アリスト社労士事務所(港区・渋谷区)のブログ

2022年07月

2022.07.31

2023年4月からの残業代50%支給について【60時間超】

東京都渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

現在、大企業の未導入されている60時間を超える残業の割増率が50%の件ですが、2023年4月1日より中小企業においても1か月について60時間を超えて時間外労働をさせた場合は50%以上の残業代支給が必要となります。
これは、特に長い時間外労働を強力に抑制することを目的として、1か月について60時間を超えて時間外労働をさせた場合には、その超えた時間の労働について、法定割増賃金率を現行の2割5分以上の率から5割以上の率に引き上げることとしたものです。

ポイント

 A 1か月(※)60時間を超える時間外労働に対しては、使用者は50%以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。
【補足】1か月の起算日は、 賃金計算期間の初日、毎月1日、36協定の期間の初日
 B 1か月60時間を超える時間外労働の割増賃金率及び1か月の起算日については、労働基準法に定める「賃金の決定、計算及び支払の方法」に関するものなので、就業規則に規定する必要があります。
C 1か月の起算日からの時間外労働時間数を累計していって60時間を超えた時点から、50%以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。
D 1か月60時間の時間外労働の算定には、法定休日(休日勤務割増135%の対象となる)に行った労働は含まれませんが、それ以外の休日(所定休日)に行った時間外労働は含まれます。なお、労働条件を明示する観点や割増賃金の計算を簡便にする観点から、法定休日とそれ以外の所定休日を明確に分けておくことが望ましいです
F 1か月60時間の時間外労働の算定には、法定休日(休日勤務割増135%の対象となる)に行った労働は含まれませんが、それ以外の休日(所定休日)に行った時間外労働は含まれます。なお、労働条件を明示する観点や割増賃金の計算を簡便にする観点から、法定休日とそれ以外の休日を明確に分けてるべきです。 
代替措置としては、60%割増の残業代のみではなく、1か月について60時間を超えて時間外労働を行わせた労働者について、労使協定により、法定割増賃金率の引上げ分の割増賃金の支払に代えて、有給の休暇を与えることも可能です。この場合は、まとまった単位で与えることによって労働者の休息の機会を確保する観点から1日、半日、1日または半日のいずれかによって与えることとされ、時間単位とすることは不可となります。
この代替休暇を取得した場合、その取得した代替休暇に対して支払われた賃金額に対応した時間外労働時間数に係る引上げ分の割増賃金の支払が不要となります。また代替休暇は、特に長い時間外労働を行った労働者の休息の機会の確保が目的ですので、一定の近接した期間内に与える必要があります。
時間外労働が1か月60時間を超えた月の末日の翌日から2か月間以内の期間で与えることを定める必要があります。
以上、ご参考にしていただければ幸いです。
ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2022.07.24

新型コロナに係る傷病手当金の支給に関するQ&Aが改訂されています

東京都渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士の郡山博之です。

最近、新型コロナの感染リスクが増加していますが、厚生労働省の方で、新型コロナに係る傷病手当金の支給に関するQ&Aが改訂されています
厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症に係る傷病手当金の支給に関するQ&A」が改訂され、新たに7つのQが追加されました。

(例)
Q被保険者が、業務災害以外の事由で罹患した新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)の療養のため、労務に服することができない場合、傷病手当金は支給されるのか。
A 傷病手当金の支給対象となりうる。
Q被保険者の検査は実施していないが、同居家族が濃厚接触者となり有症状になった場合等において、医師の判断により当該被保険者が新型コロナウイルス感染症に感染していると診断されたため、当該被保険者が労務に服することができない場合、傷病手当金は支給されるのか。
A 傷病手当金の支給対象となりうる。
他にも、、
Q傷病手当金の支給申請にあたり、保健所等が発行する「宿泊・自宅療養証明書」の添付は必要か
Q傷病手当金の支給申請関係書類として「宿泊・自宅療養証明書」が提出された場合に、これを医師の意見書として取り扱ってよいか
Q被保険者が、新型コロナウイルスの治癒後にも、事業主から感染拡大防止を目的として自宅待機を命じられたため労務に服することができない場合、当該期間について、傷病手当金は支給されるのか
Q事業主から自宅待機を命じられていた期間中に新型コロナウイルス感染症に感染した場合、傷病手当金の待期期間の始期はいつか
Q海外で新型コロナウイルス感染症に感染し、医師の意見書を添付できない場合は、何をもって労務不能な期間を判断すればよいか
といった事項について回答が示されています。
それぞれの内容が細かくて難しい点もあるので、従業員から相談があった際には各都道府県労働局へご相談いただければ幸いです。
ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2022.07.17

仕事中や通勤途上の傷病は労災です!

東京都渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士の郡山博之です。

本日は、基本に立ち返りご案内させていただきます。
最近、混同された質問が多いためです。

業務上や通気途上での災害による病気やけがは、健康保険では補償されません。

あくまでも労働者災害補償保険からの補償となります。

万が一、上記の原因で病院へ行かれる場合は、業務上または、通勤途上と病院へ伝えて診療されることが必要です。

〇労災に該当するかの判断は誰が行いますか?

社労士でも、雇用主でも、民間の損害保険会社でもありません。会社を管轄している労働基準監督署が判断します。

〇労災の保険申請は面倒ですが、公的保険制度上は、労災保険が優先されます。会社の判断やしこの判断では健康保険を使用することはできません。

以上、ご参考にしていただければ幸いです。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2022.07.10

2022年10月から101人以上の会社で週20時間以上勤務のパートが加入対象となります①

東京都渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

 2022年10月からは101人以上の会社で週20時間以上勤務のパートも加入対象となります。またその後も対象が順次拡大となります。

2022年10月から社会保険加入者数101人以上の企業が、さらに、その後2024年10月には社会保険加入者数51人以上の企業において、1週間の所定労働時間が20時間以上等の加入基準を満たしたパート職員(パートタイマー・アルバイト等)については、社会保険に強制加入することになります。
この制度のポイントは、パート、アルバイト、正社員を含む全従業員数ではありません。すでに社会保険被保険者となっている従業員の人数(社会保険加入の従業員)ということになります。
例:アルバイト・パートを含む全従業員数が1000人であっても、社会保険加入対象の従業員が30人の場合は、対象外ということです。

社会保険適用拡大により、新たに加入対象となる従業員です。

〇週の所定労働時間が20時間以上30時間未満
所定労働時間は原則「雇用契約書上」の週の勤務時間数を参考にしますが、実労働時間が2ヵ月連続で週20時間以上となり、なお引き続くと見込まれる場合には、3ヵ月目から社会保険加入対象となります
〇月額賃金が8万8千円以上
毎月固定的に支給される基本給及び諸手当で計算します。時給者の場合は時給×月の所定勤務時間数(契約時間数)で計算することになります。
ここでは残業代・賞与・臨時的な賃金・精皆勤手当・通勤手当・家族手当等は含みません
 〇2ヵ月を超える雇用の見込みがある
 
〇学生ではない
ただし、休学中や夜間学生は加入対象となります
 
ここで、最大のポイントは、会社として1度、適用対象となった後に、従業員数が適用従業員規模を下回っても、原則として、引き続き社会保険拡大対象の会社とされるという点も注意が必要となります。
 
以上、ご参考にしていただければ幸いです。
ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

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