アリスト社労士事務所(港区・渋谷区)のブログ
2018年11月
2018.11.28
休職中の社員の接し方
東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。
11月も今週一杯で終了し、いよいよ来週から師走ですね。2018年も残すは、1か月。早いものです。
さて、本題です。統計によると協会けんぽ制度の傷病手当金申請の約半数が「うつ病」などのメンタルヘルス疾患の事案だと言われています。メンタルヘルス不調で休職中の社員を抱えている会社はもはや珍しくありません。そして労務管理の場面では、休職中の社員への連絡や復帰についての取り扱い方法がわからず、困っているケ-スが多く見受けれます。
〇休職制度とは?
休職制度とは、「一時的な就労義務の免除を会社が命じる制度」です。そもそも労働契約は「役務を提供する義務」と「給与を支払う義務」を交換し合う約束ですので、病気などにより役務を提供できない事情になった時点で労働者側の「債務不履行」状態となります。しかし、契約違反だからと言って即契約を解除する(つまり退職してもらう)という非情な決定も下しにくいことから、一定期間労働義務を免除する「猶予期間」を会社が命じる仕組みが一般化したものが休職制度です。
〇休職制度のポイント
前述の通り休職制度とは
①会社に決定権がある
ことに注意が必要です。労働者が病状を証明する医師の診断書などを提出し、会社が提出された資料を検討した上で休職命令の是非を判断します。そして、
②復職の是非も会社が決定する
ことも重要です。病状などが復職に耐えられるほど回復しているかは「本人が」決めるのではなく、「仕事の命令をする会社が」決めるわけです。合わせて、
③休職中の給与の支払いの有無は会社が決める
こともポイントです。
A会社が命令
B会社が復職判断
C給与有無は会社判断
休職中の社員へ報告をさせる
休職中の社員は「本来は働く義務があるのに特別に免除されている」わけですから、「病状を報告する義務」「治療に専念する義務」があると言われています。月に1回程度状況を報告してもらいましょう。治療に専念せずに遊び歩いていれば、問題行動として注意してください。
休職中の社員の復職時
復職を見越して、あらかじめ受け入れ方法を検討しましょう。通常は元の部署に復帰させますが、元の部署に復帰させると労働者への負荷が大きく、パフォーマンスが期待できない場合は配置転換も考えなければなりません。事前に就業規則などで復職時に配置転換の可能性があることを明示しておきましょう。
休職期間の期限
休職期間の範囲をしっかりと伝えておくことも重要です。復帰を急かし、精神的に追い詰めるような伝え方にならないように注意しつつも、無期限に労働義務が免除されるわけではないことを理解してもらうことが大切です。
ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。
2018.11.25
裁量労働時間制のポイント
東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。
先週の月曜日に、先々週に仮申請しました、有料職業許可申請の本申請のため、埼玉労働局へ行ってきました。
勿論、一発受理をさせていただきました。
東京労働局も埼玉労働局も同様で需給調整事業部が担当しています。
さて、本題です。
裁量労働制を導入されていると、「残業代を支払い必要はない」「労働時間などの勤怠を管理する必要はない」などのご意見を聞くことがありますが、それは、全くの誤りです。裁量労働制とは、業務の性質上・業務遂行の手段や方法・時間配分等を大幅に労働者の裁量にゆだねる制度です。一般に導入している企業は、マスコミ・IT・開発や研究者職に適用しているケ-スが多いです。
裁量労働制とは、通常の労働時間制度と異なり、労働時間を実際に働いた時間ではなく、労働者と使用者の間の協定で定めた一定時間だけ働いたとみなす制度です。ポイントは、みなし労働時間を計算して給与を支給しているケ-スが多いので、業務が協定で定める時間内に終わり早く帰っても、通常の労働時間制度と異なり減額されません。
また、9時間のみなし労働時間を定めた場合で、11時間勤務した場合は、2時間の時間外労働割増賃金の支給が必要となります。また、よくある質問は、深夜勤務の場合です。深夜勤務とは、22時から5時までを指しますが、この場合は、深夜の割増分(25%増)の支給が必要になります。そして、日曜日などの法定休日に従業員を働かせた場合も休日手当割増分(35%増)の支給が必要です。
参考に、裁量労働制の種類をご案内します。法令で、専門業務型と企画業務型の2種類と限定されています。
1.専門業務型
(1)新商品・新技術の研究開発や人文化学・自然科学の研究
(2)情報システムの分析または設計
(3)取材・編集
(4)デザイナー
(5)プロデューサー・ディレクター
(6)コピーライター
(7)システムコンサルタント
(8)インテリアコーディネーター
(9)ゲームソフトの創作
(10)証券アナリスト
(11)金融工学の知識を使う金融商品の開発
(12)大学での教授研究
(13)公認会計士
(14)弁護士
(15)一級・二級建築士・木造建築士
(16)不動産鑑定士
(17)弁理士
(18)税理士
(19)中小企業診断士
企画・立案・調査・分析などの業務が対象です。
2018.11.21
社会保険も給与計算も2以上の勤務の場合では取り扱いが異なります。
東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所の
代表 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。
本日のテ-マは、2以上の事業所に働き、給料(役員報酬)をもらっている方の、社会保険や給与計算の取り扱い方法です。
多いのは、2社以上役員を兼務されている場合や、1社は役員で1社は一般の従業員という事例が多いです。
この場合、社会保険や給与計算は取り扱いが異なってきます。
社会保険
社会保険は、2以上事業所該当者ということで、年金事務所へ届け出を行います。健康保険証は、同一人に対して2枚発行されることがないため、該当者が、主たる事業所と従たる事業所と選択します。
例えば、主たる事業所がA社 従たる従業者がB社で該当者が選択した場合、A社で健康保険証が発行されます。
保険料は、A社とB社の給与を合算した金額で標準報酬月額が決定され、各給与の金額で按分となります。
給与計算
給与計算の場合も、2社勤務しているからと言って、2社とも扶養控除申告書を提出することはできません。生計を主とする事業所で扶養控除申告書を提出し、所得税は「甲欄」で計算します。他方は、「乙蘭」で計算することになりますので、注意が必要です。
余談ですが、雇用保険は、生計を主とする事業所のみで加入することになります。
ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。
2018.11.18
経歴詐称の理由で懲戒解雇が可能か?
東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。
本日のテ-マは、経歴詐称で解雇が可能か?
そもそも、解雇する場合、解雇予告または解雇予告手当支払の必要がないとされるには、所轄労働基準監督署長の認定を受けることが必要となります。
例え、就業規則で「経歴詐欺」について、懲戒解雇を行う旨の規定ある場合でも、所轄労働基準監督署長の認定が必要です。
「経歴詐欺」の主な事例としまして、「学歴」と「職歴」と「犯罪歴」が挙げられます。
1.学歴
学歴は、「学歴不問」の求人を除き、判例でも重要な経歴の詐欺に当たり懲戒解雇の理由になっています。例えば募集が「大卒」なのに、「大学中退者」が「大卒」として応募し採用された。国家資格保持が採用条件の会社で、無資格なのに資格をもっていると偽って 応募し採用された等、能力を採用条件として採用したのに、全く業務では使えないほど能力が低かったなどがあげられます。
また、「採用基準における学歴の位置づけが明確である」または「客観的に採用基準における学歴の位置づけが重要な場合」に懲戒解雇が有効とされる傾向にあります。
2.職歴
職歴は、採否の決定判断に重要な影響を及ぼす事項に関連するし、労使の信頼関係や企業秩序に重大な影響を与える場合は、懲戒解雇の対象になるものとされています。この「採否の決定の判断に重大な影響」及ぼすか否かは、職歴詐称が事前に発覚していなければ雇用しなかっただろうし、客観的にそのように認めることが相当であるかで判断されます。判例では、グラバス事件(東京地判平成16年12月17日 労判889号52頁)があり、プログラミング能力がなかったにも関わらず、あたかもスキルがあるかのように経歴書に記載。採用面接でもそのように説明して、ソフトウェア会社に採用されたが、職歴詐称を理由とする懲戒解雇が認められた事例があります。しかし、例えばこれまで人事に勤務していたことを偽り営業職の職歴で採用され、実際採用後、営業予算達成などをの実績を挙げている従業員の場合は、会社に履歴を貢献していますし、職歴を理由に懲戒解雇をすることに相当の理由はないと考えます。
また、学歴の求人の際と同様に、職歴も求人の際「未経験者歓迎」や、「業務経験不問」などの記載をした場合は、職歴に詐称があっても重要な経歴を詐称したと認められないケースもありますので注意が必要です。
3.犯罪経歴詐称
犯罪歴の場合は、内容により実際の業務や企業秩序に直接影響を与える可能性があります。犯罪の内容によって、業務や企業秩序に影響を与えうるかどうかで、重要な経歴詐称なのかを判断されることになります。判例は、懲戒解雇に値するとしながら、現状の勤務状況、前科の程度・消滅、勤続年数等を考慮して慎重に判断する傾向にあります。
ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。
2018.11.12
江戸川年金事務所と埼玉労働局に行ってきました。
東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。
本日は、午前中から、1日中外出でした。
朝一番で、新小岩の江戸川年金事務所へ。
当事務所、クライアント様の年金事務所の定期調査でした。
健康のためにバスを使わずに、約25分歩きました。
調査担当者の方が非常に良い方でした。
また、当事務所で給与計算から社会保険手続きを一貫して受託させていただいていますので、調査担当者の方から「安心して、書類をみさせていただきました。問題ありません。」と言われました。専門職として当たり前のことですが、嬉しかったです。
午後からは、埼玉県川口市のクライアント様の有料職業紹介事業許可申請の仮申請のため、さいたま新都心の、埼玉労働局へ行ってきました。東京労働局より、さすがさいたま新都心ビル街なので立派な建物でした。さらに、順番を待たずに、書類をチェックしていただきました。
当事務所として、埼玉労働局の許可申請は初めてです。少し、東京動労局とル-ルがが異なっていましたが、無事、次回は本申請です。建設業許可と同じく、若干、都府県により異なりますね。
ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。
2018.11.04
「年次有給休暇の年5日取得」義務化の運用について
東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所の
代表 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。
本日は、当事務所のクライアント様からの質問も多くなってきました「年次有給休暇の年5日取得」義務化の実際の運用について、ご案内します。


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