アリスト社労士行政書士事務所(港区・渋谷区)のブログ

2019年12月

2019.12.29

労働基準法に違反するとどうなりますか?

東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

今回が、2019年度の最後のブログ更新となります。

2020年は、同一賃金労労働のスタートや時間外・休日労働に関する協定届(36協定届)の様式が変更となり、より厳格化されます。
では、万が一、法令に違反した場合はどうなるのか?

本年、最後のブログは、労働基準法に違反した場合についてご案内します。

労働基準法は、正社員のみならず、アルバイトやパート、契約社員や派遣社員など、雇用形態を問わず、雇用関係のある全ての労働者を対象とした法律です。この法律は、労働環境整備の最低基準を定めた法律となります。

ところが、管理者が、労働基準法に関する認識が甘かった、賃金の未払いをしてしまった、最低賃金を下回る賃金で雇用していた、何も知らずに従業員を解雇してしまったなどの理由で、法違反を犯してしまった場合、労働基準法違反ということで、さまざまな罰則規定があります。

会社が労働基準法に違反すると、まず、労働基準監督署が調査します。また、会社の立ち合いのもとで、勤退の確認や賃金台帳の確認、パソコンの履歴等の調査を行う場合があります。
この場合は、内部告発や退職した従業員からの申述が圧倒的に多いです。

こういうことを避けるためにも、日々の労務管理をしっかりと行うことが大切なんです

さて、本題ですが、調査に入っても、是正指示、是正勧告に対し、改善の報告書を会社側は労働基準監督署へ提出し、穏便に終了するケースが圧倒的に多いですが、何度勧告しても是正しない等悪質な場合は、刑事手続きに進み書類送検される場合があります。

この書類送検で、有罪判決を受けた場合、罰則を受けるのは使用者となります。
使用者の定義は、労働基準法は第10条の内容ですが、
この法律で使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう
と定義しています。

つまり、経営者と管理者は当然のことですが、事業の実質的な業務権限を持ち、労働者=従業員の指揮監督を行う者が全ての対象者となりますことも留意ください。

罰則は、
1年以上10年未満の懲役または20万円以上300万円以下の罰金
1年以下の懲役または50万円以下の罰金
6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金
30万円以下
とわかれています。

【罰則の具体例】

1 6か月以下の懲役または30万以下の罰金
例:割増賃金を支払わなかった場合、法定休日を与えなかった場合 等

2 30万円以下の罰金
例:専門業務型裁量労働制の労使協定を届け出ていなかった場合

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2019.12.22

休日出勤の際の残業代計算や振替休日を与える場合の注意点

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日は、休日出勤の際の残業代計算や振替休日を与える場合の注意点についてご案内します。

1.休日出勤の割増手当

労働基準法では、使用者は毎週少なくとも1回の休日、または、4週間を通じて4日の休日を与えなければならないと規定されています。

一方原則として1週40時間、1日8時間という労働時間の制限もあります。
1日7時間や8時間働くことになっている会社の場合、1週間に1度の休日では、週の労働時間が40時間を超えてしまいます。
したがって、休日をもう1日設けなければいけないことになります。
この、2日ある休日のうち1日が法定休日、もう1日は会社が自由に決められる所定休日(法定外休日)となります。
会社の創立記念日や国民の祝日を休日と定めた場合も、それらは所定休日となります。
休日の1日は暦日を指し(8時間3交替制や一部の例外業種を除く)、午前0時から午後12時までとなります。
法定休日について法律では、曜日の特定や一斉に休むことまでは要求していません。つまり、日曜や土曜日を必ず休みにする必要はありませんし、部署ごとに休日を定めることが出来ます。

この場合の割増賃金は、法定休日の場合は35%以上の割増賃金、所定休日の場合は、25%以上の割増賃金が必要となります。
例えば、土曜日を所定休日、日曜日を法定休日と就業規則等で定めている会社の場合

(1)土曜出勤の場合は、125%の割増賃金が発生
(2)日曜出勤の場合は、135%の割増賃金が発生します。

ここで、会社は、割増賃金の抑制を図ったり、労働者に休息を与えるために代休や振替休日制度を設けています。

2.代休と振替休日の違いは?

「休日の振り替え」とは、予め休日と定められていた日を労働日とし、そのかわりに他の労働日を休日とすることを言います。これにより、予め休日と定められた日が「労働日」となり、そのかわりとして振り替えられた日が「休日」となります。従って、もともとの休日に労働させた日については「休日労働」とはならず、休日労働に対する割増賃金の支払義務も発生しません。
一方、いわゆる「代休」とは、休日労働が行われた場合に、その代償として以後の特定の労働日を休みとするものであって、前もって休日を振り替えたことにはなりません。従って、休日労働分の割増賃金を支払う必要があります。

例えば、毎週日曜日を法定休日とし、土曜日を所定休日としている会社が、労働者に土曜日出勤を依頼する際に、その前日の金曜日を振り替えで休んでもらうケースを振替休日と言います。この場合、同じ週内のため、割増賃金が発生しません。

ただし、このケースで、土曜日に出勤してもらい、翌週の水曜日に振替休日を取得した場合は、25%以上の割増賃金を支払い必要があります。会社によっては、代休と振替休日を区分せずに、振替休日で運用している事例を拝見しますが、厳密にいえば、代休となります。

振替休日と就業規則で規定している場合も、事前に休みを取得させるか、事後に休みを取得させるかで割増賃金が異なりますので、勤怠管理・給与計算で大切なポイントです。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2019.12.15

時間外労働の上限規制について

東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所の
代表 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日は、時間外労働制の上限制についてご案内します。
時間外労働上限規制は、本年4月より大企業ではすでに適用されていますが、2020年4月より中小企業に対しても適用が開始されます。
現在の時間外労働・休日労働に関する協定書(通称:36協定書)の書式は、2020年3月迄使用可能となり、4月からは新様式に変更となります。

この時間外労働の上限制についてポイントをご案内させていただきます。


【時間外労働の上限規制】

原則として、月の時間外労働時間45時間・年間の時間外労働時間は360時間であり、臨時的な特別な事情がなければ超えることが出来なくなります。
固定残業制度を導入され、その固定残業時間が45時間を超えている賃金体系や雇用契約書の場合は、見直しをする必要があります。
なぜなら、固定残業手当の時間が、50時間や60時間の場合は、そもそも45時間ルールを逸脱しているからです。
しかし、この時間外労働の上限は、全ての中小企業に適用われるわけではありません。一部の下記の業種で、適用猶予が設けられています。
1.自動車運転の業務
2024年4月より、罰則付きの時間外労働規制の適用。適用後上限時間は年960時間とされます。
2.建設事業
2024年4月より、罰則付きの時間外労働規制の適用。適用後上限時間は一般業種と同様です。
例外として、災害時における復旧・復興の事業について例外が設けられ、単月で月100時間未満、連続する2カ月から6カ月平均で月80時間以内とする要件は適用されません。
3.新技術、新商品等の研究開発の業務
専門的、科学的な知識、技術を有する者が従事する新技術、新商品等の研究開発の業務の特殊性が存在するため、対象を明確化し、医師の面接指導、代替休暇の付与等の健康確保措置を設けた上で、適用除外とされています。
4.鹿児島県及び沖縄県における砂糖製造業
2024年4月より、罰則付きの時間外労働規制が適用されます。
5.医師
2024年4月を目途に規制を適用することとされています。

【特約条項がある場合の上限】

特別条項があるときでも、下記のの1から4のすべてを満たす必要があります。

1.時間外労働が年720時間以内
2.時間外労働と法定休日労働の合計が月100時間未満
3.時間外労働と法定休日労働の合計について、2ヶ月平均、3ヶ月平均、4ヶ月平均、5ヶ月平均、6ヶ月平均がすべて1ヶ月当たり80時間以内
4.時間外労働が月45時間を超えることができるのは年6ヶ月まで 
※時間外労働と法定休日の合計が大きなポイントです。

【罰則】

6か月以下の懲役または30万円以下の罰金

ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2019.12.07

退職後の賞与計算の注意点

東京・渋谷のアリスト社労士行政所持事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

この時期は、賞与支給の会社も多いと思います。

また、会社によっては、既に退職済みの従業員に賞与を支給する場合もあります。
賞与計算で気を付けていただきたい点は、会社の就業規則や賃金規程で退職後の従業員に賞与を支給する場合です。
恐らく、このケースについては、給与計算システムも自動計算が出来ないはずです。

そもそも賞与計算の控除対象は、健康保険、介護保険、厚生年金、雇用保険、所得税となります。所得税には、甲欄・乙欄の表示があります。給与所得者の扶養控除等申告書を会社に提出している者は甲欄を、提出がない者、または、退職し、転職した従業員は乙欄を使います。甲欄の所得税率は原則として、前月の給与額から社会保険料等を控除した額を算出し、賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表を用いて扶養親族数と前月の社会保険料等控除後の額に応じた率を求めます。 また、乙欄は扶養親族数は用いず、前月の社会保険料等控除後の額により所得税率を求めます。
※ただし、賞与額が前月給与額の10倍を超える場合は、計算方法が異なります。

次の場合は、賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表ではなく、給与計算時と同じく月額表を用います。

ポイントは、以下の2点に分かれます。

1.前月の給与があり、前月末に退職し、今月賞与を支給する場合

例え、扶養親族がいようが、扶養者親族数は用いず、前月の社会保険料等控除後の額で、乙蘭にて所得税率を求め計算します。
勿論、退職後のため健康保険、介護保険、厚生年金の控除はありませんが、雇用保険料は控除します。

2.前々月に給与があり、前々月に末に退職し、今月賞与を支給する場合

社会保険料等控除後の賞与の金額を6(その賞与の計算の基礎となった期間が6ヶ月を超える場合は12)で除し、賞与額÷6(または12)により算出した金額を月額表にあてはめてて計算します。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

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