アリスト社労士行政書士事務所(港区・渋谷区)のブログ

2023.01.08

パート・アルバイト等シフト制の要点

東京都渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

勤務シフトによって労働日や時間を決めるシフト制は、業務に対応し運用がしやすく、かつ、労使双方にメリットがあります。
ただし、中途半端な合意で進めてしまうと、(想定外でシフトが少ない)などといったトラブルを引き起こし、紛争に発展する場合があります。
本日は、厚生労働省が取りまとめた留意事項がありますので、それに基づき、シフト制で労働契約を締結する際の注意点や就労させる場合の要点をご案内させていただきます。

コロナの影響でトラブル増加・シフト制労働者の雇用管理

シフト制とは、労働契約時に具体的な労働日や労働時間を定めず、1週間や1カ月などの勤務シフトで確定させる勤務形態です。
ただし、不明確な合意のままで勤務シフトを運用すると
・ほとんどの日にシフトに入れない
・休業手当を支払って欲しい
といった労働者側の不満が生じてしまいます。
今般のコロナ禍の時短営業や休業により、人員調整をしたい使用者側と、今まで通り働きたい労働者側との間で、対立するケースが目立つようになりました。なかには、訴訟に踏み切るなど、シフト制の運用から大きなトラブルに発展する場合があります。

シフト制で労働契約を締結する際の注意点

昨年、厚生労働省は「シフト制労働者の雇用管理を適切に行うための留意事項」を取りまとめました。
労働契約書においてシフト制の労働条件などを可能な限り明らかにし、合意とルールづくりをもってトラブルを防ぐという趣旨です。
ここでは、労働契約を締結する際の注意点についてご案内します。
労働条件の明示とシフト制労働契約で望ましい事項
労働契約の締結時には必ず明示しなければならない事項が法律で定められており、契約期間や賃金の決定方法などの労働条件を、原則書面で交付しなければなりません。
その中でも特に、シフト制で注意が必要なのは、以下の2つです。
1 シフト制の注意点
(1)始業・終業時刻
労働契約の締結時点で、すでに始業と終業の時刻が確定している日については、労働日ごとの始業・終業時刻を明記するか、原則的な時刻を記載したうえで、締結時に定める一定期間分のシフト表などとあわせて交付する必要があります。
労働条件通知書などにおいて、単に「シフトによる」と記載するだけでは始業就業だけでなく労働時間も不明確であるため、明示としては不十分となります。
2 休日
シフト休、所定休日、法定休日の認識の差異がトラブルにつながることが多いため、休日について具体的な曜日などが決まっていない場合でも、基本的な考えなどを明記する必要があります。
また、シフトの作成、変更、設定なども、労使で話し合ってルールを決めることが大切です。
なお、作成や変更のルールは、就業規則などで一律に定めることも可能です。
ルールとして定めておくとよいこ
1 シフトの作成
(1)シフト作成時には事前に労働者の意見を聞くこと
(2)シフトの通知期限(シフトが通知される時期、毎月〇日など具体的な日)
(3)通知方法(メールによる通知、書面による通知など具体的な方法)
2 シフトの変更
(1)シフト期間開始前に一旦確定した労働日や時間を変更する際、使用者や労働者が申し出る期限や手続き
(2)シフト期間開始後に確定していた労働日や時間をキャンセル・変更する際、その期限や手続き
注意1 いずれの場合も、最低3日前までに変更の申し出など明確であることがポイントです。
注意2 確定したシフトの日や時間は労働条件の変更に該当するため、労使双方の合意が必要です。
3 シフトの設定
(1)労働者の希望に応じて合意すること
(2)一定期間中にシフト設定する最大日数や時間数・時間帯
(3)一定期間中の目安となる労働日数や時間数

シフト制労働者を実際に就労させる際の留意点

実際にシフト制労働者を就労させる際に押さえるべきポイントも以下の通りです。
1 労働時間と休憩
シフト制労働者であっても、労働時間や休憩についての定めはシフト制ではない労働者と同じです。
労働時間の上限は、原則1日8時間、1週40時間であり、時間外労働においては36協定の対象となります。
休憩についても同様で、1日の労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を、勤務時間中に与えなければなりません。
2 年次有給休暇
所定労働日数・時間数に応じて、労働者には法定日数の年次有給休暇が発生します。
原則、請求のあった時期に取得させなければならず、これはシフト制労働者にも適用されます。
また、シフトの調整をして働く日を決めたのだから、その日に年休は使わせないなどは、認められません。
さらに、使用者の責任でシフト制労働者を休業させた場合は、平均賃金の60%以上の休業手当を支払う必要があります。
以上、ご参考にしていただければ幸いです。
ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

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