アリスト社労士事務所(港区・渋谷区)のブログ

2017年05月

2017.05.23

長時間労働とその原因の把握について

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所

代表の郡山 博之です。

先週末から、東京地区は、真夏のような暑さとなっています。また、急激に温度が上昇しているため、外で仕事をされている方は、水分補給や熱中症対策が必要ですね。

私もブログで、何度かご案内していますが、長時間労働の是正が問題となっています。まず、長時間労働を改善する一歩としまして、自社の特性、仕事の進め方の中にある長時間労働の原因をつかみ、対策を立てることが重要です。

1.業務量の増減パターンを知る

1か月、1年を周期として業務量に繁閑の差がありますか?業務量の差が大きい場合は、「1日8時間・1週40時間」の法律の原則を超えて、業務が集中・増加する時期が発生します。

このような場合は、変形労働時間制を採用して、繁忙期の労働時間を長く設定し、閑散期の労働時間を短く設定したり、休日を増やすなどの柔軟な働き方を制度を導入することで、長時間労働を抑制することが可能です。

例えば、導入事例として、シーズンとオフシーズンの業務量の差が大きな旅館業や観光業の他、季節的に業務が集中する業種では、この制度を導入し、残業削減を図っています。

2.社風の風土や仕組みに問題がないか

社長や社員に「夜遅くまで働く社員ほど優秀」「残業する社員は優秀で会社に忠誠心がある」という意識はないでしょうか?そのような意識やあると、一般的ですが、早く帰りにくい風土が生まれてしまいます。また、残業の事前届・許可制などのルールがない、本当に必要な残業かどうかを管理監督者が、明確に確認するなどの仕組みがないと、残業が増大してしまいます。

回避する策として、明確な人事制度の設定や、就業規則の変更や改定などが必要です。

3.仕事の進め方にムダがないか

社員一人一人の進め方に問題がありませんか?例えば、過去からの部署の伝統などといい、効率化する余地があるにもかかわらず、効率化せずに仕事の流れにムダがあり、結果、残業せざるを得なくなっている場合があります。

仕事の量・質を標準化し、納期・優先度を踏まえたスケジュール管理などがなされていないことが原因です。

残業が常態化すると、最初から残業ありきの「ダラダラ残業」になり、「効率よく、時間内に仕事を終わらせる」という意識が働かなくなります。

人事制度や規程の見直しなど、弊所にお気軽にお問い合わせください。

ここまで、弊所のブログを読んでいただきありがとうございます。

2017.05.16

現物給与の価額について

東京・渋谷区のアリスト行政書士事務所

代表の郡山 博之です。

GWも終わり、2週目に突入ですね。しかも、5月は、折り返し地点です。最近は、曇りがちの天気が多く、いよいよ、じめじめした梅雨の時期が近くなってきたのかなと感じます。沖縄県や鹿児島県の奄美地区は、梅雨入りしましたよね。

本日は、現物給与についてご案内します。

現物給与とは?

労働の対償として「現物で」支給される場合は、その現物を通貨に換算し、基本給などの給与に合算のうえ、社会保険の保険料額算定の基礎となる標準報酬月額を求めることになります。

特に現物支給されるものが「食事」や「住宅」である場合は、「厚生労働大臣が定める現物給与の価額」(厚生労働省告示)に定められた額に基づいて通貨に換算します。

平成29年度は、先月4月から現物給与価額表が変更になりました。
この現物給与をご参考に案内させていただきます。また、社会保険料にどう影響するかもご案内します。

現物給与価額表について

現物給与価額表とは以下のようなものです。
※一部抜粋、単位:円 

都道府県名

食事で支払われる

報酬等

住宅で支払われる

報酬等

11月当たりの

食事の額

11月当たりの住宅の利益の額

(畳1畳につき)

東京

20,100

2,590

神奈川

20,100

2,070

千葉

19,500

1,700

埼玉

19,800

1,750

大阪

19,500

1,620

住宅で支払われる報酬の計算

住宅で支払われる報酬(つまり社宅)については「畳1畳」単位で価額が決められていることに注意が必要です。社宅については場所によって家賃相場が違うため、本社と支店が別の都道府県にまたがる場合、それぞれの場所ごとに計算します。
また、価額の計算にあたっては、居間や寝室など居住用の室を対象とし、玄関、台所、トイレ、浴室、廊下などの居住用ではない面積は含めません。

社会保険料への影響

社会保険料の算定をする際には、以下の三つで結果が異なります。

  自分で賃借し、自分で家賃を支払う場合

  社宅に住んで住宅費の一部を本人が負担する場合

  社宅に住むことで減った家賃負担相当を給与支給額から減額する場合

 例:東京で給与総額30万円の社員が10畳ワンルーム(家賃8万円)に住む場合

①自分で賃借し、自分で家賃を支払う場合

→ 標準報酬月額30万円
②会社が借りた社宅に居住し、家賃一部負担として1万円を払う場合
→ 標準報酬月額32万円(30万円に2,590円×10畳=25,900円-自己負担10,000円=15,900円を合算) 
③会社が借りた社宅に居住し、家賃一部負担として1万円を払い、給与を23万円に減額する場合
→ 標準報酬月額24 万円(23万円に2,590円×10畳=25,900円-自己負担10,000円=15,900円を合算)
この①と③を比較した場合、住宅費用を自分で払っているか、会社が社宅として払っているかの違いがあるだけで、実質的な本人の家賃負担は変わりませんが、標準報酬月額が下がるため、 天引きする社会保険料は月額8,000円以上の差があります。
ここまで、弊所のブログを読んでいただき、ありがとうございます。

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2017.05.06

五月病を回避するためのケア

東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の郡山 博之です。

GWも後1日ですね。私は、先週、パソコンが壊れ、やっと、本日戻ってきましたので、パソコンの再設定をしていました。オフィスのセットアップから開始していました。GW中に戻ってきてくれて、助かりました。

さて、4月に入社した社員(主に新卒社員など)が精神的に落ち込んだり虚脱感を感じたりすることを、発生時期になぞらえて「五月病」と表現することがあります。

それが医学的な病気であるか、気分的な浮き沈みであるかはともかく、五月病が休職や離職などに繋がらないよう企業は対策をしなければなりません。以下、五月病に対するケアの方法についてご案内します。
原因
五月病の原因は、主に「環境の変化」でしょう。場所や時間の変化、社会的役割の変化、人間関係の変化、気候の変化などの類型があり、それらの変化が精神的にストレスを与えるため五月病が引き起こされると考えられます。

つまり、企業が五月病対策をする上でも、これらの環境変化要因に働きかけることを検討していくことになります。

1. 場所の変化に対するケア
場所の変化に対するケアの方法としては、例えば「以前の住環境と大きく変わらない勤務地に配属する」「同郷の社員同士で交流をさせる」など、環境変化の差を小さくすることが効果的でしょう。

2. 時間の変化に対するケア
時間ケアについては、「新任の期間は意図的に残業時間を減らす」ケアが検討できます。先輩社員からは頼りなく見えても、当人は慣れない仕事に緊張しながら時間を過ごしているため、無理をして残業させると負担が大きくなってしまいます。また、時間変化に伴って「運動」「食事」「睡眠」などの基礎活動にも影響が出ます。健全な食事を会社が提供したり、質の高い睡眠ができるような寝具を補助したり、運動の場を提供するなどのサポートも効果があるでしょう。

3. 人間関係の変化に対するケア
人間関係の変化に対するケアとしては、「安心して人間関係の変化について相談できる環境を作る」ことが大事です。「年齢の近い先輩とペアを組ませて面談をする」、「同期同士の交流の場を作る」など、意図的に相談できる機会を作るとよいでしょう。面談の際には、面談が人事評価と関係ないことや、本人の望まないことは他言しないことなどを伝え、安心して相談できるよう工夫してください。重要なことは、企業側が新人の環境変化ケアに熱心であるという意思表示をすることです。既存社員の意見を聴きながら、自社で過去にどのような環境変化があったかを調査検討することも、五月病対策をとる上で有益な材料になるかもしれません。

ここまで、弊所のブログを読んでいただきありがとうございます。

2017.05.02

労働時間の適性把握のためのガイドラインについて

東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所の
 代表 郡山 博之です。 
弊所は、4月27日付で、事務所移転が無事に完了しました。既に、社会保険労務士会や行政書士会にも事務所変更の届出中で、GW明け早々、移転手続きも完了する予定です。
また、今回の事務所移転にあたり、多数のクライアント様から事務所移転祝いをいただき、感謝しています。
この場を借りて、お礼を申し上げます。
なお、本日の本題ですが、平成29年1月、厚生労働省から「労働時間の適正な把握のための使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」が公表されました。これは、実際の企業現場で起こっている不適切な労働時間管理を改めさせる狙いがあります。このガイドラインをもとに今後労働基準監督署の立ち入り調査などが強化されていくことが予想されます。以下、このガイドラインについてご案内をさせていただきます。
ここで、前提ですが、「使用者側には労働時間を適正に把握する責務があること」を理解しておく必要があります。労働時間を把握するのは「企業側=使用者側の」責任であるわけですから、「働く日や時間を自己責任で管理させる」という姿勢自体がガイドライン趣旨から外れるものであるわけです。
適性把握のための措置
労働時間を適正に把握するとは、「労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、適正に記録すること」を指します。つまり、毎日「何時に勤務を開始して」「途中にどれだけ中抜け時間があって」「いつ勤務終了したか」を記録しつつ、結局日ごとに何時間働いたのかをわかるようにすることです。
そのため、原則として労働時間は「タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録すること」が求められます。
そして例外的に条件付きで「自己申告制」による時間管理を認めるという立場をガイドラインは取っています。その条件とは次のようなものです。
・パソコンログや入室記録などの在社時間と自己申告時間がかけはなれていないか、時々実態調査をし、必要に応じて労働時間を補正すること
・「残業時間は○時間までしか認めない」など、正確な自己申告を阻害するような措置を設けないこと
・自己申告制における記録ルールについて社員に十分な説明をしていること
自己申告による労働時間管理をしている組織においては、前述のような条件を満たしていることを客観的に証明できるよう、次のような書類を作成、周知し、保存しておくほうがよいです。
・自己申告の出勤簿の記入方法についての説明会開催記録、出席者名簿(レジュメとしてガイドラインを配る)
・定期的に人事労務部門において、パソコンのログの抽出や現場社員への抜き打ちのヒアリングなどを実施した報告書
・労働時間が過剰な場合、管理者に対して指示指導を行った指示書
研修時間は労働時間か
今回のガイドラインでは、研修時間について「参加することが業務上義務づけられている研修・教育訓練の受講や、使用者の指示により業務に必要な学習等を行っていた時間は労働時間に該当する」と言及しています。
これは、会社が直接学習を命令している場合ばかりでなく、「受講は自由といいつつ実際は評価に影響するため断れない」「命令はされていないが現場の雰囲気として研修受講が当然とみなされていて受講せざるを得なかった」場合などは労働時間としてカウントされることを指します。朝早くや業務終了後に自発的に学習をする姿勢に対して放置・放任することなく、疲労度を確認しつつ適度な休息ができるようにケアする姿勢が企業側には求められます。
ここまで、弊所のブログを読んでいただき、ありがとうございました。

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