アリスト社労士行政書士事務所(港区・渋谷区)のブログ

2023.01.22

高年齢者就業確保措置の実施状況~厚労省「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果

東京渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

厚生労働省より、高年齢者就業確保措置にたいして、高年齢者雇用状況結果が公表されましたので、ご案内させていただきます。

令和3年4月から努力義務となっている高年齢者就業確保措置について

「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」により、65歳までの高齢者雇用確保措置が義務付けられていますが、令和3年4月からは70歳までを対象に、「定年制の廃止」、「定年の引上げ」、「継続雇用制度の導入」という雇用による措置や、「業務委託契約を締結する制度の導入」、「社会貢献事業に従事できる制度の導入」(創業支援等措置)など、雇用によらない措置(高年齢者就業確保措置)を講じることが努力義務とされています。

高年齢者就業確保措置の実施済みの公表について

厚生労働省が公表した令和4年「高年齢者雇用状況等報告」(6月1日現在)によると、70 歳までの高年齢者就業確保措置を実施済みの企業は65,782社(27.9%)[前年比2.3 ポイント増]となっています。
また、中小企業では
28.5%[同2.3 ポイント増]、大企業では20.4%[同2.6ポイント増]となっています。

 

導入制度について

70歳までの就業確保措置を実施済みの企業の内訳を見ると、「継続雇用制度の導入」が51,426社(21.8%)[同2.1ポイント増]で最も多く、次いで「定年制の廃止」9,248社(3.9%)[同0.1ポイント減]、「定年の引上げ」4,995社(2.1%)[同0.2ポイント増]、「創業支援等措置の導入」113社(0.1%)[変動なし]となっています。

以上、ご参考にしていただければ幸いです。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2023.01.15

「月60時間を超える時間外労働」についての50%以上の割増賃金率の改正について

東京都渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士の郡山博之です。

「法定労働時間を超えた労働時間(1日8時間・週40時間)」について、通常の賃金に加えて割増賃金を支払うことが義務付けられているのは、皆様もご周知と存じます。現在、中小企業に対しての時間外労働の割増賃金率は、25%以上となっています。
しかし、本年4月より、中小企業においても、月60時間を超える時間外労働に対しては、割増賃金率を50%以上で計算して従業員の方に支払うこととが義務化されますす。
本日は、この法改正に向けての要点をご案内させていただきます。

【要点】

A 1か月60時間を超える時間外労働に対しては、使用者は50%以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。
ちなみに、1か月の起算日は、 賃金計算期間の初日、毎月1日、36協定の期間の初日などにすることが考えられます。
B 1か月60時間を超える時間外労働の割増賃金率及び1か月の起算日については、労働基準法に定める「賃金の決定、計算及び支払の方法」に関するものなので、就業規則に規定する必要があります。
C 1か月の起算日からの時間外労働時間数を累計していって60時間を超えた時点から、50%以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。
D 1か月60時間の時間外労働の算定には、法定休日(休日勤務割増の対象となる)に行った労働は含まれませんが、それ以外の休日(法定外の休日、所定休日)に行った時間外労働は含まれます。なお、労働条件を明示する観点や割増賃金の計算を簡便にする観点から、法定休日とそれ以外の休日を明確に分けておくことがベストです。
C 60%割増の残業代のみではなく、1か月について60時間を超えて時間外労働を行わせた従業員について、労使協定により、法定割増賃金率の引上げ分の割増賃金の支払に代えて、有給の休暇を与えることも可能です。
上記の代替休暇はまとまった単位で与えることによって労働者の休息の機会を確保する観点から1日、半日、1日または半日のいずれかによって与えることとされ、時間単位とすることは不可とされます。
この代替休暇を取得した場合、その取得した代替休暇に対して支払われた賃金額に対応した時間外労働時間数に係る引上げ分の割増賃金の支払が不要となります
また代替休暇は、特に長い時間外労働を行った労働者の休息の機会の確保が目的ですので、一定の近接した期間内に与えられる必要があります。
つまり、時間外労働が1か月60時間を超えた月の末日の翌日から2か月間以内の期間で与えることを定める必要があります。
これを導入するためには、労使協定で、取得する代替休暇の時間数を算出するために、まず、「(1ヵ月の時間外労働の時間数-60時間)×換算率」を規定します。
「換算率」とは、「代替休暇を取らなかった場合に支払う割増賃金率(50%以上)」から、「代替休暇を取った場合に支払う割増賃金率(25%以上)」を差し引いた数字になります。
たとえば、「代替休暇を取らなかった場合に支払う割増賃金率」を50%、「代替休暇を取った場合に支払う割増賃金率」
を25%と設定しましょう。ある月の時間外労働の時間が70時間だった場合、代替休暇の時間数は、(70-60)×(1.5-1.25)=「2時間30分」となりますので、「2時間30分の代替休暇」が発生する事になります。
ただし、前述したように代替休暇の単位については、1日、半日、1日または半日のいずれかで運用することとなっています。
また、半日の考え方については、1日の所定労働時間の半分(所定労働時間が8時間であれば4時間)としても、午前休や午後休などを半日としても大丈夫です。
いずれにせよ、半日の定義についても労使協定で明確化することが大切です。
仮に、代替休暇の時間が「1時間」や「2時間」といった中途半端な数字と場合は、労使協定で他の有給休暇と合わせて利用できるよう定めることもできます。
例えば、「代替休暇と時間単位の年次有給休暇を併合し半日の休暇にする」といった運用も可能です。
最後に特に重要なことは、「代替休暇を取得するかどうか否か?」は従業員が決めることになっているため、会社側から強制することはできません。
以上、ご参考にしていただければ幸いです。
ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2023.01.08

パート・アルバイト等シフト制の要点

東京都渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

勤務シフトによって労働日や時間を決めるシフト制は、業務に対応し運用がしやすく、かつ、労使双方にメリットがあります。
ただし、中途半端な合意で進めてしまうと、(想定外でシフトが少ない)などといったトラブルを引き起こし、紛争に発展する場合があります。
本日は、厚生労働省が取りまとめた留意事項がありますので、それに基づき、シフト制で労働契約を締結する際の注意点や就労させる場合の要点をご案内させていただきます。

コロナの影響でトラブル増加・シフト制労働者の雇用管理

シフト制とは、労働契約時に具体的な労働日や労働時間を定めず、1週間や1カ月などの勤務シフトで確定させる勤務形態です。
ただし、不明確な合意のままで勤務シフトを運用すると
・ほとんどの日にシフトに入れない
・休業手当を支払って欲しい
といった労働者側の不満が生じてしまいます。
今般のコロナ禍の時短営業や休業により、人員調整をしたい使用者側と、今まで通り働きたい労働者側との間で、対立するケースが目立つようになりました。なかには、訴訟に踏み切るなど、シフト制の運用から大きなトラブルに発展する場合があります。

シフト制で労働契約を締結する際の注意点

昨年、厚生労働省は「シフト制労働者の雇用管理を適切に行うための留意事項」を取りまとめました。
労働契約書においてシフト制の労働条件などを可能な限り明らかにし、合意とルールづくりをもってトラブルを防ぐという趣旨です。
ここでは、労働契約を締結する際の注意点についてご案内します。
労働条件の明示とシフト制労働契約で望ましい事項
労働契約の締結時には必ず明示しなければならない事項が法律で定められており、契約期間や賃金の決定方法などの労働条件を、原則書面で交付しなければなりません。
その中でも特に、シフト制で注意が必要なのは、以下の2つです。
1 シフト制の注意点
(1)始業・終業時刻
労働契約の締結時点で、すでに始業と終業の時刻が確定している日については、労働日ごとの始業・終業時刻を明記するか、原則的な時刻を記載したうえで、締結時に定める一定期間分のシフト表などとあわせて交付する必要があります。
労働条件通知書などにおいて、単に「シフトによる」と記載するだけでは始業就業だけでなく労働時間も不明確であるため、明示としては不十分となります。
2 休日
シフト休、所定休日、法定休日の認識の差異がトラブルにつながることが多いため、休日について具体的な曜日などが決まっていない場合でも、基本的な考えなどを明記する必要があります。
また、シフトの作成、変更、設定なども、労使で話し合ってルールを決めることが大切です。
なお、作成や変更のルールは、就業規則などで一律に定めることも可能です。
ルールとして定めておくとよいこ
1 シフトの作成
(1)シフト作成時には事前に労働者の意見を聞くこと
(2)シフトの通知期限(シフトが通知される時期、毎月〇日など具体的な日)
(3)通知方法(メールによる通知、書面による通知など具体的な方法)
2 シフトの変更
(1)シフト期間開始前に一旦確定した労働日や時間を変更する際、使用者や労働者が申し出る期限や手続き
(2)シフト期間開始後に確定していた労働日や時間をキャンセル・変更する際、その期限や手続き
注意1 いずれの場合も、最低3日前までに変更の申し出など明確であることがポイントです。
注意2 確定したシフトの日や時間は労働条件の変更に該当するため、労使双方の合意が必要です。
3 シフトの設定
(1)労働者の希望に応じて合意すること
(2)一定期間中にシフト設定する最大日数や時間数・時間帯
(3)一定期間中の目安となる労働日数や時間数

シフト制労働者を実際に就労させる際の留意点

実際にシフト制労働者を就労させる際に押さえるべきポイントも以下の通りです。
1 労働時間と休憩
シフト制労働者であっても、労働時間や休憩についての定めはシフト制ではない労働者と同じです。
労働時間の上限は、原則1日8時間、1週40時間であり、時間外労働においては36協定の対象となります。
休憩についても同様で、1日の労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を、勤務時間中に与えなければなりません。
2 年次有給休暇
所定労働日数・時間数に応じて、労働者には法定日数の年次有給休暇が発生します。
原則、請求のあった時期に取得させなければならず、これはシフト制労働者にも適用されます。
また、シフトの調整をして働く日を決めたのだから、その日に年休は使わせないなどは、認められません。
さらに、使用者の責任でシフト制労働者を休業させた場合は、平均賃金の60%以上の休業手当を支払う必要があります。
以上、ご参考にしていただければ幸いです。
ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2022.12.25

賃金のデジタル払いを可能にする件が公表されました

東京都渋谷区のアリスト社労士行政書事務所
代表の社会保険労務士・行政書士の郡山博之です。

本日は、賃金のデジタル払いについてのご案内です。
これまで、給与は現金の手渡しが、労働者の同意があれば、労働者の指定の口座に振り込むことできるとの規定がありましたが、厚生労働省は令和4年1128日、賃金のデジタル払い(資金移動業者の口座への賃金支払い)を可能とする省令を公布しました。

給与の振込先が拡大されるのは
25年ぶりで、企業は、労使協定を締結したうえで労働者から同意を得れば、厚生労働大臣の指定を受けた資金移動業者の口座への資金移動による賃金支払い(賃金のデジタル払い)ができるようになります。厚生労働省は同日、関係通達も発出し、労働者への説明事項などを記載した同意書の様式例も提示しました。施行は令和5年4月1日で、同日から資金移動業者の指定申請を受け付けます。

 

指定資金移動業者の破綻時には保証機関により労働者に口座残高の弁済が行われます。

改正省令では資金移動業者の指定要件について厳しく定められており、賃金デジタル支払いはこれらの要件に係る措置が講じられた資金移動業者の口座に限り認められることとなっています。口座残高の上限を100万円とし、口座残高が100万円を超えた場合、その日のうちに100万円以下にする仕組みが必要です。また、指定資金移動業者の破綻時には、指定資金移動業者と保証委託契約等を結んだ保証機関により、労働者と保証機関との保証契約等に基づき、労働者に口座残高の弁済が行われることとなっているため、破綻したときの全額返済に向け、保証機関と契約しておく必要もあります。

 

労働者の同意を得る際の留意事項

企業が賃金のデジタル払いを実施するには、労働者の同意が必要です。同意を得る際は、資金移動を希望する賃金の範囲・金額や支払い開始希望時期、賃金移動業者の破綻時に弁済を受けるための代替銀行口座などを確認する必要があります。その際に用いられる様式例が通達の別紙で提示しています。

以上、ご参考にしていただければ幸いです。

ここまで当事務所のブログをよんでいただきありがとうございました。

2022.12.18

年次有給休暇付与の要件について

 東京都渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

当事務所のクライアント様より、社員の年次有給休暇の付与についての質問についてご案内します。
年次有給休暇の付与は、就業規則上、全労働日の8割以上出勤していることがという要件とあります。
この全動労日の8割以上の要件ですが、会社の責に帰すべき事由によって休業した日や育児休業を取得した日等、どのように計算すればよいのか、判断に困る場合があります。
本日は、全労働日の8割以上の要件についてです。
全労働日の8割以上の要件を満たしているかの計算方法は、出勤率によって判断します。この出勤率は、出勤日数(対象期間の所定全労働日のうち出勤した日数)を全労働日(所定全労働日)で割って計算します。
出勤日数には、休日出勤した日は除きますが、遅刻や早退があったとしても、その日は出勤日数に含めます。
この出勤率を計算する際に、分母の所定全労働日から除く日と、分子の出勤したとして扱う日が定められています。所定全労働日から除外される日数には下記の通りです。
A使用者の責に帰すべき事由によって休業した日
B正当なストライキその他の正当な争議行為により労務が全くなされなかった日
例:新型コロナウイルス感染症の影響により、会社独自の判断で社員を休業させた場合は、A使用者の責に帰すべき事由によって休業した日に該当し、休業させた日を所定全労働日から除外し、出勤率を計算します。
また、分子の出勤したものとして取り扱い、出勤率の計算の際に出勤日数および全労働日数に含めるものとしては、下記の通りです。
A業務上の負傷・疾病等により療養のため休業した日
B労働基準法に規定する産前産後休業を取得した日
C育児・介護休業法に基づき育児休業または介護休業した日
D年次有給休暇を取得した日
例:対象期間においてすべて育児休業を取得していた場合、休業日数を全労働日に含み、出勤したものとして取り扱う日数にも休業日数を含めますので出勤率は10割となり、実際に勤務した日数がなかったとしても年次有給休暇を付与します。
以上、ご参考にしていただければ幸いです。
ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

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