ブログ(お役立ち情報)

豆知識労務編

2018.09.19

固定残業制度判例のご案内

 東京・渋谷のアリスト社労士事務所の
代表 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

働き方改革の流れは止まることなく、長時間労働に対する世間の目はますます厳しくなっています。残業代を固定的に支給する固定残業制度についても、どちらかというとネガティブな印象を与えてしまいます。さらに固定残業代を巡った労使紛争も起きているようです。再度、固定残業代の仕組みと、最近の重要な判例についてご案内します。

そもそも固定残業制度とは

固定残業制度とは、一定の残業を見込んで残業代を定額で支払うことを言います。固定残業制度の成立要件として4つ挙げられます。

1.    就業規則・雇用契約書に記載されていること

2.    固定残業代業代に相当する残業時間を明示していること

3.    給与明細上、固定残業手当が分離して記載されてあること

4.    固定残業代に不足があれば支払っていること

このうち一つでも満たしていない場合には固定残業制度そのものが無効とされ、「残業代を払っていない」と判定されるというのが定説です。実際に労使の裁判においても、この4つの要件が重視されてきました。

1.就業規則・契約書の明記
2.残業見込み時間を明示
3.給与明細書に分離記載
4.差額支払い

7月の薬剤師の判例

ところが、719日に公表された最高裁判決において、この定説通りでない事例が出ました。この裁判の原告は薬剤師で、雇用契約書に「月額562500(残業手当含む)」「給与明細書表示(月額給与461500円 業務手当101000(みなし時間外手当)」などの記載がありました。一審二審では、前述の要素のうち「②固定残業代に相当する残業時間を明示していること」「④固定残業代に不足があれば支払っていること」を満たしていないことから、定額残業代制度を無効とみなしましたが、最高裁では一転して固定残業代制度を有効なものとしました。

なぜ固定残業代制度が有効とされたか

判旨によると、定額残業代制度が有効であるか否かは、雇用契約に係る契約書等の記載内容のほか、具体的事案に応じ、

⑴使用者の労働者に対する当該手当や割増賃金に関する説明の内容

⑵労働者の実際の労働時間等の勤務状況などの事情

を考慮して判断すべきとしています。

今回、⑴について、原告以外の他の社員に対しては定額残業代に相当する残業時間(30時間)を明示し、サインをもらっている書面がありました。また、⑵実際の残業時間を計算したところ、定額残業代で定める30時間とほとんど差異がありませんでした。これらの事情が考慮されたものと思われます。加えて、30時間程度という毎月の残業がこの種の裁判の中では比較的少ないこと、並びに原告の給与月額が50万円超と、世間一般的に見て高いことも影響しているのかもしれません。

固定残業制度実務への影響

この判例の中で注目すべきは「差額を計算して払っていないから即無効というわけではないが、見込み残業時間が過度に長くないこと、ならびに実際の残業時間との乖離が少ないことが大切」という判断がされたことでしょう。今までの定説通り書面の整備は重要ですが、加えて「実際の残業を定額残業代の範囲に抑える」ことの重要性がますます高まっていきそうです。

ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2018.09.16

改正労働基準法有給休暇5日の取得義務化

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

世の中は、3連休の真っ只中ですね。昨日は、中学生の次男の体育祭でしたが、あいにくの雨で中止ととなりました。
水曜日に延期とのことで、見に行けなくて残念です。

さて、改正労働基準法の件で、前回のブログを見たクライアントさんから、「所定休日の夏季休暇を、年次有給休暇小か扱いへ変更ができないか」と質問がありました。

本日は、この質問の件についてご案内させていただきます。

前回のブログと重複してしまう部分がありますが、

1.休日と休暇の違いについてご案内します。

そもそも、「休日」と「休暇」は法律上明確に異なります。休日とは労働義務のない日を指し、休暇は労働義務がある日ですが、申請により労働義務が免除されるものを指します。休日は「法定休日」と「法定外休日」に分類され、法律上与えなければならないのは「法定休日」と「就業規則などで規定された法定外休日」に限ります。休暇は、法律上定められた年次有給休暇など一部を除いて与える義務はありませんし、必ずしも有給にする必要もありません。

休日 休暇
労働義務 なし あり
与える義務

あり

(法定休日、就業規則などに規定した
法定外休日に限る)

なし

(ただし法定の年次有給休暇、育児・介護
にかかる看護休暇など一部のみ付与義務あり)

法定休日

法定外休日

盆休み・正月休みなど

年次有給休暇

慶弔休暇

リフレッシュ休暇など

いわゆる「夏休み」に関して言うならば、就業規則などで「休日」として定めたならば与える義務が発生するが、定めない限り与える義務は発生しません。「我が社には夏季の『休日』はありませんから、夏休みが欲しい場合は有休を申請してください」としても法律上は構いません。

2.有休の計画的付与の要件

夏休みを与える義務は必ずしもないとはいえ、夏季には帰省やレジャーの予定をしている社員も多いため、何らかの連続した休暇があれば望ましいです。この場合に「年次有給休暇の計画的付与」という制度を利用することができます。労使で協定を締結することにより、1年のうち特定の時期に有給休暇を取得させることができるものです。年次有給休暇の計画的付与のための要件は以下の通りです。

Ÿ  就業規則などにより計画的付与を規定すること

Ÿ  以下の内容を盛り込んだ労使協定を締結すること(労働基準監督署への届け出は不要)

(1) 計画的付与の対象者(あるいは対象から除く者)

(2)対象となる年次有給休暇の日数

(3)計画的付与の具体的な方法

(4)対象となる年次有給休暇を持たない者に対する取り扱い

(5) 計画的付与日の変更 

こと夏休みに関していうと、例えば「Aグループは8/18/5Bグループは8/48/6に有休を付与する」や「8/138/16を有休として計画的に付与をする」などと定めることで、有休消化をさせることが可能です。

3.不利益変更の注意

前回のブログでご案内していますが、もともと「休日」として取り扱っていた夏休みを「有休の計画的付与」と変える場合、もともと働く義務のなかった休日が減ることになるので、労働条件の不利益に変更となります。労働条件の一方的な不利益変更は違法とされるため、事前に十分に社員の納得を得てから変更される必要があります。納得や同意がない場合は、一方的な不利益変更となります。
当事務所のクライアントさんは、社内全体会議の際に、本件を丁寧に分かり易く説明し、全従業員から書面により、同意を得たとのことで、「有給の計画的付与」を導入されたとのことです。

ポイントは、これまでの8月12日から15日迄の休暇を、7月~9月の間で交替で業務に差支えがない範囲であれば、指定した時期に連続5日間年次有給休暇を取得できるとした点が大きいと考えます。これなら、社員にもメリットがありますよね。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2018.09.12

従業員に残業をしてもらう時のル-ル

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表 社会保険労務士・行政書士の郡山博之です。

本日は、従業員に残業をしてもらう時のル-ルについてご案内します。


1.残業代の支給

今般、未払い残業代問題も多くなっていますので、注意が必要です。


2.就業規則の記載

賃金体系として基本給や年齢給、職能給、住宅手当や扶養手当といった賃金を構成する要素を決めて記載します。賃金の計算方法についても記載の必要があり、時給制や日給制、月給制、年棒制の中から、実際に運用するものをすべて規程に入れます。欠勤や遅刻、早退、あるいは、残業手当の賃金の計算方法を盛り込むとともに、育児休暇や介護休暇などの取得時の賃金の取り扱いについても明記が必要です。また、中途入社の社員に対する日割り賃金の計算方法についても、規定を設けておきます。


3.「36協定」の作成及び労働基準監督署への届出


労働基準法では、1日8時間・1週間40時間と定められています。本来は、残業をさせててはいけません。ただし、労働基準法36条にて会社と従業員の間で「時間外労働に関する協定」※1を結び、労働基準監督署へ届け出ることにより、1日8時間・1週間に40時間を超える残業と、法定休日※2における休日労働を可能としています。
※1 通称「36協定」
※2 1週間に1日の休日

しかし、この36協定の届出を提出せずに、残業をさせているケ-スが多く、今後、指導強化がされていきます。
届出をされていない場合は、速やかにご対応ください。

(ご参考:限度時間)

期間 限度時間 期間 限度時間
1週間 15時間 1か月 45時間
2週間 27時間 2か月 81時間
4週間 43時間 3か月 120時間
1年間 360時間

36協定の記載例

ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2018.09.09

従業員を休業させる場合の休業手当について

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

最近、集中豪雨・台風・地震とこれまで経験したことのない天災地変による災害が頻発しています。こうした災害により会社を休業しなくてはいけない状況になるケ-スがあります。この休業時の従業員に対する休業手当の取扱いが問題となります。本日は、一般的な休業手当と天災地変の場合の休業手当についてご案内させていただきます。

 1.休業手当とは

労働基準法において、「使用者の責に帰すべき事由」、会社の責任で従業員を休業させる場合は、休業手当の支払いが義務づけられています。これは、会社の一方的な休業によって従業員の生活が脅かされることを防ぐためで、会社は平均賃金の100分の60以上で計算した額を支払わなければいけません。
「使用者の責に帰するべき事由」とは?
・会社の故意・過失による場合(火災などによる工場休業など)
・資金難や原材料不足による経営上の障害(不景気による工場休業など)

2.天災地変の場合

地震や台風などの天災地変については不可抗力によるもので会社の責任や都合で休業させたものではないため、休業手当の支払いは不要となります。ここでいう不可抗力とは、2つの要件を満たす必要があります。

A その原因が事業の外部より発生した事故であること

B 事業主が通常の経営者として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故であること

 Aのケースとして、取引先が天災地変により被害を受け、会社が原材料の仕入れや製品の納入などが不可能となったことにより、従業員を休業させる場合です。
このケースについては、会社が直接的な被害を受けていません。つまり、使用者の責に帰すべき事由に該当するとされ、会社は休業手当の支払いが必要になります。しかし、このケースであってもBの要件もあわせて満たす場合は、会社の責任による休業にはならないと解釈されます。具体的には、取引先への依存の程度、輸送経路の状況、他の代替手段の可能性、災害発生からの期間、使用者としての休業回避のための具体的努力などを総合的に勘案し、判断する必要があるとの考え方が示されています。
上記を踏まえて会社として判断する必要があります。

【雇用調整助成金】
会社が休業手当を支払った場合に、それを支援する制度として雇用調整助成金が設けられています。支給要件として、直近3ヶ月の生産量、売上高などの生産指標が前年同期と比べ10%以上減少していることなどの要件がありますが、詳細は、管轄の労働局またはハローワークへお問い合わせください。

厚生労働省より「平成307月豪雨について」のご案内を参考にリンクさせていただきます。

 

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございます。

2018.09.05

無期転換ル-ルと定年後の継続雇用制度

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

最近、派遣業許可後のクライアント様の書式整備の業務を行っていますが、単に労働基準法や労働契約法だけではなく、民法や契約法などの知識を問われることもあります。通常の社労士事務所では、一般の民法や契約法を専門とする事務所は少ないですが、当事務所は行政書士事務所も運営していますので、非常に強い武器となります。

さて、本年4月より「無期転換ル-ル」が本格開始されました。この「無期転換ル-ル」ですが、2013年の労働契約法改正で導入されたこの制度ですが、実際に無期転換権の行使が発生するのは、2013年4月1日以降に5年以上継続して「有期労働契約」を更新している労働者からの申込みがあった場合のみです。つまり、施行から5年を迎えた本年4月からが本格開始となる年です。

本日のテ-マで最も大きいポイントは、 60歳を定年とする会社では、1年ごとの有期雇用契約によって65歳まで雇用を延長している継続雇用制度を導入されています。ところが、「無期転換ル-ル」は当然のことですが、60歳以降の方に対しても適用されるため、65歳を過ぎて無期雇用契約への転換の申出がなされる可能性が皆無ではありません。

ただし、無期転換ルールの特例を定めた【専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法】によると、「適切な雇用管理に関する計画を作成し、都道府県労働局長の認定を受けた事業主の下で、定年に達した後、引き続いて雇用される有期雇用労働者(継続雇用の高齢者)については、その事業主に定年後引き続いて雇用される期間は無期転換申込権が発生しない」と定められています。

つまり、定年後に引き続き継続雇用制度等で雇用されるばあであっても、【対象労働者に応じた適切な雇用管理の措置に関する計画】を作成し、 都道府県労働局長の認定を受けないと「無期転換ル-ル」は発生します。
この特別措置法の対象者は、下記の方が対象です。

1.専門的知識等を有する労働者:一定の期間内に完了することが予定されている業務に就く期間上限10年
2.定年到達後の継続雇用者:定年後に引き続き雇用されている期間

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。


2018.08.29

人材派遣業許可申請後の必要書類

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

一昨日のゲリラ豪雨は、大変でした。
最寄り駅に着きましたが、夕立かなと思いきや止まずに、びしょ濡れでした。

現在、人材派遣業許可を自社で取得され、取得後の運用に困っている会社様のサポ-トをさせていただいています。

人材派遣業許可の取得も書類が多く、大変な作業ですが、取得後に実際の営業を開始される場合も、さまざまな書式が必要となります。

一般的な、自社で雇用されるため、個別雇用契約書も必要ですが、一般的な企業の雇用契約書と異なります。
人材派遣業の許可を取得し、最低限用意される書類は、下記のとおりです。

1.労働者派遣基本契書
2.派遣個別契約書
3.就業条件明示書
4.期間の制限に抵触する最初の日の通知書
5.期間の制限に抵触する日の通知
6.派遣元台帳
7.派遣先管理台帳

などです。

詳しくは、お問い合わせください。
許可申請後の、経営管理が非常に重要です。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございます。

2018.08.22

日本年金機構に提出する各種類の届出書類の改定について

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

台風の影響なのか、本日の東京は暑いですね。
明日は、関西出張の予定で、仕事が終了しましたら、今週一杯は夏季休暇にしようと決めていましたが、台風の影響でその出張が延期となってしまいました。残念です。

さて、本年3月より、日本年金機構へ提出する届出書類が改定になりました。
実務上は、当事務所の場合、電子申請のためほとんど、紙の届出用紙は利用しませんが、電子申請を行うクラウドシステムも改定になっていますので、主にどういった点が変更になったかをご案内させていただきます。

これまでは、資格取得届・資格喪失届・報酬月額算定基礎届・報酬月額変更届・賞与支払届といった、70歳未満の人についての届出書と70歳以上の人についての届出書(70歳以上被用者該当届・70歳以上被用者不該当届・70歳以上被用者算定基礎届・70歳以上被用者月額変更届・賞与支払届)とが、一体化された様式に変更されてということです。

そして、厚生年金に加入している会社で働いている人が70歳になり、70歳からも引き続きその会社で働き続ける場合は、厚生年金保険の被保険者資格を喪失し、代わりに、厚生年金の「70歳以上被用者」となります。

この場合、会社はその人について、「厚生年金保険被保険者資格喪失届」と「厚生年金保険70歳以上被用者該当届」を出す必要があるのですが、これらの二つの届出が1枚の「70歳到達届」という届出書にまとめられています。

これらにより、役員・従業員でこれから70歳になる人がいる場合に、会社が行うべき届出を失念したり、漏らす危険が減ることにつながるとはいえます。
厚生年金の70歳以上被用者として70歳以降も働き続ける人は、75歳までは健康保険に加入することとなります。

ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。 

2018.08.19

就業規則と実態が合致していますか?

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

さて、本日のテ-マですが、新しく顧問契約をさせていただきましたクライアント様の就業規則を拝見させていただきましたが、就業規則の内容と実態の運営の乖離が見受けられ、現在、修正作業に入っています。つきましては、ブログでポイントをご案内させていただきます。
貴社は、現在の就業規則と実態の運営がしっかり、リンクされていますか?

就業規則には、労働時間、賃金、退職についての事項を必ず定める必要があります。
逆に、その他の定めは、相対的や任意的記載事項として区分されていますので、簡単な就業規則ですと、下記の表のみで作成されても、最低限の就業規則として成立します。

労働時間 始業・就業時間、休憩時間、休日、休暇など
賃金 賃金の決定、計算、支払い方法、賃金の締切、支払時期、昇給の有無など
退職 解雇事由など

もし、退職手当、賞与などがある場合は、これらも記載しなければなりません。

既に、就業規則を作成されている場合は、内容に不備がないか、実態に即しているかなど再度確認されてみたらいかがでしょうか?作成や見直しをされる際は、実態の労働時間、賃金等の労働条件、職場の秩序を守る規律た実態を勘案し、改善点を含めて再構築します。市販やインタ-ネットの「モデル就業規則」を流用してしまうと、実態に即していない場合もありえますので、十分に吟味の上、導入されることをお勧めします。

就業規則の作成、見直し、訂正は、当事務所へお任せください。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただき、ありがとうございます。

2018.08.15

労働保険・社会保険で会社の社名変更や代表者を変更したときの手続きについて

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

お盆休み真っ只中でしょうか。通勤時の電車が空いています。
日々、電車が空いていたら、通勤も楽でしょう。

本日は、労働保険・社会保険手続きで、代表者名が変更した場合と、会社名が変更したときの手続きをご案内します。
ちょうど、当事務所のクライアント様の代表者が変更になりましたので、いい機会です。

1.会社の代表者を変更したときの手続き

届出書類 提出先 添付書類 提出期限
健康保険・厚生年金保険事業所関係
変更(訂正)届
管轄年金事務所 登記簿謄本等 変更のあった日
から5日以内

※社会保険のみ手続きが必要となり、労働保険・雇用保険は手続き不要です。

2.会社の社名を変更したとき

届出書類 提出先 添付書類 提出期限
労働保険名称・所在地変更届 新住所管轄
労働基準監督署
登記簿謄本等 変更のあった日
から10日以内
雇用保険事業主事業所各種変更届 新住所管轄
公共職業安定所

変更のあった日
から10日以内

健康保険・厚生年金保険適用事業所
所在地・名称変更(訂正)届
新住所地管轄
年金事務所
変更のあった日
から10日以内

※保険証は、手続き終了後新しい保険証が送付されますので、その後旧社名の入った保険証を年金事務所へ返却します。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2018.08.12

就業規則の作成義務と就業規則の必要性は別物です。

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日は、就業規則の作成義務と届出義務及び就業規則の必要性についてご案内します。

1.就業規則の作成義務

常時10人以上を使用する使用者は就業規則を作成し、労働基準監督署に届け出なければなりません。
作成し届け出をしない場合は罰則があります。
※罰則:就業規則の作成・届け出義務違反の場合30万円以下の罰金となります。 (労働基準法第89条、120条)

2.常時10人以上の常時の人数の数え方は?

(1)「常時」とは、一時的に10人未満になることはあっても、常態として10人以上の労働者を使用していることをいいます。
(2)「10人以上」の人数に、パートタイマーや、臨時的な労働者等もすべてふむまれます。ただし、役員は除きます。また、派遣労働者は、派遣元の事業場の人数としてカウントされます。

3.常時10人未満を使用する使用者は作成義務はありません。しかし、必要性と意義は?

常時10人未満を使用する使用者は、就業規則の作成義務は当然のことながらありません。しかし、常時10人未満を使用する会社で、就業規則の他に、何の根拠をもって会社経営で必要な労務管理をしていくのか?
考えられることは、「雇用契約書」「労働条件通知書」「労働基準法や労働契約法の関係法規を根拠」などです。
「雇用契約書」や「労働条件通知書」で、有給休暇や弔意休暇、その他、懲戒解雇や普通解雇との規定を網羅すると、1枚の紙に収まりません。また、「雇用契約書」や「労働条件通知書」に「詳細は、労働基準法及び労働関係法令を運用する。または、準用する。」と記載したとしても、万が一従業員から質問があったり、従業員とトラブルが発生した場合は、その都度、分厚い法理関連の書籍を確認したり、従業員に提示される必要があります。
よく、従業員を雇用することになったら、労働保険や雇用保険の手続きが必要とインタ-ネットや本に書かれていますが、私は、さらに就業規則を作成されることが必要と考えます。
何故なら、就業規則を作成され、周知・閲覧されることで、会社経営上の労務管理が効率的(都度確認不要・トラブルの回避)につながるからです。つまり、就業規則を作成することによるメリットは、統一的な雇用管理が可能になり、就業規則が雇用契約の内容になることによって全体の従業員について均一に管理ができることです。
当事務所では、当事務所ひな型就業規則加工でお客様の就業規則を作成させていただく場合、50,000円よりお引き受けしています。ただし、前金で、メ-ルのみでやりとりとさせていただきます。ご来所いただき、お打ち合わせいただく場合は、別途5,000円のお打ち合わせ料金が発生しますのでご了承ください。なお、本プランでは、ご訪問での作成サ-ビスはおこなっておりません。
ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2018.08.08

台風や災害時の労務管理

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表の郡山博之です。

本日は、台風13号が関東上陸する見込みですね。
今般の異常気象、どこで大きな被害が発生するか想定できない状況になっていますね。

さて、朝のニュ-スでも夕方以降に暴風雨となり、交通機関が乱れると言っていました。
本日のような状況下の労務管理ですが、私が経験した会社では、常に経営陣や総務人事担当者が、気象情報を確認しており、台風の進路によっては、15時以降順次、仕事が終了した社員にたいして、退社許可が出ていました。
勿論、早退回数や早退時間にはカウントされません。


東京は、暴風雨や雪により、交通機関が乱れ、電車もすぐに止まってしますため、「通勤難民」となってしまい、逆に安全な状況で自宅に帰れなくなったり、翌日の仕事の効率が悪くなってしまいます。

勿論、明朝も間違いなく、電車が間引き運転を行うため、駅やホ-ムに人がごった返し、大変な状況になると想定されます。こういう時は、遅刻回数や遅刻時間にカウントせず、社員の判断にて時差で出勤させたらいかがでしょうか?

当事務所も今後の気象や交通機関の状況により、早退を許可しようと思っています。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2018.07.29

有給休暇5日の取得義務化と所定休日と法定休日の違いと働き方改革法

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

先週の金曜日に同業の社会保険労務士さんと情報交換を行いました。
話題になったのが、平成30年6月29日の参院本会議にて、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案が可決、成立した「有給休暇5日の取得義務化」の件です。
施行日は平成31年4月1日となります。
施工日は、決定していますが、関連法案の罰則規定については、今後の情報が入り次第ご案内します。

「有給休暇5日の取得義務化」ですが、私が勤務していた金融保険業界の場合、一般的に7月~9月の間で有給休暇を利用して9連休取得させる制度が多いです。この場合は、まさに、有給休暇5日取得義務に該当しますが、製造業など、既に「所定休日」で夏季休暇を付与している場合、この夏季休暇は有給休暇とみなされません。では、この「所定休日の夏季休暇」を有給休暇に変更すれば問題ないと考えられることは、【不利益変更】に該当するため、従業員全員の同意が必要です。

【対策】
年次有給休暇の計画的付与制度を活用し、年末年始・夏季休暇を所定休日と定めていない会社であれば、年末年始・夏季休暇を計画的付与の対象日とすることで対応可能ですし、既に夏季休暇等を「所定休日」にしている会社は、新たに「バ-スデ-休暇」や「クリスマス休暇」・「6月休暇」等を計画的付与の対象日として設けることで対応が可能です。
このような制度を設けない場合、「労務管理」上、必ず有給休暇を5日付与させるという会社内の意識づけが大切です。

具体的な情報を今後、ご案内していきます。

余談ですが、経営者によっては「所定休日」のことを「有給(無給扱いでない)」で休暇を与えるため、有給休暇と誤解される場合がありますが、今回の法改正の有給休暇は、「年始有給休暇」をさします。
(ご参考)年次有給休暇=労働基準法第39条 
年次有給休暇は雇入れの日から起算して、6ヶ月間継続勤務し、その6ヶ月間の全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続または分割した10日の有給休暇を与えなければなりません。 (嘱託やアルバイト、パート労働者の場合も同じです。)6ヶ月経過後は、継続勤務年数1年ごとに、その日数に1日(3年6ヶ月以後に2日)を加算した有給休暇を与えなければなりません。(ただし、有給休暇の総日数は20日が法律上の限度で、それ以上の日数を付与することは法律上要しません。) なお、法定の基準日以前に付与する場合の8割出勤の算定は、短縮された期間は全期間出勤したものとして計算します。 有給休暇は、労働者が指定した時季に与えなければなりません。労働者が時季を指定することのできる期間は、2年間です。 

(ご参考)所定休日とは?
労働契約や就業規則等)で「所定労働日」と、「所定休日」とに分けられます。労働契約や就業規則等において定められた休日を「所定休日」といいます。この「所定休日」は、就業規則等で規定していれば、年末年始休暇や夏季休暇等も含まれます。ただし、会社が定めた「所定休日」の中には、「法定休日」が含まれている労働契約や就業規則等が含まれています。例外として労働契約や就業規則等で「所定休日」と「法定休日」と区分されている場合もあります。「法定休日」とは、労働基準法第35条で「使用者は労働者に対して毎週少なくとも1回の休日、または変形休日制をとっている場合、4週を通じて4日以上の休日を与えなければならない。」と定められています。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。


2018.07.25

採用後の試用期間のポイント

 東京・渋谷のアリスト社労士事務所の
代表 社会保険労務士・行政書士の郡山博之です。

多くの会社で入社から1カ月~3ヶ月を試用期間と定めています。その多くは試用期間満了後に正規雇用等へ移行しますが、中には企業文化や職務に適性がなく、残念ながら常用雇用できない人もいます。

そんな時に「試用期間中だから」と安易に解雇すると想定外のしっぺ返しを受けることがあります。
ここで、「試用期間」の法的意味合いをご案内し、その仕組みの活用策をご案内させていただきます。

解雇制限

解雇は、法律によって2つの厳しい制限がかけられています。
A合理的でない解雇は無効」
B30日以上前の予告
です。試用期間中であっても原則としてこの制限を受けるため、軽はずみな試用期間中の解雇はご注意ください。

試用期間中の労務管理

1.雇い入れ14日以内に集中的に適性判断
解雇の制限のうちB30日以上前の予告は、【試用期間中で、かつ雇い入れから14日以内であれば必要ない】とされています。そのため、最初の2週間に集中して適性判断をすることで、解雇予告手当などの支払いリスクを軽減することができます。
とはいえ2週間で判断するのは簡単でありません。遅刻や欠勤など時間にルーズな点はないか?面接時に申告した資格や能力を持っているか?などの表面的な部分を主に確認しましょう。
2.日報による指導履歴の管理
解雇制限のうちA合理的でない解雇は無効という部分をクリアするためには、「解雇が合理的である」という客観的証拠を積み重ねることが最重要です。
中でも重要なのが、①仕事内容は何か②結果はどうだったか③会社が何を指導したかの3つの要素です。この3つの要素を日報の中に組み入れて、試用期間中は大変なことですが、頻繁にやり取りをすることが大前提です。
3.適性がないと判断したら早期決着
日報などで指導しても状況が改善しない場合は「早期の判断・決着」が大切です。試用期間中の解雇理由の多くは「能力不足」と「会社文化とのミスマッチ」であり、それらの問題に対する対処は早ければ早いほどよいでしょう。
時には意見が合わない相手を納得させるために合意金や再就職のための支度金などの金銭解決が必要なこともあります。
早目の判断を心掛けないと会社側も従業員側も不幸となります。
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2018.07.22

働き方関連法の施行について

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

東京の猛暑は弱まる気配がないようですね。
来週も土曜日までは、猛暑が続くようです。
7月も残すは1週間とわずか。

さて、働き方関連法が成立しましたが、おおまかなポイントを本日は、ご案内させていただきます。

2019年4月1日から 働き方改革関連法が順次施行されていきます。

1.時間外労働の上限規制が導入

施行:2019年4月1日~ (中小企業は、2020年4月1日~)
(1)残業時間の上限は、原則として月45時間・年360時間とし、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることはできません。(月45時間は、1日当たり2時間程度の残業に相当します。)
(2)臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも、
・年720時間以内
・複数月平均80時間以内(休日労働を含む)
・月100時間未満(休日労働を含む)
を超えることはできません。また、原則である月45時間を超えることができるのは、年間6か月までです。
ここでの大きなポイントは、月60時間を超える残業は、割増賃金率を引上げりことになります。(25%→50%)大企業は、平成22年度から出起用されていましたが、 中小企業で働く人にも適用されることになります。

2.年次有給休暇の確実な取得が必要

施行: 2019年4月1日~
使用者は、10日以上の年次有給休暇が付与される全ての労働者に対し、毎年5日、時季を指定して有給休暇を与える必要があります。

3.正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差が禁止

施行: 2020年4月1日~ (中小企業は、2021年4月1日~)
同一企業内において、正規雇用労働者と非正規雇用労働者(パートタイム労働者、有期雇用労働者、派遣労働者)の間で、基本給や賞与などの個々の待遇ごとに不合理な待遇差が禁止されます。

〇詳細は、下記をご参考にしてください。
働き方改革関連法律の詳細

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2018.07.18

通勤費は前払いで支給すべきか?後払いで支給すべきか?

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

ここ最近の東京は猛暑で、外出するのがおっくうになりがちです。
この猛暑が、いつまで続くのでしょうか?

さて、最近、受託させていただきましたクライアント様の通勤費が6カ月定期となっていました。
以前は、内製、税理士事務所でへ依頼され給与計算をされていたようですが、通勤費6カ月分を前払いにされるか?後払いにされるか?特に就業規則に定めることもなく、社員により、前払いや後払いが混在していましたので今回、整理をさせていただきました。

通勤手当2つの支払い方法 

通勤手当の支払い方法として、先払いと後払いがあります。一般的には後払いで、入社後、最初の給料日に基本給や通勤手当も含む各種手当を支給します。 後払いは、従業員が一度立て替えたものを後で精算するイメージです。 
一方、従業員が立て替えずに済むように、先払いとして月の初めに支払ってしまう会社もあります。 
例えば6ヶ月分の定期代を、6月と12までの6か月分を前払いするという規定と仮定します。仮定ケ-スとですと、6月に前払いすることは、労働基準法に違反するものではありません。
ただし、規定で6月と12月と規定しますと、それ以外の月の入社の方の取り合扱いが複雑となります。応答月までは、毎月定期にされるのか?3カ月定期にされるのか?等、管理が複雑となってしまいます。
また、今回のご相談は、入社月に対して最初の6カ月は後払いで、次の6カ月は前払いのスタイルでしたので、給与計算上はミスが多くなってしまいます。
また、社会保険上は、将来に向かっての月割のため、後払いか、前払いかは大きな影響が出ませんが、税務上は、影響が出来る経理処理をされているケ-スもあろうかと思います。
本来、通勤費は、就業規則や賃金規程で定めなければ、労働基準法で定める賃金ではありません。つまり、会社が必ず従業員に支給するものではありません。
さらに、前払いにされ、社員が4日出勤後退職した場合など、既に6カ月の通勤費を支給していた場合、未経過の通勤費を退職した社員から回収されることが困難となり可能性もたくなります。
結論として、小職は、後払いをおすすめし、今後は、後払いで6カ月の通勤費を支給することに規定していただくことにしました。
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2018.07.15

法人設立と社会保険種類とコスト

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の社会保険労務士・行政書士郡山博之です。

3連休の真っ只中ですね。
それにしても、今年の夏は暑すぎます。

先週、ご紹介で、企業まもない社長さんと面談をする機会がありました。
企業間もないとのことで、役員報酬は0円のため、社会保険に加入する義務はなく、現在は、国民年金と国民健康保険とのことです。

これから、行政官庁の許認可手続きを行い、許可取得後、役員報酬の発生と従業員を雇用されるとのことで、加入保険の種類と内容の整理及び保険加入手続き、給与計算のご相談でした。

1.社会保険の種類

そもそも社会保険とは、主に以下の4種類の保険のことを言います。 
※実務上は、労働保険(労働保険・雇用保険/旧労働省管轄)と社会保険(健康保険・厚生年金/旧厚生省管轄)と分けます。
(1)健康保険 
経営者・従業員及びその扶養家族が病気やケガをしたり、または死亡や出産をしたりした場合に必要な給付を行う制度。
※40歳以上65歳までは、介護保険も加わります。
(2)厚生年金 
国民年金に上乗せされ、加入者の老齢、障害、死亡時の保障として年金の給付が行われる制度。
※厚生年金は、2階建て制度の2階部分です。1階部分が国民年金です。国民年金は、20歳から60歳までの全国民が加入する義務がありますが、厚生年金は、法人(会社等)に加入義務が発生し、役員及びその従業員が対象者です。
対象者は、70歳までの役員及びその従業員です。国民年金は、20歳から60歳であるのに対し、例えば、中学卒業後、就職された16歳の従業員も厚生年金の対象となります。
(3)雇用保険
労働者が失業した際の失業給付や、労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合に必要な給付を行うことにより、労働者の生活及び雇用の安定を図るための支援を行う制度。 
※従業員には原則として加入義務がありますが、法人の代表者の加入はできません。 
(4)労災保険 
就業中や通勤中に従業員がケガや病気になった場合、または亡くなられた場合に、本人やその遺族に対して、必要給付が行われる制度。 

2.会社が負担する保険コスト

保険料率は 従業員の給料の約15%となります。社会保険料は、『標準報酬月額×社会保険料率』により計算されます。
つまり、従業員均一の保険料ではなく、従業員の給与や通勤費の額などによって異なりますが、一般的に、会社・従業員が月々負担する保険料率は、それぞれ従業員の給料の約15%と言われます。
例:
月収25万円の従業員を雇用した場合(通勤費込み)
25万円×15%=概算37,500円
つまり、25万円の従業員を雇用した場合のコストは、
250,000円+37,500円= 287,500円となりますので、従業員給与と社会保険料を見込み、採用計画を練った方がベストです。
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2018.07.08

無期転換ル-ルの例外について

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表の 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日は、改正の関東地区で、まさに、猛暑の予感です。
最近、気候の変動が激しいので体調管理には気を付けようと思います。

さて、本題です。


【無期転換ル-ルとは?】

2013年4月1日以降に開始した有期労働契約を対象に、通算5年を超えて有期労働契約が反復更新された場合、労働者には無期労働契約を申し込む権利が発生します(労働契約法18条)。 

【無期転換ル-ルの例外】

無期転換ル-ルには、例外があります。それは、専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法に該当する場合です。以下の要件がすべて満たす場合は、無期転換ル-ルが発生しません。 
1.適切な雇用管理に関する計画を作成し、都道府県労働局長の認定を受けた事業主に雇用されていること 
2.有期労働契約を締結した事業主から支払われると確実に見込まれる賃金が年間1,075万円以上であること
3.医師、弁護士、公認会計士、特許発明の発明者、5年以上の実務経験を有する建築士やシステムエンジニアなど、高度な専門的知識などを有していること 
4.5年を超える高度な専門的知識を必要とするプロジェクトに従事すること 
上記条件をすべて満たした有期社員が9年のプロジェクトに従事した場合、プロジェクトが完了するまでの9年間は無期転換申込権が発生しないことになります。 
ここで、注意すべき点は、無期転換申込権が発生しない期間の上限は“最長10年間となります。 
例えば、プロジェクトが10年を超えて15年の場合は、15年に満たない期間の途中であっても10年が経過した時点で無期転換申込権が発生することになります。
この【無期転換ル-ルの例外】のポイントは、雇用してからの通算契約期間となります。
高度専門職でプロジェクトに従事している期間は、そのプロジェクトが完了するまで無期転換申込権が発生しません。しかし、プロジェクト開始日から完了日までの期間が最初の有期労働契約からの通算契約期間を超えない場合に限られます。 
ただし、特例の要件が満たされなくなると勿論、無期転換申込権が発生します。例えば、プロジェクトに従事しなくなった場合 、年収要件(1,075万円)を満たさなくなった場合、都道府県労働局長による計画の認定が取り消された場合 などです。
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給与計算、就業規則、社会保険加入、人事評価制度の設定などは、当事務所へお任せください。

2018.07.04

契約社員と正社員の手当の支給に関する判例と今後の人事制度

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

昨日までは、真夏の陽気ですが、今日から天気が下り坂ですね。
梅雨明けが早すぎて、水不足が懸念される中、恵みの雨でしょうか。

さて【本題】です。

運送大手ハマキョウレックス事件では、契約社員と正社員に支給する手当の格差が違法とされ、損害賠償が命じられる判決が最高裁で出されました。同時期に争われた神奈川県の運送会社・長澤運輸事件では、定年後再雇用されたドライバーが会社を相手取り「定年により給与が下がるのは違法」と訴え、高裁差し戻しの判決となりました。「同一労働同一賃金」の動きがある中、非正規社員への給与(賃金)制度や人事制度については、今後ますます真剣に取り組む必要があります。

今回の判例を踏まえ、60歳で定年を迎え、継続雇用制度を活用され65歳迄勤務されるケ-スが多くいらっしゃいますが、これまでは「正社員と契約社員では賃金制度や福利厚生に格差があって当然」、または「定年後再雇用された場合、当然賃金などの労働条件は下がる」という考え方が常識と考えられている部分がありました。しかし、今後はその取り扱いの差について必ずしも「常識」「当たり前」とはみなされなくなってきそうです。

労働契約法20条では、下記のように定められています。
有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下この条において「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない

今後の対応方法としましては、人事制度の中で、完全な【役割給】を設け、契約社員・正社員問わず、【役割給】に応じて、評価制度や賃金制度を設けるべきではないでしょうか?
【役割給】+【責任給】の組み合わせがより明確となります。
例えば、60歳の定年まで、【役割給】+【責任給】で勤務されていた方を、60歳以降の継続雇用制度で、60歳定年退職時給与の60%とされるような仕組を通用せず、その方の【責任給】を外され、【役割給】の内容で、継続雇用制度の給与を決定する方法などいかがでしょうか?

【役割給】を導入される場合も、明確な業務の内容を区分されることが必要かと考えます。

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給与計算・就業規則の作成・賃金制度の設計・人事評価制度の設計等は、当事務所へお任せください。


2018.06.27

社会保険算定基礎届のご案内と調査について

 東京・渋谷のアリスト社労士行政所事務所の
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

先週より、クライアントさんより、下記の封筒や封筒の中の総括表等がPDFにて送られてきています。

いよいよ、社会保険労務士事務所の本年度、第二の繁忙期です。
算定基礎届とは、健康保険及び厚生年金保険の被保険者及び70歳以上被用者の実際の報酬と標準報酬月額との間に大きな差が生じないように、毎年7月1日現在で使用している全ての被保険者及び70歳以上被用者に4~6月に支払った賃金を、事業主の方から「算定基礎届」によって届出をし、毎年1回標準報酬月額を決定します。これを【定時決定】といいます。「算定基礎届」により決定された標準報酬月額は、原則1年間(9月から翌年8月まで)の各月に適用され、保険料や将来受け取る年金額等の計算の基礎となります。

さて、この封筒に以下の封書が同封されていることがあります。
「年金事務所の調査依頼です」

この調査依頼は、必ず年金事務所に出向かなければなりません。
一般的には、社会保険に事業所として初めて加入してから4年以内に依頼が来ます。もっともこの、定時の年金事務所の調査は、4年に1度は必ずあるものと理解された方がいいでしょう。
ポイントは、社会保険未加入の従業員について特に確認されます。
例えば、
アルバイト・パートタイマーで通常の正社員の月の所定労働時間が4分の3以上2か月連続で達しているにもかかわらず社会保険に未加入でないか?
正社員で雇用しているにも係らず、勝手な解釈で、試用期間6カ月と定め、その6か月間社会保険未加入でないと?
などです。

しっかり、法令通り対応されている事業主さんであれば恐れる必要はございません。
万が一、上記の「?」の問題がある場合は、遡及して加入指示がありますので、ご注意ください。

必要書類は、
①労働者名簿②出勤簿③賃金台帳④社会保険の各種届出に係る決定通知書綴り⑤源泉所得税領収証、源泉徴収簿⑥代表社印鑑とありますが、
③賃金台帳に勤怠項目がありましたら、②の出勤簿は不要となります。
また、必ず⑤の源泉所得税の領収書及び⑤の本年の算定基礎届や7月月変届の書類は必要となります。

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給与計算、就業規則の見直し、社会保険手続き、人事評価制度の設計などは、当事務所へお任せください。



2018.06.23

60歳到達以降の継続雇用制度の雇用保険・社会保険

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の社会保険労務士・行政書士の郡山博之です。

いいいよ梅雨本番。どんよりした天気が多くなりましたね。
また、6月も残すは、1週間となり、労働保険年度更新がやっと落ち着きましたが、先週からクライアント様より、社会保険(健康保険・雇用保険)の算定基礎届の書類が届いており、第二の繁忙期の社会保険算定基礎届へ突入です。

さて、本題です。
60歳定年後の継続雇用制度を導入されている当事務所のクライアント様からのご質問事例です。
「継続雇用制度」を導入された場合、
・これまでとの労働時間と同様に勤務する。
・週3日ほどで時間を短縮勤務する。
など、様々な勤務形態を導入されており、勤務形態ごとの雇用保険・厚生年金・健康保険の加入方法の説明事例です。

雇用保険

雇用保険につきましては、1週間に20時間以上勤務される場合、雇用保険に加入しなければなりません。つまり、1週間に20時間未満勤務される場合は、雇用保険の加入は不要となります。
しかし、「高年齢雇用継続給付金」を受給される場合は、あくまでも、60歳以降も雇用保険の被保険者でなくてはなりません。

厚生年金

厚生年金は、【1週の所定労働時間および1月の所定労働日数が常時雇用者の4分の3以上】の場合は、厚生年金に加入しなければなりません。逆に4分の3未満は、加入義務はありません。しかし、例外としまして
常時雇用者の所定労働時間および所定労働日数の4分の3未満であっても、下記の5要件を全て満たす方は、被保険者になります。
1.週の所定労働時間が20時間以上あること
2.雇用期間が1年以上見込まれること
3.賃金の月額が8.8万円以上であること
4.学生でないこと
5.常時501人以上の企業(特定適用事業所)に勤めていること

つまり、継続雇用制度へ雇用が切り替わった後、上記要件に外れる場合は、厚生年金に加入する必要がなくなります。勿論、国民年金の加入義務は、60歳となっていますので、年金に関する保険料は、原則発生しません。


※厚生年金は、万が一、70歳以降も継続雇用されたとしても、70歳以降は、加入することができません。

健康保険

健康保険も「厚生年金の要件」と同一となりますが、加入方法は異なります。
1.「厚生年金の要件」を満たす場合
これまでの通り、健康保険の被保険者となります。
2.「厚生年金の要件」を満たさない場合
(1)国民健康保険へ加入
(2)これまでの健康保険に任意継続で加入(2年間のみ)
と2つの方法があります。以下がポイントになります。
(1)国民健康保険加入の場合は、前年の所得金額で保険料が決定されるため、60歳到達前の所得金額が高い場合、月々の保険料が割高となり、継続雇用制度後の所得が大幅に下がった場合、保険料負担が大変なことになる場合があります。
(2)これまでの健康保険に任意加入される場合、保険料には上限があり、60歳前の標準報酬月額が28万円を超える場合は28万円の標準報酬月額により計算した保険料になります。ただし、また、在職中は会社とご本人で保険料を半分ずつ負担することとなっていましたが、退職後(資格喪失後)はご本人が全額負担することとなります。なお、保険料は、原則2年間変わりません。

上記は、個人ごとに状況が異なりますので、(1)国民健康保険へ加入 (2)これまでの健康保険に任意継続で加入の選択は、慎重にご判断されることが必要です。

※健康保険制度は、万が一、70歳以降も継続雇用されたとしても、75歳まで加入できます。75歳以降は、後期高齢者医療制度になります。

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2018.06.20

労働基準監督年報のご案内

 東京・渋谷のアリスト社労士行政所事務所の
代表 社会保険労務士・行政書士の郡山博之です。

先日ですが、平成28年度の労働基準監督年報が発表されまました。
労働基準監督年報とは、毎年、労働基準監督署の活動内容等が記載されています。

具体的には、

○労働基準行政の運営
【労働条件対策の推進】、【安全衛生対策の推進】、【東日本大震災への対応】、【賃金対策の推進】、【過労死等の防止対策の推進】、【職場のパワーハラスメント対策】、【労災補償】、【関係法令の制定、改廃等】

○監督指導等
【事業場監督】、【賃金不払いの概況】

等記載されています。

この中で、当事務所への相談内容で一番多いのが、監督指導等(労基署調査)です。

労働基準監督官が会社に来るような調査(監督)は、年間169,623件行われており、そのうち、毎月一定の計画に基づいて実施する監督等の「定期監督等」が134,617件(全体の79.3%)、労働者等が労働基準監督署等に申告をしたことで行われる「申告監督」が21,994件(全体の13.0%)となっています。
○定期監督等
 平成28年中に定期監督等を実施した事業場数134,617件のうち、何らかの法違反が存在したのは89,972件で、全体の66.8%を占めていました。法違反の項目は以下のとおりです。
・労働時間 31.5%
・安全基準 26.3%
・健康診断 21.9%
・割増賃金 20.9%
・労働条件の明示 15.3%
・賃金台帳 11.3%
○申告監督
 平成28年中に取り扱った申告件数は、29,773件(前年からの繰越しが4,073件、当該年中の新規受理が25,700件)となっています。また、このうち当年で完結した件数は25,757件となっています。その中で、新規受理した申告で条項別にみると、以下のとおりです。
・賃金不払 21,700件
・解雇 3,831件
このように労働基準監督署の調査では、かなり高い確率で法違反が指摘され、指導が行われています。まずは定期監督等に備えて、日頃からしっかりと法整備や労務管理をされることが大切です。
【ご参考】
ここまで、当事務所のブログを読んでいただき、ありがとうございました。

2018.06.17

育児休業期間中や育児休業の時短就労時の退職金の期間算定について

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日は、【育児休業期間中】や【育児のため所定労働時間短縮勤務】の場合の取り扱いについてです。
当事務所のクライアントさんからの質問です。

育児休業期間中や、育児期間中のため所定労働時間短縮勤務の場合、その期間は、退職金支給の在籍算定期間から除外していいか?

もともと、退職金は、法律等で、支給義務はありません。
しかし、会社が就業規則で定めた場合は、退職金の支給義務が発生します。

育児休業や育児中の所定労働時間短縮勤務の場合で、退職金の在籍算定期間は、下記の通りとなります。


1.育児休業期間中

【ノ-ワ-ク・ノ-ペ-イ】の原則に基づき、退職金支給の在籍算定期間から除外しても問題ありません。

2.育児期間中の所定労働時間短縮の場合

通常の所定労働時間が8時間で、所定労働時間短縮勤務期間中が6時間場合で、通常の所定労働時間8時間より短いため退職金支給の在籍算定期間対象外とするのは、不利益となり、差別的取り扱いとなり法令上NGとなります。
しかし、8時間分の6時間として、退職金支給の在籍期間対象外とするのは、不利益とみなされず、法令違反でとなりません。

例:
8時間勤務で30日の場合
8時間×30日=240時間となります。・・・・①

6時間勤務で30日の場合
6時間×30日=180時間となります。・・・・②
①-②=60時間

60時間÷8時間=7.5日は、退職金支給の在籍対象外とすることは法令違反となりません。

上記より、育児休業期間中や育児中の所定労働時間短縮期間中の退職金支給算定期間については、注意が必要となります。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2018.06.13

雇用保険と社会保険の違い(通勤費と給与計算)

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日も、労働保険や給与計算、新規クライアント様の過去分設定と、慌ただしい1日でした。

給与計算の実務のポイントとして、本日は、雇用保険と社会保険(健康保険・厚生年金)の違いをお話しします。

当事務所で、一番、給与計算の実務で問題が多いのが、通勤費です。
通勤費は、1か月分であれば、さほど問題が生じませんが、3か月定期・6か月定期・1年定期などは、問題が起きる可能性も高いです。

さまざまな、給与計算の方法があると思いますが、雇用保険と社会保険(健康保険・厚生年金)の違いは下記のとおりです。

1.雇用保険料の計算

3か月以上の定期の場合も、その定期代を支給した月に雇用保険料の計算を行います。(発生主義)

2.離職票の作成

3か月以上の定期の場合は、月均等に分散します。
例えば、3か月で3万円の定期の場合で、その定期が、4月・5月・6月の場合で、6月末退職の場合は、通勤費は、毎月1万円で計上します。

3.社会保険(健康保険・雇用保険)

社会保険の場合は、2のと同様で、3か月で3万円の定期であれば、毎月、3分の1に仕分けして計上します。

基本的なル-ルですが、例外も多く見受けられますので、記事にしてみました。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2018.06.10

兼業を認める就業規則の例

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の社会保険労務士・行政書士の郡山博之です。

昨日は真夏の暑さでしたが本日から梅雨入りでしょうか。どんより曇っています。
暫く、天気が悪いようですね。
昨日、次男が、自転車で転倒し、救急車で運ばれました。現在、手首を骨折し、緊急手術を受け、入院しています。
私も駅まで自転車で通勤していますが、実は、自転車は便利な乗り物ですが、反面大変危険な乗り物ですよね。マスコミでも取りざたされることがあります。今回は、不幸中の幸いで、次男の単独事故で、加害者でも被害者でもなく、他人を巻き込んでいないので助かりました。

さて本題です。
これまでの会社の就業規則は、社員の副業や兼業を認めないケ-スがほとんどでした。しかし、今般、副業や兼業を希望する人が増加していることや、退職せずに副業や兼業を行いその経験が本業に対し役立てたり、社員が自らキャリア形成実施することがなどのメリットから、政府は副業や兼業の促進へと考えを転換しました。そして、会社や社員が現行法令でどのような事項に留意すべきかをまとめた「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が策定されました。
※平成30年1月に公開されています。

「副業・兼業」

 すでに副業や兼業を認める動きがみられますが、副業や兼業を認める際には、副業や兼業の形態、副業や兼業を行う日数や時間、企業秘密の漏えいや長時間労働を招くものとなっていないかなどを確認する観点から、副業や兼業先の職務内容などを確認する方法を決めておく必要性があります。さらに決定した内容を就業規則にて副業や兼業を禁止する条文を変更したり、新たに副業や兼業を認める内容を追加する必要があります。
ご参考ですが、平成30年1月に厚生労働省が公開したモデル就業規則では、下記の内容です。
(副業・兼業)
 第67条
  労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。
 2 労働者は、前項の業務に従事するにあたっては、事前に、会社に所定の届出を行うものとする。
 3 第1項の業務に従事することにより、次の各号のいずれかに該当する場合には、会社は、これを禁止又は制限することができる。
(1) 労務提供上の支障がある場合
(2) 企業秘密が漏洩する場合
(3) 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
(4) 競業により、企業の利益を害する場合 
このモデル就業規則はあくまでも一例です。個々の会社ごとに実態にそくした形で、規定を作成することがポイントです。
ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2018.06.06

5月より雇用保険の届出でマイナンバ-が必須となりました。

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日の東京は雨です。
そろそろ、東京も梅雨入りでしょうか。

5月より、雇用保険の届出の際、「マイナンバー記載」が必須となりました。
しかし、全ての届出ではありません。
以下の5種類の届出となります。

(1)雇用保険被保険者資格取得届
(2)雇用保険被保険者資格喪失届
(3)高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書
(4)育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書
(5)介護休業給付支給申請書
当事務所で上記届けの割合は98%ですので、必ず必要となると言ってよいでしょう。
また、どうしてもマイナンバ-を記載することが出来ない場合は、「理由」が必要となります。
さらに、個人番号登録・変更届の添付が必要な届出が以下の4つの届出は、ハローワークにマイナンバーの届出が行われていないときに、「個人番号登録・変更届」を添付することが必要となります。
(1)雇用継続交流採用終了届
(2)雇用保険被保険者転勤届
(3)高年齢雇用継続給付支給申請書
(4)育児休業給付金支給申請書
もし、マイナンバーの届出がされていないときはハローワークで受理が行われず返戻されるため、「個人番号登録・変更届」を添付して提出することになります。
平成28年1月より前に雇用保険の資格取得をしている被保険者については、上記届出が発生したときにマイナンバーの届出をすることになります。マイナンバーの記載をせず、受理されないときには、雇用保険手続きに時間を要すことになりますので、ご注意ください。
余談ですが、社会保険の手続きは、現在、マイナンバ-または基礎年金番号のいづれかで、手続きが可能です。
年金事務所の職員さんに聞きましたが、マイナンバ-と基礎年金番号のひも付けがほぼ完了しているとのことでした。
雇用保険は、これから雇用保険番号とマイナンバ-のひも付けを行うのでしょう。
ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2018.05.30

労働保険年度更新の時期となります。

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日は、梅雨のような転機になりましたね。
5月も、残すは2日となりますが、そろそろ、弊所クライアントさんや、その他会社(事業主)さんへ、下記のA4サイズの緑の封筒(過去分見本)が届く時期となります。

これは、労働保険年度更新の書類です。

本日、クライアントさん1社から到着メールがありました。当事務所も労働保険適用事業所ですが、本日はまだ、到着していません。恐らく、今夕中には届くと思います。

【労働保険年度更新とは?】

労働保険の保険料は、毎年4月1日から翌年3月31日までの1年間を基準に計算されます。
行政機関の年度と同じですね。
保険料の額は、すべての労働者(アルバイト・パートタイマーも含みます。)が対象となり、雇用保険については、雇用保険被保険者に支払われる賃金の総額に、その事業ごとに定められた保険料率を乗じて算定することになっています。
ただし、64歳以上の雇用保険被保険者の労働者は、平成32年3月までは、雇用保険料は発生しません。
労働保険では、年度ごとに概算(見込賃金総額)で保険料を納付し、年度末の3月に賃金総額が確定した後に精算します。
イメージ例
平成29年4月1日~平成30年3月31日迄の見込賃金総額を5000万円とします。
保険料率を1000分の10と仮定しますと
50,000,000円×10÷1000=500,000円⇒概算保険料・・・①
さらに
平成29年4月1日~平成30年3月31日迄の確定賃金総額が6000万円とします。
60,000,000円×10÷1000=600,000円⇒確定保険料・・・②
※前年度の保険料を精算するための確定保険料の申告・納付
確定分①-②
100,000円不足・・・③
平成30年4月1日~平成31年3月31日迄の見込賃金総額7000万円とします。
70,000,000円×10÷1000=700,000円⇒概算保険料・・・④
※新年度の概算保険料を納付するための申告・納付
平成30年の年度更新時の納付保険料
③+④
800,000円となります。
この一連の流れを労働保険の年度更新と言います。
この年度更新の手続きは、例年6月1日から7月10日までの間に行います。
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2018.05.27

給与計算上の遅刻早退控除の計算方法について

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日は、晴天ですが、来週は雨の日もありますね。
私の生まれ故郷の九州地方は、梅雨入りが発表されました。
例年になく、梅雨入りは早いですね。

前回のブログで【欠勤控除の計算方法】について、ご案内させていただきましたが、今回は、【遅刻早退控除の計算方法】について、ご案内させていただきます。

遅刻早退の給与計算については、欠勤控除の給与計算と同様に、労働基準法で定められていません。。就業規則などで定めて、計算します。あくまでも、労働基準法で定められている規定は、割増賃金(残業代)のみとなります。

欠勤控除の計算方法として圧倒的に多く取り入れているケース

1 月給額/月平均所定労働時間数×遅刻早退時間数

年平均の平均所定労働日数は、労働基準法の割増賃金に準じたもので、以下の計算式です。

手順1 最初に1年間の月平均所定労働時間数を求めます。
 
 (365-年間休日数)×1日の所定労働時間 / 12 か月
※うるう年の場合は366日で計算します。
手順2
(月給額※÷月平均所定労働時間数)×遅刻早退時間数 
この方法の場合、月によって矛盾が生じる場合がありますが年間を通じると過不足がなくなります。欠勤1日あたりの控除単価が一定になります。
※月給額の対象は、総額、基本給のみ、基本給+指定手当など就業規則等で自由に定めることができます。ただし、固定残業手当の扱いは、注意が必要です。

2.月給額/月の所定労働時間数×遅刻早退時間数

この方法の場合、月毎の所定労働時間が異なりますので、時給単価が毎月変動するというデメリットがあります。これをデメリットと考えるか、メリットと考えるかは、会社(事業主)の判断と思います。

3.ノーワークノーペイの原則

【労働なくして給与はない】ということです。これはどの企業や従業員においても言えます。
ノーワークノーペイの原則の適用には、従業員が労務を提供できなかった理由が従業員の責任、または、従業員と会社(事業主)のどちらの責任でもないことが条件となります。つまり、給与がカットされるのは従業員の不就労時間に限られますので、ご注意ください。
※トラブルの発生しない給与計算を行うには、しっかりとした内容の就業規則の作成をお勧めします。
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2018.05.23

給与計算上の欠勤控除の取決め方法について

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

早いもので、5月も下旬に突入です。
6月は、労働保険年度更新、7月は社会保険(厚生年金・健康保険)の算定基礎届、賞与計算・賞与払いの時期となり繁忙期となります。
その前に、給与計算をさせていただいているクライアントさんの場合、6月以降の住民税(特別徴収)のシステム設定が必要となります。さて、本題の本日のテーマですが、給与計算の際の欠勤控除の取決め方法についてです。
給与計算を受託させていただく場合、よく、質問を受けます。

労働基準法は、欠勤控除について規程の定めがありません。つまり、労働基準法上は、欠勤について、控除しても控除しなくても会社(事業主)の判断となります。さらに、賃金控除できる手当も自由です。しかし、欠勤控除する場合は、社員とのトラブルを回避するためにも、就業規則を作成し、社員に周知する必要があります。

【主な欠勤控除の計算方法】

1.月ごとに異なる所定労働日数を分母とする方法

月給額÷該当月の所定労働日数×欠勤日数

この方法のポイントは、月によって所定労働日数が異なる場合がありますので、欠勤控除の月によって、欠勤の日あたりの単価が変動してしまいます。月給の概念は、所定労働日数や歴日数が月によって変動が生じても一定の固定給を支払います。これは、割増賃金の計算方法と矛盾します。割増賃金は、年間の月の平均所定労働時間で計算するからです。つまりデメリットは、毎月単価が変動してしますことです。

2.1年間における月平均の所定労働日数を分母とする方法

月給額÷年平均の月所定労働日数×欠勤日数
この方法のポイントは、労働基準法に定められた割増賃金の計算方法に準じたものです。
(計算方法)

所定休日の日数を拾います。
2018年の場合
所定休日を以下の通り仮定します。
日曜日52日・土曜日51日・祝日11日(土曜日を除く)・年末年始5日・夏季休暇5日=合計休日124日
(365日-124日)÷12か月=20.08≒20日
デメリットは、所定日数を20日で計算しますので所定労働日数が21日の月に20日欠勤した場合、給与が発生しません。

3.年平均の歴日数を分母とする方法

月給額÷年平均の歴日数×欠勤日数
この方法のポイントは、欠勤1日あたりの単価は一定になります。デメリットは、所定労働日数のすべてを欠勤しても給与が発生します。

4.歴日数を分母とする方法

月給額÷月の歴日数×欠勤日数
この方法のポイントは、所定労働日数全て欠勤しても給与が発生しまう点です。

以上より、会社(事業主)の判断となりますが、運用方法は、1または2で運用れているケースが多いです。
多いのは2でしょうか。
2の場合は、平均所定日数より実際の所定労働日数が多い場合の措置方法も規定されるとよりベストです。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただき、ありがとうございました。







2018.05.20

夜間部の大学生や定時制の高校生を雇用した場合の注意点

 東京・渋谷のアリスと社労士行政書士事務所の
代表 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日のテーマは、夜間部の大学生や定時制高校に通学されている方を雇用する場合のポイントです。

一般的には、大学生や高校生をアルバイトで雇用する場合は、会社(事業主)は、雇用保険や社会保険に加入する義務はありません。
しかし、夜間部の大学生や定時制高校の学生については、規定が異なります。
雇用保険であれば、週20時間以上勤務する場合は、雇用保険の加入が必要です。
また、社会保険は、通常の正社員と比較し4分の3以上(月労働時間の目安130時間)の場合は、社会保険(健康保険・厚生年金)の加入義務があります。
※従業員数や労委協定により要件が異なります。

つまり、一般の方と同様な加入義務が発生します。

しかし、健康保険については、親の扶養に入っているケースも多く、かつ、親の給与所得の控除の対象になっている場合もあります。

万が一、年間所得が103万を超える場合は、親の所得控除の対象外となります。
従いまして、夜間部の大学生や定時制の高校生を雇用される場合は、ご本人だけの意向だけでなく、親の意向も確認しないと、トラブルになる可能性もありますので、労務管理上、注意が必要です。

雇用する場合に、シフトや出勤日数等を決定される場合は、前職の収入や親の了解を得ているなど、詳細を確認された方がよろしいかと考えます。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございます。

給与計算・社会保険、労働保険手続き・就業規則の作成、見直し・労務管理・賃金、人事評価制度の構築のことなら、お任せください。

2018.05.14

就業規則の周知義務について

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日のテーマは、就業規則です。
就業規則の見直しの業務でお客様へご訪問させていただき機会がありますが、
「現在の就業規則を見せてください。」
とお願いしますと、大切そうに金庫から就業規則を取り出すケースがあります。

過去にせっかくいい就業規則を作成しても、従業員に周知させていないと問題があります。

労働基準法第106条で、使用者(会社側・経営者)は、労働基準法および同法による命令等の要旨、就業規則、労使協定・労使委員会の決議を「常時作業場の見やすい場所へ掲示、その他の方法によって労働者に周知」する義務があると規定されています。

※事業所ではなく、作業場というのがポイントです。
本社・支社・営業所・事業所・出張所・第一工場・第二工場・・・etc

周知方法は、次のいずれかの方法で周知しなければならないと規定があります。
 ○常時各作業場の見やすい場所に掲示・備え付ける 
作業所(事業所)の休憩所や社員食堂や社内報などが掲示されている個所など
 ○書面で交付する 
入社時に書面で文字の通り交付する。私が勤務していた外資系企業では、入社の際、個々に就業規則や賃金規程のファイルで一式手渡していました。
 ○磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置する。
会社共有のPCや個々のPCの会社共有のファイルなどで常時閲覧できる状況
法律上の義務ですから、就業規則を作成したり見直した場合は、必ず全従業員に開示・常に閲覧できる状況にしましょう。
ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。
 

2018.05.08

子供・子育て拠出金とは?

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

GW明け後、急に天気が悪く肌寒くなりましたね。
数年前は、5月というと「五月晴れ」と言われ、穏やかな清々しい天気が多かった記憶があります。
近年、毎年、異常気象だと痛感しています。

さて、本題ですが、社会保険新規適用したお客様からよく受ける質問です。
「社会保険料は、厚生年金と健康保険双方とも労使折半のはずが、若干事業主負担が多いのは何故ですか?」

実は、厚生年金と健康保険は労使折半ですが、会社(事業主)のみ負担する子供・子育て拠出金があります。
もともとは、「児童拠出金」と言われていましたが、平成24年8月に健康保険法が改正され、「子供・子育て拠出金」に変更(平成27年4月1日施行)となりました。

今後、会社(事業主)から徴収する拠出金率の上限を0.25%から0.45%に引き上げる、というものになっています。今後、増加する保育の運営費等にも財源が充てられる予定とのことです。
なお、平成30年4月より、「子ども・子育て拠出金率」が1,000分の2.3(0.23%)から1,000分の2.9(0.29%)に改定されましたので、今月の会社(事業主)の口座引落分から変更となりますのでご注意ください。
ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2018.05.06

雇用契約と業務委託の相違点

東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

GWも本日が最終日ですね。
私は、遠出をせずに、近場のドライブなどで気分転換をしていました。

さて、本題ですが、クライアントさんから、
「人を雇用契約で採用するか、業務委託契約で委託しようと考えるが、具体的相違点がわからない。」
などの質問を受けます。本日は、雇用契約と業務委託契約の相違点をご案内します。

雇用契約とは?

雇用契約とは、「労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことを内容とする労働者と使用者の間の契約」とされています(労働契約法第6条)。 
つまり、社員やパートタイマーなどの労働者が、使用者の指揮命令のもとで労務を提供し、その対価として賃金が支払われる契約のことを指します。 雇用契約を結んだ当事者を「使用者」、「労働者」と呼びます。なお、「使用従属性」の実態により労働者に該当する場合は、残業代の支給、有給休暇の取得、労災保険等の社会保険の適用等、労働基準法や最低賃金法などの労働諸法令による保護を受けます。 一方、使用者は労働者に対して指揮命令を行うことが可能です。 

業務委託契約とは?

業務委託契約は使用者と対等の立場で業務の依頼を受け、その役務の提供(委託業務)をもって対価を支払われる働き方です。 
労働契約とは違い、使用者の具体的な指揮命令を受けることはありません。
仕事を引き受けた当事者は、「事業主」として扱われ、基本的には「労働者」としての保護を受けることはできません。 
ただし、「業務委託」や「請負」といった契約をしていても、その働き方の実態から「使用従属性」が認められ「労働者」であると判断されれば、労働法規の保護を受けることができます。 

「使用従属性」が認められやすくなる具体的例

具体例
○仕事の依頼・業務従事の指示等に対する諾否の自由がない
○業務遂行方法に使用者から指揮監督を受ける
○勤務場所・勤務時間の拘束がある
○機械・器具が会社負担によって用意されている
○報酬の額が時間となっている
○専属性がある(その会社の仕事しかしないというような場合) 
○就業規則・服務規律の適用がある
○給与所得として源泉徴収されている
○退職金制度、福利厚生制度の適用を受けることができる
ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。
 

2018.05.03

解雇の合理性についての争点

東京・渋谷のアリスト行政書士社労士事務所の
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日のテーマは、合理性の争点です。

労働契約法第16条(解雇)
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
と規定されています。
一般的に、勤務態度が悪いことを理由に社員を解雇する場合の解雇の有効性については、行為の内容、回数、結果、職場への影響、改善の可能性があるか、他の社員の取り扱いとの公平性などを総合的に考慮して判断されます。
特に裁判において重視されるのは「会社が改善のための注意・指導・処分をどの程度行ったか」と「公平な取り扱い」という点です。
日本では慣習的に「社員は教え育てるもの」と考えられるため、態度が悪い社員をすぐに排除するのではなく、辛抱強く指導をする姿勢が企業側には求められます。
この場合、1~2回の注意・指導では足りず、一定の期間にわたり、相当数の注意・指導・処分を行い、その過程を書面で記録しておくことが重要です。
また、他の社員との公平性も重要です。過去同様の問題があったときにどう対応したか、他の社員と取り扱いが均衡しているかも注意しなければなりません。
法律的には上記の注意点がありますが、実務上は対立する双方の主張をまとめる「合意」が必要です。
勤務態度不良の社員に対して、一方的に会社の都合だけを主張しても相手の態度をさらに頑なにさせてしまいます。相手が何を求めているか、相手の心配事は何かを想像しながら話し合う必要があります。
また、理由がある場合は、しっかりとした裏付けも必要です。
ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございます。

2018.04.28

労使協定について

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

GWに入りましたね。
昨日から9連休の方もいらっしゃると思います。

本日は、【労使協定】についてご案内します。
クライアントさんから、【労使協定】について、労働基準監督署に届出を必要する場合と、必要としない場合があるため、よく質問を受けます。

届出が必要な【労使協定】は「時間外労働・休日労働に関する協定(36協定)」が代表的です。

「36協定」以外に届出が必要な労使協定は、下記の通りです。

○1か月単位の変形労働時間制の労使協定(就業規則で規定しない場合)
○1年単位の変形労働時間制の労使協定
○1週間単位の変形労働時間制の労使協定
○専門業務型裁量労働制の労使協定
○事業場外労働の労使協定(みなし時間が8時間を超える場合のみ)
○社内預金の労使協定

届出が不要な【労使協定】の主なものは、下記の通りです。

○年次有給休暇の時間単位付与の労使協定
○年次有給休暇の賃金を標準報酬日額とする労使協定
○一斉休憩の適用除外の労使協定
○育児・介護休業に関する労使協定
○賃金控除に関する協定書
ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございます。

2018.04.22

有給休暇の賃金計算方法について

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士の郡山博之です。

クライアントさんからの相談事例です。
「パートさんが、有給休暇の請求をしてきました。その際の、有給の賃金の計算方法を教えてください。」

労働基準法では、労働者が有給休暇を取得した日に支払う賃金を、3つパターンから選択するよう規定されています。
なお、独自のプランは、認められませんのでご注意ください。


1.平均賃金

過去3か月間における1日あたりの賃金。この計算方法は、アルバイト従業員など1日の労働時間が一定でない場合に導入されているケースが多いです。
【具体的な計算方法】
A
過去3か月間の賃金の合計÷過去3か月間の暦日数(カレンダーの1か月の日数)

B
過去3か月間の賃金の合計÷過去3か月間の労働日数×0.6
上記、A、Bを比較して、金額が高い方を取ります。
※この場合、ボーナスや弔慰見舞金、結婚手当てなどは計算から除外します。また、仕事が原因となった怪我・病気や通院などによって遅刻・早退などをした日も、平均の計算からは除外します。

2.通常の賃金


有給休暇取得日に出勤していた場合に支払われるはずだった、通常通りの賃金が支払われます。月給制の社員の場合は、有給休暇を取得しても、なんら変動のない、基本給や手当が支払われると言うことです。
アルバイトやパートの場合は、その日に働くはずだった時間分の給料、例えば4時間シフトなら4時間分、8時間シフトなら8時間分の時給という計算です。アルバイトなどの場合は、1日の労働時間が変動するため、給与計算システムですと計算が困難となるケースも多いです。当事務所の場合は、パート等「1日6時間」と勤務時間が毎月一定の場合に導入しています。月給制のいわゆる正社員は、この方法を導入されているケースが圧倒的に多いです。

3.健康保険の標準報酬日額


健康保険によって、毎月受け取っている給料を基準に給与額毎に段階的に定められた「標準報酬月額」から日割りで計算してその金額を支払うという方法です。
この方法は、労働者にとって不利になる場合もありますので、会社と労働者の間で話し合って労使協定を結んでおかなくてはなりません。会社側が一方的に決めることは出来ません。
例:標準報酬月額 22等級・・・300,000円(月給290,000円以上月給310,000円未満の労働者※通勤費込)
この場合は、300,000円÷30日=10,000円となります。
余談ですが、パートとアルバイトの違いは?
1日の労働時間が変動する・・・アルバイト
1日の労働時間が一定・・・パート
ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。
給与計算(保険手続含む。)、労務管理、就業規則、人事評価制度は当事務所にお任せください。

2018.04.18

会社の健康診断の義務について

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表の郡山博之です。

今月は、新入社員の入社が多い月でもあります。
本日のテーマは、新卒であれ、中途であれ、会社は、雇入れ時の健康診断を行う義務があります。
雇入れ時の健康診断は、「常時使用する労働者」という規定となっています。
この、「常時使用する労働者」とは、
1.契約期間の定めのない人や、契約期間が1年以上である人、契約の更新により1年以上使用されることが予定されている人、既に1年以上引き続き使用されている人
2.1週間の所定労働時間数が、その事業場の通常の従業員の4分の3以上である人
が対象です。

ただし、医師の健康診断を受けてから3ヶ月以内に、その結果を証明する書類を提出したときには、その項目について省略することが可能です。
雇入れ時の健康診断の項目は、安全衛生規則第43条に定められています。

その他の一般健康診断として
Ⅰ定期健康診断・・・常時使用される労働者(Ⅱを除く)・・・実施時期は1年以内ごとに1回
Ⅱ特定業務従事者の健康診断・・・深夜業などの業務に常時従事する労働者・・・配置換えの際及び6月以内ごとに1回
Ⅲ海外派遣労働者の健康診断・・・海外に6か月以上派遣する労働者・・・海外に6か月以上派遣する際、帰国後国内業務に就かせる際
Ⅳ給食従業員の検便・・・事業に付属する食堂または炊事場における給食に従事する労働者・・・雇入れの際、配置換えの際

があります。

その他の健康診断として、特殊健康診断や、じん肺検診、歯科医師による検診など、有害な業務に常時従事する労働者に対象にあります。

社員の健康のために、法令、コンプライアンスのために、該当する健康診断を会社して実施されているか確認されてみてはいかがでしょうか?

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2018.04.15

有給休暇に関するよくある質問

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

4月も半月が終わり、折り返し地点ですね。今年のゴールデンウィークは、5月1日、5月2日に休むと9連休になります。当事務所は、5月1日、5月2日は通常営業の予定です。

さて、本題です。【有給休暇に関するよくある質問】をテーマにしてみました。

有給休暇につきましては、2020年4月施行予定ですが、「5日分の有給休暇」が義務付けられます。
具体的には、有給休暇を10日以上与えられている社員を対象に、そのうちの5日分については、会社が社員に与えることを義務付けることです。

さて、質問の事例をご案内します。
Q1社員から、有給休暇の取得申請があれば、繁忙期やシフトや人員配置上難しい場合であっても、有給休暇を与えないといけないのか?
A1有給は、原則として社員から請求があった時期に与えなければなりません。会社の義務であり、社員の当然の権利です。ただし、同じ時期に、多くの社員が休む。代替要員の配置が難しいなど、事業の正常な運営を妨げる場合は、時季変更を求めることが可能です。ただし、日常恒常的に、「忙しいから」「人手不足だから」などの理由で時期変更を求めることは出来ません。「忙しいから」「人手不足だから」が慢性的であれば、社員は有給休暇を取得することが出来なくなるからです。

Q2退職時に社員から未消化の有給休暇の買い取り請求が来ました。未消化の有給休暇を会社が買い取ってもよいか?
A2原則として、未消化の有給を買い取ることは認められません。ただし、通達では、買い取り行為そのものは違反として取扱わないとなっています。

Q3有給休暇の取得の際、有給取得申請は事前に申請することを義務付けています。問題ないですか?
A3有給休暇の申請の期間が取得日より「合理的な期間」であれば、問題ありません。
また、「合理的な期間」を就業規則で明記することが大切です。明記しないと、労使トラブルに発展する可能性があります。一般的に、会社の規模や従業員の業務役割にもよりますが、1週間前から3週間前が多いです。

Q4社員が有給休暇を取得しないので、会社として有給休暇取得を促進しようと考えます。方法はありますか?
A4有給休暇のうち、5日を超える分については、あらかじめ有給休暇取得を促進する「計画的付与制度」があります。
【計画的付与制度とは?】
Ⅰ 一斉付与方式
全従業員に一斉に有給を与える方法
夏季休暇・冬期休暇・創立記念日・GW休暇などがあります。
Ⅱ 交代制付与方式
グループ別に交替で有給を与える方法
例えば、Aグループは、7月に夏季休暇、Bグループは8月に夏季休暇とします。
Ⅲ 個人付与方式
個人別に与える方法です。
例えば、バースディー休暇などがあります。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただき、ありがとうございました。

2018.04.11

社会保険(厚生年金・健康保険)の月額変更届とは?

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日のテーマは、【社会保険(厚生年金・健康保険)の月額変更届】についてです。

社会保険料は、年に1回算定基礎届により毎年見直すことになっています。この算定基礎届は、毎年4月~6月の月給を合計して、3で除した金額で9月以降の社会保険料が決定されます。

しかし、昇給や降給が随時行われている会社の場合、4月~6月以外で、大きな昇給や降給が乗じた場合、会社・従業員も4月~6月の給与の社会保険料より、実態上、社会保険料が給与に昇給・降給に応じて、過度に払いすぎたり、過度に少なかったりします。
この過度に払いすぎたり、過度に少なくなることを防ぐ手続きとして月額変更届(随時)改定があります。

しかし、給与昇給・降給しただけで月額変更届の手続きは生じません。
実際の要件は以下の通りです。


月額変更届の要件

1. 固定的賃金(基本給、通期手当、家族手当など毎月固定額で支給されるもの)が変更になった

2.上記1の賃金が支給された月を含む3ヶ月間の【報酬支払基礎日数】(月給の場合は賃金支払対象期間の歴日数)がすべて17日以上あること
3.3ヶ月間の平均給与月額から求めた標準報酬月額の等級が、現在の等級と比べて2等級以上変更になった

※「標準報酬月額」をクリックされると(東京の厚生年金・健康保険料表)が表示されます。
4.上記3等級の比較をする際、以下の①②のどちらかに該当する場合

固定的賃金が上がった(↑) 標準報酬月額が2等級以上上がった(↑)
固定的賃金が下がった(↓) 標準報酬月額が2等級以上下がった(↓)

例1
基本給20万円(17等級)から基本給30万円(21等級)に上がった。
この場合は、月額変更届が必要となります。また逆に下がった場合も、同様です。
例2
4月から3月の算定基礎で給与内訳が基本給20万円+残業代で標準報酬月額が24等級(330,000円~350,000円)であったが、管理職に昇進し、基本給25万円+管理職手当5万円=30万円(21等級)になった。
この場合は、上記4の①で、「固定的賃金が上がった(↑)標準報酬月額が2等級以上下がった(↓)」となり、月額変更届の手続きは不要となります。

ここで、大きな重要なポイントとして、注意点があります。3ヶ月間の平均賃金額は、基本給だけではなく残業手当や歩合給などを含んだ、給与明細書上の総支給額です。つまり、基本給が21万から22万に給与が上昇しても等級は18等級ですが、給与が上昇してから3か月間で、残業代や歩合給を含んで2等級以上の差が発生すると、月額変更届の手続きが必要となります。極端の話、100円上昇しても残業代や歩合を含んだ総支給額に2等級以上の差が発生したら、月額変更届が必要です。

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2018.04.08

役員と兼務役員と雇用保険の関係【兼務役員実態雇用証明書】

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

今日は、長男の大学入学式です。天気が快晴で良かったです。
最近は、子供の大学入学式に父兄も参加される方が多いとのことですが、長男の進学先がマンモス大学のため、入学生が前段で父兄が後段の会場と言うわけにはいかず、父兄は、会場をWeb配信されるとのことでした。

さて、本題です。
役員と兼務役員と雇用保険の関係についてご案内します。
役員と兼務役員との相違点ですが、会社の役員は、通常会社から役員報酬が支給されます。この役員報酬対象者は、通常雇用保険加入の対象者にはなりえません。一方で、兼務役員は、取締役経理部長や取締役営業部長など、会社の役員としての役員報酬と他の従業員と同じ、従業員部分の給与の支給を受けているケースをさします。この兼務役員は、会社の管轄のハローワークへ【兼務役員実態証明書】を提出し、ハローワークからその証明書が承認されますと雇用保険の被保険者となることが出来ます。業務の実態や役員報酬と通常の従業員としての賃金の割合で承認されるか否かとなります。
一般的には、役員報酬と従業員部分の給与の割合が役員報酬が50%以上の場合は、まず、承認されないとのことです。
弊所の事例ですが、役員報酬5万円、基本給40万円、管理職手当15万円のケースは承認され、雇用保険の被保険者となっています。

【兼務役員実態証明書】の内容は、役員としての業務・従業金としての業務を記載し、役員報酬や給与も記載します。
必要な書類は、以下の通りです。
・会社登記簿謄本
・就業規則
・給与規定
・役員報酬規程
・賃金台帳
・出勤簿
・労働者名簿
・人事組織図
・定款
・議事録
などです。

ハローワークの職員さんが言うには、離職票発行時に通常、賃金台帳を添付しますが、その際、役員報酬と従業員としての賃金の記載があり、発覚するとのことです。発覚した場合は遡及して、【兼務役員実態証明書】が必要になるため、会社の人事担当者は想定外の手続きが必要となり、苦慮しているとのことです。

兼務役員で、雇用保険に加入される場合、注意しましょう。

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2018.03.25

休業手当と「パワハラ」・「セクハラ」の加害者・被害者の労務上の対応について

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表の 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日のテーマは、休業手当と、社内で万が一、「パワハラ」「セクハラ」事件が発生し、加害者側には、会社として、出勤停止命令、被害者側は、心の病で、出勤することが出来なくなった場合の労務上の対応についてご案内します。

そもそも、【休業手当】とは?

使用者の責に帰すべき事由により労働者が休業した場合は、休業期間中は「1日あたり平均賃金の60%以上の休業手当」を支払う必要があります。(労基法26条)。 
休業手当を支払う必要がある場合の事例です。
○工場や施設の設備の故障が原因で操業停止
○事業の継続が困難なことを理由に、社員へ自宅待機を命令した場合 
一方、休業手当が不要である場合の事例です。
○地震や津波など天変地異による事業場の被災 
○労働者の違法行為(刑事事件・パワハラ・セクハラ・業務上横領)などによる出勤停止 
○健康診断の結果による休業 

「パワハラ・セクハラ」の被害者側の対応

被害者側については、心の病が原因で休業した場合、その原因が私傷病によるものとして取り扱われるのであれば、健康保険法第99条の「傷病手当金」の支給対象になります。
※傷病手当金とは=傷病手当金:業務外の事由による病気やケガの療養のため、連続する3日間を含み4日以上仕事に就けず、賃金を受けられなかった場合に支給されます。支給金額は、1日当たりの金額=【支給開始日の以前12ヵ月間の各標準報酬月額を平均した額】÷30日×(2/3)です。


一方、心の病が職場のパワハラ・セクハラによることが明らかで、労災として認定される場合は、健康保険法ではなく、労働者災害補償保険法第14条の休業補償給付の対象となります。
※労災保険の休業補償給付=業務または通勤中の負傷や病気の療養のために休業し、賃金を受けられなかった場合、休業開始後4日目から支給されます。従いまして、被害者が給付を受けられない休業開始3日間については、使用者が労働基準法第76条の休業補填として、1日あたり平均賃金の60%を支払う義務があります。 また、労災の給付日額は、休業1日につき、給付基礎日額の80%(休業補償給付=60%+休業特別支給金=20%)が支給されます。

「パワハラ・セクハラ」の加害者の対応

違法性が強く、懲戒処分の対象として就業規則に規定されている場合は、休業手当の支給は不要です。ただし、就業規則に規定がなく、単に事態収拾のための自宅待機命令であれば、休業手当の支払いが必要になる場合もあります。この場合の休業手当は、会社の所定日数を対象に、1日当たりの賃金の60%を補償する必要があります。このポイントは、所定休日や、法定休日の日は、休業手当は、対象外ということです。

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2018.03.21

出張中で労災が認められる範囲は?

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

前回のブログで、出張中の移動時間が、労働時間なのか?労働時間でないのか?を「テーマ」にご案内しましたが、本日は、出張中で労災が認められる範囲についてご案内させていただきます。

原則、出張中は、宿泊や食事中など、ほぼすべての場合が労災として認められます。 しかし、労災保険が給付されるのは、
あくまでも【業務上の負傷や疾病】が起因となりますので、事故の原因が、【業務起因性】があること【業務遂行性】があることが要件です。
しかし、出張中の積極的な私用・私的行為・恣意的行為をしている間は、【業務遂行性】が失われているとされ労災として認められません。 

○出張で業務遂行性が認めれられる事例
1.移動中の駅構内での災害 
例:駅の構内の階段で誤って転んでしまった。
2.出張先への移動中の災害 
例:車で移動中の交通事故
3.食事、宿泊に伴っての災害 
例:宿泊先が火事になり、大やけどを負った。食事で食中毒になった。入浴中に足を滑らせて転倒して怪我を負った。
※しかし、泥酔して入浴中に足を滑らせて転倒したことが原因の場合は、労災の給付対象にならないケースも有り得ます。

○私用・私的行為の具体例 
1.泥酔しての階段からの転落事故 
2.外出して飲み歩いている際の事故 
3.映画館に立ち寄っている際の事故 
※ただし、スパーなどで、食事や日用品購入の場合で一時的に立ち寄っている場合は、労災給付の対象になります。
4.出張中でかつ、観光中の事故
※月曜日の商談のため、日曜日に目的地に行き、観光を楽しんでいる際中の事故は対象外です。 
5.出張中の空き時間に友人の自宅へ遊びに行き、食事をしている時間

このような場合は、労災給付の認定は難しいです。

○実際の当事務所の相談事例
事業主から中国への出張を命じられ、宿泊先の予約を事業主が行ったにもかかわらず、たまたま、中国の実家が電車で1時間の距離で、祝日もはさむ為、実家へ泊った場合の災害や事故は、業務遂行性は認められず、労災給付の対象になりません。 

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2018.03.18

出張中の移動時間は、労働時間か否か?

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日のテーマは、「出張中の移動時間は、労働時間か否か?」です。
クライアントさんから、よく質問がある事例の一つです。
国内出張だけでなく、海外出張も多い会社にとって、判断基準が悩ましいことではないでしょうか?
特に休日をはさんだり、移動時間を含むと1日の労働時間が8時間を超えてしまったりするケースであれば、
・移動時間も含めて、休日出勤手当が支給されるのでは?
・移動時間も含めて1日8時間を超えているのだから、8時間を超えた部分は、休日出勤手当になるのでは?
と、質問が会社側に来るケースが多いと思います。

結論としましては、労働基準法は、出張時の移動時間や手持ち時間は勤務時間とする必要はありません。
また、過去の裁判の判例上も

○外国に出張した従業員の時間外手当の計算にあたって、会社が「移動時間は実勤務時間ではない」として計算に含めなかったことに対して従業員が時間が割増を請求
【判決】移動時間は労働拘束性の程度が低く、これが実労働時間に当たると解釈するのは困難であることから、直ちに所定就業時間内における移動時間が時間外手当の支給対象となる実勤務時間に当たるとの解釈を導き出すことはできない。(横河電機事件 東京地裁平6.9.27判決) 

という判例が出ています。この判例は、海外出張のため、長時間の移動時間を要します。つまり、国内出張でも同様の解釈になるはずです。

ただし、この移動中でも、上司や役員と同行し、移動時間中業務の打ち合わせをしたり、ノート型パソコンで営業企画書や業務日報を作成したり、携帯電話やEメール、LINEで会社とやりとりをしている時間は、労働時間になります。
会社としては、移動時間などは、最小限度に業務連絡を控える等対策を取った方がよろしいかと考えます。
また、出張の場合の規定をしっかりと設けるべきです。
1.実労働時間で賃金を計算し支給するように就業規則で規程するか。
2.労働基準法第38条の2のみなし労働を就業規則で規定するか。
【38条2項】労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす。ただし、当該業務を遂行するためには通常所定労働時間を超えて労働することが必要となる場合においては、当該業務に関しては、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務の遂行に通常必要とされる時間労働したものとみなす。
3.移動の距離に応じて、時間外手当の問題を回避するために、国内出張手当や海外出張手当を設ける。

等、再度、再構築をされたらいかがでしょうか?

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2018.03.06

雇用保険被保険者60歳到達時等賃金証明書とは?

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日のテーマは、【雇用保険被保険者60歳到達時等賃金証明書】についてです。

この、【雇用保険被保険者60歳到達時賃金証明書】は、「高年齢雇用継続基本給付金」や「高年齢再就職給付金」の支給申請をする際に必要となります。従いまして、支給申請をしなければ、不要な書類となり、会社側も必ず発行しなくてはならない書類ではありません。

また、引き続き、同じ会社で雇用される場合は、さほど問題となりませんが、転職・転籍等の場合、注意すべきことがあります。万が一、退職後に給付金を請求する事由が発生したり、転職・転籍先で受給することになった場合、【雇用保険被保険者60歳到達時賃金証明書】が必要となります。勿論、60歳時の賃金を過去に遡って賃金登録ことは可能ですが確認することは容易ではありません。また、退職をした会社側に問い合わせをしても、システムや人事担当者が変更になった等で、スムーズな対応ができないことも想定されます。

従いまして、会社の人事担当者としましては、この証明書を発行され賃金登録をされるを当事務所は、おすすめいたします。

(賃金登録に必要な書類)
・高年齢雇用継続給付受給資格確認票・(初回)高年齢雇用継続給付支給申請書
・雇用保険被保険者六十歳到達賃金証明書
(書式参考URL)
(添付書類)
○六十歳到達時等賃金証明書に記載された賃金支払い状況が確認できる書類(賃金台帳・労働者名簿・出勤簿・タイムカードなど)
○対象社員の年齢が確認できる書類(免許証・住民票の写し)
○払渡希望金融機関の口座に係る被保険者名義の通帳


※「高年齢雇用継続給付支給申請」とは、雇用保険加入期間が過去に遡り、前職からの通算5年経過していれば該当しますが、前職の雇用保険被保険者期間は前職の退職日と現職に入社日の間が1年長の場合は、通算されません。その場合は、現職での雇用保険の加入期間で65歳迄に5年経過してから申請することになります。

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2018.03.04

給与計算上の税法上控除について

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日のテーマは、給与計算時の税法上の控除についてです。
代表的な控除は、配偶者控除があります。
しかし、控除の種類が、複数ありますので、ご案内させていただきます。

1.配偶者控除

納税者(従業員)に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。これを配偶者控除といいます。控除対象配偶者となる人の範囲は、その年の12月31日の現況で、次の四つの要件のすべてに該当する人です。
(1) 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は対象外です)
(2) 納税者(従業員)と生計を一にしていること。
(3) 年間の合計所得金額が38万円以下であること。⇒給与のみの場合は給与収入が103万円以下
※平成30年分以後は、控除を受ける納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、配偶者控除は受けられません。

控除を受ける方の合計所得金額 控除額
控除対象配偶者 老人控除対象配偶者
900万円以下 38万円 48万円
900万円超950万円以下 26万円 32万円
950万円超1,000万円以下 13万円 16万円

2.扶養控除

納税者(従業員)に所得税法上の控除対象扶養親族となる人がいる場合には、一定の金額の所得控除が受けられます。これを扶養控除といいます。扶養親族とは、その年の12月31日(納税者(従業員)が年の中途で死亡し又は出国する場合は、その死亡又は出国の時)まで、次の四つの要件のすべてに該当する人です。
(1) 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族をいいます。)又は都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること。
(2) 納税者と生計を一にしていること。
(3) 年間の合計の所得金額が38万円以下であること。⇒給与のみの場合は給与収入が103万円以下
なお、控除対象扶養親族とは、扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が16歳以上の人をいいます。

区分 控除額
一般の控除対象扶養親族※1 38万円
特定扶養親族※2 63万円
老人扶養親族※3 同居老親等以外の者 48万円
同居老親等※4 58万円

※1 控除対象扶養親族」とは、扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が16歳以上の人をいいます。
※2 特定扶養親族とは、控除対象扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が19歳以上23歳未満の人をいいます。※3 老人扶養親族とは、控除対象扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が70歳以上の人をいいます。
※4 同居老親等とは、老人扶養親族のうち、納税者(従業員)又はその配偶者の直系の尊属(父母・祖父母など)で、納税者)就業員)又はその配偶者と常に同居している人をいいます。
※5 同居老親等の「同居」については、病気の治療のため入院していることにより納税者等と別居している場合は、その期間が結果として1年以上といった長期にわたるような場合であっても、同居に該当するものとして取り扱って差し支えありません。ただし、老人ホーム等へ入所している場合には、その老人ホームが居所となり、同居しているとはいえません。

3.障害者控除

納税者(従業新)自身、同一生計配偶者※又は扶養親族が所得税法上の障害者に当てはまる場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。これを障害者控除といいます。なお、障害者控除は、扶養控除の適用がない16歳未満の扶養親族を有する場合においても適用されます。
※同一生計配偶者とは、納税者の配偶者でその納税者と生計を一にするもの(青色事業専従者等を除く。)のうち、合計所得金額が38万円以下である者をいいます。
障害者控除の対象となるのは、次のいずれかに当てはまる人です。
(1) 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある人(この人は、特別障害者になります。)
(2) 児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター、精神保健指定医の判定により、知的障害者と判定された人(このうち重度の知的障害者と判定された人は、特別障害者になります。)
(3) 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の規定により精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人(このうち障害等級が1級と記載されている人は、特別障害者になります。
(4) 身体障害者福祉法の規定により交付を受けた身体障害者手帳に、身体上の障害がある人として記載されている人(このうち障害の程度が1級又は2級と記載されている人は、特別障害者になります。)
(5) 精神又は身体に障害のある年齢が満65歳以上の人で、その障害の程度が(1)、(2)又は(4)に掲げる人に準ずるものとして市町村長等や福祉事務所長の認定を受けている人(このうち特別障害者に準ずるものとして市町村長等や福祉事務所長の認定を受けている人は特別障害者になります。)
(6) 戦傷病者特別援護法の規定により戦傷病者手帳の交付を受けている人(このうち障害の程度が恩給法に定める特別項症から第3項症までの人は、特別障害者となります。)
(7) 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律の規定により厚生労働大臣の認定を受けている人(この人は、特別障害者となります。)
(8) その年の12月31日の現況で引き続き6ヶ月以上にわたって身体の障害により寝たきりの状態で、複雑な介護を必要とする(介護を受けなければ自ら排便等をすることができない程度の状態にあると認められる)人(この人は、特別障害者となります。)

区分 控除額
障害者 27万円
特別障害者 40万円
同居特別障害者(※) 75万円

4.寡婦控除

納税者自身(従業員)が一般の寡婦であるときは、一定の金額の所得控除を受けることができます。これを寡婦控除といいます。一般の寡婦とは、納税者(従業員)本人が、原則としてその年の12月31日の現況で、次のいずれかに当てはまる人です。
(1) 夫と死別し、若しくは離婚した後婚姻をしていない人、又は夫の生死が明らかでない一定の人で、扶養親族がいる人又は生計を一にする子がいる人です。この場合の子は、総所得金額が38万円以下で、他の人の控除対象配偶者や扶養親族となっていない人に限られます。
(2) 夫と死別した後婚姻をしていない人又は夫の生死が明らかでない一定の人で、合計所得金額が500万円以下の人です。この場合は、扶養親族などの要件はありません。
※「夫」とは、民法上の婚姻関係をいいます。
また、一般の寡婦に該当する方が次の要件の全てを満たすときは、特別の寡婦に該当します。
(1) 夫と死別し又は離婚した後婚姻をしていない人や夫の生死が明らかでない一定の人
(2) 扶養親族である子がいる人
(3) 合計所得金額が500万円以下であること。

区分 控除額
一般の寡婦 27万円
特別の寡婦 35万円

5.勤労学生控除

納税者(従業員)自身が勤労学生であるときは、一定の金額の所得控除を受けることができます。これを勤労学生控除といいます。
勤労学生とは、その年の12月31日の現況で、次の三つの要件の全てに当てはまる人です。
(1) 給与所得などの勤労による所得があること
(2) 合計所得金額が65万円以下で、しかも(1)の勤労に基づく所得以外の所得が10万円以下であること
例えば、給与所得だけの人の場合は、給与の収入金額が130万円以下であれば給与所得控除65万円を差し引くと所得金額が65万円以下となります。
(3) 特定の学校の学生、生徒であること
   この場合の特定の学校とは、次のいずれかの学校です。
イ 学校教育法に規定する小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校など
ロ 国、地方公共団体、学校法人等により設置された専修学校又は各種学校のうち一定の課程を履修させるもの
ハ 職業能力開発促進法の規定による認定職業訓練を行う職業訓練法人で一定の課程を履修させるもの

区分 控除額
勤労学生控除 27万円

日常業務で主に使う控除をご案内させていただきました。

ここまで当事務所のブログを読んでいただき、ありがとうございました。

2018.02.25

通勤費と労災及び不正受給について

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日のテーマは、【通勤費】【労災】【不正受給】のことについてご案内します。

【通勤費】とは?

そもそも、会社は必ず通勤手当を払う義務があるのでしょうか?
労働基準法などで、会社は従業員が通勤するための交通費を支給しなければならないと規定されていません。従いまして、法律上、会社は通勤手当を払う義務はありません。原則は、従業員の自己負担となります。通勤費は、就業規則や給与規定などで通勤手当を規定していますが、その規定により会社は通勤手当を支給する義務が発生します。しかし、通勤手当を支給すると決めた場合であっても、実際にかかった交通費の全額を支給するか、一部だけ支給するかは会社の自由の判断となります。会社の規定のなかで「実費を支給」としていれば全額を支給することになりますし、上限1万円/月などと決めていれば全額または一部を支給するということになります。また、1ヵ月・3カ月・6か月など、自由に会社の規定で定めることが出来ます。ただし、3カ月や6か月の長期のメリットは、社会保険料の負担を抑えることが出来る可能性がありますが、デメリットとして、定期を購入しても、すぐに解約してしまうと、ほぼ日割に近い金額が戻りますので、会社がしっかりと、従業員が、定期の解約をしていないかなどの確認・調査をする必要も出てくると考えますので、管理が煩雑となります。

【不正受給】のご相談例と対処方法

○会社には、最寄駅から自宅までバスを利用としてバス代申請をしていたが、実際は、自電車やバイクを利用していた。
○会社には、自宅最寄駅から会社の最寄駅まで、電車利用として定期代を申請していたが、実際は、マイカーで通勤していた。
上記の2点は、よくあるご相談です。

この場合、会社の規則で実費を支給といっている場合、実際にはバスを電車利用せずに費用がかかっていないなら、バス代・電車代を支給する必要はありません。すでに支給してしまったものは、民法703条の不当利得の返還義務により、返還させることができます。そして民法167条債権等の消滅時効により、時効は10年ですので会社は10年前までさかのぼって返還させることができます。また、このような【不正受給】は、会社の就業規則で懲戒処分をすることも出来ません。一般的な就業規則のひな形や、当事務所の作成している就業規則も懲戒の規定に「故意または重大な過失によって会社に損害を与えた者は懲戒処分することができる」と規程があります。徒歩や自転車、バイク、自動車で通勤していながら、会社にはバスや電車通勤と申請してバス代・電車代を受給することは、故意に会社に損害を与えることになりますから、就業規則の規定に従って懲戒処分できます。しかし、就業規則に懲戒処分の規定がない場合は、懲戒処分は不可能となりますのでご注意ください。

【労災について】

上記、【不正受給】の相談事例の場合に、万が一、通勤災害が発生した場合、通勤災害の対象になるか否か?
自宅から会社までの通勤経路で事故にあってケガ等をした場合、労働者災害補償保険が適用されます。具体的には、医療費は無料で(健康保険の3割負担はなし)さらにケガがもとで会社を休んだ場合、4日目から休業給付が支給されます。この労災が適用されるのは、会社に届け出ている方法でなくても問題はありません。労働者災害補償保険の通勤の定義は、「労働者が就業に関し、住居と就業の場所との間の往復を、合理的な経路及び方法により行うこと」と規程されていますので、会社に最寄駅までバスで通勤と申請し、実際は、自転車を利用しようが、この自転車の利用が、非合理的とは認められないからです。

【民事上の賠償の会社リスク】

私は、損害保険会社出身のため、クライアントさんとお話をする際、バスを利用すると会社に申請し、実際には、自転車利用。電車を利用すると会社に申請し、実際は自動車、このようなケースは、【不正受給】だけの問題ではおさまらず、第三者いる場合に、その第三者に誰が、民事上の賠償義務を負うかです。通常は、【不正受給】をした従業員となりますが、その従業員が第三者の賠償請求に対し、支払う能力がない場合は、会社側に請求が来る可能性があります。それは、会社側には使用者責任があるからです。従業員の【不正受給】だけでなく、会社側にも経営を揺るがす大きなリスクがあることを忘れてはいけません。
予防する方法として、自転車・バイク・自動車としっかりと損害保険に加入させることも必要です。加入させるには、会社は、通勤費とは別問題として、リスク管理教育を従業員に行う必要もあるでしょう。また、会社の方で、団体の保険に加入することも大切でしょう。

ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2018.02.21

所定(法定)労働時間外の在宅勤務の運用方法

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
の代表 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日のテーマは、【在宅勤務】さらに、所定労働時間外のみの在宅勤務です。
最近、効率的な業務方法として、【在宅勤務】が取りざたされていますが、その一環なのか、ご相談がありました。

例えば、
往復の通勤時間3時間(片道1時間30分)
会社の始業時間: 9時00分
〃 終業時間:18時00分

とします。休憩時間が1時間のため、所定労働時間が1日8時間です。会社が社員に18時00分で仕事を切り上げ、会社を退社してもらい、自宅において、残業(所定外労働)を命ずることは可能です。
ここで問題となるのは、
1.帰りの通勤時間は、残業代に含めるのか?
2.労働時間の管理が出来るのか?
3.会社のために自宅で仕事をしますが、PCなどの電気代が発生するが、その料金は、手当と支給できるのか?


などではないでしょうか。

(回答)
1.残業代に含める必要はありません。
2.実態上、会社が社員の労働時間の管理をする必要があります。また、自宅なので、明確に仕事と寝起きする場所が分かれていることも必要です。例えば、横になり、酒を飲みながら仕事をするような事態が発生することがあります。
3.柔軟な考えと、会社と社員の協定が必要です。勿論、在宅勤務と言えども22時00分を超えれば、深夜労働割増も必要となります。在宅勤務手当として月の手当で社員に支給することや、通常の割増率に付加することなどが考えられます。協定だけでなく、就業規則の見直しや在宅勤務規程の作成等、おすすめします。

詳しくは、お問あわせください。

ここまで当事務所のブログを読んでいただき、ありがとうございます。

2018.02.14

1年間の変形労働時間について(変形労働時間制②)

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の社会保険・行政書士 郡山博之です。

本日は、2018.2.4にご案内をさせていただきました、【1カ月の変形労働時間】の第二弾として、【1年間の変形労働時間】のご案内をさせていただきます。現在の労働基準法で規定されている1日8時間・1週間40時間では、どうしても会社経営を合理的運営ができない経営者の方へのご案内です。

1.1年間の変形労働時間制とは

業務に繁閑がある会社において、繁忙期に長い労働時間を設定し、閑散期にに短い労働時間を設定することで、効率的に労働時間を配分し、労働時間を効率よく短縮する目的の制度です。
この制度を導入するには、労使協定を締結して、1カ月を超え1年以内の一定な期間を平均して、1週間の労働時間を40時間以下の範囲とすることなどの制約あります。
ハローワークなどの求人を見ると
・原則土日:ただし詳細は、当社カレンダーによる
・当社カレンダーによる
など休日欄に記載がある場合が、1年間の変形労働時間制です。

2.1年間の変形労働時間の導入を行う際、必要なこと

労使協定で5項目を締結し、労働基準監督署に届け出ることが必要となります。
届出る事項は、下記の通りです。

項目 備考

対象労働者の範囲

対象労働者の範囲に制限はありません。会社全体、一部の部署、
個人ごと等、誰が対象なのか、具体的に決めます。
満18歳未満の年少者は対象外ですが、8時間/日、48時間/週
以内であれば対象となります。
妊産婦(制度適用の免除の申出があった場合)は対象外です。
育児・介護、職業訓練等で特別の配慮を要する者には、必要な時間
を確保するような配慮を要します。
対象期間及び起算日
対象期間は1か月を超え、1年以内の期間に限ります。
また、対象期間を具体的な期日でなく期間で定める場合は、当該期
間の起算日も取決めます。多数派は、3ヶ月の季節で区切るか、1
年で区切る方のいづれかです。給与計算上、起算日か対象期間初日
が実務上ベストです。
特定期間 対象期間のうちの特に業務の繁忙な期間を特定期間として定めるこ
とが可能です。定めなくても問題ありません
労働日および労働日ごとの労働時間
対象期間を平均し、1週あたりの労働時間が40時間を超えないよ
うに設定します。
 特定した労働日または労働日ごとの労働時間を自由に変更すること
はできません。
 労働日および労働日ごとの労働時間は、対象期間中のすべての労働
日および労働日ごとの労働時間をあらかじめ労使協定で定める方法の
ほか、対象期間を1か月以上の期間ごとに区分して、労働日およ労働
日ごとの労働時間を定めることもできます。
労使協定の有効期間 1年間

3.対象期間・労働日と労働時間の特定

対象期間と労働日の所定労働時間の上限は下記の通りです。

対象期間 所定労働時間の純粋の上限
1年 (365日の場合) 2,085.71時間
6か月(183日の場合) 1,045.71時間
4か月(122日の場合) 697.14時間
3ヶ月(92日の場合) 525.71時間

1日の所定労働時間を一定に設定した場合の必要な年間休日は、下記の通りです。

1日の所定労働時間 必要な年間休日日数
8時間00分 105日(105日:閏年)
7時間45分 96日(97日:閏年)
7時間30分 87日(88日:閏年)

4.労働日数の限度

対象期間における労働日数の限度は、原則として1年間に280日です。ただし、対象期間が3カ月以内の場合は、制限がありません。

5.対象期間における連続労働日数

連続労働日数は、原則最長6日です。ただし、特定期間を設けると、1週間に1日の休日が確保できる日数(最長12日)とすることができます。

6.1日・1週間の労働時間の限度

1日・1週間の労働時間の限度は、1日10時間、1週52時間が限度です。

以上が概要です。

ここまで、当事務所のブログを読んでいいただきありがとうございました。

2018.02.11

解雇予告手当が必要な場合・不要な場合

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表の郡山博之です。

前回のブログで、社会保険(厚生年金・健康保険)と雇用保険の適用外(非対象者)の雇用契約のご案内をさせていただきましたが、実は、労働基準法が定める、解雇予告手当にも、同様に適用外(非対象者)の雇用契約があります。

解雇予告手当とは?

使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少なくとも30日前にその予告をしなければならないと労働基準法第20条第1項に規程されています。 また、30日前に予告をしない場合は、30日以上の平均賃金を支払わなければならないと規定されています。

しかし、上記解雇予告手当が不要な場合があります。それは、
・従業員の責に帰すべき理由による解雇
・天災事変などにより事業の継続が不可能となった場合
です。
ただし、原則ですが、事前に労働基準監督署長の認定を受ける必要があります。
⇒解雇予告除外認定

解雇予告除外認定の中で、従業員の責に帰すべき理由による解雇の場合、認定は過去の判例や、ヒアリングなどを通じて事実関係を厳格に調査しながら判断されるため、容易には認定はされません。

解雇予告認定非対象者?

労働基準法第21条にて、以下の4項目に該当する従業員には解雇予告が不要と規定しています。

非対象者 雇用契約例 例外
日々雇い入られる者 1日の有期有期契約者 1ヵ月を超えて引き続き使用された場合
2か月以内の期間を定めて使用されるもの 有期労働契約 契約期間を超えて引き続き使用された場合
季節的業務に4か月以内の期間を定めて
使用される場合
スキー場等での
有期労働契約
契約期間を超えて引き続き使用れた場合
使用期間中の者 雇用契約後14日以内 14日を超えて使用された場合を除く

前回の社会保険・雇用保険の非対象者とほぼ同様となっています。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただき、ありがとうございました。

2018.02.07

社会保険(厚生年金・健康保険)と雇用保険の適用外の対象者は?

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

例年にない、寒い日々が続きている東京です。

本日の「テーマ」は、社会保険(健康保険・厚生年金)と雇用保険の適用外の対象をご説明します。
ごく稀ですが、飛び込みのお電話で質問が来るケースです。

1.社会保険(厚生年金・健康保険)非対象者の例

対象者 具体例 例外
日々雇られる人 雇用契約が1日の有期労働契約が
対象です。
1か月を超えて引続き使用されるように
なった場合は、その日から被保険者とな
ります。
2か月以内の期間を
定めて使用される人
雇用契約が2か月以内の有期労働
契約が対象です。
定めた期間を超えて引続き使用されるよう
になった場合は、その日から被保険者にな
ります。
所在地が一定しない
事業所に使用される人
例えば、 き寅芸 の興行などのよう
に日本全国を. 巡回しているため所
在地が一定しないという事業所のこ
とです。
この場合は、どのような事由でも被保険者に
なりません。

季節的業務(4カ月
以内)に使用される人

季節的事業とは、清酒の製造、製茶、
製氷、水産品の製造などの季節的に
行われる業務です。
継続して4か月を超える予定で使用される場
合は、最初から被保険者です。
臨時的事業の事業所
(6か月以内)に雇用
される人
例えば博覧会のように、臨時的で、
相当期間継続する見込みがない事業
です。
継続して6か月を超える予定で使用される場合
は、当初から被保険者となります。
短時間労働者 1週の所定労働時間及び1か月の
所定労働日数が常時雇用者の4分
の3未満

下記の5要件を全て満たす方は、被保険者に
なります。

1.週の所定労働時間が20時間以上あること
2.雇用期間が1年以上見込まれること
3.賃金の月額が8.8万円以上であること
4.学生でないこと
5.常時501人以上の企業(特定適用事業所)
に勤めていること
6.常時501人未満でも労使協定がある場合

2.雇用保険非対象者の例

対象者 具体例
短時間就労者 短時間就労者とは、例えば、アルバイト労働者
やパート労働者のことを言います。
アルバイトやパートである場合、原則的には、
被保険者ではありません。
31日以上の雇用見込みがあり、週の労働時間
が20時間以上となる労働者。ただし、昼間の
学生ではないことです。
日雇い労働者
季節的労働者

日雇い労働者とは、雇用期間の定めがなく日ごと
に単発の仕事をしている人や、または雇用期間
が30日以内の人を指します。 建設現場や港湾
運輸、農林水産などの土工、荷扱夫、雑役、人
夫などの仕事です。

日雇労働者の場合、雇用保険に加入するための
前提条件は「雇用保険適用事業所に雇用されて
いる」ことです。契約期間や勤務時間数など
の細かな条件はありません。あとは所定の加入
手続きを行えば日雇労働被保険者になります。

季節的労働者 季節的業務(積雪など自然現象の影響を受ける
業務)に期間を定めて雇用される人や季節的に
入・離職する人をいいます。
・4カ月以上雇用される契約であること
・1週間の所定労働時間が30時間以上
同居している
親族
個人事業主(実質的に代表者の個人事業と同様
と認められる法人を含む)と同居している親族

・業務を行うことに、事業主の指揮命令に従っ
ていることが明確な場合
・就業の実態が事業所における他の労働者と同
様であり、賃金もこれに応じて支払われている
こと
・事業主と利益を一にする地位(取締役等)で
ないこと

取締役・監査
役・会社の役員
会社の取締役や役員 会社の役員と同時に、部長、課長、工場長など
従業員の身分を有する者は、服務態様、賃金、
報酬などからみて、労働者的性格が強いもので
あって、雇用関係が認められる場合

以上、ご参考にしていただければ幸いです。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございます。

2018.02.04

1カ月の変形労働時間について(変形労働時間制①)

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日は、労働基準法に規定されている、1日8時間・1週間40時間では、どうしても会社経営を合理的運営ができないという経営者のために、第一弾として、【1カ月の変形労働時間】のご案内をさせていただきます。

1カ月の変形労働時間とは?

1か月以内の期間を平均して1週間当たりの労働時間が40時間※以内となるように、労働日および労働日ごとの労働時間を設定することにより、労働時間が特定の日に8時間を超えたり、特定の週に40時間(特例措置対象事業場は44時間)を超えたりすることが可能になる制度です(労働基準法第32条の2)。
※特例対象事業場は、44時間以内
特例事業所とは、常時使⽤する労働者数が10人未満の商業、映画・演劇業(映画の製作の事業を除きます)、保健衛生業、接客娯楽業のことをいいます。
1 1か月単位の変形労働時間制の採用方法

労使協定または就業規則で、「2 労使協定または就業規則などに定める事項」について定めてください。なお、締結した労使協定や作成・変更した就業規則は、所轄労働基準監督署に届け出てください。

2 労使協定または就業規則などに定める事項
次の事項すべてを、定める必要があります。
① 対象労働者の範囲
法令上、対象労働者の範囲について制限はありませんが、対象労働者範囲は明確に定めた方が良いです。
例:学習塾の場合:講師職に限るなど
② 対象期間および起算日
対象期間および起算日は、具体的に定める必要があります。なお、対象期間は、1カ月以内の期間に限ります。
例:毎⽉1日を起算日とし、1か⽉を平均して1週間当たり40時間以内とする。
※特例対象事業者は44時間以内
③ 労働日および労働日ごとの労働時間
シフト表や会社カレンダーなどで、②の対象期間すべての労働日ごとの労働時間を事前に具体的に定める必要があります。その際、②の対象期間を平均して、1週間あたりの労働時間が40時間を超えないよう設定しなければなりません。
なお、特定した労働日または労働日ごとの労働時間を任意に変更することはできません。
例:前月末には翌月のシフト表を通知する必要があります。また、そのシフト表を事後に労働日・労働時間も変更する子が出来ませんので、注意が必要です。
※特例対象事業者は44時間以内
④ 労使協定の有効期間
労使協定を定める場合、労使協定そのものの有効期間は②の対象期間より⻑い期間とする必要があります。1か⽉単位の変形労働時間制を適切に運⽤するためには、3年以内とすることが望ましいでしょう。
3 労働時間の計算方法
対象期間を平均して1週間あたりの労働時間が40時間を超えないためには、対象期間中の労働時間を、以下の表の時間以下に設定する必要があります。※特例対象事業者は、44時間以内
対象期間が1か月の場合の上限時間

週の所定労働時間

※()は特例対象事業者

            月の歴日数                 
28日 29日 30日 31日

160.0

(176.0)

165.7

(182.2)

171.4

(188.5)

177.1

(194.8)

4 割増賃金の支払い
1か⽉単位の変形労働時間制を採⽤した場合、割増賃⾦の⽀払いが必要な時間外労働となる時間は以下のとおりです。
① 1日については、8時間を超える時間を定めた日はその時間、それ以外の日は8時間を超えて労働した時間
② 1週間については、40時間(特例措置対象事業場は44時間)を超える時間を定めた週はその時間、それ以外の週は40時間(特例措置対象事業場は44時間)を超えて労働した時間(①で時間外労働となる時間を除きます)
③ 対象期間における法定労働時間の総枠を超えて労働した時間(①または②で時間外労働となる時間を除く)
具体例:
分かり易く記載すると、歴日数が31日177.1時間の場合は、177.1時間を超えた場合に時間外労働手当(25%)が発生します。また、注意が必要なのは、午後10時以降の深夜割増(25%)は当然発生します。
休日労働割増(35%)は、以下の点がポイントになります。
〇労働基準法は、毎週少なくとも1回の休日(又は4週4日の休日)を与えなければならないと規定されています。
つまり、日曜日を労働基準法上の法定休日にした場合は、日曜日のシフトは、休日労働割増が発生します。
これは、就業規則上、日曜日を法定休日と定めた場合に発生しますので、この1ヶ月変形労働時間制を導入する場合は、日曜日を法定休日のように決めうちはしないことをおすすめします。就業規則では、1週1日のように規程します。
(4週4日制とは?)
労働基準法では「毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない」と1週1休の原則を定めています。この休日付与の原則を適用することが困難な場合、変形週休制として、「4週間を通じ4日以上の休日」を認めています。この4週4休制は、どの4週を区切っても4日の休日取得させることは不要で、特定の4週間に4日の休日があればよいことになっています。ただし、4週の起算日を就業規則などに定めなければなりません。休日労働に対する35%以上の割増賃金は、法定休日に労働させた場合に支払い義務が発生します。変形週休制が就業規則に定められていて、4週4日の休日が確保されているのなら、休日割増は必要ないことになります。ただし、「休日労働に対する割増賃金」は発生しませんが、実際の労働時間が法定労働時間(1日8時間、1週40時間)を超えていれば、その部分には「時間外労働に対する割増」が必要となり、勤怠管理が複雑となりますので注意が必要です。
給与計算を行う場合、まず、歴日数31日177.1時間の場合、
(1)総労働時間が、177.1時間を超えていないか
(2)午後10時以降の勤務がないか
(3)1週間に1日の休日を取得できているか。ただし、4週4休制の場合は、4週間で4日休日を取れているか。
を確認する必要があります。
ここまで、当事務所のブログを読んでいただき、ありがとうございました。

2018.01.31

午前半休時の労働時間と残業時間のカウントについて

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士の
代表 社会保険労務士・行政書士郡山博之です。

1月も最終日となりましたね。
今月もあっという間に終了です。

さて、労務相談での事例をご案内します。
所定労働時間が8時間で、有給休暇制度は、午後休と午前休があります。
始業・就業時間は、午前8時から午後5時(休憩1時間で午後0時から午後1時です。)=法定労働時間8時間

○半休制度の内容
・午前休:午前8時から午後0時
・午後休:午後1時から午後5時

例:A社員が午前休を取得後、午後1時に出社したとします。
退社時間が以下の場合の労働時間のカウントと残業時間、問題点についてご案内します。
1.退社:午後5時の場合
なんら、問題なく4時間出勤です。かつ、終業時間に退社です。

2.退社:午後7時の場合
午後1時から午後7時まで実働6時間です。
しかし、午後5時を過ぎているため、残業代が発生するか?
この場合、労働基準法上は残業代が発生しません。何故なら、1日の所定労働8時間を超えていないからです。
ただし、会社によっては、午後5時以降、残業代を発生させているケースが多いですが、残業代を発生させなくても労働基準法上の違反となりません

3.退社:午後9時の場合
午後1時から午後9時まで8時間です。この場合も、上記2と同様に残業代は実働8時間のため発生しません。
ただし、労働基準法は、「労働時間が6時間を超える場合は、少なくとも45分の休憩時間を与えなければならない」と規定されていますので、休憩時間を与える必要があります。

4.退社:午後11時の場合
午後1時から午後11時まで10時間です。この場合は、以下のような問題が発生しますので注意です。
(1)午後10時迄が9時間のため、労働基準法は、「労働時間が8時間を超える場合は、少なくとも1時間の休憩を与えなければならない」と規定されていますので、休憩時間を与える必要があります。
(2)午後10時から午後11時までは、休憩を1時間した場合でも8時間を超えてしまうため、25%の割増賃金が発生し、かつ、午後10時以降のため、深夜割増25%の割増も発生します。

私としましては、午前休を取得した場合でも、午後5時以降は、通常の勤怠に揃えた方が、勤怠管理が容易だとアドバイスをさせていただいています。一方、午前休取得者に対して午後5時以降残業した場合は、人件費が上昇してしまう「リスク」が発生します。

上記より、実際の運用をどうされるか?経営者の判断となります。勤怠管理と給与計算と直結します。

ここまで当事務所のブログを読んでいただき、ありがとうございました。

2018.01.28

給与計算のリスクと準備

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表 社会保険労務士・行政書士の郡山博之です。

本日のテーマは、給与計算のリスクとその準備する事項です。
役員だけの会社でも、給与計算のリスクは存在しますが、従業員を雇用するに至った場合は、そのリスクが増加します。

以下に給与計算のリスクとその準備についてご案内します。

給与計算のリスク

労務リスク 
最も大きい労務リスクとして残業代の計算です。例えば、残業代の計算を行うとき、勤怠に記録漏れがあったり、残業代の計算ミスがあると、残業代の未払いにつながります。まずは、就業規則と比較し、適切にソフトの数式やその月の出勤日数やその出勤に対して適切な月の労働時間、または年間の月の所定労働時間がしっかりと計算上反映されりように設定されているか確認しましょう。 
情報漏えいリスク 
給与計算では、従業員や扶養家族の個人情報が必要となります。従いまして、適正な管理を行い、社内外ともに情報漏えいを防止しなければなりません。情報漏えいをした場合、個人情報保護法違反から刑事罰や従業員からの訴訟リスクが発生します。最近は、マイナンバー制度もあるために、以前より、情報漏えいリスクが増加しています。
税務リスク 
所得税(源泉徴収税)の計算ミスが生じた場合や控除漏れがあった場合は、税務リスクを引き起こしています。

給与計算を行う上での準備

自社で給与計算を行う場合、当事務所へアウトソーシングをされる場合も、これからご案内する準備は、必ず必要となります。

1.就業規則・給与規定の作成及び確認

就業規則とは、従業員が働く上でのルールや労働条件を定めたものです。就業規則は、従業員 10 人以上の企業は必ず労基署まで届け出ることが法律で義務づけられています。従業員 10 人未満の場合は、作成や届け出の義務はありませんが、前もって作成することをお勧めします。給与は、就業規則の中で定められるのですが、会社によっては、給与に関する部分のみ、「給与規定」として別に定めているケースがあります。この就業規則の中の規程、または、「給与規定」にもとづいて、毎月給与計算を行ないます。

主に確認する点をご案内します。
〇始業・終業時刻や休憩時間
〇時間外労働・深夜労働・休日労働時間に関する割増率
〇会社独自の時間外計算の有無(宿直手当、夜勤手当、代休時の割増率など)
〇時間外計算の単位は10進法か60進法か?⇒勤怠システムやタイムカードの設定が必要です。
〇給与の計算方法、締日と支払日
2.従業員情報の収集・更新 

給与計算には、従業員の情報が必要となります。扶養家族いる、いない、扶養家族の増減があれば所得税(源泉徴収)の控除額が変わり、勤務地や転居があれば通勤手当が変わります。給与に関わる従業員情報は、毎月の給与計算締め日前に情報を収集・確認・更新する必要があります。 

3.社会保険(健康保険・厚生年金)・雇用保険の手続き
保険料は給与計算にかかせない控除項目で、社会保険・雇用保険は法律で定められた条件に該当する場合、加入する義務があります。これらの正社員・アルバイト・パートタイムなどの雇用形態にかかわらず、条件に該当すれば加入することになりますので注意が必要です。 
以下確認する点をご案内します。
(1)社会保険(健康保険・厚生年金保険)
法人の加入要件
〇1週間の労働時間が30時間以上
〇従業員501人以上の企業において、1週間の労働時間が20時間以上(原則ですが例外で協定措置もあります。)
(2)介護保険
原則として、40歳から64歳までのすべての従業員が加入対象となります。健康保険料に上乗せする形で介護保険料を控除します。 
(3)具体的な情報
〇従業員の基礎年金番号と給与情報(定期代を含みます。)
〇配偶者がいる場合は、配偶者が扶養の場合は、配偶者の基礎年金番号、氏名、同居の有無
〇配偶者以外の扶養家族がいる場合は、氏名、職業、同居の有無
※扶養家族は、社会保険(健康保険・厚生年金)だけでなく、所得税(源泉徴収)の控除に対しても必要です。
4.雇用保険 

雇用保険の加入対象
〇31日以上続けて雇用される予定
〇1週間の労働時間が20時間以上の予定

5.労働保険(労災保険) 

全従業員が対象となりますが、保険料はすべて会社負担となりますので毎月の給与計算では対象外です。 

6.勤怠管理 
給与計算には、各従業員の労働時間の計算が必要です。時間外労働の割増賃金(残業代)の計算や、パートタイムやアルバイトの出勤日数や就労時間を管理し給与計算するためです。この給与計算のための根拠して、出勤簿、タイムカードで出退勤記録の管理、クラウド勤怠管理などを行うことが重要です。
7.労働者名簿と賃金台帳
さらに、これまでの従業員の情報を基に労働者名簿を作成することが法律で義務付けられていますし、給与計算を開始すると賃金台帳を保管することも義務付けられています。
ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございます。 

2018.01.21

休日出勤労働についての割増率について

東京・渋谷のアリスト社労士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日のテーマは、休日出勤労働の割増率についてご案内します。

休日出勤というと、135%割増しが当然と言う解釈を持っていらっしゃる場合が会社側も従業員側も多いです。
しかし、「労働基準法は、日曜日を基準として、日曜日から土曜日までの間に最低1日は、休日を与えなさい。」と規定しています。
また、割増率につきましては、休日労働の割増率も含んで以下のように規定されています。

時間外労働割増率 25%
深夜労働割増率 25%
休日労働割増率 35%

では、以下の就業規則の事例毎に、休日出勤についてご案内します。

1.事例A

第○○条(休日)
従業員の休日は、次の通りとする。
①土曜日・日曜日
②国民の祝日に関する法律による休日
③年末年始(12月30日より翌年1月3日迄)
④その他会社が指定した日

第○○条(割増賃金)
【休日出勤手当】所定休日の勤務をしたときはその勤務時間(休日労働)1時間につき 基礎賃金×35%

2.事例B

第○○条(休日)
従業員の休日は、次の通りとする。
①日曜日(法定休日)
②土曜日(所定休日)
③国民の祝日に関する法律による休日(所定休日)
④年末年始(12月30日より翌年1月3日迄)(所定休日)
⑤その他会社が指定した日(所定休日)

第○○条(割増賃金)
【休日出勤手当】法定休日の勤務をしたときはその勤務時間(休日労働)1時間につき 基礎賃金×35%

(比較の前提)
比較の前提ですが、【所定休日】【法定休日】の文言の相違です。相違点は以下の通りです。

【所定休日】
労働基準法上、休日は週1日与えればよいことになっています。しかし、実際には週休2日制を採用する会社が多くあります。労働基準法第32条では、労働時間の上限を、1日8時間・週40時間と定めており、従業員が1日8時間働くことを考えた場合、5日働いた時点で労働時間は40時間に達することから、従業員をこれ以上働かせることができません。このため、1日8時間労働の会社では、休日を週2日に設定することになります。余談ですが、1日6時間であれば、月曜日から土曜日で6日勤務となりますが、1週間の労働時間が36時間のため、日曜日だけ休みを与えれば、労働基準法上、違反となりません。
【法定休日】
労働基準法第35条では、企業に対し、労働者に毎週少なくとも1回(もしくは4週間に4回)の休日を与えなければならないことを定めています。このため、例えば労働者が月曜日から土曜日まで働いた場合、日曜日には必ず休みを与えなければなりません。この日曜日のような、法律で定められている休日のことを、「法定休日」といいます。
事例Aについて

休日に関する規定に、所定休日、法定休日と区分する文言がないため、原則、全てが所定休日になると解釈されます。また、割増賃金の【休日出勤手当】の条文も所定休日としか明記がないため、このケースですと全ての休日が35%割増しとなります。

事例Bについて

休日に関する規定に、所定休日、法定休日と区分する文言があるため、日曜日のみが法定休日となり、その他の休日は所定休日となります。また、割増賃金の【休日出勤手当】の条文は、法定休日の場合と明記があるため、このケースは、日曜日のみ35%割増しとなり、その他の休日は全て25%割増しとなります。

上記より土日出勤や休日出勤が、必ず35%割増しにならないことにご注意ください。

※事例Aは、従業員に手厚い反面、会社の人件費が増加する傾向となります。
※事例Bは、労働基準法に抵触しない割増率の規定となります。

就業規則を作成する上で、重要なポイントになります。就業規則は、常時事業所に10人以上従業員を雇用することになれば作成・届出が必要ですが、従業員を雇用することになった時点で、就業規則を作成され、その規則に基づき、勤怠管理と給与計算を開始する必要があります。1度、運用を開始しますと、万が一、事例Aから事例Bに変更する場合は、「不利益変更」と指摘されるケースもありますので、最初が肝心となります。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただき、ありがとうございました。

2018.01.14

吸収合併の際の労働保険・雇用保険・社会保険の手続きについて

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表 社会保険労務士・行政書士の郡山博之です。

最近、株式交換などにより、独立した会社が、他の会社の100%子会社になるケースが増えてきています。
単純に100%子会社になるような場合は、原則、株主が変更となるだけで、労働保険・雇用保険・社会保険の変更手続きは不要となります。

しかし、吸収合併の場合は、手続きが労働保険・雇用保険・社会保険について異なってきますので、注意が必要となりますので、ご案内します。 

1.社会保険について

健康保険や厚生年金につきましては、廃止会社が「適用事業所全喪届」を提出します。さらに従業員(被保険者)全員の被保険者証を添えて「資格喪失届」を提出します。

(その他必要書類)
(1)解散登記の記入がある法人登記簿謄本のコピー(破産手続廃止又は終結の記載がある閉鎖登記簿謄本のコピーでも可)
または、「雇用保険適用事業所廃止届」(事業主控)のコピーのいずれか

(2)上記の書類が添付できない場合は、以下の書類のいずれかが必要となります。
①給与支払事務所等の廃止届のコピー
②合併、解散、休業等異動事項の記載がある法人税、消費税異動届のコピー
③休業等の確認ができる情報誌、新聞等のコピー
④その他、「健康保険・厚生年金適用事業所」に該当しなくなったことを確認できる書類

上記と並行し、存続会社は、消滅会社の従業員(被保険者)全員の資格取得届の提出が必要です。あわせて、被扶養者がいる場合は、被扶養者異動届の提出も必要となります。

2.雇用保険について

雇用保険は社会保険と異なり、原則として被保険者の消滅会社と存続会社を同一事業主とする認定手続きを行います。
この方法は、従業員(被保険者)の「雇用保険被保険者資格取得・喪失」の手続きではなく、被保険者期間が同一事業主として通算されるので、消滅会社に勤務していた期間についても存続会社の勤務期間とすることができ、従業員(被保険者)に不利益を与えなくて済みます。

(同一事業主の認定手続きをする場合の必要書類)
(1)新旧事業実態証明書
(2)添付書類
合併契約書、合併元と合併先双方の登記簿謄本、株主総会議事録、従業員承継の覚書、雇用保険被保険者の名簿などの
複数の書類が必要です。また、各ハローワークによって独自の用紙での申請を求められたり、提出書類が異なる場合も
ありますので、事前に管轄のハローワークへご確認ください。

3.労働保険手続について

消滅会社と存続会社の労災保険上の「事業の種類」が同じ場合と異なる場合で手続きが異なります。


【事業の種類が同一の場合】

原則として、消滅会社の労働保険を廃止し、存続会社の労働保険を適用することになります。手続きとしては、
①消滅会社の「労働保険確定保険料申告書」を管轄の監督署に提出し確定保険料を納付することで消滅会社の労働保険の適
用事業を廃止します。(還付の場合は、還付請求書を提出)
②存続会社の手続きとしては、合併日以降に見込まれる消滅会社の概算保険料の計上が必要となります。
※年度の合併後賃金総額の概算見込額が既に申告した吸収前概算賃金総額と比べて2倍を超え増加、かつその合併後賃金総額による概算保険料の額が合併前に申告済み概算保険料よりも13万円以上増加する場合に増加概算保険料の申告・納付が必要です。


※消滅会社の事業所も合併後も事業継続する場合は、労働保険の継続事業の一括に関する手続きが必要となります。合併前、消滅会社の方で継続事業の一括がされていない事業所については、存続会社はこの事業所を管轄する労基署に「労働保険関係成立届」を提出し、提出後の新たな労働保険番号で、「継続事業一括認可・追加申請書」を労基署へ提出し、継続事業の一括を行います。合併前、消滅会社にて継続事業の一括がすでに行われていた場合には 存続会社は「継続被一括事業名称・所在地変更届」を労基署に提出し、消滅会社の本社・支店等各事業所の継続事業の一括を行います。

【事業の種類が異なる場合】

消滅会社の労働保険の適用事業は廃止することなく継続されます。なお、合併による会社名、住所、事業主等の変更に伴い、「労働保険名称所在地等変更届」の提出が必要となります。

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2018.01.10

振替休日と代休の相違点

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所の
代表 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。


クライアントさんの就業規則の見直し業務を請け負う際に、振替休日と代休と双方記載があるケースがあります。
クライアントさんご自身が混同されている場合が多いので、以下に相違点をご案内させていただきます。

○振替休日とは

休日の日を出勤する代わりに、出勤日だった日をあらかじめ休日に指定することをいいます。ここでのポイントは、事前予告です。したがいまして、休日労働とはならず、仮に法定休日の日曜日に出勤したとしても、その日は、既に他の労働日に振り替えられているため休日出勤にならないため、休日労働に対する割増賃金の支払義務もありません。

○代休とは

休日労働後、その代償として特定の出勤日を休日にすることになりますので、前もって休日を振り替えたことになりません。したがいまして、休日労働分の割増賃金を支払う必要があります。法定休日の場合は35%、法定外休日の場合は、25%の割増賃金が支払われます。単純計算ですが、135%や125%ではありません。

(根拠)休日出勤8時間の場合
休日出勤日=時給×135%×8時間⇒休日出勤のため追加
代休日 =時給×100%×8時間⇒休みのため控除
    35%の割増賃金が発生  

一般的には、休日と出勤日の入れ替えは、急な仕事量の対応するケースが多く、振替休日多いです。
振替自体の有効性については、【休日と定められた日が絶対的に労働から解放されたものかどうかについては、労働契約の内容いかんによるもの】と解されています。つまり【就業規則に、振替を必要とする場合には休日を振り替えることができる旨】を設ければ、違法性となりません。ただし、振替休日とするには、あらかじめ振替日を特定する必要があります。また、振替の一番のポイントは、【4週4日の休日を確保】しなくてはいけません。

また、振替休日であっても、週を越えて、1週間の労働時間が週40時間を超える場合は、超過した時間数の賃金の支払いが必要です。つまり、4週4日を維持し、かつ、1週間の労働時間が40時間を越えなければ、振替休日のみの定めでも問題がないということです。この場合は、繰り返しますが、割増賃金は、発生しません。

つまり、振替休日も代休も両方記載されることも間違いではありませんし、理解された上で一方のみ記載されることも間違いではありません。

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就業規則作成で、重要なポイントですので、ご不明な場合は、お気軽にお問い合わせください。

2018.01.07

平成30年度より給与計算実務の注意点!

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の社会保険労務士・行政書士の郡山博之です。

当事務所も年明け早々ですが、月末締めの翌月10日支給のクライアント様が数社ありますので、10日支給に備えて、給与計算業務を行っています。

過去の記事に、年末調整について何度かご案内していますが、平成30年度1月支給の給与計算から昨年までの給与計算と異なる実務が生じる場合があります。

それは、昨年の税制改正で、配偶者控除等の見直しが行われ、平成30年分以後の所得税から適用されることになったことです。

具体例として、社員本人もその配偶者も給与収入を前提にしてご案内します。
大きなポイントとして下記の通りです。

〇社員本人(納税者)の収入制限が設けられ、控除額の変更も103万円が150万円に配偶者に関して新しいグループに分けられました。
つまり、平成30年分より、配偶者控除(所得控除)38万円の対象となる配偶者の給与収入の上限が、103万円(合計所得金額38万円)から150万円(合計所得金額85万円)に引き上げられました。
また、配偶者の収入が150万円を超えても、所得金額に応じて配偶者特別控除を受けることができます。配偶者特別控除の場合、対象となる配偶者の給与収入の上限は201万円(合計所得金額123万円)となります。
以前の記事で書いていますが、税法上は、控除額の変更が150万円となっていますが、厚生年金や健康保険は、配偶者の年収が130万円以上になりますと、社員本人の扶養に入れなくなります。
〇社員本人(納税者)の収入制限と、控除額の変更
配偶者控除と配偶者特別控除の適用される社員本人(納税者・給与所得者)に収入制限が設けられることになりました。平成29年度までは収入制限がありませんでした。また、扶養者の給与収入が1,220万円(合計所得金額が1,000万円)を超える場合には消失します。昨年と同様の控除を受けるには、1,120万円(合計所得が900万円)以下である必要があります。
〇配偶者に関する新しいグループ分け
社員本人(納税者)と配偶者の給与年収によって控除額が異なります。
 例えば、「源泉控除対象配偶者、かつ同一生計配偶者」のように重なることがあるので、配偶者控除の対象が、3種類になりました。
「源泉控除対象配偶者」⇒新設(平成29年度以前とほぼ同様です)
社員本人(納税者)の給与年収1,120万円以下(合計所得金額900万円以下)
配偶者の給与年収150万円以下(合計所得金額85万円以下)
の場合の配偶者
「同一生計配偶者」⇒新設(配偶者が障害者に該当する場合)
社員本人(納税者)の給与年収制限なし
配偶者の給与年収103万円以下(合計所得金額38万円以下)
の場合の配偶者
「控除対象配偶者」
社員本人(納税者)の給与年収1,220万円以下(合計所得金額1,000万円以下)
配偶者の給与年収が103万円以下(合計所得額38万円以下)
の場合の配偶者
配偶者に関する扶養親族に等にの数え方
配偶者が源泉控除対象者に該当する場合は、扶養親族等の数に1を加えて計算します。さらに同一生計配偶者が障害者に該当する場合は、扶養親族等の株に1を加えて計算します。つまり、毎月の給与から所得税を控除するときに関係があるのは、源泉控除対象配偶者と同一生計配偶者です。また、控除対象配偶者は、年末調整のときに関係し、配偶者控除の対象となります。

平成30年度の給与計算での注意点

社員本人(納税者)給与年収が、明らかに1,220万円を超える場合は、配偶者を扶養親族数から外して、給与計算をしないと、年末調整で、所得税の追加となってしまう場合が多いので注意が必要です。
また、社員本人(納税者)1,120万円超(所得900万円超)~1,220万円以下(所得1,000万円以下)の場合は、平成29年度と同様に扶養親族等の数に1を加えて計算するか否かと、社員に確認する必要があります。これまで通りの計算ですと、年末調整で所得税の追加に転じる可能性が大きいからです。
逆に社員本人(納税者)給与年収が1,120万円以下(900万円以下)であれば、これまでの扶養親族数の設定で問題ありません。
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2017.12.24

平成30年度のパータイマーの収入150万円の税の配偶者控除と社会保険被扶養者の関係

東京・渋谷のアリアスと社労士行政書士事務所の
代表 社会保険労務士行政書士 郡山博之です。

今年も残すところは、後1週間となりました。
当事務所も年末調整の作業がようやく終了し、年明けに、【給与支払報告書】などを作成し、発送するのみとなりました。

前回の10月の記事で平成29年度の配偶者控除についてご案内しました。
aristo-sr.com/blog/2017/10/

本日は、平成30年度の所得税の配偶者控除と配偶者特別控除についてご案内します。平成30年度は、年収150万円まで働いてもこれまでどおりの配偶者に関する控除が受けられるようになります。

ここで、問題が発生します。それは、税と社会保険から見ると所得税は年収150万円以下に拡がったとしても、社会保険は年収130万円未満のため、仮に年収130万円以上になると、健康保険の被扶養者及び国民年金の第3号被保険者にはなれません。つまり、パートの年収が130万円以上になると社会保険の加入要件を満たさないため、通常、国民健康保険と国民年金に加入することになります。

そこで会社として押さえる必要があるのが以下のポイントです。

1.基本的内容ですが、社会保険の加入要件を押さえておく必要があります。健康保険の被扶養者になれるか否かは、「社会保険の加入要件を満たさず」、さらに「年収130万円未満であること」等が条件です。つまり、年収が130万円未満であっても、社会保険の加入要件を満たせば健康保険の被扶養者から外れて、自身が被保険者となることになります。そのため、パートの社会保険の加入要件が重要なポイントとなります。
2.社会保険の加入要件は、4分の3基準と呼ばれ、同じ事業所で同様の業務に従事する正社員と比べて、1週の所定労働時間と1ヶ月の所定労働日数が正社員の4分の3以上であるときに被保険者となります。
ただし、平成28年10月より加入要件が明確になり、「おおむね」という曖昧な表現が削除され、さらに、この4分の3基準を満たしていなくても、以下の5つの要件をすべて満たした場合、社会保険の被保険者になります。これは、平成28年10月より常時501人以上の企業を対象にスタートしたパートへの社会保険の適用拡大の取扱いです。
(1)1週間の所定労働時間が20時間以上あること
(2)賃金の月額が88,000円以上であること
(3)勤務期間が1年以上見込まれること
(4)学生でないこと
(5)厚生年金保険の被保険者数が常時501人以上の企業(特定適用事業所)に勤めていること
さらに、平成29年4月より常時500人以下の企業であっても、次のAまたはBに該当する事業所に勤務するパートも加入の対象になります。
A労使合意(働いている方々の2分の1以上と事業主が社会保険に加入することについて合意すること) に基づき申出をする法人・個人の事業所
B地方公共団体に属する事業所
本日は、社会保険の被扶養者と加入要件についてご案内しましたが、この年収130万円は税のように【1月から12月】といったように決められた期間で収入の判断をするわけではなく、被扶養者に該当する時点の収入および被扶養者として認定された日以降の年間の見込み収入額のことです。
クライアントさんから、
「従業員の配偶者が会社を退職し雇用保険の基本手当(失業手当)を受給する場合に被扶養者になれるか」
といった質問がありますが、これについては雇用保険の基本手当の日額が、年間の見込み収入額に換算して130万円未満となる3,611円以下である場合にのみ被扶養者となれます。この被扶養者の年間の見込み収入額には、公的年金、健康保険の傷病手当金や出産手当金も含まれる点に注意してください。
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2017.12.20

会社の【安全配慮義務】

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

厚生労働省は2017年11月1日~30日までの1ヵ月間、『過重労働解消キャンペーン』を実施していました。 

職場の労働状況や職場環境が原因で従業員が亡くなったり、心身の健康が損なわれることは絶対に避けなくてはなりません。
本日は、会社への義務や与える影響についてご紹介します。 
 
 会社には、【安全配慮義務】という、従業員が安全に働けるよう、職場環境を整える義務があります。 
安全と言えば、労働安全衛生法がありますが、この義務には、従業員の働き方や勤務時間も含まれていますので、過重労働をしなくてはならない職場環境がつくられている場合は、安全配慮義務違反となります。 
この安全配慮義務を欠いた状態が原因で、従業員が死亡した場合、会社はその従業員に生じた損害を賠償しなくてはなりません。 
私の経験ですが、大学時代の同期が某上場企業で人事課長をしています。その会社の営業部の方が過労死され、労災上も過労死認定されました。遺族は、その会社には、損害賠償請求はしませんでしたが、会社として慰謝料を支払ったとのことです。
これは、実際にあった例ですが、労災の認定がされなくても、従業員の遺族は、会社に対して損害賠償することは出来ますし、別途、固有の慰謝料の請求も可能です。
このとき支払うことになる損害には、その従業員が存命だった場合に得られたであろう収入や慰謝料が含まれることになります。 
そのため、亡くなった従業員の年齢や収入にもよりますが、過重労働により従業員が死亡し、そのことに対して会社が責任を負うと判断された場合の金額は、1億円を超えるケースもあります。 
さらに、会社が従業員に対し、過重労働が生じる職場の状況を放置していた場合には、そのことについて役員個人にも責任が認められることがあります。 
このように、過重労働により従業員が亡くなった場合には、会社も大きな金銭的損害を受ける恐れがあり、会社の存続を維持することが困難になるケースがあります。
 
さらに、近年は法令(コンプライアンス)違反に対する世間の見方が厳しいので、会社が被るダメージは、イメージダウンを含めると甚大なものになります。 
余談ですが、従業員が安全に働けるよう、職場環境を整える義務があります。
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2017.12.17

賃金引上げ等の実態に関する調査とその用語について

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

テレビや新聞などで、賃上げと言われていますが、厚生労働省が平成29年「賃金引上げ等の実態に関する調査」の結果を発表し、従業員100人以上の企業において定期昇給やベアなどで賃上げを行った企業の割合が87.8%(前年比1.1ポイント増)となり、過去最高となったとのことです。1人当たりの引上げ幅は月額5,627円(同451円増)です。逆に、賃金を引き下げた企業は0.2%だったとのことです。

ここで、賃上げ実態調査や当事務所クライアントさんから質問がある賃金についての「用語」をご案内させていただきます。人事評価制度や賃金規程を設計する際も必要です。

【定期昇給】

あらかじめ労働協約、就業規則等で定められた規程に従って行われる昇給のことで、一定の時期に毎年増額することをいいます。年齢、勤続年数による自動昇給のほかに、能力、業績評価に基づく昇給があり、毎年時期を定めて査定を行っている場合も含みます。

【ベースアップ】【ベースダウン】

賃金表の改定により賃金水準を引き上げる、又は引き下げることをいいます。

【賃金カット】

賃金表等を変えずに、ある一定の期間につき、一時的に賃金(基本給、諸手当)を減額することをいいます。余談ですが、役員報酬のカットは含みません。

【個別賃金方式】

学歴、年齢、勤続年数、職種、熟練度等の種々の条件について、特定の属性を設定した労働者、例えば「高校卒、35 歳、勤続17 年」について、これを基準として労働者全体の賃金の改定が行われる方式をいいます。

【平均賃上げ方式】

労働者1人平均(基準)賃金について、これを基準として労働者全体の賃金の改定が行われる方式です。

【業績連動式】

一定のシステムや算定式に基づき、部門・企業全体などの組織の業績や個人の業績に応じて賞与支給額を決定する方式です。

【賃金体系維持】

ベースアップの要求を見送り、定期昇給分(定期昇給制度がない企業では、定期昇給相当分)を確保することをいいます。また、「賃金カーブの維持」ともいいます。定期昇給確保を要求し、具体的な要求額を示さなかった場合のみ該当します。

【1人平均賃金の改定額及び改定率】

1か月当たりの1人平均所定内賃金の改定額及び改定率をいいます。諸手当等を含みますが、時間外・休日手当や深夜手当等の割増手当、慶弔手当等の特別手当は、勿論含みません。

【年間臨給(臨時給与/ボーナス)状況】

夏(3月から8月)、冬(9月から翌年2月)の賞与(ボーナス)を交渉し、決定する以下の4つの方式をいいます。
各期型‥‥‥‥その年の夏の賞与交渉においては夏の賞与、冬の賞与交渉においては冬の賞与をそれぞれ決定する方式
夏冬型‥‥‥‥夏の賞与交渉の際に、その年の冬の賞与を併せて決定する方式
冬夏型‥‥‥‥冬の賞与交渉の際に、翌年の夏の賞与を併せて決定する方式
その他‥‥‥‥上記以外の方式

【1人平均賞与支給額】

全常用労働者の賞与支給額の総合計をを常用労働者数で割ったものをいいます。ただし、年俸制の常用労働者は除きます。

【1人平均賞与支給月数】

1人平均賞与支給額を1人平均所定内賃金で割ったものをいいます。
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2017.12.10

給与金額を決めるには、月の平均所定労働時間算出がポイント

東京・渋谷のアリスト社労士行政所事務所の
代表の社会保険労務士・行政書士の郡山博之です。

給与の額を最低賃金や設定した時給より逆算して、月給を決める場合は、月の所定労働時間を算出する必要があります。

単純に、月給17万円でスタートとして従業員を採用しても、月の所定労働時間を計算すると最低賃金を割っている可能があります。

月の所定労働時間とは?

月平均所定労働時間とは、1年間の合計の所定労働時間を、12か月で割り、1か月あたりの平均の所定労働時間を計算したものです。1年には、31日まである月もあれば、30日や28日(閏年29日)までしかない月もあります。各月の残業代の計算単価にバラツキがないように、【月平均】という考え方をします。

この月平均の所定労働時間を求めるには、以下の整理と手順が必要です。

1.会社の所定労働時間は1日何時間か?

ここで、注意は、1日の所定労働時間や1週間の所定労働時間は、会社の好きなように設定することは出来ません。
法律は、原則、1日の労働労働時間は8時間以内、1週間の労働時間は40時間以内と定められています。
ここで、原則と書いているのは、以下の場合は特例が認められるからです。
※ 商業、映画・演劇業、保健衛生業、接客娯楽業で、従業員数が10人未満の事業所は、1週間の法定労働時間が44時間と規定されています。

2.年間の休日は何日か?によって計算します。

(1)まずは、会社の休日が年間合計何日であるかと合計日数を数えます。

(2)次の計算式によって年間所定労働時間を算出します。
「(365日−1年間の休日合計日数)×1日の所定労働時間」=年間所定労働時間
※閏年は366で計算します。

(3)最後に以下の計算式で月平均所定労働時間を算出します。
年間所定労働時間÷12カ月=月平均所定労働時間

(4)月の所定労働時間が以下の計算式の時間を超えている場合は、違法になりますので、ご注意ください。
「1ヶ月の所定労働時間の平均」=40時間/週÷7日×365日÷12ヶ月=173.8時間/月

3.具体例

事例1 1日の所定労働時間が8時間、年間260日勤務 休日105日の場合

(365日−105日)×8時間=2,080時間(年間総労働時間)
2,080時間÷12か月=173.33時間・・・・・月平均所定労働時間となります。

事例2 1日の所定労働時間が7時間、235日勤務 休日130日の場合
(365日-130日)×7時間=1,645時間(年間総労働時間)
1,645時間÷12カ月=137.08時間・・・・・月平均所定労働時間となります。

4.上記より見出せるポイント

(1)単純に一律30万円の給与と固定給与を設定した場合
事例1 300,000円÷173時間=1,734円/時間
事例2 300,000円÷137時間=2,189円/時間
※同じ月給の場合は、月平均所定労働時間が少ない会社ほど時給単価が上昇します。

(2)月給を月所定労働時間ベースで時給にて算出する場合(時給1,000円と仮定)
事例1 1,000円×173.33時間≒173,400円
事例2 1,000円×137.08時間≒137,080円
※休日が少ない方が、月給が高くなります。
(3)上記(1)(2)より、従業員を採用する場合の給与の決め方により、差異が発生しますので、ご注意ください。
余談ですが、東京都の場合は、上記(2)の時給換算の時給が958円未満になりますと、最低賃金法違反になります。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただき、ありがとうございます。

2015.07.22

社員旅行中のけがと労働災害について

東京都港区虎ノ門のアリスト社労士行政書士事務所の


代表の 郡山 博之です。


3連休の途中から、猛暑が続いていますね。

熱中症とか、気を付けてください。


さて、最近、減っていますが、会社の行事として、社員旅行中のけがと労災の関係について、ご案内します。


災保険とは従業員が業務上又は通勤が原因で負傷した場合、病気になった場合などに受けられる保険で、このうち業務上のものを業務災害、通勤途中で発生したものを通勤災害と言います。

業務災害に該当するには労働者が業務を原因として、つまり怪我や病気等が業務上の負傷、疾病等であることが要件となります。社員旅行中は、通常の業務とは明らかに異なり観光や慰安が目的と考えられるため、業務に該当しないといった考え方もできますが、一方で、会社の行事として行っているのであれば業務の一環にあるとも考えられます。どちらが正しいのでしょうか。

この点については、社員旅行への参加が強制されているものであれば業務上の事故として取り扱われることになるでしょう。行事への参加が自由参加であったとしても不参加者については賃金カットなど不利益な取り扱いをされるなどを行っている場合は実質的に強制参加となり業務上の災害として取り扱われます。

また、自由参加であっても、幹事など旅行中の世話役を担当しているものは旅行の行程中も業務とみなされ、業務上の災害とみなされることがあります。

判例でも、社員旅行中に乗車した観光バスが転落して負傷者が出たケースで、旅行への参加不参加が自由意思によるものとされたため一般社員についての労災認定は行われなかったものの、社員旅行の幹事役は業務上の災害であるとして労災の認定を行われたケースもあります。


ここまで、当事務所のブログを読んでいただき、ありがとうございました。

2015.06.27

ミニ知識労務編⑤(定期代と社会保険料と採用)

 こんにちは。


東京都港区虎ノ門のアリスト社労士行政書士事務所の

代表 郡山 博之です。


空は、どんよりと曇っていますが、せっかくの週末、雨が上がって、ほっと一息です。


続。昨日のブログの続きです。


定期代を考慮しないとの話しでした。


定期代を考慮をすると、大学卒業後の新卒の社員でも手取り金額は変わります。


Aさん=給与支給額22万円 月の定期代4万円=総支給額26万円①

Bさん=給与支給額22万円 月の定期代0.5万円=総支給額22.5万円②


昨日のブログで書いた社会保険の標準報酬月額では、

Aさん=26万円

Bさん=22万円

となり

Aさんの本人負担分の保険料=35,677円③

Bさんの本人負担分の保険料=30,188円④

そうなんです。額面給与は、同じなのに天引きの金額に5,489円も差が出ます。


Aさんの手取り実質=184,323円(①-4万円-③)

Bさんの手取り実質=189,812円(②-0.5万円-④)


皆さんはどちらがいいですか?

Aさんのメリットは、

退職時の失業給付がBさんより定期代分高い。

65歳以降の老齢厚生年金が高い。


Bさんのメリットは、

手取りが高いです。


私は、個人的にはBさんですね。


経営者の方から見ると、定期代が安い社員の方が、会社負担分の社会保険料などを抑制できることになります。

ご不明な点があれば、お問い合わせください。


ここまで、当事務所のブログを読んでいただき、ありがとうございました。

2015.06.26

ミニ知識労務編④(給与金額の設定による矛盾点と活用)

 こんにちは。


東京都港区虎ノ門のアリスト社労士行政書士事務所の

代表 郡山 博之です。


本日のテーマは、給与金額の設定による「矛盾点とその活用」です。


交通費(定期代)は、ないものと仮定します。


新入社員が入社しました。

給与の設定に経営者が悩んでいます。

209,800円

にしょうか?きりがいいので、

210,000円にしようか?


所得税や雇用保険は、一定の料率なので、大きな差は出ませんが、

社会保険(厚生年金と健康保険)の差額はどうなるでしょう?


社会保険料は、ご周知のように、標準報酬月額という制度により、会社負担分、本人負担分の保険料が設定されております。


今回の事例は、

給与209,800円の標準報酬月額は、200千円となり

給与210,000円の標準報酬月額は、220千円となります。


年齢を40歳未満と仮定しますと、

200千円の厚生年金と健康保険の本人負担、会社負担とも各27,444円

220千円の厚生年金と健康保険の本人負担、会社負担とも各30,188円

差額が、2,744円となります。


将来の年金額は別としまして、

現在の新入社員の手取り金額は、

給与の差額が200円に対して

手取り金額は、2,744円-200円=2,544円も多くなります!


勿論、会社負担も、2,544円少なくなります!



上記より、標準報酬月額制度のため、額面給与が若干多い場合でも、手取り給与が少ないとい矛盾点が生じます。

逆に活用されることも手段と考えられます。


同様の従業員が30人在籍していると仮定しますと、月間で76,320円も差額が発生し、年間915,840円も会社側は負担増となってしまいます。


ただ、実務的には、定期代も給与額に上乗せされますので、必ずしも、会社側の負担が減るとは言い切れない場合もあります。



ご不明な点があれば、お問い合わせください。


ここまで、当事務所のブログを読んでいただき、ありがとうございました。

2015.06.21

ミニ知識労務編③(管理職は残業手当無し?)

 こんにちは!


東京都港区虎ノ門のアリスト社労士行政書士事務所の


代表 郡山 博之です。


本日は、午前中、以前からのお世話になっている知人と足立区で打ち合わせでした!

会社設立、補助金申請、助成金のお役に立てればと思います。


さて、本題ですが、


管理職には休日も残業代も不要か?


私が、以前の会社員時代も、管理職なんだから、残業代は、関係ないと言われて仕事をしていました。


正解か?不正解?



私が、言われていたことは、不正解です(^_^;)


確かに、管理職の休日出勤は、何日出勤しようが、残業のカウントはされません!!!


しかし、管理職であっても、深夜22時から翌朝の5時までは、残業代支払いの対象となります!!


一般の従業員の場合、通常の残業代1.25倍の割増と深夜残業代の割増1.25倍の割増の合計で、1.5倍の割増残業となります。

例えば、1時間当たりの平均賃金が2,000円としますと、2,000円×1.5=3,000円の深夜残業手当となります!!


管理職の場合は、

例ですが、労働基準法上の管理監督者の場合の深夜残業の計算方法は、

1時間あたりの平均賃金が2,000円としますと、2,000円×0.25=500円となります!!


この相違点!!注意が必要です!!

労働基準法上の管理監督者とは?

また、後日、書きます!!これが、いわゆる「名ばかり管理職」の問題です!!


経営者の方、注意が必要です!!

労務管理のことなら、お任せください!!

ここまで、当事務所のブログを読んでいただき、ありがとうございました。

2015.06.18

ミニ知識労務編②(固定残業手当の意味)

こんにちは!


東京都港区虎ノ門のアリスト社労士行政書士事務所の


代表 郡山 博之です。


本日は、ミニ知識労務編②の固定残業手当の意味についてです。


10年以上前の、給与明細にはなかった、名称です!

以前は、よく、みなし残業手当と言われていましたね。


ただ、みなし残業手当の根拠が、就業規則などの内容があまりにも、あいまいで、残業代不払い請求や、労使トラブルが頻発したために、固定残業手当制度が出来たと考えます。

みなし残業手当のどの点があいまいか?

・みなし残業手当を、役職など一律に、同一額で給与支給していたために、各従業員の残業時間が、何時間分であるか不明!!

・通常、厳密に就業規則に記載しないと、不払い残業請求の際、固定的な賃金である、基本給と同じ扱いを受ける


などです!!!



一方、固定残業手当の場合は、

・明確に、例えば、30時間分、40時間分と明記!

・各従業員の固定的賃金(基本給+職能給)を根拠として、従業員ごとに金額が異なる!

・また、就業規則に、固定残業手当は残業手当の基礎となる金額に算入しないと明記!

するのが一般的で、


メリットは、

・経営者の立場として、人件費の一定化が図れる!

・従業員のだらだらな残業を防ぐ!


デメリットは、

・経営者の理解不足で、固定残業手当の労働時間を超えても、残業代を支払わなくてもいいと!

 誤解を招く!

・深夜時間(22時以降)の残業時間も同様の金額で見てしまう!

 (残業手当は、22時迄は×1.25ですが、22時以降は、×1.50です、つまり、×1.25分は、深夜残業の差額として、支給が必要です!!)

・残業代計算が複雑になる!

・従業員の士気が下がる!


メリット・デメリットを回避するためには、

・過度な、仕事量を与えない!

・それなりの給与を支給する!

 (固定残業手当と同時に、今までの総支給額面を変更せずに、基本給だけを下げることは、やめましょう!!)

・勤怠管理をしっかりと行う!

ことだと考えます。

本日は、港区役所に行ってきました。

申込むと、港区の中小企業ガイドに無料で掲載されるとのことで、無料の宣伝になるので行ってきました!!

、虎ノ門から、芝公園まで歩いたので、いい運動になりました!








ここまで、当事務所のブログを読んでいただき、ありがとうございました。

2015.05.27

ミニ知識労務編(退職願と退職届の相違点)

 こんちは。


東京都港区虎ノ門のアリスト社労士行政書士事務所の

代表 郡山 博之 です。


会社に対して、従業員さんが、「退職」する場合、「退職願」「退職届」があります。


実は、両者で法律的な解釈が違います!!


「退職願」とは?

文字通り退職することを願い出る書類であり、

「○月○日をもって退職したいので承認をお願いします」

といった形で行われる民事上の「退職の申込」となります。
つまり、「退職願」は従業員からの民事上の労働契約の解約の申出なので、会社に提出された時点では「労働契約の解約」は成立していません。「退職願」に対する会社の承認(合意)があって、はじめて労働契約の解約が成立します。


「退職届」とは?

「○月○日をもって退職します」

という従業員から会社に対する「退職の意思表示」です。
「退職届」は、労働者が一方的に労働契約を解約することが可能です。つまり、会社に到達した時点で労働契約の解約は成立します。

従いまして、「会社の承認」は必要ありません。

よく、ドラマで「出る辞表」も退職届と同じ効果となります。



ここまで、当事務所のブログを読んでいただき、ありがとうございました。

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