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法改正情報

2018.11.04

「年次有給休暇の年5日取得」義務化の運用について

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所の
代表 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日は、当事務所のクライアント様からの質問も多くなってきました「年次有給休暇の年5日取得」義務化の実際の運用について、ご案内します。

概要ですが、使用者は、年次有給休暇の日数が10労働日以上である労働者に係る年次有給休暇の日数のうち、5日については、基準日(継続勤務した期間を同条第2項に規定する6箇月経過日から1年ごとに区分した各期間(最後に1年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日をいいます。)から1年以内の期間に、労働者ごと(個別管理が必要)にその時季を定め与えなければなりません。つまり、使用者は、時季変更権を持っていますが、今回の法改正は、時季指定で5日間は、有給を与えなさいということです。
この場合の使用者による時季指定の方法としては、例えば、年度当初に労働者の意見を聴いた上で年次有給休暇取得計画表を作成し、これに基づき年次有給休暇を付与すること等が考えられます。勿論、使用者がしている夏季休暇などの所定休日は、除きます。
ただし、年次有給休暇を与えた場合においては、与えた年次有給休暇の日数(日数が5日を超える場合には、5日とします。)分については、時季を定めて与える必要はありません。つまり、労働者が自ら時季指定して5日以上の年次有給休暇を取得した場合や、計画的付与により5日以上の年次有給休暇を取得した場合には、使用者による時季指定は不要であることなります。
1.法定通り年次有給休暇の場合は、下記の通りとなります。
2.入社時に10日の年次有給休暇を付与した場合は、下記の通りとなります。
ご参考にしていただければ幸いです。
ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2018.10.28

来春から労働条件の通知がEメールで可能になります

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

厚生労働省は、企業が労働者に書面で交付すると定めている労働条件の通知方法を、電子メールなどでも可能にするよう規制を緩和するとのことです。利便性を高めるための措置で、書面として印刷できれば情報管理上、問題ないと判断したようです。労働基準法に基づく省令を改正し、2019年4月から適用されます。

労働基準法第15条で、労働者に対して賃金、労働時間などを明示することを義務付けられており、下記の事項は書面で明示しなければならないとされています。 

労働契約の期間に関する事項
期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準に関する事項
就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇並びに労働者を二組以上に分けて就業させる場合における就業時転換に関する事項
賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期に関する事項
退職に関する事項(解雇の事由を含む。)。 

 また、雇用契約書や労働条件通知書などを作成せず上記、労働条件を明示していない場合の罰則は30万円以下の罰金となっています。

これが来年4月から、労働者の希望があれば、Eメールで通知可能となります。 

ただし、実務上は、雇用契約書または労働契約書により、2部用意の上、会社と労働者が双方記名押印または署名して、取り交わすことが多い多いです。
「労働条件通知書」は、労働者へ一方的に通知することになりますので、私の認識している範囲ですと利用されている会社は少ないです。しかし、内定の連絡をする際に、労働条件通知書もあわせて案内し、その労働条件通知書に基づき内定者が入社の意思表示を行い、その後に雇用契約書や労働契約を交わすようにすれば、便利な法改正となりますね。

ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。 

2018.08.26

成立した働き方関連法の主なまとめ

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

2018年8月も今週で最後の週になりましたね。来週からは、早いもので9月です。

さて、最近、同業者のFacebookなどで、働き方関連法のことが書かれています。
私も先日、有給休暇の5日の義務取得化について書いてみましたが、本日は、主な関連法案のまとめをご案内させていただきます。

時間外労働上限規制

労働基準法では、原則として1週間40時間、1日8時間という法定労働時間を超える労働を認めて
いません。
ただし、労働基準法第36条に基づく労使協定(36協定)を締結すること等により、法定労働時間
を超える労働(時間外労働)をさせることできる仕組みとなっています。この36協定には、時間
外労働が可能となる時間数を定める必要がありますが、これまで告示による定めはあった
ものの、労働基準法においてこの時間外労働の上限時間数は設けられていませんでした。
そして、今回、働き方改革関連法が成立し、告示から法律へ格上げとなる改正がされたことで、
新たに時間外労働の上限が設けられました。その内容は以下のとおりです。

・時間外労働の上限を原則、1ヶ月45時間、1年360時間とする。
・原則の時間を超えるような特別の事情があるときは、時間外労働の時間数を延長することがで
きる特別条項を設けることができるが、特別条項の上限は1年720時間、1ヶ月当たり100時間未
満(休日労働含む)、2~6ヶ月平均80時間以下(休日労働含む)を限度とする。

※大企業:2019年4月1日施行 中小企業:2020年4月1日施行

年次有給休暇の年5日の取得義務

労働基準法では、勤続6ヶ月以上で全労働日の8割以上出勤した労働者に対し、10労働日の年次
有給休暇を付与することを義務付けています。付与された年次有給休暇は、原則として労働者が
希望する日(時季)に取得できるとしていますが、年次有給休暇の取得率向上等のため、年10
日以上の年次有給休暇が付与される労働者については、会社は毎年、5日の年次有給休暇を取得
させる義務を負うことになりました。

※大企業・中小企業:2019年4月1日施行

1か月60時間超の時間外労働の割増率引上げ

労働基準法は法定労働時間を超える労働は認められておらず、36協定の締結等の手順に従って
労働させたときには、時間外労働について25%以上、休日労働について35%以上の割増賃金率
で計算した割増賃金を支払う必要があります。この点に関し、2010年4月1日以降、1ヶ月60時
間を超える時間外労働(以下、「月60時間超の時間外労働」という)については、割増賃金率
を50%以上で計算し、支払うこととされていますが
、中小企業についてはその適用が猶予され
てきました。
今回、労働基準法が改正されたことによって、現在、中小企業において適用が猶
予されている月60時間超の時間外労働の割増賃金率が、2023年4月以降、全面的に適用される
こととなりました。1ヶ月60時間を超える時間外労働がある中小企業では、人件費の負担が重
くなるとともに、割増賃金率にあった勤怠集計方法に変更することが求められます。

※大企業:施行済み 中小企業:2023年4月1日施行

高度プロフェッショナル制度の創設

労働基準法では、法定労働時間を超える労働や、休日労働に対し割増賃金の支払いを義務付けて
いますが、一定以上の年収の支払いが見込まれる特定高度専門業務に従事する労働者については、
労働時間、休日、深夜の割増賃金等の規定を適用の対象としない、いわゆる「高度プロフェッシ
ョナル制度」
が創設されます。現状のところ、一定の年収の基準は1,075万円以上となる予定で
あり、制度を利用するときには年間104日以上の休日確保等、健康確保措置の実施が義務となり
ます。

※大企業・中小企業:2019年4月1日施行

フレックスタイム制の見直し

始業時刻および終業時刻を労働者の裁量により決定できるフレックスタイム制は、柔軟で自律的
な働き方として導入が進められてきました。今回、この制度に関しても見直しが行われ、現在、
清算期間の上限が1ヶ月となっているものが、3ヶ月に見直されています。
なお、1ヶ月を超える
清算期間を設けるときには、労働基準監督署へ労使協定の届出が必要になるといった細かな要件
が定められています。

※大企業・中小企業:2019年4月1日施行

雇用形態に係わらない公正な待遇の確保

現在、正規社員(正社員)と非正規社員(パートタイマー、有期契約労働者、派遣労働者)の間
に、不合理な待遇の格差がみられることが多くなっています。この格差を解消するために、個々
の待遇ごとに、待遇の性質・目的に照らして適切と認められる事情を考慮することが求められます。
なお、すでにガイドライン案として2017年12月20日に「同一労働同一賃金ガイドライン案」が公開されており、今後、これが正式にガイドラインとなる予定です。

※大企業:2020年4月1日施行 中小企業:2021年4月1日施行

ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

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