アリスト社労士事務所(港区・渋谷区)のブログ

2020.07.26

法違反な懲戒処分(減給・期間)にご注意ください!

 東京・渋谷区のアリスト行政書士社労士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

従業員が問題行動を起こした場合に、懲戒処分としてその従業員の給与を減らす、いわゆる減給を行うことがあります。 
懲戒処分は、問題行動を起こした従業員に対する制裁の意味合いがあり、企業の秩序を維持するものです。
しかし、懲戒処分は、経営者の判断で勝手に課すことが出来ず、制約やルールがあります。
以下の条件を全て満たすことが大切です。
従業員に懲戒処分を課すには、懲戒事由に該当する懲戒の種類などの規定が就業規則で規定しておかないといけません。また、従業員に課す処分が客観的合理性と社会通念上合理的である必要があります。さらに、会社側は、懲戒処分に該当した懲戒事由を就業規則などに定めておかなければいけません。
懲戒処分は軽い順から、
1.従業員に始末書を書いてもらうけん責
2.賃金を減額する減給
3.一定期間出社させない出勤停止
4.諭旨解雇
5.懲戒解雇
などがあります。
このほかにも口頭注意の戒告や、役職を下げる降格などの処分もあります。一般的には、けん責、減給、出勤停止、懲戒解雇を規定している会社が多いです。
ここで重要なことは、会社が懲戒処分を課すことを、従業員に就業規則で周知させておくことです。

減給の限度額

賃金を減額するとなった際、どのぐらいの金額が適当なのでしょうか?とクライアント様からご相談を受けることも多いですが、実は、労働基準法第91条に規定されています。
自由に経営者側で設定判断することは出来ません。
原則として1回の制裁に対して、平均賃金1日分の給与の半額と規定されています。
たとえば、懲戒対象の従業員の月給が60円の場合の1日の平均賃金は20,000円になりますので、1回の減給処分で10,000円となります。
また、従業員が複数回の懲戒事由を起こした場合でも、上記が無制限に適用されるわけではありません。
「1賃金支払時期における賃金の総額の10分の1を超えてはならない」と規定されています。
仮に、従業員が10回の懲戒事由を起こした場合、上記計算であれば、平均賃金20,000円×10回で、減給処分は200,000円となります。
しかし、本規定がありますので、60万円×10%=60,000円となりますので、60,000円を超える減額をすれば法違反となります。

懲戒の期間

就業規則で出勤停止の懲戒を定めている場合、1年、6月でもいいのか? 過去の裁判所の判例で、3か月が限度で有効とされたケースがあります。
ご参考にしていただければ幸いです。
ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

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