもの
2.2か月以内の期間を定めて使用されるもの
3.季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用されるもの
4.使用期間中の者
※ただし、使用期間中の場合であっても、14日を超えて引き続き使用された場合は、予告の適用があります。
予告の例外として、「労働者の責に帰すべき事由」に基づいて解雇する場合には、この限りではないとしています。
(予告不要)ここで、予告の適用が除外されます。
つまり、行政官庁(労基署長)の認定を受け、(20条3項)「労働者の責に帰すべき事由」に基づいて解雇する場合には、予告期間30日を待たずに、手当も支払わずに即時解雇ができます。 
この「労働者の責に帰すべき事由」かどうかの判定基準は、従業員の勤務年数、勤務状況、従業員の地位や職責を考慮し、基準に照らし、使用者、従業員の双方から直接事情等を聴いて認定するかどうかを判断するとされています。(通達 昭和23・11・11基発1637号) 
ここまで当事務所のブログを読んでいただき、ありがとうございました。

2017.10.29

無期雇用転換へのポイント

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士の郡山博之です。

今週も台風の影響で週末は雨ですね。2週間連続で雨が降ると、せっかくの休日が台無しになってしまいすね。
私事ですが、26日・27日は、遅い夏季休暇で、四国地方へ旅行に行ってきました。瀬戸内海の海と太平洋の海と両方見ましたが、どちらも気に入りました。もともと、私自身、鹿児島県の出身で、海を見て育っています。かなり、リフレッシュできました。

さて、本題ですが、ブログの記事で、平成30年の【無期雇用への転換】について、何度か書かせていただきました。
今回も、クライアントさんからの実際の質問を基にポイントをご案内します。

【無期雇用への転換】とは?

有期雇用契約が反復継続して通算5年を超えた場合、労働者から無期雇用への転換の申し込みがあった場合、期間の定めのない【無期雇用】に転換するルールです。

【無期雇用の転換】の申し込みは拒否できますか?

無期雇用への転換の申し込みが合った場合、その時点で使用者(会社)は、【申込を承諾したものとみなされる】ため、拒否することは出来ません。また、無期転換の権利が発生する前に、労働者にあらかじめ無期転換にを行使させないことを約束されることは、無効とされています。

【無期雇用】は、正社員と同じルールで雇用する必要がありますか?

有期雇用から無期雇用への転換は、パート・契約社員を【正社員】にすること。または、待遇(退職金・福利厚生・手当)などを同じにする意味ではありません。つまり、契約期間を有期から無期へ転換するだけであれば、賃金や労働条件を変更する必要はありません。
例:
これまで、週4日出勤で1日6時間勤務かつ時給958円のパート社員が有期雇用から無期雇用に転換しても、労働条件を変更しなくても問題ありません。

平成30年に向けた準備は?


1.有期雇用者の状況の把握

パート・契約社員の初回契約年月日、契約期間、更新回数、勤続年数など、平成25年4月1日以降の状況を把握

2.無期雇用者用の就業規則の整備

無期雇用者用の就業規則や雇用契約書を作成・運用。
万が一、労働トラブルが発生した場合、正社員の就業規則がそのまま適用されるリスクがあります。

3.手続書類の整備

【無期雇用契約転換申込書】などの書類整備をし、口頭による申し込みで、「言った」「言わない」などのトラブルの未然防止

ここまで、当事務所のブログを読んでいただき、ありがとうございます。


この記事で、ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。

2017.10.25

平成29年のパート収入と税金・社保の扶養の範囲

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

10月も下旬となり、そろそろ年末調整の時期に入ってきます。
平成30年度からの配偶者控除等の改正が大きく報道されさましたが、平成29年度は、従来の制度となりますので、ご注意ください。

103万円は配偶者控除のガイドライン

例:夫が会社員で、その妻のパート収入が年間103万円以下であれば、妻の収入には所得税は課税されず、夫は、自己の所得から配偶者控除を受けることが出来ます。配偶者控除は38万円です。
※妻の収入がパート収入のみの場合です。例えば、生命保険の満期一時金や損害保険の満期返戻金などの収入があると、所得が38万円を超えることがあるため、その他の収入が、あるか、否か注意が必要です。ただし、通勤定期代などの非課税の通勤費は、収入に含まれません。)
もし、妻のパート収入が103万円を超えますと、妻の収入には所得税が課税され、夫は配偶者控除を受けることが出来ませんが、妻のパート収入が141万円未満で、夫の所得合計額が1000万円以下(年収ではありません)であるなどの一定要件を満たせば、夫は、配偶者特別控除を受けることができます。

社会保険の扶養のラインは130万円

一般に、妻の収入が130万円以上になると、夫の社会保険(厚生年金・健康保険)の扶養家族(被扶養者)からはずれて、単独で社会保険に加入しなければなりません。
社会保険とは、国民年金・国民健康保険または、妻の職場での厚生年金・健康保険です。

来年度からの配偶者控除の改正は、改めて、ご案内します。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただき、ありがとうございました。

2017.10.22

特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)の創設

東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士郡山博之です。

本日も台風の影響で、雨が続いていますね。
明日の朝、通勤時間帯に関東直撃と言われていますが、交通機関の乱れがなければいいなと思います。
しかし、10年、20年前と違い、
・事務所電話は、携帯電話に転送可能
・自宅でも、事務所のEメールのチェックは可能
・クラウドシステムのため、交通機関が乱れ、事務所へ出勤が不可能な場合でも、PCがあれば、自宅等で、手続きの進捗状況などが確認可能です。また、手続きが完了した書類を、お客様へEメールでご案内することも可能です。


最近、在宅ワークが注力されていますが、まさに、上記のようなシステムの利便性が高くなり、わざわざ、広い事務所を借りて、通勤費に固定費をかけ、従業員に出社させるより、在宅ワークで、効率的に会社を経営されたいという、社長が多くなっているのでしょう。

さて、今後の法改正の1つとして、少し前は「ホワイトカラーエグゼンプション」と呼ばれていた改正案です。
ホワイトカラーの職種の一部について、多様で柔軟な働き方を認める必要があるなどの理由で、1日8時間などの法定労働時間並びに割増賃金などの適用を除外するということです。 

条件としては以下の内容が検討されています。
  職務の範囲が明確で一定の年収(少なくとも1,000万円以上)
  高度の専門的知識を必要とする等の業務に従事している(研究開発や金融、コンサルタントなどが対象となる予定)
  健康確保措置等を講じている(働く時間に上限をつける、年間休日数104日以上とするなど)
  本人の同意や委員会の決議がある 

また、制度の対象者について、在社時間等が一定時間を超える場合には、事業主は、その者に必ず医師による面接指導を受けさせなければならないこととされる予定です。

専門業務型裁量労働制度などと、一部、内容が似ていますね。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただき、ありがとうございます。

2017.10.18

月60時間超の時間外労働に対する割増賃金アップの猶予廃止

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士の郡山博之です。

本日の東京は、久しぶりに爽やかな晴れですね。
午前中は、所要で外出していましたが、気候が気持ちよかったです。

本日は、今後の労働基準法の改正予想の1つをご紹介させていただきます。

【月60時間超の時間外労働に対する割増賃金アップの猶予廃止】

平成22年から、「長すぎる残業(月間60時間以上)に対する割増率をアップする」という法律が施行されていましたが、中小企業についてはその適用が猶予されていました。この度、月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金率(25%→50%以上)について、中小企業への猶予措置の廃止が検討され、平成314月からの改正が検討されています。 

なお、猶予対象となっている中小企業は以下のいずれかの条件です。

資本金額    

小売業・サービス 5,000万円以下

卸売業 1億円

それ以外3億円以下

労働者数

小売業50以下

サービス業・卸売業100人以下

それ以外300人

ここまでブログを読んでいただき、ありがとうございます。

2017.10.15

フルタイムで働くパート社員の社会保険を未加入にできる?

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

先週末から、雨模様で気温も下がっています。皆様体調管理には十分気を付けてください。
今週は、月曜日から週末まで雨予報で、うんざりですね。

本日は、社会保険の強制加入事業所及び社会保険の非適用事業所について、当事務所への質問事例からご案内させていただきます。

(質問事例)
形態と業種:法人/弁当や総菜の製造・販売
従業員:10人
質問:フルタイムで働いているパート社員の社会保険を未加入にしたいのですが、それは可能ですか? 

回答:今回は、法人(有限会社)のため、加入しなくてはいけません

法人(株式会社、合同会社、有限会社等)であれば、従業員が1人でもいれば強制加入(役員が1人の場合も含みます。)となりますが、個人事業主の場合、従業員が5人以上であれば社会保険の強制加入の対象事業者となりますが、非適用事業であれば加入する必要はありません。 
非適用事業は下記の業種です。 
・農業 
・牧畜業 
・水産養殖業 
・漁業 
・サービス業(ホテル、旅館、理容、娯楽、スポーツ、保養施設などのレジャー産業) 
・法務(弁護士、税理士、社会保険労務士など) 
・宗教(神社、寺院、教会など) 
今回のご相談のケースが、仮に、個人事業主だとしても、弁当や総菜の【製造】と【販売】を行っているので、強制適用の対象となります。余談ですが、万が一、5人未満であれば、非適用事業者になります。 
これに対し、飲食・料理業は下記の理由から非適用事業者となります。 
「料理店・飲食店等は物の販売のみが目的ではなく、場所の提供、サービス等も含んでおり、社会通念上も販売業とは区別されている」(昭18・4・5・保発905号)。 
仮に、1つの事業所で異種の事業が併存的に行われる場合は、「1つの事業が他の事業に従属附帯するときは、“主なる事業”と一体的にその適用を決定」します(昭25・11・30保文発3082発)。 
つまり、個人事業主の飲食・料理店等は、
「主なる事業が販売であれば、従業員が5人以上の場合に限り、社会保険に加入する義務が発生」 
「主なる事業が飲食店であれば、従業員規模に関係なく非適用事業所」
となります。
当事務所の場合は、個人事業主の社会保険労務士事務所のため、社会保険は、非適用事業となります。一方、社会保険労務士法人は、強制適用事業となります。これは、上記に記載していますが、弁護士・税理士・行政書士等も同じです。
ここまで、当事務所のブログを読んでいただき、ありがとうございました。

2017.10.11

お客様の声 1

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士の郡山博之です。

本日は、【お客様の声】1をご案内します。
士業は、サービス業です。お客様の声を、常にお伺いし、是正することを心掛けています。

前段ですが、当事務所の特徴は、給与明細書=【web明細書】、社会保険・雇用保険などの保険手続=【電子申請】と最初のご面談時に、ご案内させていただいています。


当事務所のお客様のお問い合わせは、【新規に会社を設立した】【設立して、従業員が増えた】【今の社労士の契約を見直したい】【ご紹介】【人事労務関連をアウトソーシングしたい】のきっかけが多いです。

その中で、本日は、【今の社労士の契約を見直したい】のお客様の声をご案内します。
会社名や個人情報はふせます。仮名や仮称も控えます。

1.社会保険や雇用保険、労働保険の手続きについて

他の事務所と顧問契約を結んでいたが、従業員が入社・退社して都度、1届出あたり、請求されて、月単位・四半期単位・半期・決算と通じて料金の計算をしたら、想定外に費用がかさんだが、当事務所は、毎月の固定費で、予算が管理できる。

また、入退社手続きの都度、社会保険、雇用保険の手続きのため、代表者印の捺印手続のためにだけ来社して、自分たちの仕事を中断し、対応する時間など工数が多かったが、当事務所は、入退社の都度の時間をかける工数が減り、本来の業務に集中できるようになった。

2.給与計算について

今まで、紙の給与明細書で、自社内で計算をし、給与支給日前日まで、訂正や修正が発生した場合、紙の給与明細書のため、日付がかわるぞ間まで、給与明細書を印刷し、封入作業ををしていたが、当事務所に依頼してからは、【web明細書】のため、印刷や作業の時間的コストが大幅に削減でき深夜を超えた、給与支給日前の残業時間の低減がはかれた。

など、顧問契約を締結し、1年以上経過のお客様のご意見、感想です。

当事務所は、そのお声を励みに、IT化とペーパーレス化をさらに推進しようと思います。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございます。

2017.10.08

パワハラで退職し、その後のハローワークの対応

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

今日の関東地区は、爽やかな秋晴れでした。運動会も多かったようです。
私は、愛車を洗車し、茨城方面までドライブに行きました。

さて、本題です。私の友人の実例をご案内します。
特に弁護士や社労士にも相談せず、会社都合による退職を勝ち取った事例です。
※若干ですが、私には相談があり、勿論、友人ですので、アドバイスしました。

この事例は、関東地区ではなく、私の出身地方面ですが、私の友人が、7月末に2年ほど勤務した会社を退職しました。
同僚と2名で退職したのことです。

原因は、直属の上司の【パワハラ】です。直属の上司ということは、経営陣までは、耳に入っていない【パワハラ】行為でした。プライバシーの問題もありますので、業種やパワハラの内容は、割愛します。
退職後、離職票が送られてきて、離職票の会社記入欄の退職理由は、【自己都合による会社】となっていました。
【パワハラ】行為が判明しても、会社側としては、【会社都合による退職】の事案があると、その事案から1年間は、【助成金】を請求することもできなくなりますので、こういう事例が頻繁にあるようですね

友人達は、ハローワークに行き、会社側の書いている【自己都合による退社】に対して、【異議あり】ということで、交渉しました。また、これまでの【パワハラ】言動などを、日付順にメモをしていたとのことです。そのメモをハローワークに提出しました。

交渉のおかげで、ハローワークの職員が早速、動いて、まずは、会社側に確認したようです。しかし、明確な回答がなく保留でした。しかし、次に、ハローワークの職員の対応は、同じ職場の数人に対して、確認の連絡をとり、【パワハラ】があったか?なかったか?の確認をしたようです。その確認時に、数名中2名が、【パワハラ】があったとの証言があり、その証言をもとに、再度、会社側と交渉をした模様です。結論として、【会社都合による退職】となったとのことです。自己都合と会社都合の違いは、自己都合は、3か月間の待機期間があり、すぐに失業保険の請求が出来ません。しかし会社都合は、7日の待機期間以降は、失業保険の請求が可能となり、3か月間待つ必要がなくなります。

勿論、友人の会社の【パワハラ】は、あるまじき行為ですが、経営者が、職場の責任者に任せすぎて、こういう事実があったこを把握していないことが問題だと考えます。経営者であれば、責任者クラスの言動のみ信じるのではなく、やはり、職場や現場の方の意見を聞き、経営に活かすことをしないと、「私は、責任者に任せている」とでは、済まされない問題です。

また、今後、ハロワークで求人を出しても、友人がいた会社は、記録に残っているため、なかなか応募者が来なくなる現象が起きます。

私のサラリーマン時代もそうですが、中間管理職は、経営者に自分に都合のより話飲みして、部下や一般社員の声を伝えず、または、無視して、経営者の耳に入る機会がまったくない会社がありました。勿論、私が20代、30代前半の頃は、現在よりも、労務管理が甘い会社もあり、インターネットも普及しておらず、問題が発生することがなかった時代ですし、サラリーマンなら仕方ない。当たり前。という時代でした。

しかし、今の時代は、そうは、行きません。

経営者の労務相談、経営相談、リスクマネージメント相談などお気軽に当事務所にお問い合わせください。

ここまで、ブログを読んでいただき、ありがとうございます。

2017.09.27

社員の健康への投資方法

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の郡山博之です。

最近、残業代や社員の健康教育など、耳にしますが、社員の健康への投資の方法をご案内します。
方法として3つが挙げられます。
1.福利厚生として費用をかけて行うもの
2.手当を支給するもの
3.労働時間に働きかけるもの

福利厚生として費用をかけて行うもの

一般健康診断、脳ドックや婦人科系の検診などのオプション検診、医師ストレスチェック面談などの「健康異常を発見するもの」のほか、社員食堂にてバランスのとれた食事を提供する、昼寝を推奨するために仮眠スペースを用意するなどです。

手当を支給するもの

健康推進のための行動に対する手当を支給することで、健康行動を促進するという方法があります。
よくある例が、禁煙手当、自転車通勤手当、早朝手当などがあります。最近は、大手商社も早朝出勤となっていますね。

労働時間に働きかけるもの

長時間労働が健康に悪影響を及ぼす可能性を考え、強制的に労働時間を短くするという方法です
よくある例が、ノー残業デーを設定したり、警備保障会社と契約して施錠時間を早めたりするという環境に直接働きかける方法があります。

ご参考にしていただけましたか?

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございます。

2017.09.24

雇用契約関係を終了させたいときの適切な対応について

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表 郡山博之です。

本日は、秋らしい快晴ですね。9月も残り1週間のみとなり、2017年も残すは3か月となりました。毎年ですが、この時期から年末までは時間が過ぎていくのが特に早くなる気がします。

さて、政府が注力している「働き方改革」の影響で、時間外労働の上限規制といった労働環境の改善が急速に進んでいます。 従業員の権利意識が高まる中、雇用主としては適切な対処方法を心得ておかなければいけません。 
本日は、【雇用契約関係を終了させたいとき】についてご案内します。

従業員との雇用契約関係を終了させる方法は以下の3つがあります。 

①従業員の辞職 
②従業員の合意退職 
③解雇 
①従業員の辞職が最も理想ですが、従業員の意思のため不確実です。
③解雇は、有効と認められるためのハードルが高く、従業員から未払賃金や残業代などを請求される可能性もありリスクが高い方法です。 
①従業員の辞職③解雇より、②従業員の合意退職を目指すのが最も現実的です。
③合意退職を目指して、従業員に対して【退職勧奨】することを考える雇用主もいっらしゃいますし、過去にいっらしゃいました。 
【退職勧奨】とは、
人事権に基づき、雇用関係にある者に対し、自発的な退職意思の形成を慫慂(しょうよう:誘いかけ勧めること)するためになす説得等の行為であって…単なる事実行為である
(最判昭和55年7月10日:下関商業高校事件)とされています。 
頻度や回数、勧奨する人数、環境、優遇措置の有無など、各要素を総合して見て、違法なのか否かが判断されます。 
つまり、退職勧奨が適法であり、有効なものとなるよう、各要素を総合して専門的な判断をすることが、従業員との雇用契約関係を終了させるために必要不可欠です。
根本的に大切なことは、雇用主の一方的な意思表示で成立はしません。従業員との話し合い、同意が必要なのです。
労務管理でご不明な点は、当事務所へご相談ください。
ここまで、当事務所のブログを読んでいただき、ありがとうございます。

2017.09.20

最低賃金と労働市場の関係

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士の
代表の郡山博之です。

来月から最低賃金が変更となります。9月に入り、現在の最低賃金ぎりぎりで経営をされているクライアントさんに対して、賃金見直しのご案内をさせていただいています。

経営者のお話をお伺いすると、経営状況も厳しいのに、賃上げ?と悩まれる場合もあります。
最低賃金は、法律なので遵守が必要なのです。

最低賃金が20円上昇すると、最低賃金ギリギリの月給者の給与を3,000円以上、上げる必要があります。他の社員との公平性を考えると全員の給与をベースアップせざるを得ない場合も有ります。
一方で、昨今の労働市場の「売り手市場化」により、そもそも最低賃金ギリギリでは応募が少なくなり、止むを得ず募集の賃金をすでに上げている企業も多くなっています。
最低賃金1000円時代に備え、賃金体系を見直すことも今後必要になると考えます。
今後どのように人材の価値を考えるかが経営における課題になってくるのはいうまでもありません。
また、人員の見直しも必要になってくるかと考えます。
ここまで、弊所のブログを読んでいただき、ありがとうございます。
企業経営に関する労務のことなら、お気軽にご相談ください。
 

2017.09.17

残業代請求が 起こる原因

東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の郡山博之です。

過重労働に対する監視、監督の目が厳しくなっています。世間は「長時間労働を許さない」という風潮になってきています。
それでも企業によっては危機管理が十分でなかったり、ビジネスモデルの限界があったりといった理由で残業代対策が十分にできず、新たな未払残業代請求事件が生まれています。

 

この「未払残業代請求」は、どのような原因で起こるのでしょうか。3つの要素があります。

1感情

【未払残業代請求】は、法律で保護されるべき権利主張です。きっかけは「権利意識」というよりも「感情」にあると考えます。下記に列挙したような感情的不満がある社員が企業に対して交渉力を持たない場合に、「交渉手段として法的権利の主張という方法を選ぶ」ということです。

未払残業代のきっかけとなる感情例
嫉妬 同僚と不公平な取り扱いを受けている、指導が公平でないと感じている。特に昇給や昇格によること
が多いと考えます。
苛立ち 誰にでも持っている要素ですが、人生が自分の思う通りに行かないこと。
確執 上司・同僚・家族との人間関係がうまくいかないなど。
不安 金銭不安や健康不安など
劣等感 学生時代の友人との経済格差など

 この「感情」本人の感情に限らず、配偶者や親などの感情も影響します。帰りが遅い夫になり代わって妻が感情的不満を募らせることもあります。

2情報

スマートフォンの登場により、労働基準法で保障される権利の情報へリーチすることが容易になりました。試しに「残業代 請求」と検索すると弁護士のサイトや、請求文書を内容証明郵便で送る方法が沢山でてきます。
また、本人の周囲の人間関係からも情報は入ってきます。法律に詳しい友人知人、いる知り法令遵守が当然の大手企業に勤めて合い過去の同僚配偶者や親など、情報流入ルートは多様にあり、遮断することはほぼ不可能でしょう。

3労務管理

【固定残業制度】を導入したり、【変形労働時間制】を採用したり、【休憩時間の確保】や【ノー残業デー】を行ったりする行為は、請求をされた時の支払いリスクを減らす目的で実施します。拘束時間の長いサービス業においては完璧に未払残業がない状態にすることは容易ではありませんが、無策のままでいるとダイレクトに残業代リスクが降りかかってくることになるため、何かしらの対策は必要です。

労務管理上の企業の対策

この原因うち、【2情報】については企業がコントロールすることはほとんどできません。【3労務管理】をきちんとすることは当然ですが、まだ、【労務管理】を整備されていない場合は、早急な対応が必要です。従業員が10人未満であっても、【就業規則の作成】【勤怠管理】【賃金規程】【賃金計算根拠】は、最低限、制度化することが大切です。


しかし、いくら【労務管理】をしっかりしても【1感情】のケアをしなければならないことは理解が必要です。
浮かない顔で仕事をしている社員はいないか?、えこひいきをして嫉妬心を煽っていないか?、経営陣と労働者の経済格差を不満に思われていないか?、見直してみることも必要と考えます。

ここまで、弊所のブログを読んでいただき有難うございます。

【就業規則の作成】、【就業規則の見直し】、【賃金制度の作成】、【賃金根拠の作成】は、お気軽に当事務所へお問い合わせください。

2017.09.13

最低賃金の最低賃金クリアとは?

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の郡山博之です。

10月に最低賃金法が改定されますが、本日は、最低賃金クリアの根拠をご案内します。
最低賃金は時給で定められていますので、時給者はそのまま時給比較をすればクリアしているかどうかがわかります。しかし、日給や月給で払う場合は、時給に換算して最低賃金額と比較する必要があります。
比較のためには以下の【所定労働時間】と【対象となる賃金】を正しく計算する必要があります。

所定労働時間

18時間、週40時間(一部44時間)の【法定労働時間=所定労働時間】の場合は、年間の労働時間から月当たりの平均を出して計算します。
40時間×年間52週÷12ヶ月≒173時間

法定労働時間より短い所定労時間を定めている会社の場合は、月間の所定労働時間も少なくなります。週35時間のケースをご案内します。
35時間×年間52週÷12ヶ月≒151時間

対象となる賃金

月給者などの最低賃金の計算の際、基本給に「合算する手当」と「合算してはいけない手当」があります。 

合算して良いもの

役職手当、職務手当、国家資格手当など

合算してはいけないもの

・臨時に支払われる賃金や1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
・残業手当・休日手当など
精皆勤手当、通勤手当および家族手当※1、子女教育手当、住宅手当※2

これらは単なる例示ではなく、限定的に列挙されたものです。つまり、これらに該当しない賃金は、全て割増賃金の基礎賃金としなければなりません。

※1上記の家族手当が支払われていた場合であっても、実際にこれらの手当を除外するにあたっては、単に名称によるものでなく、その実質によって取り扱うべきものとされています(S22.9.13 基発第17号)。例えば、生活手当等と称していても、実質的に家族手当に該当するものは除外できますが、逆に家族手当の名称であっても、実質的には別の手当である場合は、除外されないことになります。なお、家族手当とは「準として算出した扶養家族数又はこれを基礎とする家族手当額を基手当」です。したがいまして、均衡上独身者にも一定額の手当が支払われている場合には、独身者に支払われている部分(又は扶養家族のある者に対して「本人分」として支払われている部分)は、家族手当ではないとされます(S22.12.26 基発第572号)。

※2上記住宅手当が支払われた場合でも、算入しなければならない住宅手当があります。
例えば
 ・賃貸住宅居住者には2万円、持家居住者には1万円を支給することと一律に定額で支給されているようなもの。
・扶養家族がある者には2万円、扶養家族がない者には1万円を支給などと住宅以外の要素に応じて定率または定額で支給されているようなもの。
・全員に一律に定額で支給することとされているもの。

 ここまで、弊所のブログを読んでいただきありがとうございます。

ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。


2017.09.06

下請会社従業員の業務中の交通事故による元請の損害賠償責任

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の郡山 博之です。

今年も9月に入り、2017年度もまるまる3ヶ月となりました。
8月から東京は、天候不順で本日も雨です。
これまでの日本は、四季豊でしたが、今後は、日本らしい四季も楽しめなくなるのでしょうか?

さて、本題です。
顧問先さんから、ご相談を受ける事例です。

下請会社の従業員さんが、業務中に交通事故を起こしてしまい、被害者から元請会社に「損害賠償請求」がきた場合に、損害賠償請求に応じる必要がありますか?あくまでも交通事故を起こしたのは、元請会社の従業員さんではありません。

この場合は、下請け会社の従業員さんが起こした交通事故は、原則、元請会社が損害賠償責任を負うことはありません。下請会社の従業員さんが業務中に事故を起こした場合、下請会社は被害者に対して損害賠償責任を負わなければいけません。これを使用者責任といいます。

しかし、労働基準法でよく言われますが、元請会社が下請会社の従業員さんに直接指揮監督をしていた場合は、損害賠償責任を負うことがあります。

業界によりますが、一般的に建設業界では、元請会社が下請会社の従業員に対して指揮監督を直接するケースが多いです。
たとえば、下請会社の作業現場に元請会社の従業員を監督として派遣して、下請会社の従業員に作業や安全保持に関して具体的な指示をしていた場合です。
この場合は、下請会社の従業員を自社の従業員と同じように働かせていると捉えられ、賠償責任を負うことがあるのです。元請会社の従業員が指揮監督を直接していなかったしても、雇用や雇用後の監督について指示をしたり、干渉したりしていると、間接的な指揮監督関係が認められることもあるので注意が必要です。 

今回は、交通事故の事例などでご案内していますが、建設現場などでは、賠償関係や労災関係が複雑になっています。
1人親方や下請会社の経営者は元請会社の労災には入れません。

ご不明な場合は、弊所へお問い合わせください。

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2017.08.23

人ごとでない「パワハラ問題」

東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の郡山博之です。

ここ数日、東京はやっと天気が夏に戻ってきました。
少しほっとしています。

さて、先月迄、マスコミをにぎわせたパワハラ問題。
国会議員が秘書に対して行った暴言が録音され世間に好評される事件は、世間でパワハラが大きく注目されるきっかけになりました。手軽に録音や録画ができる現代では、パワハラの証拠として上司の言動を記録することが簡単にできます。

このをきっかけとして「自分も録音をしようか」と考えた人もいるかもしれません。トラブル予防のため、パワハラとは何か、どんな問題があるかについてご案内します。 

パワハラの定義

厚生労働省は、職場らのパワーハラスメントについて以下のように定義しています。

同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の定期性な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えるまたは、職場環境を悪化させる行為

具体的には、次の6類型を典型例とされています。

身体的攻撃 暴行・障害
精神的な攻撃 脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言
人間関係からの切り離し 隔離・仲間外し・無視
過大な要求 業務上明らかに不用なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
過小な要求 業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと
個の侵害

私的なことに過度に立ち入ること

議員の何が問題だったか

今回の議員は、「容姿を非難した行為」「大声で恫喝した行為」が精神的な攻撃に、「運転中に暴力を振るった(らしい)こと」が、身体的な攻撃に当たるとおもわれます。その他、過大な要求行為もあったのかもしれません。いずれも「議員と秘書」という職場内の優位性を背景として行われたことであると考えると、パワハラ行為といえそうです。しかし、最も大きな問題点は、「暴言を録音され暴露されるという報復」を受ける可能性を議員が予見し、自己を抑制できなかった点にあるのではないでしょうか。「パワハラの定義」を知らずとも、人格を否定するような暴言や暴力を続ければ相手を精神的に追い詰めてしまうことは予見できるはずで、追い詰められた人間が直接的に、あるいは間接的に報復をする心情になることもまた予想しなければならなかったのでしょう。

今回の事件から職場の教訓

報道されている内容は物事の一部を切り取っているに過ぎず、実態はわかりません。議員に同情する余地があるほど当該秘書の職務能力に問題があったのかもしれませんし、議員に「指導熱心で思いやりがある」ポジティブな側面もあったのかもしれません。しかし、いったんパワハラ事案が発生してしまうと、職場全体の士気が下がったり、労働者との紛争が発生したりと、その解決に時間と労力と金銭を要します。

パワハラ行為への報復として、「録音された言動をSNSで拡散される」という信用ダメージや、「裁判を起こされる」「傷害事件として刑事告訴される」などの紛争が起こる危険性があることにまずはしっかり留意し、「相手に敬意を払い、イライラしてもグッと我慢して冷静に話すこと」を心がけてください。

ここまで弊所のブログを読んでいただきありがとうございます。 

2017.08.20

定年後の再雇用にも有期雇用の無期転換制度は当てはまるか?

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の郡山博之です。

先週までは、世の中お盆休みのためか、電車が空いていましたね。毎日、これくらい電車が空いていたら、通勤も楽なのになと思いました。しかし、関東地区は、8月に入って、毎日雨が降り、天候の影響により、農作物の高騰が危惧されます。

さて、前々回のブログで有期雇用契約者に対しての平成30年問題「無期雇用契約への転換」をご案内しました。
もともと、有期雇用契約となっている若年層に配慮して、この制度は生まれました。 
最近、就業規則作成のご依頼や見直しの中で、60歳以降の継続雇用契約や定年の件で質問・相談を受けます。
通常は、65歳までの1年更新で規定することが多いですが、まれに、
「弊社は、70歳まで大丈夫だから、65歳までではなく、70歳まで継続雇用契約制度を認めてもいい。」
と言われる場合があります。
ここで、問題となるのは、定年退職後の継続雇用者が無期雇用契約への転換を求めた場合です。 
60歳で定年退職した方が1年更新の有期雇用契約として雇用を延長し続けていると、5年経過後には無期雇用契約に再度戻す必要があると考えられるからです。 
この点については、就業規則等で再定年を設定するなどの対応が必要といわれています。
さらに、無期転換の申出・申込のタイミングによって、制度設計の仕方や契約内容の内容を変えないといけません。 
具体的には以下3つの検討が必要となります。 
1.定年年度よりも前の段階で無期転換の申し込みがされた場合や定年年度かつ定年以前の段階で無期転換の申し込みがされた場合の定年および定年退職日 
2.定年を過ぎて定年退職日までの間に無期転換の申し込みがされた場合の申し込みの有効性と定年退職日の再設定の要否
3.再雇用期間中に無期転換の申し込みがされた場合の定年後の再雇用特例適用の可否 。70歳まで継続雇用制度を活用とすると、運用を取り決めないと発生しうる問題です。


厳密に、就業規則や雇用契約書で明確に規定する必要があります。

平成30年から実際の転換が始まりますので、今後の事例の集積が待たれます。この集積された訴訟等の事例を勘案し、十分な制度の設計が必要だと考えています。
1度、就業規則や雇用契約書を見直ししても、万全ということはありません。訴訟等などの事例を勘案し、常に見直しが必要となってきます。
就業規則や雇用契約書など労務管理は、弊所へご相談ください。
ここまで、弊所のブログを読んでいただきありがとうございます。

2017.08.16

長時間残業やサービス残業の問題とリスク

東京・澁谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表 郡山博之です。

本日まで、お盆休みの企業様も多いでしょうか?
しかし、8月に入ってから関東は雨、曇り。
私は、暦通りに仕事をしていますが、この天候に毎日うんざりしです。

長時間労働やサービス残業。報道でよく取りざたされていますね。
経営者の方は、
「ある程度は仕方ないし、従業員も納得している」
「法律どおりにやってたら、現場ではまわらない」
『これまでもそうしてきたから』
と言われるケースがあります。
しかし、長時間労働に関する労災事件などがニュースで毎日のように報道され、労基法違反企業名も公表されるようになり、誰もが頻繁に、簡単にニュースなど、情報を得る機会が多い世の中です。
また、残業の上限時間や高度専門業務に終業する方を対象とした「残業代ゼロ法案」についても法改正がなされる流れにあるなど、長時間労働やサービス残業に対する法規制も厳格化しています。
では、社員が、長時間労働が原因でうつ病などになり、働けなくなったり、またはお亡くなりになったら、どういうリスクが発生するか?
○うつ病などの精神疾患について、厚生労働省は、労災の「業務上の災害」に認定する基準を定めています。
その基準は、残業時間により下記の通りです。
80時間超  ⇒ 労災として認められやすい
100時間超 ⇒ かなり高い確率で認められる
160時間超 ⇒ それだけで労災認定される
○労災として認められると、「長時間労働を原因とする安全配慮義務違反」の民事上の損害賠償請求が会社に対して行われることが多くなります。
一般的に、労災の認定で給付がされたとしても、労災保険ではカバーされない範囲があります。
具体的なものとしては、
☆慰謝料
☆逸失利益(将来稼いだであろう収入相当額)
その額は、年齢や年収によって決定されますが、賠償額が億単位となることもめずらしくありません。
数千万~億単位の賠償となれば、それだけで会社の存続ができなくなります。
民事は金銭の問題ですが、労基法違反はそれに留まらず、刑事の問題にもなりえます。処罰の対象は、会社のみならず、
個人に対してもあります。社長だけでなく、役員、人事の担当者、現場の時間管理者などもありえます。
会社の方針、指示でやっていたことだから、自分は関係ないと簡単には責任逃れできません。
長時間労働やサービス残業など今までとやり方を変えることは大変です。
目先の売上や利益が減るかもしれません。
しかし、このご時世だからこそ、人員配置や勤怠管理、就業規則の見直し、公平な人事制度の導入などを検討する時期かもしれません。
ここまで、弊所のブログを読んでいただき、ありがとうございます。

2017.08.12

労働契約法の平成30年問題について

東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の郡山博之です。

ここ最近の関東は、梅雨に逆戻り。昨年もそうですが、最近の8月は、夏らしくないですね。
世の中は、お盆休みですが、どこに出かけても渋滞・人が多いということで、自宅でのんびり過ごしています。

さて、本題です。弊所のクライアントさんでも、1年更新の契約社員を雇用されていまして、この平成30年問題に真剣に取り組まれています。

平成30年問題とは?

平成25年4月に労働契約法が改正され、有期労働契約を更新し通算5年を超えた労働者から無期雇用転換の申し込みがあった場合は無期転換しなければならないルールとなりました。平成30年4月に改正法施行から5年が経ちますので、初めてこのルールによる無期雇用転換申し込みの可能性が発生します。

法律の内容について

平成25年4月1日以降に有期契約を開始又は更新している場合に、通算5年を超えた段階で労働者から申し出があった場合、無期雇用転換をしなければなりません(希望がない者を転換する義務はありません)。転換後の労働条件は、他に定めがない限り直前の有期契約時と一緒にするのが原則です。

本人からの申込みにより、契約期間の途中で無期雇用に転換しなければいけないわけでなく、次の契約更新のタイミングで無期契約転換をすれば事足ります。ただし、途中に「契約のない期間が6ヶ月以上」ある場合は、前後の有期労働契約は通算されず一旦リセットされます。
無期雇用転換は危険か
無期雇用転換をしたからと言って、どんなことがあっても継続して雇用しなければならないわけではありません。長く在籍してもらうことが前提ですが、他の正社員同様、就業規則等でルールを定めてあれば、職種の変更をしたり、服務規律違反などの問題行動に対して減給などの懲戒処分をしたり、経済事情により止む無く解雇したりすることは不可能ではありません。
契約社員を無期雇用転換することで労働量の調整がしにくくなる点は否めませんが、たとえ契約社員であっても、契約を数年に渡り複数回更新している人を雇い止めするには、事前予告など解雇に準じた配慮と雇い止めの合理性に対する説明努力が必要となります。無期雇用転換が著しく経営リスクを高めるとは限らないのではないでしょうか。
対策1: 雇い止めをする対象者への説明
能力や適性、経済的事情などの理由で無期雇用転換をしないことが決まっている場合は、今年度の契約において「次は更新しないこと」又は「更新しない理由」を期間満了の30日以上前までに伝えてください。その際、「契約更新をされる人」と「更新をされずに雇い止めになる人」の両方がいる場合は特に配慮が必要です。労働者側は「公平性」に対して特に敏感に反応をしますので、『単なる好き嫌いでなく、仕事上の能力や職種、人員配置上合理的な理由がある』ことをきちんと説明できるようにしておいてください。
対策2: 助成金の活用
この法改正をきっかけとして有期契約労働者の無期転換化を先行して推し進め、助成金の受給を狙うことも検討できます。キャリアアップ助成金など、無期雇用転換の取り組みに対する助成金も検討材料に加えると良いでしょう。
ここまで、弊所のブログを読んでいただき、ありがとうございます。
 

2017.08.06

残業代計算と計算から除く手当について

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所の
代表 郡山 博之です。

8月に入り、東京地区は、夏らしい灼熱の太陽がなく、雨や曇りの日が続いています。
先々週から、弊所も、業務が増えてきて、職員を募集していましたが、無事に職員さんに内定をだし、弊所にご入所いただくことになりました。弊所の戦力として、頑張っていただきたいです。

さて、本題ですが、弊所のお客様から、よく、質問がある労務関連についてです。このブログを読んでいただいている経営者も、再度、ご確認ください。

残業代(割増賃金)計算の基本について

法定労働(1日8時間・1週間40時間)を超えた残業については、時給単価に25%の割増賃金を支払う必要があります。
例:
時給が1,000円の従業員の場合、1,250円

法定内残業分(1日7時間の始業・終業時間の場合など)の残業代については、就業規則や労働契約等において、特段の就業規則上の定めがない場合は、割増無しの「時給単価(例:時給1,000円)」で計算します。

深夜22時から翌日の午前5時までの時間帯に残業して労働した場合には、時給単価に50%以上の割増賃金を支払う必要があります。また、残業ではないけど、交代制などで、労働ずる場合は、時給単価に25%以上の割増賃金を支払う必要があります。

残業代(割増賃金)の計算から除く手当は?

一般にちんぎんには、業務内容と関係なく、個人的な事情や属性に基づいて支払われる手当があります。労働基準法では、割増賃金から家族手当、通勤手当などは、除くと言う規定があります。
時給単価から除外される賃金

●家族手当    ●通勤手当
●別居手当    ●子女教育手当
●住宅手当    ●臨時に支払われた賃金
●1カ月を超えるごとに支払われる賃金

※上記に該当しない手当は、全て割増賃金の対象になります。また、上記の内容に該当しても、割増賃金の対象となる場合がありますので、詳しくは、弊所に、お問い合わせください。

残業時間の単位は?

割増賃金の計算は、原則として、毎日の時間が労働時間を1分単位で正確に計上するのが正しい残業管理です。労働時間の端数計算を、四捨五入ではなく常に切り捨てで計算することは、認められていませんので、ご注意ください。

ここまで、弊所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2017.07.29

契約社員の期間満了 手続きについての注意点

東京・渋谷区のアリスト社労士事務所
代表の郡山 博之です。

本日は、有期雇用契約について、その契約社員の期間満了の際の手続きについての注意点をご案内します。

採用した社員がきちんと想定どおり働いてくれるかは、実際に働いてもらわないとわかりません。そのため、能力や適性を見る目的、または労働力調整の目的で最初に「有期雇用の契約社員」として雇うことがあります。この契約社員がもし企業とマッチングしなかった場合、企業は契約更新をせずに雇い止めをすることも選択肢に考えますが、そこには注意すべき法律上の制限があります。

1. 更新の有無と更新条件の明示

契約社員として雇い入れる時に、「その人の契約が更新となることがあるか」「更新条件はどういう風に決まるか」をきちんと伝えなければなりません。(労働基準法15条)通常、企業側としては「いい人・デキる人だったら更新したい」「会社の経営状態がよければ更新するかもしれない」と思いますが、それらの更新の基準をきちんと明文化して雇用契約書などで伝えておきましょう。

<例>

契約更新の有無

①自動更新 ②更新の場合がある ③更新しない

判断基準

①契約期間満了時の業務量

②勤務成績・態度

③能力 ④会社の経営状況

2. 雇い止めの予告

何度も契約更新している場合や、契約社員としての期間が一定の年数になっている場合、働いている側も契約更新を期待します。
期待していて急に雇い止めになると労働者が困るということから、一定の基準を超えた契約社員に対しては、30日以上前の「雇い止めの予告」をするよう厚生労働省の基準で定められています。雇い止め予告が必要な条件は次の通りです。

     契約が合計3回以上更新されている場合

     契約期間が1年以下の労働契約が更新、または反復更新され、 最初に労働契約を結んでから継続して合計1年を超える場合

     契約期間が1年を超える期間の労働契約を結んでいる場合

※あらかじめ更新しない旨明示されている場合を除く。

3. 雇い止めの合理性

有期の契約を結んでいるからといって、雇い止めの理由が何でもいいわけではありません。重要なポイントは「就いている仕事が季節的・臨時的か、それとも恒常的か」と、「更新手続きが厳格にされていたか」の二つです。雇い止めで揉めないためにも、更新の条件(特に能力や適性、成果に関する基準)をできるだけ詳しく決めておいた方が良いす。

4. 無期雇用への転換義務

期間の定めのある労働契約を結んでいた場合でも、会社で通算5年にわたり有期契約を更新していた場合で、労働者が「無期雇用に変えて欲しい」と申し出をした場合は、無期雇用に転換しなければなりません。
契約期間が通算5年を超える場合に無期転換の申し出が可能ですので、例えば3年間の有期雇用契約を締結している場合は、初めの3年が満了し、2度目の契約期間中に無期転換の申出が可能となりますので、注意が必要です。
契約社員を雇用している場合、上記の点に注意しながら労務管理をするようにしましょう。契約社員の契約書整備や処遇決定などに関するご相談は当事務所にお寄せください。
ここまで、弊所のブログを読んでいただき、ありがとうございます。

2017.07.26

どこから残業になるのか?-所定労働時間を超えると残業-

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の 郡山 博之です。

本日は、クライアントさんからよく質問の1つですが、「どこから残業になるのか?」について、ご案内します。

労働基準法では、「法定労働時間」として「1週間につき40時間、1日につき8時間まで」を条件としています。
「法定労働時間」の範囲内で、1日7時間など、会社が決めた労働時間が「所定労働時間」となります。
よく、混同されますが、「法定労働時間は8時間」「所定労働時間のMAXも8時間」ということです。
例えば、9時始業で17時終業(休憩1時間)の場合は、所定労働時間が7時間になります。
所定労働時間が終了した時刻から、法定労働時間の時刻までの部分の残業は、「法定内残業」になります。
例えば、1日の所定労働時間が7時間の会社が、法定労働時間の8時間働いた場合、1時間の法定内残業が発生します。
労働時間が法定労働時間(1日8時間、1週間40時間)を超えますと「法定外残業」となります。
ここで、ポイントは、1日の労働時間だけでなく、1週間の労働時間も同様に、法定内残業、法定外残業が発生します。

ここまで、弊所のブログを読んでいただき、ありがとうございます。

ご不明な点は、お気軽に、お問い合わせください。

2017.07.21

最近の労基署の是正勧告事例

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の郡山博之です。

梅雨もあけて、今年の夏は、猛暑ですね。
毎日、暑い日々が続きています。

さて、本題ですが、最近、宅配大手Y運輸の残業代未払い問題など、「残業」が社会的な関心になっています。
労働時間のどこからが残業時間となり、どこからが残業代(割増賃金)が発生するのか、残業時間と残業代について、
ご案内します。本日は、労働基準監督署の是正勧告事例をご案内します。

最近の労基署の是正勧告事例

労働基準監督署は、企業を調査し、労働基準法などの違反があった場合、事業主に対して是正勧告を行います。是正されない場合や、勧告に従わない場合は、送検することもあります。

事例1 「配達業務のみを労働時間とし、社内業務の算入をしなかった」

Y運輸の横浜市内の支店が、ドライバーに、
「昼食休憩を与えていなかった」「残業代の未払いがあった」ことから、労働基準法違反として、是正勧告を受けました。同支店では、タイムカードの他、ドライバーが配達時間を管理する携帯端末で労働時間を管理していましたが、携帯端末の稼働時間のみで、労働時間を計算し、支店内の業務の大部分が算入されていなかったです。これは、配送業務だけでなく、事務作業なども含み、使用者や管理者の指揮・命令下にあれば、当然に、労働時間となります。

事例2 「パソコンのログオフ記録から出勤簿との相違を指摘された」

B社は、「出勤簿」と、社員が事前に申請する「残業届」によって、残業時間を把握し、残業代を支払っていました。しかし、労基署の調査によって、パソコンのログオフ記録やEメールの送受信記録履歴から、時間外労働が正しく把握されておらず、「残業代が適切に支払われていない」として、労働時間を適正に把握すること、過去の労働時間の実態調査を行って、未払い賃金(残業代不払い)の不足額を支払うよう勧告をうけました。

事例3「始業5分前が勤務時間とされた」

C社では、15時から20時の勤務時間にあわせて労働時間としていましたが、実際には、始業の14時55分から勤務時間としていましたので、15時までの5分間についても、勤務時間として、未払い残業代の支払いを労基署から勧告されました。

ここまで、弊所のブログを読んでいただき、ありがとうございます。

2017.06.22

アルバイト雇用の注意点

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の郡山博之です。

昨日の東京や埼玉は、まるで台風のように、風や雨が強かったです。私も、外出をしていまして、靴やズボンがびしょ濡れになりました。
しかし、一転、本日は、晴れて、蒸し暑かったですね。

さて、本題です。セブンイレブンのフランチャイズ店舗における違法な罰金制度が社会的に問題視されたことを背景として、平成29年4月1日から7月31日まで (特に多くの新入学生がアルバイトを始める時期)の間、厚生労働省が労働基準法の決まりを広報するキャンペーンを行っています。

キャンペーン取組内容
キャンペーンの主な取組内容は、
⑴労働局による大学等への出張相談の実施
⑵大学等でリーフレット配布やポスター掲示による周知
⑶労働局や労働基準監督署に設置されている総合労働相談コーナーに「若者相談コーナー」を設置などとされています。

このキャンペーンにより違法または不適切な労務管理をしている企業を牽制し、労使の問題を未然に防ぐ意図が見て取れます。

厚労省が周知する重点事項
今回のキャンペーンで特に重点的に周知している事項は次の5点です。

1.労働契約締結の際の学生アルバイトに対する労働条件の明示

雇用契約書や労働条件通知書などにより、勤務時間や休日休憩、給与、昇給などの条件を明らかにしなければなりません。正社員や契約社員も同様です。

2.学業とアルバイトを両立できるような勤務時間のシフトの適切な設定

学校の試験期間中などに業務の都合で過度な働きかたを強いることが場合によってはパワハラとなりうることを注意喚起しています。

3.学生アルバイトの労働時間の適正な把握

企業が始業と終業の時刻をずさんに管理すること、または働かせ過ぎで健康を害することのないよう求めています。これは、正社員も同様です。

4.学生アルバイトへの商品の強制的な購入の抑止とその代金の賃金からの控除の禁止

販売ノルマを課し、売れ残った自社商品を購入するように働きかけることを牽制するものと思われます。これは、一般的に考えても常識ですね。

5.学生アルバイトの労働契約の不履行等に対して、あらかじめ罰金額を定めることや 労働基準法に違反する減給制裁の禁止

コンビニで「ドタキャン」したアルバイト店員の給与から罰金を差し引いた事件を背景にしています。しかし、ノーワーク・ノーペイの原則から逸脱して、罰金とは・・・・・。罰金も労働基準法上は、制限があります。

このキャンペーンがどれほどターゲットである学生の関心を引くかは未知数ですが、労働環境に不満をもつアルバイト(またはその保護者)が今回のキャンペーンで労働法のルールを知る可能性はあります。

前述の内容についてSNSなどで違法な労務管理実態が拡散されると、求人しにくくなる、企業イメージが低下するなどの問題が起きるかもしれません。
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2017.06.16

算定基礎届のよくある落とし穴

東京渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の郡山博之です。

昨日に引き続き、社会保険(厚生年金・健康保険)の算定基礎届の時期のため、算定基礎届についてご案内させていただきます。
算定基礎届の落とし穴についてです。

注意点1: 報酬合算対象

算定基礎届に記入する報酬は基本給だけでなく、役職手当や家族手当など名称を問わず、労働の対償として支払われる全ての手当が含まれます。
下の表を参照の上、合算漏れがないように注意しましょう。

 

報酬になるもの

報酬にならないもの

l 基本給(月給、週給、時給など)

l 諸手当(残業手当、通勤手当、住宅手当、家族手当、役付手当、勤務地手当、休業手当、育児/介護休業手当、歩合手当、各種技術手当など) 

l 賞与等(4回以上支給のもの)

l 恩恵的金銭(病気見舞金、慶弔費など) 

l 臨時給与 (大入袋、解雇予告手当、退職金など) 

l 実費弁償(出張旅費、交際費など) 

l 公的保険給付 (年金、健康保険傷病手当金、労災保険の休業補償給付など) 

l 3回までの賞与(標準賞与額の対象)

注意点2: 現物給与

社会保険における報酬は金銭だけでなく、「社宅など住宅の供与」「社食などの食事」「自社製品などの現物」も対象となります。
ただし、一定の割合以上の本人負担があれば報酬になりません。

注意点3: 季節変動補正

算定基礎届の提出時期がちょうど繁忙期と重なるなどの事情により、4月から6月の給与平均が年間平均と比べて2等級以上高くなってしまう場合、年間平均額を標準報酬月額とする例外的な補正措置があります。
この特例的措置を受けるためには、「年間報酬の平均で算定することの申立書」を算定基礎届に添付する必要があります。この中で注意すべきは「本人の同意が要件である」ことです。
つまり本人が望まない場合は原則どおりの計算により届出をしなければなりません。

注意点4: 複数月にまたがる手当の按分算入

通勤定期券を6ヶ月単位で購入し、通勤手当として一括で支給する場合は、その1ヶ月あたりの金額に換算して算入する必要があります。
社会保険料を下げるために通勤手当の一括支給月を算定時期とずらしたとしても、社会保険上の報酬に合算しなければなりません。
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社会保険の算定基礎届や社会保険の新規加入など、社会保険に関することは、お気軽にお問合せください。

2017.06.14

報酬月額変更届と算定基礎届との 混同

東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所の

代表の郡山博之です。

6月は、労働保険の年度更新の時期となります。弊所も日々、クライアントさんの年度更新の手続きを月初から進めてきまして、ほぼ、7割完了しました。この労働保険の年度更新の時期が終了しますと、次は、社会保険(健康保険・厚生年金)の算定基礎届の時期となります。

この、算定基礎届とは、原則として、4月・5月・6月の報酬月額を「報酬月額算定基礎届」という届書で届け出て、役員や従業員などの標準報酬月額が決定される届です。
この届出自体は、普段社会保険事務を担当されている総務・人事担当者の方には馴染みのある手続きです。
算定基礎届によって決定される標準報酬月額とは、その年の9月から1年間の各月に適用されるものです。
(毎年7月上旬に届出る書類ですから、7月からの標準報酬月額を定めていると勘違いされている方がおられますが、9月からの標準報酬月額を定めるための手続きとなります。なお、実際の社会保険料の給料控除は原則として10月からとなります。)
一方、例えば、11月決算の株式会社で1月の定時株主総会で、2月分(2月中支給分)の役員報酬の設定から変更して、月額変更届の提出要件に該当した場合は、その届出により決定される標準報酬月額は5月以降のものとなります。
月額変更届を提出した後、7月に提出する算定基礎届で、その年の9月以降の標準報酬月額が決定されることとなりますから、月額変更届により決定された標準報酬月額は5月・6月・7月・8月のみ有効なものとなります。月額変更届を提出すべきであったにもかかわらず、提出を忘れていると、5月・6月・7月・8月の3か月分の標準報酬月額が間違っていることとなります。
ご注意ください。
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2017.06.07

裁量労働制における夜10時以降の勤務について

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所の

代表の社会保険労務士・行政書士の郡山博之です。

本日から東京は、梅雨入りでしょうか?1日中曇っていましたね。6月と言えば、社会保険労務士業務で言えば、労働保険の年度更新の時期です。弊所も、クライアントさんから、年度更新の書類をいただき、年度更新手続きを電子申請で行っています。

最近、クライアントさんから、相談を受けました。

それは、裁量労働制における夜10時以降の取扱です。夜10時以降は、深夜労働になります。通常の残業の他に、深夜残業も固定残業手当の一部とすることが出来るか?です。

答えは、しっかりと、夜10時以降と以前で区別して、固定残業の手当の計算をしなくては、一律というわけには、いきません。

裁量労働制は、技術職や研究職に多く、IT業界で取り入れているケースが多いですね。

深夜労働に対する手当が、いわゆる固定残業代に相当するケースでは、実時間に基づく法の割増賃金額を上回っているか、下回っているかの確認が必要です。
つまり、深夜労働に対する手当が下回っている場合は、差額支給が必要になります。
そのため、「休日労働及び深夜労働は裁量労働者については禁止する」といった条項を就業規則等に記載し、原則禁止としたうえで「上司への事前の届出、許可・承諾のうえで行う」などとして、実績の報告を求めて管理すべきだと考えられています。
これを管理するにあたって、労働時間に応じた健康・福祉確保措置(労働基準法38条の3第一項4号)を講じます。
出退勤時刻や入退室時刻の記録等によって、どの時間帯にどれくらいの時間在社し、労務を提供し得る状況にあったか等を明らかにする必要があります。
なお、裁量労働制には専門業務型(労働基準法38条の3)と企画業務型(同38条の4)の2つがあります。これらはいずれも「一定の時間労働したものとみなす」もので、労使協定や労使委員会の決議で定める時間、労働したものとして扱います。
そして、みなし規定が適用されるのは労働時間の計算についてのみであって、休憩時間や休日は、法定どおりとなります。裁量労働だからといって、労働者本人が勝手に自分で休日を定めて休んだり、あるいは休日に出勤したり、自己の都合で休日を変更することなどが許されませんので、注意が必要です。
午後10時以降から翌午前5時までの深夜労働についても、みなし規定の適用はありません。深夜に労働したときは、たとえみなし時間内でも深夜割増賃金(労働基準法37条1項)を支払う義務があります。
詳しくは、弊所にお気軽にお問い合わせください!
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2017.05.23

長時間労働とその原因の把握について

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所

代表の郡山 博之です。

先週末から、東京地区は、真夏のような暑さとなっています。また、急激に温度が上昇しているため、外で仕事をされている方は、水分補給や熱中症対策が必要ですね。

私もブログで、何度かご案内していますが、長時間労働の是正が問題となっています。まず、長時間労働を改善する一歩としまして、自社の特性、仕事の進め方の中にある長時間労働の原因をつかみ、対策を立てることが重要です。

1.業務量の増減パターンを知る

1か月、1年を周期として業務量に繁閑の差がありますか?業務量の差が大きい場合は、「1日8時間・1週40時間」の法律の原則を超えて、業務が集中・増加する時期が発生します。

このような場合は、変形労働時間制を採用して、繁忙期の労働時間を長く設定し、閑散期の労働時間を短く設定したり、休日を増やすなどの柔軟な働き方を制度を導入することで、長時間労働を抑制することが可能です。

例えば、導入事例として、シーズンとオフシーズンの業務量の差が大きな旅館業や観光業の他、季節的に業務が集中する業種では、この制度を導入し、残業削減を図っています。

2.社風の風土や仕組みに問題がないか

社長や社員に「夜遅くまで働く社員ほど優秀」「残業する社員は優秀で会社に忠誠心がある」という意識はないでしょうか?そのような意識やあると、一般的ですが、早く帰りにくい風土が生まれてしまいます。また、残業の事前届・許可制などのルールがない、本当に必要な残業かどうかを管理監督者が、明確に確認するなどの仕組みがないと、残業が増大してしまいます。

回避する策として、明確な人事制度の設定や、就業規則の変更や改定などが必要です。

3.仕事の進め方にムダがないか

社員一人一人の進め方に問題がありませんか?例えば、過去からの部署の伝統などといい、効率化する余地があるにもかかわらず、効率化せずに仕事の流れにムダがあり、結果、残業せざるを得なくなっている場合があります。

仕事の量・質を標準化し、納期・優先度を踏まえたスケジュール管理などがなされていないことが原因です。

残業が常態化すると、最初から残業ありきの「ダラダラ残業」になり、「効率よく、時間内に仕事を終わらせる」という意識が働かなくなります。

人事制度や規程の見直しなど、弊所にお気軽にお問い合わせください。

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2017.05.16

現物給与の価額について

東京・渋谷区のアリスト行政書士事務所

代表の郡山 博之です。

GWも終わり、2週目に突入ですね。しかも、5月は、折り返し地点です。最近は、曇りがちの天気が多く、いよいよ、じめじめした梅雨の時期が近くなってきたのかなと感じます。沖縄県や鹿児島県の奄美地区は、梅雨入りしましたよね。

本日は、現物給与についてご案内します。

現物給与とは?

労働の対償として「現物で」支給される場合は、その現物を通貨に換算し、基本給などの給与に合算のうえ、社会保険の保険料額算定の基礎となる標準報酬月額を求めることになります。

特に現物支給されるものが「食事」や「住宅」である場合は、「厚生労働大臣が定める現物給与の価額」(厚生労働省告示)に定められた額に基づいて通貨に換算します。

平成29年度は、先月4月から現物給与価額表が変更になりました。
この現物給与をご参考に案内させていただきます。また、社会保険料にどう影響するかもご案内します。

現物給与価額表について

現物給与価額表とは以下のようなものです。
※一部抜粋、単位:円 

都道府県名

食事で支払われる

報酬等

住宅で支払われる

報酬等

11月当たりの

食事の額

11月当たりの住宅の利益の額

(畳1畳につき)

東京

20,100

2,590

神奈川

20,100

2,070

千葉

19,500

1,700

埼玉

19,800

1,750

大阪

19,500

1,620

住宅で支払われる報酬の計算

住宅で支払われる報酬(つまり社宅)については「畳1畳」単位で価額が決められていることに注意が必要です。社宅については場所によって家賃相場が違うため、本社と支店が別の都道府県にまたがる場合、それぞれの場所ごとに計算します。
また、価額の計算にあたっては、居間や寝室など居住用の室を対象とし、玄関、台所、トイレ、浴室、廊下などの居住用ではない面積は含めません。

社会保険料への影響

社会保険料の算定をする際には、以下の三つで結果が異なります。

  自分で賃借し、自分で家賃を支払う場合

  社宅に住んで住宅費の一部を本人が負担する場合

  社宅に住むことで減った家賃負担相当を給与支給額から減額する場合

 例:東京で給与総額30万円の社員が10畳ワンルーム(家賃8万円)に住む場合

①自分で賃借し、自分で家賃を支払う場合

→ 標準報酬月額30万円
②会社が借りた社宅に居住し、家賃一部負担として1万円を払う場合
→ 標準報酬月額32万円(30万円に2,590円×10畳=25,900円-自己負担10,000円=15,900円を合算) 
③会社が借りた社宅に居住し、家賃一部負担として1万円を払い、給与を23万円に減額する場合
→ 標準報酬月額24 万円(23万円に2,590円×10畳=25,900円-自己負担10,000円=15,900円を合算)
この①と③を比較した場合、住宅費用を自分で払っているか、会社が社宅として払っているかの違いがあるだけで、実質的な本人の家賃負担は変わりませんが、標準報酬月額が下がるため、 天引きする社会保険料は月額8,000円以上の差があります。
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2017.05.06

五月病を回避するためのケア

東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の郡山 博之です。

GWも後1日ですね。私は、先週、パソコンが壊れ、やっと、本日戻ってきましたので、パソコンの再設定をしていました。オフィスのセットアップから開始していました。GW中に戻ってきてくれて、助かりました。

さて、4月に入社した社員(主に新卒社員など)が精神的に落ち込んだり虚脱感を感じたりすることを、発生時期になぞらえて「五月病」と表現することがあります。

それが医学的な病気であるか、気分的な浮き沈みであるかはともかく、五月病が休職や離職などに繋がらないよう企業は対策をしなければなりません。以下、五月病に対するケアの方法についてご案内します。
原因
五月病の原因は、主に「環境の変化」でしょう。場所や時間の変化、社会的役割の変化、人間関係の変化、気候の変化などの類型があり、それらの変化が精神的にストレスを与えるため五月病が引き起こされると考えられます。

つまり、企業が五月病対策をする上でも、これらの環境変化要因に働きかけることを検討していくことになります。

1. 場所の変化に対するケア
場所の変化に対するケアの方法としては、例えば「以前の住環境と大きく変わらない勤務地に配属する」「同郷の社員同士で交流をさせる」など、環境変化の差を小さくすることが効果的でしょう。

2. 時間の変化に対するケア
時間ケアについては、「新任の期間は意図的に残業時間を減らす」ケアが検討できます。先輩社員からは頼りなく見えても、当人は慣れない仕事に緊張しながら時間を過ごしているため、無理をして残業させると負担が大きくなってしまいます。また、時間変化に伴って「運動」「食事」「睡眠」などの基礎活動にも影響が出ます。健全な食事を会社が提供したり、質の高い睡眠ができるような寝具を補助したり、運動の場を提供するなどのサポートも効果があるでしょう。

3. 人間関係の変化に対するケア
人間関係の変化に対するケアとしては、「安心して人間関係の変化について相談できる環境を作る」ことが大事です。「年齢の近い先輩とペアを組ませて面談をする」、「同期同士の交流の場を作る」など、意図的に相談できる機会を作るとよいでしょう。面談の際には、面談が人事評価と関係ないことや、本人の望まないことは他言しないことなどを伝え、安心して相談できるよう工夫してください。重要なことは、企業側が新人の環境変化ケアに熱心であるという意思表示をすることです。既存社員の意見を聴きながら、自社で過去にどのような環境変化があったかを調査検討することも、五月病対策をとる上で有益な材料になるかもしれません。

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2017.05.02

労働時間の適性把握のためのガイドラインについて

東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所の
 代表 郡山 博之です。 
弊所は、4月27日付で、事務所移転が無事に完了しました。既に、社会保険労務士会や行政書士会にも事務所変更の届出中で、GW明け早々、移転手続きも完了する予定です。
また、今回の事務所移転にあたり、多数のクライアント様から事務所移転祝いをいただき、感謝しています。
この場を借りて、お礼を申し上げます。
なお、本日の本題ですが、平成29年1月、厚生労働省から「労働時間の適正な把握のための使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」が公表されました。これは、実際の企業現場で起こっている不適切な労働時間管理を改めさせる狙いがあります。このガイドラインをもとに今後労働基準監督署の立ち入り調査などが強化されていくことが予想されます。以下、このガイドラインについてご案内をさせていただきます。
ここで、前提ですが、「使用者側には労働時間を適正に把握する責務があること」を理解しておく必要があります。労働時間を把握するのは「企業側=使用者側の」責任であるわけですから、「働く日や時間を自己責任で管理させる」という姿勢自体がガイドライン趣旨から外れるものであるわけです。
適性把握のための措置
労働時間を適正に把握するとは、「労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、適正に記録すること」を指します。つまり、毎日「何時に勤務を開始して」「途中にどれだけ中抜け時間があって」「いつ勤務終了したか」を記録しつつ、結局日ごとに何時間働いたのかをわかるようにすることです。
そのため、原則として労働時間は「タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること」が求められます。
そして例外的に条件付きで「自己申告制」による時間管理を認めるという立場をガイドラインは取っています。その条件とは次のようなものです。
・パソコンログや入室記録などの在社時間と自己申告時間がかけはなれていないか、時々実態調査をし、必要に応じて労働時間を補正すること
・「残業時間は○時間までしか認めない」など、正確な自己申告を阻害するような措置を設けないこと
・自己申告制における記録ルールについて社員に十分な説明をしていること
自己申告による労働時間管理をしている組織においては、前述のような条件を満たしていることを客観的に証明できるよう、次のような書類を作成、周知し、保存しておくほうがよいです。
・自己申告の出勤簿の記入方法についての説明会開催記録、出席者名簿(レジュメとしてガイドラインを配る)
・定期的に人事労務部門において、パソコンのログの抽出や現場社員への抜き打ちのヒアリングなどを実施した報告書
・労働時間が過剰な場合、管理者に対して指示指導を行った指示書
研修時間は労働時間か
今回のガイドラインでは、研修時間について「参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講や、使用者の指示により業務に必要な学習等を行っていた時間は労働時間に該当する」と言及しています。
これは、会社が直接学習を命令している場合ばかりでなく、「受講は自由といいつつ実際は評価に影響するため断れない」「命令はされていないが現場の雰囲気として研修受講が当然とみなされていて受講せざるを得なかった」場合などは労働時間としてカウントされることを指します。朝早くや業務終了後に自発的に学習をする姿勢に対して放置・放任することなく、疲労度を確認しつつ適度な休息ができるようにケアする姿勢が企業側には求められます。
ここまで、弊所のブログを読んでいただき、ありがとうございました。

2017.04.01

試用期間についての大きな誤解

東京・港区のアリスト社労士行政書士事務所の

代表の郡山 博之です。

 

本日から4月に入りましたね。4月の初日が土曜日とは、数年に1度でしょうか?

弊所のクライアントさんにも多数の4月1日入社が新卒・中途といらっしゃいますので、本日は、入社の手続きをしていました。

 

毎年ですが、4月は、年金事務所もハローワークも混みます。通月より、健康保険証の発行や、雇用保険の被保険者証の発行が遅れます。また、今日、明日が土日のため、例年より遅れる気がしますので、少しでも電子申請をしたほうが得策です。

 

4月ということで、新入社員の育成や定着について色々と計画をしている労務担当者の方もいることでしょう。さて、新たに雇用した社員に対して「試用期間」を設けることは一般的ですが、その法律的な意味合いについて正しく理解していないことが多いようです。

 

新入社員を迎え入れるこの時期、いま一度試用期間について起こりがちな誤解のポイントと、正しい運用方法についてご案内します。

 

試用期間についての誤解 ①

× 試用期間は会社が自由に解雇できる

まず、試用期間中は会社が自由に解雇できると誤解されるケースがありますが、試用期間についても「合理性のない解雇は無効」という労働契約法上の制限はあります。

 

会社にとっては合理的であっても、世間一般の考えと照らし合わせて客観的に合理性がない場合は、解雇は無効になってしまいます。

 

試用期間中は、その『「合理性」のハードルが若干低いに過ぎない』という点に注意しましょう。



試用期間についての誤解 ②

× 試用期間は解雇の予告がいらない

試用期間中であれば「明日から来なくてもよい、クビだ!」

と言っていいという誤解もしばばあります。試用期間であっても30日以上前の予告は必要と考えてください。唯一の例外として、「試用期間中」かつ「採用から14日以内」であれば、その解雇が合理的であったときに予告不要となります。

 

試用期間についての誤解 ③

× 試用期間と有期雇用契約は同じ

試用期間と有期雇用契約は明確に意味合いが異なります。有期雇用契約が「期間の定めがある」という雇用契約の一種であることに対し、試用期間はある雇用契約期間の初期の一部に「お試し中」というレッテルを貼るという意味合いとなります。

 

つまり、試用期間のあとも雇用契約は継続する前提になっていると言えます。



正しい運用方法

試用期間について就業規則や雇用契約書に明記することはもちろんのこと、トラブル予防のために最も重要なことは「試用期間中にクリアすべき課題を(できれば数字など客観的なもので)明確にすること」に尽きます。

 

遅刻・欠勤の回数、レポート提出枚数、ペーパーテストの結果、営業訪問回数や架電数などの客観的数値や、協調性を測るアンケート結果の合格ラインを相手にしっかりと伝えることで、万が一の解雇合理性を補強できるでしょう。

 

 

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弊所は、平成29年5月3日より、

渋谷区代々木2-23-1ニューステートメナー1249

に移転します。

5月より、東京渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所になります。

2017.03.26

ホームページの成功報酬報酬の見直し(助成金・障害年金)

東京・港区のアリスト社労士行政書士事務所の

  代表の郡山 博之です。

 

本日は、あいにくの雨でしたが、事務所移転に備えて、通信回線の調査などを主にしていました。

現在は、事務所を不在にしたとき、携帯へ転送としています。

これまで、固定電話は、KDDIで携帯もauなので、私への転送は、いくら長電話をしても、転送の料金は、無料でしたが、引っ越し先は、NTTのフレッツ光しかなく、転送設定をすると転送にかかる料金は、有料になります。

ネットで、調べるとかなり、個人事業主さんや法人さんも転送料金に費用がかかってるみたいですね。

 

ここで、現在、事務所固定電話は、代表でNTTを利用し、私や職員不在時は、留守番電話とし、私へのダイヤルインは、スマホのアプリを利用し、03から開始する電話番号を取得する方法があり、この方法が、通信料の経費削減と考えました。

来週中には、決めようと思います。

 

さて、先週、東京社労士会の倫理研修に参加してきました。

その中で、助成金申請や障害年金申請の着手金や成功報酬の話題が出ました。

東京社労士会との研修で、学んだこと。

⇒助成金や障害年金での請求で成功報酬は、倫理的に誤りであるという見解です。

 

弊所も、現在は、着手金と成功報酬でホームページにて料金を案内していましたが、本日、

書類作成時間、提出代行に時間など、総合的に係る工数で、通常の許可申請と同様に料金を設定することにしました。

 

もともと、助成金での単独請求は、弊所は、業務受託していないため、良かったです。

 

確かに、弁護士さんとかは、口頭代理等で、交渉して和解金や示談金が多くなったり、少なったりして、成功報酬という考えが通用しますが、助成金や障害年金は、交渉ではなくて、書類が揃えば、支給されるため、東京社労士会の研修どおり、成功報酬の概念ではないと。理解したためです。

 

弊所は、顧問契約のクライアントさんには、クライアントさんで、助成金の書類を作成し、提出する場合は、書類チェックのみで、顧問料以外に追加料金を今までもご請求していません。

 

ここまで、弊所のブログをお読みいただき、ありがとうございます。

 

弊所は、平成29年5月3日より、

渋谷区代々木2-23-1ニューステートメナー1249

に移転します。

5月より、東京渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所になります。

2017.03.15

副業ってホントは危険?

東京港区のアリスト社労士事務所

 代表の郡山 博之です。

 

まだ、3月ですが、弊所からのお知らせがあります。

本日、東京社労士会に届出を行いましたが、弊所は、平成29年5月3日より、

渋谷区代々木2-23-1ニューステートメナー1249

に移転します。

5月より、東京渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所になります。

 

ところで、本題です。

最近、副業OKという会社が増えてきていると報道されています。

副業のポイントをご案内します。

 

【働き方改革】の一環で、今後、政府は、副業を推進していく見込みだそうです。

 

さて、【副業】ですが、これまでの日本社会は、一般的に、会社に内緒にするというイメージが強かったですよね。

 

もし、会社の就業規則で【副業OK】の場合の注意する点は以下の通りです。

1.「健康管理」

副業は、実質的に労働時間が増加する場合がほとんどです。体調不良や、注意力の低下に注意することが必要です。

副業を頑張り、過労状態になり本業の業務に支障が出た場合は、それが理由で、退職や解雇になったら大変です。

2.「残業代」

会社側で注意すべきは残業代です。 

基本的に、労働基準法での「労働時間」の考え方は『本業と副業を合算した時間』だということです。 

1日8時間、週40時間の法定労働時間本業・副業の合算で、8時間・40時間のどちらを超えた場合でも残業になるんです。 

例えば、

昼~夕8時間本業で働いて、夜に4時間副業する場合、副業の4時間は1.25倍割増でないといけないし、 

また、

本業で週40時間で働いている人が、土日に副業する場合、副業で働く時間分はすべて1.25倍しないといけないんです。 

では、

本業の会社と副業の会社、残業代を支払う義務があるのはどっちか? 

答えは

本業か副業かに関係なく、「あとで」働く会社の方に支払い義務があります 

つまり、

副業が早朝で、その「あと」に本業の仕事をする場合なら、本業での労働時間が1日8時間以内だとしても、本業側の会社には残業代を支払う義務があるということです。

 

「副業は認めるけど、ウチの会社の前後にどんな勤務をしているかなんて知らないよ」なんて言ってられません。 

ということは、これまでの内緒ではなくて「届出制」や「許可制」が必要になってくる。 

1の「健康管理上」でも、

会社には

従業員が過重労働となって健康を害さないか?

就業に影響を及ぼさないか?

を管理する義務もあります。 

また、 

2の残業代の計算の課題からすれば、

「ウチの会社の前に勤務されちゃ、残業代を出す必要があるから、副業を認めるにしてもウチの勤務のあとでじゃないとダメ」

という許可制をとることも考えられます。

 

結構、自由に副業できる環境になるのは課題が多いんです。

 

 

ここまで、弊所のブログを読んでいただきありがとうございます。

2017.03.07

残業時間を削減するための「計測」の方法

京都・港区のアリスト社労士行政書士事務所の

  代表 郡山 博之です。

 

2017年も、3月に入りましたね。

また、久しぶりの更新です。

個人的なことですが、現在、禁煙治療をしていまして、1月29日から完全に禁煙を開始しましたが、なんとか、本日まで1本も吸わずに乗り越えることが出来ました。

禁煙治療ですが、現在、朝・晩と薬を飲んでいます。

治療期間が3ヶ月とのことですが、必ず、禁煙を達成したいです。

 

さて、最近、「残業」「残業問題」とマスコミで言われていますよね。

久しぶりの記事は、残業時間を削減するための「計測」の方法についてご案内します。

 

残業時間を減らすためには、企業のトップが「残業時間を○時間(○%)削減する」と明確に決意し、社内外に宣言することが重要なことは言うまでもありません。

 

しかし、実行度を高めるためには、作業時間を正確に計測し、「残業を発生させている原因」を特定することが重要です。

 

以下、残業時間を減らすことを目的とした作業測定の方法について紹介します。

 

方法1:万歩計による動線計測

オフィスワークにおける「コピー機に紙を取りに行く」「資料室と執務室を往復する」、または飲食店のキッチンなどにおける「調理器具を取りに行く」「材料の貯蔵庫に行く」などの動線上に無駄がないかを検証するために、万歩計を使って社員の歩数を計測する方法があります。

 

歩数の推移を見れば、作業の動線に無駄な遠回りがあるとか、業務に馴れていないため無駄に往復をしているなどの残業原因が特定できるかもしれません。

 

方法2:キッチンタイマーなどによる時間計測

1.会議時間の計測】

労働時間を長くする要因のひとつとして「ダラダラと長い会議」が挙げられます。会議時間を無駄に長くしないために、会議中の時間をキッチンタイマーやスマートフォンのタイマー機能などで計測してはいかがでしょうか。

 

タイマーの時間も、10分~20分と長く設定するよりも、「隣の人と意見交換2分」「プレゼン時間5分」「討論の時間3分」など短く設定するとキビキビとした会議進行ができます。タイムキーパー役を決めて進めてみましょう。

 

2. 15分単位計測】

オフィスワークの個々の作業を151コマ単位に分割し、「その作業を行うために何コマ必要か」の推奨コマ数をあらかじめ設定したうえで、タイマーで15分ごとにアラームを鳴らして時間計測をする方法があります。 

例えば、「見積書作成151コマ」「コラムの執筆1記事2コマ30分」というふうに基準時間を決めて、各自タイマーで計測をさせると緊張が高まり作業スピードが速まる効果があります。 

効果的なやり方としては「その計測中はほかの作業をしない」というルールにすることです。こうすることでメール対応や電話応対などにより作業が分断されるのを防ぎ、目の前の作業に集中する効果も期待できます。

 

方法3:警備会社の施錠・開錠時刻記録

警備会社と夜間警備の契約を結んでいるならば、何時に最終の施錠をしたかのデータを提供してもらうこともよいでしょう。 

施錠の時刻について基準の時刻を越えた日が多いと、その管理者の評価を下げるよう通達して、管理者に部下の退勤を促すことも効果が期待できます。

 

計測結果の検証

計測結果は必ず関係者に公開し、結果について検証をする仕組みも導入しなければなりません。 

「残業をとにかく減らせ」でなく、「万歩計の数字を○%削減せよ」や「警備会社の施錠記録の時刻がすべて21時より前になるようにせよ」など具体的に指示をすると実行度が高まるでしょう。

 

 

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2017.02.09

よくある質問!「法定休日」と「所定休日」の違いについて

東京港区のアリスト社労士行政書士事務所

 代表の 郡山 博之です。

 

最近、残業時間の話題がTVでも報道されますので、本日は、休日出勤に対してご案内してみたいと思います。

事例方式で、ご案内しますが、実は、私自身、会社員時代、誤解していたことです。

休日出勤は、土曜日・日曜日双方に、3割5分の休日割増がつくと誤解されやすいです。

 

会社が休みである土曜日に出社することにしたA君。それなのに、B課長からは休日手当なんか出ないと言われてしまいました。
そこで、そもそもこの場合の「休日」とは、どのような日を指すのかです。

例えば、A君が勤務する○○株式会社の就業規則では、

「1.毎週土曜日・日曜日、

2.国民の祝祭日、

3.夏期休暇、

4.年末年始休暇」

が休日であると定めています。

労働基準法では、労働者に対して「毎週1日」または「4週間に4日」の休日を与えなければならないと定めており、この「休日」を法定休日」と呼んでいます。○○株式会社は毎週土・日曜日が休みの、週休2日制をとっています。そのうちの1日は、この「法定休日」に当たりますが、もう1日の休みは会社が定めた休日であって「法定休日」には該当せず、「所定休日」と呼んで区別されます。この違いを、理解ください。
もちろん、「法定」であれ「所定」であれ、「休日出勤」をしたことには違いありません。

 

「所定休日」と「法定休日」とでは、手当の金額は、異なるのか?

 

B課長の言葉の意味は?

「法定」「所定」の違いのことです。
休日出勤をした場合、労働基準法では、「3割5分以上」の率で計算した割増賃金の支払いが必要であるとしています。ただし、これは「法定休日」に働いた場合に限ります。
A君は土曜日に休日出勤をしましたが、翌日の日曜日に休めるのであれば、「1週間に1日」の法定休日が確保されます。

したがって、土曜日は「所定休日」での労働となるため、3割5分以上の率で計算した割増賃金の支払いは不要となり、「休日手当は出ない」というB課長の言葉に誤りはなかったのです。

しかし、A君が月曜日から金曜日まで普通に働いた上で土曜日も出勤したとなると、一つ問題があります。
○○株式会社の1日の労働時間が8時間とした場合、その週にまったく残業をしなかったとしても、金曜日に仕事を終えたときには、すでに1週間の労働時間が40時間(8時間×5日)になり、「1週40時間」という制限(法定労働時間)に達しています。

ということは、土曜日に仕事を始めた時点で週の労働時間が40時間を超えることになり、その時間は時間外労働に当たります。
したがって、この場合、休日労働に関する割増賃金は不要であっても、時間外労働を行ったことに対する「2割5分以上」の率で計算した割増賃金の支払いが必要になるのです。
 

A君の給料の1時間単価を1000円とした場合、土曜日に8時間働いたとすると、時間外手当を含めて「1000円×1.25×8時間=1万円」の賃金を支払う必要があります。


このように、今回の○○株式会社のケースでは、「休日手当」という名目では手当がつかないものの、土曜日に働いた分に関しては時間外労働についての割増賃金がつく形となります。

 

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2017.02.02

在宅ワーク導入で得るもの・失うもの

東京・港区のアリスト社労士行政書士事務所の

代表 郡山 博之です。

 

1月もあっという間に過ぎてしまい、2月に入りましたね。

本日は在宅で仕事をすること=在宅ワーク(テレワークともいいます)の導入について、政府は、多様な働き方を認め、ワーク・ライフ・バランスを進めるために、選択肢のひとつとしての在宅ワークを推奨しています。しかし、実際に導入に踏み切る企業はまだ多くありません。実際に在宅ワークを導入したら企業にどのような影響があるかについてご案内します。

 

対象職種

在宅ワークの導入対象は広く、「パソコンとインターネット環境があればできる職種」はすべて在宅で働くことを検討できます。お店で接客などサービスを提供する職種には向きませんが、サービス業であっても人事、財務、法務、庶務などの間接部門は在宅で業務を行うことができるでしょう。

 

初期導入コスト

在宅ワークをはじめるためには、初期導入コストとして以下のものが挙げられます。



パソコン本体は個人で持っていることも多いですが、業務使用のものとプライベート使用のものを分けるために別途購入して会社が貸与するなどの工夫も必要です。会社と自宅を接続するために「リモート接続」「VPN接続」などのネットワーク環境を整えること、情報漏えいリスクを軽減するためのセキュリティ対策やタスクの管理や勤怠管理のためのソフトやシステムも必要です。

 

メリット

在宅ワーク導入の企業メリットとして次のようなものが

 

あります。

 

1.採用メリット】

在宅ワークを導入することで、「働きたいけれど育児や介護、通勤困難などの事情で働けない人たち」を求人対象とできます。出産・育児のため長時間の通勤を伴う仕事を断念している人の中には、大手企業などで相当の教育を受けた経験を持つ人材も眠っているため、教育コストを下げる効果も期待できます。

 

2.コストカット】

通勤にかかるコストを下げることもメリットのひとつでしょう。通勤コストには、定期券や駐車場代などの直接的なコストのほか、満員電車や長時間の移動で疲労するコストも含まれるでしょう。その他、オフィス省スペース化によるコストカットなども在宅ワーク導入によって実現するかもしれません。

 

3.定着メリット】

企業内に在宅ワークという選択肢を設けることで、結婚、妊娠・出産、育児、介護、移住など、社員が人生の転機を迎えたときにも継続勤務の可能性を広げます。優秀な人材の離職を防ぐうえでも効果が期待できます。

 

デメリット

一方でデメリットとしては以下が挙げられます。

 

1.会社への帰属意識が薄くなる

2.監視するためのコストが増える

3.直接先輩から後輩に教えることができないためOJT教育の精度が下がる

 

これらのデメリットを克服するためには、定期的に出社義務を設けたり、業務を定量評価する仕組みを整えたりといった工夫が必要かと思います。

 

しかし、これまでのような、経営と将来に向けての経営は、ことなると思います。

特にコストカットのメリットの方が大きいと思えます。これからは、必ず、出社して退社時間まで拘束されるのことのない、自由な働き方も業種によっては、必要と考えます。

 

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2017.01.19

目標達成のための因数分解のススメ

東京・港区のアリスト社労士行政書士事務所 

             代表の 郡山 博之です。

 

クライアントさんとの話題の中で、経営者やマネージャクラスとの会話の中で、目標達成という言葉が話題となります。

しかし、マネージャーにとって、部下の業績を上げることは最も重要な業務のひとつです。ところが、かつて優秀なプレイヤーであったマネージャーほど、部下の指導に苦戦するという現象が起こりがちです。

 

つまり、優秀なプレイヤーが「考えればわかる」と考えている『目標達成の思考方法』を部下の多くは理解できていない可能性があるでしょう。

では、どうすれば優れたプレイヤーの思考法を部下に伝えることができるでしょうか。

以下、成果を出す人が頭の中で描いている思考方法を、数学の因数分解になぞらえてご案内します。

 


まず数学の因数分解について解説します。因数分解とは「あるものを、掛け算の形に変換すること」をいいます。例えば、30という数字は「3×10」「6×5」「2×3×5」などの掛け算に置き換えることができます。これが因数分解です。中でも、素数(1とその数以外で割れない最小単位)だけで構成される状態にまで細かくすることを「素因数分解」といいます。

 

成果を出す思考法1:行動因数分解

成果を出す人は、「目標達成のために、目標を行動に因数分解する」という思考方法をしています。例えばある販売系の営業職で月間100万円を売り上げるという結果目標がある場合、

①まず「10万円×10人に売ろう」というふうに客単価×人数で因数分解します(結果の因数分解)。

②因数分解した個々の結果(単価10万円、人数10人)を出すための行動を数値に置き換えて分解し仮説をたてます。

 

この例の場合、「500件の電話営業をしたら30人アポイントが取れて、その内3分の110人)が購入してくれるはずだ。つまり、やるべき行動は1ヶ月に合計500件の電話をかけることだ」という風に思考します。



成果を出す思考法2能力向上の因数分解

また、成果を出す人は、「能力×行動量=成果」という思考をもっているため、能力向上に対しても「行動」を投資します。ここでも、能力向上の目標を計測できる行動に因数分解して仮説を立てます。例えば英語力の向上(TOEIC700点を達成する)という目標があった場合、「500問のテキストを3ヶ月の間に3回繰り返し学習すればよいはずだ」と仮説を設定し、116問を解けばよいという行動を導き出します。そしてその細かく分解された行動を日々の習慣に組み込んでいくことで能力開発をしていきます。



マネージャーの指導のコツ

マネージャーは、部下が①理解できて②すぐに取り掛かれる最小単位のタスク(行動)に目標を因数分解し、部下の能力に応じてタスク量や質を調整して指導するようにすれば、相手の理解度が高まり成果につながることが期待できます。

 

 

ここまで、弊所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2017.01.13

あらためて見直したい「36協定」の意味

東京・港区のアリスト社労士行政書士事務所

  の代表 郡山 博之です。

 

1月もそろそろ折り返し地点ですね。

最近、新聞などで「36協定(サブロク協定)」という言葉が取り上げられる機会が多くなってきました。

電通の過労自殺事件をきっかけとして、企業の労働時間管理に対してより厳しい目が向けられています。

本日は、残業に関連する労務管理の重要な協定のひとつである36協定についてご案内します。

 

36協定とは

法定の労働時間を超えて労働(法定時間外労働)させる場合、または、法定の休日に労働(法定休日労働)させる場合には、あらかじめ労使で書面による協定を締結し、これを、事業所所在地を管轄する労働基準監督署長に届け出ることが必要です。この協定のことを労働基準法第36条に規定されていることから、通称「36協定(サブロク協定)」といいます。



労働時間をコップの水で例えるならば、18時間、140時間(特例措置対象事業場は44時間)などの法定労働時間が容量いっぱいのコップから少しも溢れてはダメだという原則があります。ただし、溢れる可能性があるならば「○時間ほど溢れる可能性がある」と労使間で協定を結んで、さらにそれを監督署に届け出なければならないということです。この36協定を届出することで、「水が溢れても罰則の適用をされない」という効果を得ることになります。この効果は届出受理後に発生しますので、有効期間の管理が重要です。

溢れる量の限度

36協定を結ぶ際には、溢れる水=法定時間外労働の上限が定められています。

 

期間

右記以外の
一般労働者

1年単位の変形労働時間制が適用される労働者

1週間

15時間  

14時間   

2週間

27時間  

25時間   

4週間

43時間  

40時間   

1か月

45時間  

42時間   

2か月

81時間  

75時間   

3か月

120時間  

110時間   

1年間

360時間  

320時間   

 

この限度基準を超えないように36協定を結ぶことが求められています。1か月45時間ということは、22日稼動するとして1日あたり2時間程度の残業が法定基準の上限であるということです。

 

特別条項と昨今の傾向

しかし、企業によっては季節変動などによる繁忙期にはこれらの限度基準を超える場合もあるという実態があるため、「本当に忙しいときは限度基準を超えて働くことがある」という特別条項をつけて36協定を結ぶことが認められています。

 

しかし昨今では、特別条項をつけていても、限度基準を超えた長時間の残業をさせることは是正の対象となる傾向にあります。過重労働に対してシビアになっている現状を踏まえると、特別条項つきの36協定を届出することは「過重労働をさせています」と表明していることになる、という側面もあり、注意が必要です。

 

結局は、残業時間が36協定の限度基準を下回るように業務効率化などの組織変革を行っていく必要に迫られていると考えるべきでしょう。

 

ここまで、弊所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2016.12.25

65歳超雇用推進助成金について

東京・港区のアリスト社労士行政書士事務所

代表の郡山博之です。

 

昨日は、クリスマスイブということで、我が家でも、ケーキなどを購入し、Xmasパーティーをしましたが、さすがに、長男は、高校2、次男は、小6のため、年々、しらけムードになってきます。

長男が幼稚園の頃は、家にXmasツリーを飾っていましたが、昨日もそうですが、最近は飾っていません。

 

早いもので、今年も今週で終了ですね。

 

さて、本題ですが、「労働力人口の減少」「老齢年金の支給開始年齢の引き上げ」などの背景もあり、また政府が進める「一億総活躍社会プラン」の一環として、高齢者雇用に関する助成金が新設されました。

助成金の要件や支給額を解説するとともに、定年引上げの企業リスクについてもご案内します。

 

概要

65歳超雇用推進助成金」は、高齢者の雇用促進を目的として、「65歳以上への定年の引上げ」、「定年の定めの廃止」、「希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度の導入」のいずれかを導入した事業主に対して行う助成制度です。約3年半前に廃止となった「中小企業定年引上げ等奨励金」と同様の趣旨の助成金が復活しました。

 

主な受給要件

受給のための主な要件は以下のとおりです。ただし、1事業主1回限りの支給です。

 

(1)平成281019日以降において、労働協約又は就業規則による、次の[1]~[3]のいずれかに該当する制度を実施したこと。

 

1 65歳以上への定年引上げ

2] 定年の定めの廃止

3] 希望者全員を66歳以上の年齢まで雇用する

   継続雇用制度の導入

 

(2) (1)の制度を規定した際に社労士など専門家に委託費などの経費を支出したこと。

(3) (1)の制度を規定した労働協約又は就業規則を整備していること。

(4) (1)の制度の実施日から起算して1年前の日から支給申請日までの間に、高年齢者雇用安定法第8条又は第1条第1項の規定に違反していないこと。これは、現行法規の最低ルールである「定年60歳以上、希望者全員の継続雇用制度65歳※」のルールを1年以上前から守っていることの意味です。※例外あり。

(5)支給申請日の前日において、当該事業主に1年以上継続して雇用されている60歳以上の雇用保険被保険者(短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く。期間の定めのない労働契約を締結する労働者又は定年後に継続雇用制度により引き続き雇用されている者に限る。)が1人以上いること。

 

このほかにも、雇用関係助成金共通の要件などいくつかの受給要件があります。

受給額

    

65歳への定年の引上げ

100万円

    

66歳以上への定年の引上げ又は定年の定めの廃止

120万円

    

希望者全員を66歳から69歳までのいずれかの年齢まで雇用する継続雇用制度の導入

60万円

希望者全員を70歳以上の年齢まで雇用する継続雇用制度の導入

80万円

※ 定年の引上げと継続雇用制度の導入をあわせて実施した場合でも、支給額は定年の引上げを実施した際の額のみとなります。

定年を引き上げる企業側のリスク

定年を引き上げることのリスクは①賃金や退職金などの金銭トラブルリスク②人件費増のリスクが挙げられます。定年が60歳や65歳時に設定してあれば、年齢による体力低下などに伴って、定年をきっかけとして再雇用後の賃金条件を見直しやすくなりますが、定年等を引き上げることでそのタイミングが設定しにくくなるかもしれません。

 

助成金額ではなく、自社に合うことを確認して申請をしましょう。

 

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2016.12.18

「年末年始休業のご案内」と「採用内定を取り消す場合の注意点」

東京・港区のアリスト社労士行政書士事務所の

  代表の郡山 博之です。

 

今年も残すところ、後2週間ですね。

早いものです。

弊所は、年末調整の業務や賞与計算などの業務に追われていましたが、一段落つきました。

実質上、私の顧問先さんのお話をお伺いしても12月28日~年末年始休暇・12月29日~年末年始休暇・12月30日~年末年始休暇と多いですね。

 

月末締め翌月10日払いの顧問先さんは、年末年始休暇期間中も休日出勤するとのことで、弊所もご対応させていただく予定です。

 

さて、本日の本題に入ります。

 

1.「年末年始休業のご案内」

誠に勝手ながら、以下の期間は休業とさせていただきます。
【年末年始休業期間】
2016年12月30日(金)~2017年1月4日(水)
ご不便、ご迷惑をお掛け致しますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

 

2.「採用内定を取り消す場合の注意点」

私の顧問先さんも来年4月より新卒社員を採用する会社があります。

仮に、内定の取り消しをしたい場合の事例です。業績の良し悪しが問われる場合があります。

基本的に、採用の内定は、労務の提供が行われていませんが、内定により労働契約が成立したと認められる場合には、その取り消しは解雇に当たることになります。

 

根拠としては、内定取消しについても、労働契約法第16条の解雇権の濫用についての規定が適用され、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、権利を濫用したものとして無効とされるのです。

例えば、採用する旨の通知を行い、それに対して内定者が誓約書等を提出した時点で労働契約は成立するとされています。

 

そのような労働契約の状態は「始期付解約権留保付労働契約」と呼ばれています。また、新規学卒者の内定取消しの特有な手続きとして、あらかじめ公共職業安定所長と学校長に「新規学校卒業者の採用取消し通知書」を届け出る必要があります。この通知書の中には、内定取消しを実施しなければならない理由を記載することになっており、生産量や雇用量などの最近の関係指標、今後の事業活動の見通し等を含め、内定取消しを実施しなければならない理由等を具体的に記入することになっています。

また、 内定取消しについては、企業名が公表されることがあります。具体的には事業主からの通知の内容が以下のいずれかに該当する場合が該当します。
(1)2年以上連続して行われたもの
(2)同一年度内に10人以上の者に対して行われたもの
(3)事業活動の縮小を余儀なくされているものとは明らかに認められないとき
(4)内定取消しの対象となった新規学卒者に対して、内定取消しを行わざるを得ない理由について十分な説明を行わなかったとき
(5)内定取消しの対象となった新規学卒者の就職先の確保に向けた支援を行わなかったときです。

 

労務管理でご不明な点は、弊所にご相談ください。

 

ここまで弊所のブログを読んでいただきありがとうございます。

2016.12.11

「特定労働者派遣事業」から改正後の「労働者派遣事業」への切替経過措置について

東京港区のアリスト社労士行政書士事務所の

 代表の郡山 博之です。

 

師走も残すところ、今週を含め後3週間で終了ですね。

本日は、法改正後の労働者派遣事業についてご案内します。

 

余談ですが、弊所は、行政書士業務も社会保険労務士業務も行っています。

労働者派遣事業許可申請につきましては、一般的に許可申請というと行政書士業務と考えられますが、実は、社会保険労務士の業務となります。

 

労働者派遣事業につきましては、ご存じの通り、平成27年の法改正によって、労働者派遣事業に「特定」と「一般」の区別がなくなり、今後は許可制の「労働者派遣事業」として一本化されることになりました。現状、特定労働者派遣事業の届出をしている事業主は、改正法が施行された平成27年9月30日より向こう3年間、つまり平成30年9月29日までに労働者派遣事業への切り替えを行う必要があります。

 

弊所にも問い合わせが多く、今週も面談に行ってきますが、今まで、特定派遣業として営んでいた場合でも、平成30年9月29日迄に労働者派遣事業許可申請を受けないと、業務が出来なくなってしまします。

今まで、特定派遣業だから、労働者派遣業の切替も容易だと思われる方もいらっしゃいますが、切替につきましては、全くの新規申請とお考えください。

特定派遣業だからと言って、以下の要件は、免除されませんので注意が必要です。

 

1.財産的要件

・資産の総額から負債の総額を控除した金額(基準資産額)が、[2,000万円 × 派遣を行う事業所数]以上であること
・上記の基準資産額が、負債総額の7分の1以上であること
・現預金額が、[1,500万円 × 派遣を行う事業所数]以上であること
※ただし「1事業所かつ常時派遣する労働者数が10人以下の事業所」では、現状、特例措置があります。

 

2.事業所要件

・事業を運営するために適正な場所に、20㎡以上の広さの事業所を確保すること
・事業所内に研修や面談を行うスペースを設ける
※申請に伴い、現地立入調査があります。

 

3.キャリア形成支援制度の整備

・派遣労働者のキャリア形成を念頭に置いた、段階的かつ体系的な教育訓練の実施計画を定めること
・キャリア・コンサルティングの相談窓口を設置すること
・キャリア形成を念頭に置いた派遣先提供のための事務手引、マニュアル等を整備すること
・教育訓練の時期や一定の期間ごとに、一定の教育訓練を用意すること

 

4.派遣元責任者講習の受講と職務代行者の選定

 

ご不明な点は、労働者派遣事業許可申請について、経験豊富な弊所へお尋ねください。

 

ここまで、弊所のブログを読んでいただきありがとうございます。

2016.12.01

大きな誤解のある「みなし残業」

東京・港区のアリスト社労士行政書士事務所

  代表の郡山 博之です。

 

本日から、師走のスタートですね。

年々、加齢とともに1日、1週間、1か月、半年、1年がどんどん早く過ぎていくのは、私だけでしょうか?

10代、20代、30代前半までは、長かったような記憶があります。

 

さて、最近、大手企業で話題になっている残業問題ですが、現在、政府が過重労働に対する調査を広く行っています。労働基準監督署の調査の連絡が急に来て、焦って対応を迫られることのないよう、企業側は事前準備が大切ですが、「ウチはみなし残業制だから大丈夫」という根拠のない主張がみられることから、世の中ではまだまだ「みなし残業」という言葉の正確な理解がされていないようです。以下、みなし残業という言葉の解説をするとともに、残業代トラブル対処法についてご案内します。

 

誤解1

「みなし残業」と「固定残業制」の混同

「みなし残業」を「毎月定額の残業代を支払う制度」のことだと誤解している場合が多いですが、それは誤りです。毎月定額の残業代を支払う制度は一般に「固定残業制」「定額残業制」と表現します。

 

「みなし残業」とは

「みなし残業=みなし労働時間制」は、労働基準法上以下のように定めてあることを指します。

 

・労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。

 

・当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす。

 

つまり、①外勤の仕事をしていて、②労働時間の把握が難しい場合に、あらかじめ決めた時間を働いたと「みなす」特別な取扱いのことをいいます。現在はスマートフォンなどのモバイル機器が発達しているため、逐一業務指示を出すことが難しくありません。そんな環境下では②労働時間の把握が難しいとは言いにくいでしょう。

 

また、休み中でもメール対応やPCでの作業を行う事がある場合、労働時間とプライベートの境界線を引くこと自体が難しい場合もあります。「実労働時間の算定は難しいから、とにかく1日○時間働いたことにしよう」と労使で話し合い、一定の場合は労使協定を結ぶことでこの「みなし残業」を運用することはできますが、実態が伴わない場合は結局無効となる可能性もあります。みなし残業は実際には運用対象が限られている制度と言えます。

 

誤解2固定残業手当を支払えば追加の支払いが不要だ

定額で残業手当を支払っているため、追加で支払う必要がないと誤解しているケースも見受けられます。実際、固定残業制とは「見込の残業時間に相当する残業手当を定額で支払うが、不足があれば差額支給する」という制度のことをいいます。



もし固定残業手当を巡って労使で争いになったら、固定残業制度が適切に運用されているか否かが争点になります。すなわち、①就業規則や雇用契約書に明記してある②給与明細上分離して固定残業手当が表記してある③差額が生じているか否かを毎月計算しているという要件を満たさなければ、固定残業制度そのものが否定されてしまうかもしれません。

 

残業代のトラブルを減らすためには

残業代をめぐるトラブルを防ぐには、当然ながら残業時間そのものを少なくすることにつきます。「うちの業種は無理だから」という意見はいわば思考停止状態になっているかもしれません。新たな視点での業務の見直しも必要でしょう。

 

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2016.11.27

年末調整の基礎知識

東京港区のアリスト社労士行政書士事務所

    の代表の郡山 博之です。

 

今週で11月で終わり、いよいよ2016年最終月の12月に入りますね。

弊所は、法人事務所ではなく、個人事務所のため、12月が法人でいう決算月となります。

昨年の5月に業務を東京へ進出再開して2期目となります。決算書上は、8期目ですが、お陰様で7期目より、見込みですが、お陰様で、増収出来そうです。

 

さて、弊所の業務で12月は、年末調整の業務があります。恐らく、一般の会社(法人)では、年末調整のため、各従業員さんに、「給与所得者の扶養控除等申告書」と、「給与所得者の保険料控除申告兼給与所得者の配偶者特別申告書」が配布され、そろそろ提出期限ではないでしょうか?

弊所の顧問先さんにも「遅くても12月10日まで、弊所にご提出ください。」とお願いしています。

 

昨年度までと異なり、今年は「税法上の扶養となる収入ラインの改定」や「マイナンバー制度の開始」なども相まって注目を集めていますが、本日は、年末調整の基本的な意味合いと考え方についてご案内します。

 

そもそも年末調整とは何か

 

年末調整を一言で表すならば「アバウトに天引きしている所得税の過不足精算をする作業」と言えます。所得税は1月から12月までの所得に対してかかる税金ですから、その年が終わらなければ正確な所得計算はできないはずです。ところが、戦時中に戦費調達の必要から所得税を前取りする仕組みが始まりました。つまり、給与所得者については毎月の給与から最終的な所得を予想して所得税を計算・天引きし、国の「資金繰り」に役立てたというわけです。



所得とは

所得とは、「収入から必要経費を引いたもの」と定義されます。収入の金額から収入を得るために必要な経費を差し引いた「余りのお金」が所得であり、その余ったお金の大きさに応じて所得税率をかけて「所得税」が決定されます。つまり、収入額が同じであれば、必要経費が多ければ多いほど、所得税が低くなるということになります。

 

必要経費とは

必要経費に対する考え方は自営業者と給与所得者(いわゆるサラリーマン)とで異なります。自営業者については、企業活動に必要な「家賃」「広告費」「人件費」「通信費」などの費用をひとつひとつ計算して必要経費を算出しますが、給与所得者については実際にかかった経費の金額に関わらず、収入額に応じて「だいたいこのくらいの経費がかかるだろう」とあらかじめ定められた計算式に当てはめて必要経費額を決定します。これを「給与所得控除」といいます。



その他の必要経費

その他、年末調整の時に必要経費申告をすることが決められている種類の経費があります。例えば扶養控除は、扶養家族の種類や人数により経費計上をします。社会保険料も経費計上できます。また、民間の生命保険の中に一部経費にすることが認められているもの(生命保険料控除)もあります。

 

所得税の計算

前述の必要経費を収入額から引いて得た金額=所得額に対して、税率をかけてその人の所得税を決定します。日本は累進課税制度を取っているため、所得が高い人ほど税率が高くなるように設計されています。

 

住宅借入金等特別控除

さらに、住宅ローンを組んで持ち家を購入した人に対しては、「ローンが大変だろうから、算出された所得税から特別に割引できる」という住宅借入金等特別控除があります。言い換えると、「所得税を安くするから家を買ってくれ」と国が奨励している事情が表れています。

 

ここまで、弊所のブログを読んでいただきありがとうございます。

2016.11.16

高齢者雇用をめぐる今後の動き

東京港区の・アリスト社労士行政書士事務所の

                代表の 郡山 博之です。

少子高齢化に伴う労働力人口の減少は、年金の持続可能性や企業の国際的な競争力確保などに悪影響を及ぼし、ひいては将来の経済に大きな影響を与えます。

 

そのため政府は、「高齢者」「育児・介護中の者」などに着目し、彼らが活躍できるように様々な働きかけを検討しています。

 

以下、高齢者の雇用に焦点をあて、今後の法改正などの予定についてご案内します。

 

予定①:65歳超雇用推進助成金(仮)

 

高齢者の活躍の場を広げるための助成金が新設される予定です。 

65歳以降の継続雇用延長や65歳までの定年年齢の引き上げを行う企業に対する支援を拡充するために新設されるものです。具体的には、65歳以上への定年の引き上げ、定年の定めの廃止、希望者全員を対象とする66歳以上の継続雇用制度の導入のいずれかの措置を実施した事業主に対して、その措置の内容に応じて助成金が支給される予定です。

 

実施内容

金額(予定)

65歳への定年引き上げの実施

100万円

66歳以上への定年引き上げ又は定年の定めの廃止の実施

120万円

希望者全員を6669歳の年齢まで継続雇用する制度の導入

60万円

希望者全員を70歳以上の年齢まで継続雇用する制度の導入

80万円

 

予定②:年金受給資格期間短縮の施行期日の改正

 

現在、老齢年金をもらうためには、最低でも年金を25年(免除期間などを含む)かけなければなりませんでしたが、その期間(「受給資格期間」といいます)を10年に短縮する法案の実施期日が前倒しされる予定です。

 

現在は老齢基礎年金等の受給資格期間短縮に係る施行期日が、「消費税10%引き上げ時」となっていますが、これを平成2981日に改める予定になっています。



その他:65歳以降の高齢者に対する雇用保険適用

平成2911日より、65歳以降に新たに雇用される者を雇用保険の適用の対象とすることが決定しています。※ただし、雇用保険料徴収は平成31年度分まで免除

 

また、シルバー人材センターにおける業務について、昨年度までは、「臨時的・短期的」(概ね月10日程度まで)又は「軽易な業務」(概ね週20時間程度まで)に限定されていましたが、平成284月から都道府県知事が市町村ごとに指定する業種等においては、派遣・職業紹介に限り、週40時間までの就業を可能とするよう改正となりました。

 

高齢者というだけで採用対象から敬遠するのではなく、高齢者も貴重な労働力とみなし、自社での活躍の場がないか検討してもよいでしょう。そうすれば、政府の助成金制度などを活用しながらよりよい事業活動ができるかもしれません。

 

ここまで、弊所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2016.11.08

能力不足社員やミスマッチ社員にどう関わるか

東京都港区のアリスト社労士行政書士事務所の

  代表の郡山 博之です。


先ほども、ブログを更新しましたが、2度の更新をさせていただきます。


今回の話題は、いろいろとクライアントさんとの会話でも話題になりますが。


よほど、慎重に採用活動を行ったとしても、応募者の実力や能力、考え方と価値観、コミュニケーション力などを正確に見抜けるとは限りません。

ところが採用後にミスマッチが発覚したとしても、簡単に解雇することはできません。

実際に社員の能力不足が発覚したときや会社とのミスマッチが感じられたときに、会社はどのように対応すべきでしょうか。以下、ミスマッチ社員への対応方法について書きます。

前提:解雇は危険

前提として、能力不足やミスマッチを理由とした解雇は「かなりハードルが高い」という認識を持った方がよいでしょう。根拠となる考え方として以下の二つがあります。

根拠1:解雇の有効性に関する法律

そもそも解雇は法律上「客観的に合理性があって、社会通念上の相当性がある場合」にのみ認められるとされています。

言い換えると「解雇するに見合うだけの問題があって、しかも世の中のいろんな立場の人10人に尋ねても89人が『解雇するしか仕方がない』と判断した」という対象者でなければ解雇として認められないということです。

根拠2:会社の指導義務

長期雇用を良しとする価値観が根強い日本において、解雇はもっとも避けるべき処分の一つとみなされます。

したがって、能力不足やミスマッチがあったとしても、裁判所などは「解雇の前に、能力不足を改善するための教育や指導、ミスマッチを改善するための面談や人事異動などを会社ががんばること」を求めます。

前述の根拠を知らずに解雇してしまうと、後になって「解雇は無効である」という訴えを起こされてトラブルが深刻化することに繋がります。解雇をめぐるトラブルが長期化すると、経済的・精神的に大きな損失を被ることになります。

対策のキーポイント① 記録

対策のための重要なキーポイントとして、まずは「記録」が挙げられます。つまり、「指導実績の記録」と「ミスマッチ解消のための面談の記録」です。




対策のキーポイント② 交渉

①で記録した行動結果をもとに検討した上で、それでも継続勤務が双方にとってメリットがないと判断された場合、その根拠と理由を丁寧に対象スタッフに伝え、退職について理解を得るよう交渉をすることになるでしょう。精神論や根性論は通じません。

その場合は、合意のためにいくらかの金銭を用意して交渉に臨むことも必要かもしれません。

いずれにせよ、能力不足社員などの処遇については独断的に決めずに、当方にご相談ください。

 

ここまで、弊所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2016.11.01

忘年会幹事で磨かれる「決断力」と「当事者意識」

東京港区のアリスト社労士行政書士

   代表の郡山 博之です。


さて、11月のスタートになりましたが、東京は、あいにくの雨です。


午前中は、顧問先の入退社手続きや高年齢雇用継続給付金の申請をしています。

電子申請のため、ハローワークや年金事務所にも出向かないので、業務がスムーズに流れます。

お客様と会う回数を増やし、逆にハローワークや年金事務所などの行政機関に行く時間や、待つ時間を極力0にするのが、私の目標です。

※行政書士業務は不可能ですので、結構、待ち時間や移動時間をかけてしまいます。行政書士業務も電子化になれば業務の効率化が図れます。


今年もカレンダーの残りあとわずかとなりましたが、そろそろ忘年会の幹事を決めておこうというという企業さんがあると思います。


忘年会のようなイベントは、企画立案の能力を図る絶好の機会なんですね。
私自身も会社員時代は、忘年会の司会や幹事をしたことがあります。


1年の頑張りをねぎらう時間だけに、「たかが忘年会」とは言えないため、幹事さんは、可能な限り多くの社員のニーズをかなえるべく、全力で企画することでしょう。

決められた予算のなかでメンバーのニーズに合うお店を選び、メニューを決め、必要なら二次会のお店にもアタリをつけておく必要があります。

この一連の流れが「企画すること」そのものであり、忘年会を成功させられる社員は企画立案の能力があると言えるのでは、ないでしょうか?

ここまで、弊所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2016.10.26

高齢者雇用に関する新しい助成金

東京・港区のアリスト社労士行政書士事務所の

   代表の郡山 博之です。


本日は、高齢者の雇用について、ご案内します。


平成28年度補正予算成立・雇用保険法施行規則の一部改正により、「60歳超雇用推進助成金」が創設されました。



この助成金の対象となる措置と助成金額は次の通りです。

() 65歳への定年の引上げ 100万円

() 66歳以上までの定年の引上げ又は定年の定めの廃止120万円

() 66歳以上70歳未満の年齢までの継続雇用制度の導入60万円

() 70歳以上の年齢までの継続雇用制度の導入 80万円



ただし、過去に高年齢者雇用安定助成金のうち定年引上げ等の措置に関して支給を受けた場合には、この助成金は支給されません。




この助成金の概要やリーフレットは、下記の独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構のホームページで確認できます。





独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 



ここまで、ブログを読んでいただき、ありがとうございます。

2016.10.25

残業を拒否した社員を懲戒解雇できる?

アリスト社労士行政書士事務所の

             代表の郡山 博之です。


10月も後わずかです。

また、年末も近くなり、繁忙となる、この頃です。


残業を拒否した社員を解雇できる?

この場合を説明します。


繁忙期で忙しいので、社員には残業をしてもらう必要がありました。

ところが、最近転職してきた社員が残業を拒否しました。

会社命令に従わないで残業を拒否した社員を懲戒解雇することはできるのでしょうか?



社員に残業をしてもらうためには、まず使用者としてすべきことがあります。

労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との間で書面による協定を行い、この書面を労働基準監督署に届け出る必要があります(36協定)。 

その上で、36協定の範囲内で一定の業務上の理由があれば、就業規則に「労働契約に定める労働時間を延長して労働者を労働させることができる」旨を定めることによって、当該就業規則の規定が合理的なものである限り、具体的労働契約の内容にすることができます。

これによって、労働者は残業をしなければならないことになっています(日立製作所武蔵工場事件 最高裁第一小法廷判決平成3.11.28)。 

ただし、36協定と就業規則の規定があるからといって、残業を拒否すれば即解雇できるわけではありません。就業規則に基づいた手続きを行わなければなりません。 

上記の判例のケースでは、残業を拒否した社員に出勤停止の懲戒処分を行っています。

その後も残業を拒み続け、懲戒処分を3回行っても改善されなかったので、懲戒解雇としています。

このケースでは、懲戒解雇された社員が解雇が無効であると会社を訴えていましたが、会社が勝訴して解雇が認められました。 

このケースの就業規則では、残業を命じる場合として「生産目標達成のため必要ある場合」「業務の内容によりやむを得ない場合」「その他前各号に準ずる理由のある場合」が記載されていました。

判例では、これについていささか概括的、網羅的であることは否定できないが、これらの記載事項が相当性を欠くとはいえないとされています。

残業を命じる場合については、ある程度の具体的な理由を、就業規則に規定しておくことが求められています。 

結論として、残業命令が有効であると認められるには、以下の条件が必要です。 

・就業規則に残業に関する定めがある 
・36協定を結び、労働基準監督署に届け出ている 
・就業規則、36協定の内容が合理的なものである 

これらの条件をすべて満たさないと、残業を拒否した社員を懲戒解雇しても、無効となる可能性があるでしょう。


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2016.10.18

厚生年金保険の標準報酬月額の下限の改定

東京港区のアリスト社労士事務所の代表の郡山 博之です。


弊所のクライアントさんの今月の給与計算の最終支給日が26日のため、給与計算業務が落ち着いてきました。


さて、本題です。


今月からの厚生年金保険の標準報酬月額の下限の改定についてご案内いたします。

平成28101日より、厚生年金保険の標準報酬月額の等級表に新たな等級が加えられました。

【改正前の1等級】標準報酬月額98,000

 (報酬月額101,000円未満)


【改正後の1等級】標準報酬月額88,000

 (報酬月額93,000円未満)


【改正後の2等級】標準報酬月額98,000

 (報酬月額93,000円以上101,000円未満)

10月分(11月納付分)より厚生年金保険料額表が改定となっていますので、ご注意ください。

1等級に該当する厚生年金保険被保険者がおられない会社では直接影響はありません。

ただ、例年同様、9月分(10月納付分)から保険料額表が変わったと思ったら、また10月分(11月納付分)から保険料額表改定となっていますので、ご注意下さい。



ここまでブログを読んでいただきありがとうございます。

2016.10.12

給与計算は、税理士に頼むか?社労士に頼むか?

東京・港区のアリスト社労士行政書士事務所の


代表の郡山 博之です。


本日は、給与計算について書いてみます。

給与計算の話題となりますが、私の営業活動上感じたことは、


1.給与計算は内製化、または、給与計算代行会社へ依頼、手続き関係は、社労士、税務関係は税理士へ依頼

2.社労士は、手続きのみで給与計算は、税理士に依頼

3.社労士に給与計算や手続き、年末調整を依頼し、法人税関連のみ税理士に依頼

4.社労士に給与計算や手続きを依頼し、税理士に年末調整や法人税関連を依頼

と大きく、4つのパターンがあります。



本日は、給与計算を焦点に書いてみますが、給与計算の例は、以下の通りです。

1.自社で内製にて行う。

2.給与計算のアウトソーシング会社に依頼する。

3.税理士に依頼する。

4.社労士に依頼する。

などです。実際、士業の中では、給与計算に独占業務(専業業務)がなく、どの士業も会社から給与計算を受託することが可能です。


ただし、給与計算に係ることが、

1.所得税の控除

2.住民税の控除

3.入社の際の、雇用保険や社会保険手続き

4.退社の際の、雇用保険、離職票の発行、社会保険の手続き

など、税と社会保険に関することが多くなり、士業の中では、税理士と社労士が給与計算業務を行っているケースが非常に多いです。


では、給与計算に関連して、税理士に依頼するメリットとデメリット、社労士に依頼するメリットとデメリットを書いてみたいと思います。


1.メリット

(1)税理士

給与計算を行うことにより、年末調整処理が一括で行うことができ、各従業員の居住地の市区町村に、各従業員の支払報告書と支払総括表を電子申請で行うことができ、手続きが非常に楽となります。


(2)社労士

毎年6月の労働保険の年度更新・7月の社会保険の算定基礎届・月額変更届・従業員の入社・退社・育児・高年齢などの手続きが、給与計算を行うことにより、システムで一括管理が可能で、一括して電子申請となり会社の手続きが非常に楽となります。また、書類がPDFなどで発行されるため、会社もPC保管が可能となり、紙媒体でのファイリングが不要となります。また、従業員に対しても、EメールやA4プリントアウトをされ書類のご提供が可能となります。


2.デメリット

(1)税理士

労働保険の年度更新、社会保険の算定基礎届・月額変更届、従業員の入社・退社などの手続きが、電子申請が出来ないため、紙ベースの届出書となり、都度、会社の代表社印が必要となり、手続きにより従業員の署名捺印が必要になります。また、税理士の職員か、会社の従業員がねんきん事務所やハローワークに届出書類を持ち込むか、郵送となり、手続きに係る時間が多くなり、証明書類等が紙での媒体となります。


(2)社労士

年末調整の際、弊所のソフトでも年末調整の処理が可能なシステムを導入していますが、各従業員の居住地の市区町村に、各従業員の支払報告書と支払総括表を作成、届出が出来ません。


結論

私なりの結論ですが、会社に所属している人の構成で、税理士に給与計算を依頼されるか、社労士に給与計算を依頼された方がいいのかと、判断する部分になります。

例えば、会社の構成員が

1.役員のみ5人という場合は、税理士の方が会社の利便性があります。

2.役員2人で従業員が数人在籍し、従業員の入退社が月に1人や2人ある場合は、社労士の方が会社の利便性があると思います。

いづれにしろ、給与計算をアウトソーシングをどこに依頼されるかは、経営者の判断となります。


実務的に書いてみましたので、ご参考にしていただければ幸いです。



ここまで、弊所のブログを読んでいただき、ありがとうございます。

給与計算については、お気軽にお問合せください。


2016.10.05

社会保険に入るか・入らないかのボーダーラインの変更について

東京・港区のアリスト社労士行政書士事務所

代表の郡山 博之です。


10月に入りましたが、まだまだ、秋らしい日はなく、今日も台風の影響で、どんより曇っている東京です。


さて本題です。



10月より、短時間労働者(パート、アルバイト)の社会保険の適用拡大が始まりました。

しかし、従業員が500人以上が対象で、ざっくり言えば、中小企業は現在は、関係ありません。




しかし、細かい話ですが、10月より、500人以上とか未満とか、大企業とか中小企業とか関係なく、10月から変更になっていることがあります。

マスコミにも、取り上げられていないことですが・・・・・

何かといいますと、

「社会保険に入るか・入らないかのボーダーラインの変更」

です。

今までは

1日または1週間の所定労働時間及び1ヶ月の所定労働日数が、おおむね4分の3以上」

※「及び」とは前後の条件両方ともという意味


でしたが、

今後は、

「1週間の所定労働時間及び1ヶ月の所定労働日数が、4分の3以上」 


と変更になります。




ひらめき電球ポイントは、


1.まずは、「おおむね」という表現が消えたことにより、より厳密に判断されるようになるということです。

今までは、その場その時である意味、柔軟な対応もアリだったところが、「そんな曖昧な判断はナシ!」になったということです。


2.次に、1日の」という判断基準の単位がなくなりました。

具体的に、例えば、



正社員が「18時間・週5日の勤務(月21日程度勤務)」である会社で、

パート・アルバイトさんが「15時間・週6日の勤務(月25日程度)」であれば、 


30時間(4分の3以上)でも、1日の所定労働時間が正社員の8時間の4分の3である6時間を下回っているため、今までは加入していなくても問題ありませんでしたが、今後は、「1日の」という判断基準の単位がなくなったため、このケースであれば、加入しないといけなくなってしまいます。


社会保険加入など、ご不明な点は、弊所にお問い合わせください。


ここまで、ブログを読んでいただきありがとうございます。

2016.10.02

副業は本当に禁止すべきか?

10月に入りましたね!


東京・港区のアリスト社労士行政書士事務所の

  代表の郡山博之です。


今日は、さわやかな秋晴れですが、来週から、暫く雨模様ですね。

台風も近づいているとのことで、被害が発生しなければと思います。


昨日、買い物から帰った妻がぼやいていましたが、とにかく野菜の値上げが、尋常じゃないみたいですね。


昨日、一昨日と顧問先の従業員の入退社手続きが多く、昨日も4社11人分の雇用保険、社会保険手続をしていました。

しかし、10年以上前の社会保険労務士事務所は、電子化ではなく、11人分の書類を1人で作成すると、ほぼ半日以上、時間を費やしたのでないのでしょうか?電子申請ですと、1時間かかりません。

それが、電子申請化のメリットですね。しかも、土日も申請できます1


さて、本題ですが、副業について、皆様はどのようにお考えでしょうか。日本における従来からの労務管理の考え方によると、正社員には副業を禁止することが当たり前でした。ところが近年、IT系企業をはじめとして副業を条件付きで(あるいは無条件に)認める企業が出てきつつあります。副業を認める企業の狙いはどこにあるでしょうか。


参考ですが、私自身、大学を卒業してから、普通の会社員でしたが、土日やすみの会社にて勤務していましたので、土日のどちらか、または両方と、不動産会社で賃貸の営業の副業をしていました。

勿論、就業規則は、兼業禁止ですが・・・・・

実は「あまりない」副業禁止の根拠

副業を禁止していた主な理由としては「疲労などにより本業に支障を来す可能性がある」「秘密情報の漏えい防止」などが挙げられます。

しかし、所定の労働時間を勤務していればプライベートの時間を何に利用しても個人の自由であり、副業を禁止してきたことに法律的な根拠はありません。

副業を禁止してきたことには、長期雇用の約束と引き換えに会社に「忠誠心」を求める管理者側の心理が背景にあります。

副業を認める理由

サイボウズやヤフー、Google、メルカリなどのIT企業だけでなく、最近ではロート製薬などの老舗企業も副業を認める(あるいは推奨する)考え方を打ち出しています。その理由として次のようなものが挙げられます。

1.人材確保に有利】

労働力人口が減り、採用コストが増大している近年では、採用において特色を出して求職者にアピールしなければ「いい人材」を採用できません。

また、社員満足度を高め退職者・転職者を減らす必要もあります。副業を認めることで他社との差別化を図り、人材確保をしたいという意図があるようです。

2.会社の「全体知識」を増やせる】

副業を認めることで、副業で新たな知識経験を得た社員が会社にその知識を還元して新たなサービス開発や業務改善に繋げてくれることを期待できます。

たとえば、飲食業で働く社員がインターネットショップ運営を副業で行うことが、飲食店の集客や通販事業のノウハウ集めの役に立つかもしれません。あるいは副業を通じて知り合った人から新たなビジネスが生まれる可能性もあるでしょう。

3.リフレッシュになる】

一つの業務にこだわりすぎて心身の疲労が溜まっている社員にとっては、ちょうどよい息抜きになることも期待できます。副業があることで仕事にメリハリをつけ、無駄な残業を減らすようになれば会社としても喜ばしいことです。

気を付けるべき「落とし穴」

前述のように、副業を認めることについてのメリットはあるものの、副業OK 制度の導入は慎重にしなければなりません。その理由は「会社側」と「社員側」それぞれにあります。

会社側の理由としては、「会社全体のチームワークができていない状態で副業を認めると、かえってチームがバラバラになるリスクがある」ことが挙げられます。副業ばかりに精を出し本業の手を抜くようになっては本末転倒です。また、社員側の理由としては「社会人として未成熟な社員にとっては、副業を認めることが社員教育の邪魔になる」ことがあります。未成熟な社員に対してはまずしっかりと仕事を覚えさせることに集中させたほうがよいかもしれません。


ここまで、ブログを読んでいただきありがとうございました。

2016.09.27

「業務改善助成金」「キャリアアップ助成金」が拡充されます!

こんにちは!


東京・港区のアリスト社労士事務所

  代表の 郡山 博之です。


日曜日あたりから、天気が良くなりましたが、今日の東京は、夏に戻ったような暑さでムシムシします。


さて本題ですが、「業務改善助成金」「キャリアアップ助成金」が拡充されますので、ご案内します。

○第二次補正予算による措置

平成28年度の第二次補正予算案が8月下旬に閣議決定されました。

最低賃金引上げのための環境整備として、経営力強化・生産性向上に向けて、中小企業・小規模事業者への支援措置を推進・拡充する国の方針を踏まえ、予算案には「業務改善助成金」および「キャリアアップ助成金」等の助成額等の拡充などが盛り込まれています。

○「業務改善助成金」の拡充内容

業務改善助成金は、中小企業・小規模事業者が生産性向上のための設備投資などを行い、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を一定額以上引き上げた場合に、その設備投資などにかかった費用の一部を助成するというものです。

これまでは事業場内最低賃金が800円未満の事業場を対象としていましたが、1,000円未満の事業場にも対象が拡充されました。また、大幅な事業場内最低賃金の引上げ(90円以上)を行う事業場に対する助成措置が新たに新設されます。

なお、拡充後の本助成金の支給は、第二次補正予算の成立が条件となりますが、申請自体は予算成立前でも可能となっています


○キャリアアップ助成金の拡充内容

キャリアアップ助成金のうちの「賃金規定等改定(処遇改善コース)」は、有期契約労働者、短時間労働者といったいわゆる非正規雇用労働者の基本給の賃金規定等を2%以上増額改定し、昇給した場合に助成する制度です。

今回、中小企業が基本給の賃金規定等を3%以上増額改定し、昇給した場合、助成額が加算されることになりました。

なお、本助成金の加算措置は第二次補正予算の成立と厚生労働省令の改正等が必要となるため、現時点ではあくまでも予定となっています。



助成金について、ご不明な点は、弊所に、お気軽にお問合せください。

ただし、従業員を雇うからと言って、簡単に助成金は受給できません!!

労災加入・雇用保険加入・健康保険・厚生年金の加入が、特定の事業所を除き、大前提ですし、就業規則や賃金台帳、雇用契約書も求められます。

2016.09.23

平成28年度の最低賃金について(参考)

こんばんは!


東京・港区のアリスト社労士事務所


代表の郡山 博之です。


9月も、残すは、1週間となりましたが、来月より、最低賃金

が変更となります。


内容としましては、今年度の全国加重平均の時給は823円

(昨年度798円)で25円も増加しています。


ちなみに昨年度は、18円増となっており、過去最大の上げ

幅です。


最高額は、弊所がある東京都の932円、最低額は、714

(沖縄県・宮崎県)で、各都道府県において、10月1日

から10月中旬にかけて、順次改定されます。


最低賃金について、ご不明な点は、弊所に、お気軽にお

問合せください。

2016.09.22

社会保険被保険者資格取得基準の明確化及び適用範囲拡大について

こんばんは!


東京・港区のアリスト社労士行政書士事務所の

   代表の郡山博之です。


本日も、仕事をしていましたが、台風が過ぎた、昨日は曇りで、今日は朝からどしゃ降りで、日本の気候は、どうなったんだろう?とふと、思いました。

9月の日照時間が、ニュースで言っていましたが、東京は5分足らず。


私自身、47年間生きてきましたが、初めての経験かと思います。


日本だけでなく、地球自身が、変化していくのでしょうか?

私の子供たちが、私の年齢になった時の、日本や地球が怖いですね・・・・


さて本題です!


平成28101日より改正施行される厚生年金保険・健康保険の適用拡大と併せて、被保険者資格取得基準の明確化もなされるようになります。


諸々の社会保険関係の手続きにおいて間違いのないよう、整理してご案内します。


厚生年金保険等の被保険者資格取得基準の明確化


これまで社会保険の資格取得をするかしないかについてはその基準があいまいでしたが、101日以降、以下の通り改定となります。



従来の取り扱い(旧)  

1日または1週の所定労働時間および1月の所定労働日数が常時雇用者のおおむね4分の3以上(この基準に該当しない場合であっても就労形態や勤務内容等から常用的使用関係にあると認められる場合は被保険者となります。)                                               

                                ↓

平成28101日以降の取り扱い(新)

1週の所定労働時間および1月の所定労働日数が常時雇用者の4分の3以上


これは、501人以上の企業における社会保険適用拡大に合わせて、社会保険資格取得基準を法律上明確にしたということです。

 

新しいルールに基づく4分の3基準を満たさない場合でも、次の「5要件」を満たす場合には社会保険被保険者となります。

 

   1週の所定労働時間が20時間以上であること→雇用保険と同じです

   雇用期間が継続して1年以上見込まれること

   月額賃金が8.8万円以上であること

   学生でないこと

   常時501人以上の被保険者を使用する企業(特定適用事業所)に勤めていること

 

特定適用事業所とは

同一事業主(法人番号同一)の適用事業所の被保険者数の合計が、1年間に6か月以上、501人以上になることが見込まれる事業所をいいます。

 

施行日時点で要件を満たす事業所には10月初旬に「特例適用事業所該当通知」が送付されます。

 

制度改定前後の取得手続きの判断方法

   制度改定前に被保険者である短時間勤務者については、101日以降前述の「5要件」を満たさないとしても引き続き被保険者となります。

   制度改定前から引き続き雇用されている有期契約者については、平成28101日から起算して1年以上雇用期間が見込まれるか否かを判断します。(例:ある有期契約者が同年111日に契約更新し、1年間の雇用契約となった場合、資格取得日は111日となる。)

   基準となる8.8万円には「時給、日給などを月給換算した基本給」に、各種手当を合算した金額を用います。ただし臨時手当や精・皆勤手当、通勤手当、家族手当、残業手当は含みません。(資格取得時や算定基礎届提出時には「臨時手当を除く」これらの手当も含めます

 

短時間社員の社会保険加入についてのご相談は当事務所までお寄せください。

2016.09.17

パートタイマーへの年次有給休暇付与時の注意点

こんばんは!

東京・港区のアリスト社労士行政書士事務所の


    代表 郡山 博之です。


今日の東京は、久しぶりに晴れましたが、明日からは、1週間ほど、しばらく、下り坂の天気予報ですね。


9月も半月が過ぎ、残り半月となりました。


さて、本題です。

弊所の顧問のお客様で、アルバイト・パートタイマーを使用されている法人さんがあります。


実務的に、アルバイトから有給請求をされた。有給について聞かれたなどと相談を受けます。


実は、アルバイト・パートタイマーの場合も、有給規定があります。


アルバイトの有給については、以下の通りです。

表1

1週の所定労働時間が30時間以上、1週の所定労働日数が5日以上、または年間の所定労働日数が 217日以上の者
(いわゆる正社員と同様の日数を付与)





表2

1週の所定労働時間が30時間未満で、かつ、
1週の所定労働日数が4日以下、または年間の所定労働日数が216日以下の者





では、実際に、アルバイト・パートタイマーが有給を取得した場合に実際に支払う賃金の額は以下の通りとなります。

(1)平均賃金
(2)所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金
(3)健康保険法の標準報酬月額の30分の1に相当する金額

    (10円未満を四捨五入)

 これら3つのうち、いずれを選択するかはあらかじめ就業規則に定めておく必要があり、(3)とする場合には労働者の過半数で組織する労働組合、労働組合がない場合は労働者の過半数代表者との間で労使協定を締結することになっています。実務上、(2)で支払う企業が多いようですが、1日の所定労働時間が曜日等で異なる場合、年休を取得した曜日によって同じ年休1日を取得した際に支払われる賃金が異なることになり、所定労働時間が長い日に年休を取得した方が支給される賃金が多いといったことが発生します。


 このような勤務を行うパートタイマーが存在する場合には、(1)の平均賃金に基づき手当を支給することが考えられます。これにより、所定労働時間が異なる場合でも、同じ額の賃金が支給されることになり公平な取扱いが可能となります。ただし、平均賃金とした場合、毎回、平均賃金を計算する必要があり、事務的に煩雑となることに注意が必要となります。

 

 年休の取扱いについて、ご不明点がありましたら、当事務所までお気軽にお問い合わせください。


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2016.09.01

外的暴力から社員の身の安全をどう守るか

こんにちは!

東京港区のアリスト社労士行政書士事務所

   代表の 郡山 博之です。


本日は、朝から外出で、銀座、九段下と訪問してきましたが、まだまだ残暑が厳しいですね!


さて、本題ですが、先日神奈川県相模原市の障害者施設において、刃物を持った男が入所者らを襲い、19人が死亡、26人が怪我を負うという痛ましい事件が起きました。怪我人には施設職員も含まれていたとのことです。


他にもストーカーや暴力行為などにより、社員に危害が及ぶ危険性を会社は無視できません。以下、外的な暴力に対して会社が法律上負う安全配慮義務について解説し、安全対策について考察します。


安全配慮義務

労働契約法第5条では、「会社は労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」として、会社が労働者に対して負うべき労働契約上の付随義務を定めています。


これを「安全配慮義務」と呼びます。会社がこの義務を怠り、労働者に損害が発生した場合、会社は労働者に対して損害賠償責任を負うことになります。過労による死傷事件や労災事故などの場合、「会社の行為が安全配慮義務に違反しているか否か」が裁判などの重要な争点となります。


会社が講じるべき措置

安全配慮について、具体的にどのような措置を講じるべきか、法律では列挙されていません。ただ、過去の裁判例によると以下の両面を検討し、会社の責任を判断しています。


1.  災害発生を予見できたか否か(予見可能性)

2.  社会通念上相当とされる防止手段を尽くしていたか(危険回避努力)


建設工事現場を例にとると、「転落しそうな場所があるとわかっていた(予見可能性)にもかかわらず、落下防止の


柵を設置(危険回避努力)しなかった」となると、安全配慮義務違反と見なされることがあるというわけです。

外的暴力から身を守るには

相模原市の事件はかなり特殊なケースということもあり、発生を予見することは困難とみるべきでしょう。しかし、個人的な怨恨であっても、会社側が危険性を察知し、事前対応をすることで危険レベルを下げることはできます。

働く場における外的暴力の種類としては、例えば以下のようなものが考えられます。

1.  異性のクライアント・一般客から個人的好意を寄せられる

2.  現金を持っているところを襲われる

3.  敷地内に侵入され物品を盗まれ、発見したときに逆上して攻撃される

4.  競合する会社から怨恨を買う

5.  社内恋愛などをこじらせてストーカー行為に発展する

6.  宗教やマルチ商法ビジネスがらみのトラブルが暴力化する

これらのトラブルが暴力事件に発展し社員に危害が及ばないように、次のような対策を事前に講じることを検討してもよいでしょう。近年は特に携帯電話やスマホの使用ルールについて注意が必要でしょう。


今回の事件を対岸の火事と考えず、自社の安全対策を今一度見直してみてはいかがでしょうか。



ž  個人の携帯電話などの業務使用を禁止する

ž  業務専用の携帯電話などを支給する

ž  多額現金を持ち運ぶ際は複数人で移動するなどの
ルールを決める

ž  早朝や夜間の通勤は送迎をする

ž  警備保障会社と契約する


 

 

 

 

 

 


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2016.08.24

厚生年金保険料率の引上について

こんばんは!


東京・港区のアリスト社労士行政書士事務所の


  代表の郡山博之です。


もうすぐ、8月も終わりですね。9月に入りますと、9月分(10月納付分)から厚生年金保険料が0.354引き上げられ、18.182%となります。 

(一般の被保険者の場合)

会社負担分および被保険者本人負担分は、半分の9.091となります。



なお、厚生年金基金にご加入の場合の料率は、ご加入の基金により異なります。



ちなみに、来年(平成29年)の9月分(平成2910月納付分)以降の厚生年金保険料は、さらに0.118%引き上げられ、18.3%となることが既に決まっています。



その後は、現在の法律条文では、18.3%のまま固定されることとなっていますが、今後法改正が行われた場合は、改正後の条文に規定されるところによります。



厚生年金保険に、現在の「総報酬制」という仕組みが取り入れられたのは、平成154月からのことでした。



総報酬制導入前の厚生年金保険料率は、次の通りでした。


・標準報酬月額に対する保険料率: 17.35

・標準賞与額に対する保険料率:  1



これが、平成154月の総報酬制導入後は、次の通り変更となりました。

・標準報酬月額に対する保険料率

 13.58

・標準賞与額に対する保険料率

 13.58




総報酬制導入前は、賞与に対しては、1%という極めて低い厚生年金保険料率で保険料をかける仕組みでした。

そして、この賞与分の厚生年金保険料は、年金給付には全く反映しない掛け捨て保険料でした。



これが、総報酬制導入後は、賞与に対しても毎月の給与に係るのと同じ保険料率で保険料がかかることとなりました。

その代わり、賞与分の厚生年金保険料も、年金給付に反映することとなり、掛け捨て保険料ではなくなりました。

平成154月時点では13.58%であった厚生年金保険料が、平成16年改正で、保険料率を平成16年から毎年0.354引き上げ、平成29年以後18.3%で固定することを法律で定められました。

(同時に国民年金保険料も平成16年から毎年引き上げ、平成29年以降固定することも定められました。)



これにより、平成16年以降毎年保険料がアップしてきたわけです。



平成1610月以降の厚生年金保険料のアップの推移は次の通りです。


平成1610月~平成178月 13.934

平成17 9月~平成188月 14.288

平成18 9月~平成198月 14.642

平成19 9月~平成208月 14.996

平成20 9月~平成218月 15.350

平成21 9月~平成228月 15.704

平成22 9月~平成238月 16.058

平成23 9月~平成248月 16.412

平成24 9月~平成258月 16.766

平成25 9月~平成268月 17.120

平成26 9月~平成278月 17.474

平成27 9月~平成288月 17.828

平成28 9月~平成298月 18.182

平成29年 9月~平成308月 18.300



毎年少しずつのアップですと、都度給与計算ソフトの保険料率を少しアップさせるだけで、あまり実感が沸かないかもしれませんが、平成1610月前の13.58%と来年9月以降の18.3%とを比較すると、4.72%も増えることとなります。


月額報酬50万円・賞与なしの厚生年金被保険者の方一人の場合でも、平成169月時点の厚生年金保険料は年間814,800円だったものが、平成299月以降は1,098,000円と年間で283,200もアップとなります。

(会社負担分・被保険者負担分合計です。)

  

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2016.08.04

育児・介護休業法の改正について

ご無沙汰しています。

東京・港区のアリスト社労士行政書士事務所

        代表 郡山 博之です。


東京もやっと、梅雨明けしましたね。

本日の東京は、真夏の日差しに戻りましたね。

やっと、賞与計算や算定などの時期も終わり、一段落しました。


弊所は、社会保険労務士業務と行政書士業務を双方行っていますが、今般の売り上げを見ると、社会保険労務士業務約75%、行政書士業務が25%となっています。埼玉県川口市で開業していたころは、逆で、行政書士の売り上げが多く、社会保険労務士の売り上げが少なかったです。

これは、埼玉と東京との事務所の立地の違いなんでしょうね。


最近の許可申請業務は、建設業許可申請よりも人材派遣業許可申請などが増えてきています。これも事務所の立地の違いなんでしょうね。


さて、本題です。

政府が目指す「一億総活躍社会」に向けての施策として、平成29年1月から育児・介護休業法が改正になります。「育児・『介護』休業法」というように、今までも介護休業についての雇用保険給付など支援策はあったものの、育児休業と比べて認知度が低く、利用率は高くありませんでした。家族の介護を理由とした離職をせずに済むよう、この度適用範囲の拡大や給付率のアップが行われます。又、契約社員なども育児休業を取得しやすくなります。以下、育児・介護休業法の改正内容についてご案内いたします。


1. 介護休業等にかかる改正

前提:介護休業とは

介護休業とは「労働者(日々雇用される者を除く)が、要介護状態(負傷、疾病又は身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態)の対象家族を介護するための休業」を指します。対象家族の範囲は、配偶者(事実婚を含む)、父母、子、配偶者の父母、又は、同居し、かつ扶養している祖父母、兄弟姉妹及び孫です(対象家族の適用範囲は今後見直しがなされる予定です)。


(改正1)介護休業の分割取得が可能に

介護休業の分割取得が可能になります。今まで対象家族1人について原則1回しか取れなかったものが、3分割して取得することができるようになります。

現行:対象家族1人につき、通算93日まで原則1回に限り取得可

                ↓

改正:対象家族1人につき、通算93日まで3回を上限として介護休業を分割して取得可能


(改正2)介護休暇を半日単位で取得可能

今まで1日単位で取得していた介護休暇を半日単位で取

得することができるようになります。介護休暇とは、介護のために年間5日まで有給休暇とは別に取得できる休暇(有給・無給は会社ごとに定める)です。 
  現行:1日単位で取得
 

               ↓

  改正:半日(所定労働時間の2分の1)で取得可能




(改正3)介護休業給付金の給付率アップ






一定の要件を満たす介護休業について雇用保険制度から「介護休業給付金」が支給されますが、その給付率が休業前給与の40%から67%にアップします。

  現行:休業開始前の給与の40%(介護休業開始が平成287月以前

                 ↓

    

その他、介護のための残業の制限や、労働時間短縮の措置などが改正となります。

育児休業にかかる改正

(改正1)有期契約労働者の育児休業取得要件緩和

今までは、契約社員については「子が1歳になった後も雇用が継続することが見込まれる場合」に限り育児休業が取得できましたが、改正により「子が16ヶ月以内になるまでの間に雇用契約がなくなることが明らかでない場合」は育児休業取得が可能になります。

(改正2)育児休業の対象となる子の適用範囲拡大

今までは、法律上の親子関係にある子のみが育児休業対象でしたが、改正により特別養子縁組の監護期間中の子や、養子縁組里親に委託されている子等も新たに対象となることになりました。



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2016.07.21

話題の確定拠出年金とは?

こんにちは。


東京港区のアリスト社労士行政書士事務所の

  代表の郡山 博之です。

7月も下旬に入り、水不足が深刻な東京ですが、本日は、雨です。

しかし、今年は、1度晴れると、暑くて、完全な梅雨明け後が、猛暑で怖いです。

さて、巷で「確定拠出年金」という言葉を聞くことが多くなってきました。来年の1月から法改正が行われ、老後資金を積み立てる選択肢の幅が広がることになりますが、そもそも中小企業では確定拠出年金制度そのものに馴染みがなく、メリットが理解されていません。以下、確定拠出年金制度の概要について。また、今回の法改正内容についてご紹介します。



基本

確定拠出年金をひとことで表現するならば、「掛けている本人が掛け金額及び運用方法を決めることができる年金」です。掛け金は個人ごとに明確に区分して積み立てられ、本人の運用方法次第で将来の年金給付が増えたり減ったりします。対照的なものは公的年金(国民年金・厚生年金)で、こちらは「掛け金額や運用方法を選べない年金」ですが、そのかわり将来の年金給付の計算方法が決められていることが特徴です。

現行の法律では、老後などのための資産形成は①強制加入の公的年金を土台にして、 ②企業又は個人の任意で確定拠出型年金などを上乗せして掛けるという構造になっています。

確定拠出年金のタイプ

確定拠出年金には「企業型」と「個人型」という2つのタイプがあります。企業型の場合、導入は会社が決めるもので、現在は社員が自分の意思で加入することはできません。掛け金は原則として全額会社が負担しますが、一部本人が拠出できる場合もあります。一方で個人型とは、①20歳から60歳までの個人事業主など②会社が企業型年金を導入していない会社の60歳未満の社員などを対象としたものです。

確定拠出年金のメリット

確定拠出年金(特に個人型)の大きなメリットは「税制面

の優遇措置」です。掛け金として拠出した金額が「全額」所得控除となり、課税所得が減額されます。言い換えると、確定申告の際に全額が経費扱いになります。民間の生命保険などの保険料は一部しか損金扱いにならないことを考えると税制面でのメリットは大きいでしょう。

また、運用に対する利益に対しても非課税となり、給付を受ける際にも、年金として受ける場合は公的年金等控除が適用され、一時金として受ける場合は、退職所得として税制上の優遇措置が取られています。

注目の改正内容

平成291月より、特に個人型について以下の改正点が注目されています。

個人型確定拠出年金の加入可能範囲の拡大【施行日:平成2911日】 

これまで個人型確定拠出年金に加入することができなかった以下の者について、個人型への加入ができるようになります。

①確定拠出年金以外の企業年金の加入者

②公務員等の共済加入者

③第3号被保険者(専業主婦等)

また、すでに企業型確定拠出年金を実施している企業に勤めている場合でも、規約に定めることにより個人型確定拠出年金にも併用加入することが可能となります。その他、異なる制度間での資産の持ち運び制度や、中小企業向けの新制度創設、掛け金の年単位拠出などについても改正され、確定拠出年金の導入ハードルが下がりました。確定拠出年金は、掛け金が本人の積み立てとして確定するため、資産形成の際にわかりやすさがあります。これから社員の福利厚生を検討する場合、税制面でもよい選択肢となるでしょう。


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2016.07.13

65歳以上新規雇用者の雇用保険適用について

こんばんは!

東京・港区のアリスト社労士行政書士事務所

 代表の 郡山 博之です。


久しぶりの更新となりますが、耳寄りな情報です。

現在、65歳以後に入社した者は雇用保険に加入できず、原則として雇用保険給付の対象となりません。

この度、政府方針である「一億総活躍社会」の流れもあり、平成291月から65歳以上の新規雇用者についても雇用保険加入が可能になります。

以下、法改正の概要を解説するとともに、定年と再雇用についての現在のルールについても紹介します。

現在のルールと改正内容

高齢者の雇用保険加入については、現在以下のルールがあります。

  65歳以後に入社した人は雇用保険に加入できない

  64歳以前から雇用保険に加入している人が引き続き65歳以後も同じ会社で働く場合、例外的に雇用保険加入も継続する

  41日時点で64歳以上の人は雇用保険料が免除される

平成291月以降は次のように変わります。 

  年齢に関係なく働く時間等が要件を満たせば雇用保険に加入できる

  今まで年齢を理由に雇用保険に加入していなかった人は291月に加入となる

  雇用保険料免除の制度は廃止となる

ただし、激変緩和のため、平成323月までは65歳以上の新規雇用保険取得者含め、64歳以上の人の保険料は免除されます。

給付への影響について

今回の改正による給付への影響はありません。一定の要件に該当する65以上の労働者が失業すると、雇用保険から「高年齢求職者給付金」というものがもらえますが、法改正後も変わらずに支給されます。

定年・再雇用のルールについて

現在の法律では、企業規模に関係なく、定年や継続雇用について以下のようなルールになっています。 

  定年を定める場合は60歳以上でなければならない 

  65歳未満の定年制を設けている場合、以下のいずれかの措置を導入しなければならない。

(1)  65歳まで定年年齢を引き上げ

(2)  希望者全員を対象とする、65歳までの継続雇用制度を導入※

(3)  定年制の廃止

※平成253月までに労使協定を締結している場合、希望者全員を対象としない制度であっても可 

継続雇用制度を導入するにあたって、必ずしも継続雇用前の給与や職務を保障することを義務づけられていませんので、労使の合意があれば条件の変更は可能です。

ただし最近、再雇用後に嘱託として再雇用された際に、全く同じ業務を行うにも関わらず、再雇用規定に基づき年収が23割低下したケースを違法とする判決が東京地裁でありました。

今後の動向に注意しながら継続雇用を進める必要があります。

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2016.07.01

夏季休暇に有休を充ててよいか

7月に入りましたね!

東京・港区のアリスト社労士行政書士事務所

            代表の 郡山 博之です。


毎月、月初は、ホームページの更新をしています。

月に1度、「事務所便り」の更新です。

ホームページは、生き物?ですので、放置していると意味がなくなります。


最近、大学の同期が、会社を設立し、宅建業免許申請を弊所でサポートし、無事に営業開始となりました。

次は、日本政策金融公庫の創業融資の事業計画ということで、一昨日ですが、私の方で作成し、大学の同期に渡しました。ある程度の創業融資は、見込めるでしょう!


さて、6月は、多忙で、気づいてみると、ブログの更新がわずか3回でした

(^_^;)

新しい、社労士業務のクライアントさん数社と契約をいただき、従業員データーを弊所のシステムに移管設定したり、給与計算の設定をしたり、過去の賃金データーの取り込むを行ったりと。

後は、労働保険の年度更新のや、社会保険の算定基礎の時期もあり、土日もなく、業務に励んでいました。


さて、本題です!

まもなく夏季休暇を与える時期になります。業種による違いはありますが、8月のお盆時期などにまとめて休暇を取ることが一般的でしょう。一方で、法律通り有給休暇を付与できていない企業実態もあるかもしれません。この二つの事柄を組み合わせて、夏季休暇の日数分「有給休暇を消化させる」ことが法律的に可能でしょうか。以下有給休暇の計画的付与のルールについて説明します。


夏季休暇と有休の違い

まずは、夏季休暇と有休の原則、並びに両者の違いを説明します。夏季休暇が定めてあるとき、それは一般的には会社が法定休日とは別に指定する休日であり、「働かなくてよいと会社が決めた日」という位置づけになります。


一方、有給休暇は、労働者からの申請によって発生するもので、労働者が自ら、会社が定める休日・法定休日以外で指定して取得するものです。言い換えると、有給休暇取得日とは「本来は働く日だが、申請により働かなくてよい日」となります。


有給休暇は労働者のリフレッシュのために設けられているものであり、会社が一方的に「この日に有給休暇を取得しなさい」と命ずることはできません。労働者は、自分の好きなときに有給休暇を取る権利=「時季指定権」をもっているとされています。


年次有給休暇の計画的付与の概要

しかし、それぞれの会社の事情により、有給休暇を取りやすい時期と取りにくい(忙しい)時期があります。そのため、会社と労働者が協定を結ぶことで、有給をあらかじめ決めた時期に指定することができます。これを『年次有給休暇の計画的付与制度』といいます。この仕組みを使えば、夏季休暇時期に有給休暇をまとめて取得させることができます。


労使協定の締結

実際に計画的付与を行う際、従業員の過半数で組織する労働組合または労働者の過半数を代表する者との間で、書面による協定を締結します。(なお、この労使協定は所轄の労働基準監督署に届け出る必要はありません。)労使協定で定める項目は次のとおりです。


 計画的付与の対象者(あるいは対象から除く者

 対象となる年次有給休暇の日数

 計画的付与の具体的な方法

 対象となる年次有給休暇を持たない者の扱い

 計画的付与日の変更


ただし、労働者が自由に取得できる有給休暇を最低でも5日は残しておかなければなりません。


夏季休暇を有休取得と取り扱うことの注意点

従来会社の「所定休日」として夏季休暇を与えていたものを廃止し、年間休日数は変わらないものの、厳密には「所定の休日が減った」ことになり、労働条件が不利益に変更したことになります。しっかりと労働者の合意を取り、後のトラブルにならないように気を付けて導入しなければなりません。



有給休暇の計画的付与の制度導入については、当事務所までご相談下さい。





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2016.06.26

年金事務所の調査対策マニュアル

こんばんは!


東京・港区のアリスト社労士行政書士事務所

 代表の郡山 博之です。


最近は、労働保険の年度更新や、社会保険算定時期で、社会保険労務士としては、繁忙期なため、私もばたばたしていまして、久しぶりの更新となります。

毎週、更新をしようと、心がけていますが(^_^;)

ちなみに、フェイスブックは、外出したたんびに、更新しています(^_^;)


本日は、社会保険?

健康保険と厚生年金になりますが、マイナンバー制度が導入されて、付随して社会保険未適用法人等に対する適用調査が広く行われています。


法律的に加入義務があるのに加入していない企業に宛てて調査用紙が送付されたり、年金事務所の訪問などが行われたりしています。


その他、加入している企業に対しても、算定基礎届提出時期など定期的に調査が行われます。社会保険調査があった場合、どのようなことを調べられるかについて解説します。


基本的な調査内容

年金事務所の調査において調べる事項は、シンプルに言うと

①社会保険に入らなければならないのに加入していない企業・人はいないか②社会保険に加入している情報にウソや間違いはないか

の二つです。


加入すべき会社と人

法人企業は人数に関わらず社会保険の強制適用事業所となります。また、個人事業であっても一部の業種を除き5名以上社会保険加入対象者がいる場合は強制適用となります。


現在は税申告情報や登記情報をもとに社会保険未加入事業所をリストアップし、加入調査を進めているようです。


社会保険は全ての従業員が加入対象となるわけではなく、いわゆる正社員、および正社員と比べて労働時間が4分の3※以上の非正規社員(パート・アルバイトや契約社員など)が原則として対象となります。

※今年の10月から、一定の規模以上の企業については基準が2分の1に変わります。


また、すでに社会保険に加入している企業に対しても、定期的に加入漏れなどがないかを確認する調査の対象になることがあります。


加入情報のウソや間違いとは

加入情報のウソや間違いの調査とは、具体的には以下のようなことを調べます。

Ÿ 本来もらっている報酬と届出上の報酬に差がないか

Ÿ 算入すべき報酬の参入漏れがないか

Ÿ 賞与の届出漏れがないか

Ÿ 加入すべき労働時間なのに未加入状態の人がいないか


社会保険料は届出した報酬(標準報酬月額といいます)に比例するので、社会保険料を抑える目的で不正に報酬を低く届出したり、賞与の支給があったのに届出を忘れたりといったことがないかを調べます。


調査の際、源泉所得税の納付書上の給与支払い対象者人数と社会保険被保険者数を比較するなどのチェックが行われることもあります。


社会保険調査の連絡が来たら

社会保険調査に関する連絡は通常書面で会社に届きます。調査連絡を無視してしまうと、最悪の場合2年間さかのぼって社会保険料を徴収される場合もあります。


調査連絡がきたら決して無視せず、当事務所までご連絡ください。

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2016.06.10

社会保険算定基礎届について

こんばんは!

東京・港区のアリスト社労士行政書士事務所の

     代表 郡山 博之です。


本日の東京は、梅雨の中休みなのか、快晴で、暑い1日でした。

しかし、じめじめした気候よりは、私は、今日のような日が大好きです。

日曜日から、また、梅雨空に戻るみたいですね。


さて、私の事務所の事務所は、前回のブログに書きましたが、クライアント様の労働保険の年度更新手続きが始まっています。


また、年度更新が終了しましたら、次の業務として、社会保険算定基礎届があります。


本日は、社会保険算定基礎届についてご案内します。


社会保険算定基礎届について

社会保険の算定基礎届とは、毎年1回社会保険上登録してある給与額(標準報酬月額といいます)を実態に合わせるために報告する書類です。算定基礎届は以下の流れで提出をします。



1. 毎月6月上旬~中旬に、日本年金機構から算定基礎届が郵送されてきます。

2. 4月~6月に被保険者に支払った報酬総額などを記入します。

3. 71日から711日までの間に日本年金機構へ郵送や持参などの方法で届出をします。一部の会社に対しては郵送などによらず、年金事務所で調査面談が実施されることがあります。




マイナンバーとの関係

マイナンバー制度の開始により、今年度から算定基礎届様式が変更となる予定です。


70歳以上の被用者のための算定基礎届が70歳未満のものと統合され、マイナンバー記載欄が追加となるようです。


今年度マイナンバーを記載しなければならないのは「70歳以上の被用者」に限られますので、70歳未満の方のマイナンバーはまだ記載の必要がありません。


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2016.06.01

労働保険年度更新がスタート

こんにちは!

東京・港区のアリスト社労士行政書士事務所の

     代表の郡山 博之です。


2016年も6月に入りましたね。

本当に早いものです。


また、6月は、社会保険労務士業務では、労働保険の年度更新の時期です。

今年は雇用保険料率の改定や、健康保険の上限等級の改正、マイナンバー制度開始などがありましたので、申告書式等が変更となります。以下、あらためて計算方法などについて解説します。

年度更新とは

労働保険の年度更新とは、「一年度(毎年4月~翌年3月まで)の労働保険料を確定させ納付済み額との過不足を精算し、同時に新年度の保険料を納付する作業」を指します。 

労働保険料は原則として以下の計算式により計算します。 

「その年度に支払った賃金総額×保険料率」


労災保険と雇用保険の賃金総額の違い

労災保険の賃金総額とは、「労災の補償対象となる労働者全員の賃金を合計した金額」を指します。 

労災保険は1日だけ働くアルバイトや嘱託社員などの非正規社員も対象となります。派遣労働者は含まれません。 

一方雇用保険料計算に関する賃金総額は「雇用保険被保険者分だけ(41日時点で64歳以上の被保険者を除く)」となります。

雇用保険被保険者資格は週20時間以上の勤務が条件ですので、勤務時間が短くなった労働者については資格の喪失も検討する必要があります。



申告方法と今年度の変更点 

労働保険料申告書は5月下旬~6月初旬に労働局から郵送されてきます(労働保険事務組合加入企業は別途事務組合から連絡があります)。2016年度より雇用保険料率が変更となっています。申告と納付は711日までに行います(一定額以上の保険料納付をする場合、3分割納付ができます)。


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2016.05.20

厚生労働省の支援策で「無期転換ルール」対応は進むか?

お疲れ様です!

こんばんは!


東京・港区のアリスト社労士行政書士事務所の

                     代表の郡山 博之です。


先日、顧問先さんから、自社のホームページに、当社、「顧問先」として、事務所名を掲載していいですか?

との質問があり、快くOKさせていただきました。

当事務所のネームバリューのUPにもなりますし、有難いお話です。


さて、本題ですが、「労働新聞」でも記事として出ていましたが、厚生労働省は、「無期転換ルール」に関して平成28年度に実施する以下の支援策を4月下旬に発表しました。

(1)無期転換制度の導入支援のための「モデル就業規則」の作成 

(2)無期転換制度や「多様な正社員制度」の導入を検討する企業へのコンサルティングを実施 

(3)無期転換ルールも含めた「労働契約等解説セミナー」を全国で208回開催 

(4)無期転換制度や「多様な正社員制度」についてのシンポジウムを開催 

(5)先進的な取組を行っている企業の事例を厚生労働省のホームページなどで紹介 

(6)無期転換制度の導入手順などを紹介するハンドブックを作成 

(7)キャリアアップ助成金を拡充 

(8)都道府県労働局(雇用環境・均等部(室))に専門の相談員を配置



◆無期転換対応の動きが進むか?



独立行政法人労働政策研究・研修機構が昨年12月に実施した調査によると、労働契約法に基づく「無期転換ルール」について66.1%の企業が「何らかの形で無期契約にしていく」と回答したそうです。

厚生労働省の支援策発表を受けて、企業における無期転換ルール対応の動きが本格化していくことが見込まれます。




◆業種別のモデル就業規則



なお、上記支援策のうち(1)のモデル就業規則については、「小売業向け」および「飲食業向け」のものはすでに厚生労働省が作成しており、同省ホームページでダウンロードすることができます(「多様な正社員 厚生労働省」で検索)。

それぞれ42ページにわたるもので、「無期転換ルール」のみならず「多様な正社員制度」にも対応するものとして詳細な解説も付いており、小売業および飲食業における就業規則作成の際には大変参考になります。






今後は他の業種についても作成が行われる予定となっています。









ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございます。 

2016.05.12

無用なトラブルを防ぐ雇用契約書の交わし方

こんにちは!

東京・港区のアリスト社労士行政書士事務所の

              代表 郡山 博之です。


本日は、雇用契約書についてご案内します。

雇用契約書は労働条件についての合意を証明する書類として重要であるにもかかわらず、整備できていない場合があります。そして、雇用契約書の不備はしばしば労使トラブルの深刻化につながります。新規雇用や雇用契約更新などについて、具体的に書きます。



労働条件明示の義務
労働基準法等には、賃金や労働時間などの労働条件について労働者に明示する義務があると定めてあります。とくに下記のものは「書面で」明示しなければならないとされています。


労働契約の期間 /有期労働契約を結ぶ場合、更新の有無及び更新の基準/就業の場所・従事する業務の内容/始業・終業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交替制勤務をさせる場合は就業時転換に関する事項/賃金の決定、計算・支払の方法、賃金の締切り・支払の時期に関する事項/退職に関する事項(解雇の事由を含む


「労働条件通知書」と「雇用契約書」の違い
前述の「労働条件の明示」は一方的な交付でも構わないため、「労働条件通知書」などの書面を会社が労働者に渡すだけでも明示はできます。しかし、労働契約法において「労働契約は合意により成立する」旨規定されてあるため、お互いが条件について合意したことを「契約書」という形式で残したほうがよいでしょう。


ちなみに「労働条件通知書」とは、一般に労基法第15条による一方的な明示書面を指すことが多いものの明確な定義はなく、労働条件通知書というタイトルの書面に本人合意を示す署名欄を付け加えることで雇用契約書と同様の意味合いとする場合もあります。


従業員の署名と契約日

契約書は、契約当事者本人の署名、もしくは署名に代わる記名押印がなされることで締結に至ります。印鑑は必ずしも契約成立の要件ではないため、署名(サイン)だけでも結構です。

むしろ重要なのが「合意の年月日」です。「いつ合意をしたか」は裁判など労使紛争上重要なポイントとなるため、忘れずに記入して下さい。


残業については特に慎重に
時間外労働・休日労働などに関する項目は特に注意して記載・説明しましょう。定時が何時なのか、残業を固定的に支給するならそれは何時間分の残業を含むのか、残業はどのように申請しどう許可されるのか、などを丁寧に説明しましょう。


その他の注意事項

【勤務場所】

転勤の有無は子育てや家族の介護などの生活スタイルに影響を与えます。ミスマッチが起こらないよう勤務場所や転勤の可能性について事前に説明しましょう。



【契約期間と更新】
有期契約の社員に対しては、契約期間と更新の有無、更新の判断基準ももれなく伝えましょう。

【独自の職務ルール】

業種により特別の秘密保持義務がある場合など、会社独自のルールがあるときは契約時に説明をしましょう。

労使関係を悪化させないための社員とのコミュニケーションが最も重要ですが、労使トラブルリスクも考えた上でしっかりとした雇用契約書を取り交わしてください。


ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございます。 

2016.05.04

出産一時金と出産手当金の違いについて

こんにちは!

GWまっただ中、皆さんいかにお過ごしですか?

私は、自宅で書類作成と、顧問先の役員さんに赤ちゃんが生まれたとのことで、その役員さんから、委任状がメールで来たので、「被扶養者異動届」を作成し、電子申請手続きをしていました。

午前中は、風が強く、雨が強かったのに、すっきり晴れていますね!!

暑いです!

午後から、少し、出かける予定です。

就業規則の作成時や、今回の申請手続きの役員