アリスト社労士行政書士事務所(港区・渋谷区)のブログ

2019年10月

2019.10.30

裁量労働制導入の誤解と注意点

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日は、裁量労働制を導入するにあたっての誤解と注意点についてご案内します。

裁量労働制とは

実際に働いた時間に関係なく、あらかじめ決めた労働時間分労働したものとみなすのが裁量労働制です。
裁量労働制には時間外労働という概念がありません。
従がって、原則、時間外労働に対する割増賃金は発生しません。
また、裁量労働制は、「専門業務型裁量労働制」と「企画業務型裁量労働制」の2種類に区分されてています。

専門業務型裁量労働制

専門業務型裁量労働制が適用される業務は、業務の遂行手段や時間配分の決定等について使用者が具体的な指示を与えることが困難なものとして、厚生労働省令によって全19種類に限定されています

19種類の職種【厚生労働省リンク】

たとえば、情報システムのプログラミング業務、設計士、弁護士、会計士といった職種が「専門業務型」に該当します。そして、専門業務型裁量労働制を導入する場合は、労使協定を結び、管轄の労働基準監督署に届け出る必要があります。

企画型業務裁量労働制

企画業務型裁量労働制が適用される業務は、「特定の事業場」に対象業務がある場合に限定されます。たとえば、経営に関与する部分での企画、立案、調査及び分析の業務を担う労働者が適用対象です。また、対象労働者はその業務を行うための知識や経験等を有するものであり、かつ、企画業務型裁量労働制により働くことを同意していることが必要です。また、そして、会社内に「労使委員会」を設置し、委員の5分の4以上の多数により、企画業務型裁量労働制導入に必要な事項に関する決議をし、管轄の労働基準監督署長に届け出る必要があります。

よくある誤解1

裁量労働制は、会社側として対象社員に始業時間や就業時間の指示をしてはいけません。何故なら、本人の裁量で与えられた仕事をコミットするからです。つまり、出勤時間&退勤時間&始業時間&終業時間&就業時間は、対象社員の社員の自由な裁量によることになります。

例えば、通常の社員が、始業9:00で就業が18:00(休憩1時間)で8時間労働の場合、その始業終業時間に遅刻や早退をした場合、遅刻早退控除があります。しかし、裁量労働制の場合、遅刻早退の概念がありません。つまり、10:00に出勤して15:00に退社したとしても、遅刻・早退の時間管理が適用されないからです。その代わり、7:00に出勤して21:00に退社したとしても、通常の社員と異なり割増賃金の発生はしません※
※1日の労働時間を8時間とみなした場合は、8時間以上勤務しようが8時間としてカウントされます。

ただし、会社側が指示できることもあります。それは、後期・納期や業務遂行のための打ち合わせ等の指示です。
時間の指示は不可能ですが、業務遂行のための打ち合わせの等の指示は可能です。⇒ご注意ください。

よくある誤解2

裁量労働制は、実際に働いた時間に関係なく、あらかじめ決めた労働時間分労働したものとみなす制度です。裁量労働制には時間外労働という概念がありません。よって原則として、時間外労働に対する割増賃金は発生しません。
ただし、例外もあります。
1.深夜労働の割増賃金・・・25%割増
22時以降翌朝5時までの間に労働した場合


2.法定休日割増賃金・・・135%割増
日曜日等の休日出勤


3.所定休日割増賃金・・・125%割増
裁量労働制が適用されている社員は、所定休日に勤務することも可能です。所定休日の労働時間と同じ週の他の日の労働時間の合計が、法定労働時間である週40時間を超えた場合、時間外手当の支払いが必要となります。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2019.10.27

学生【昼間部】アルバイトの社会保険(厚生年金・健康保険)はどうする?

東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

最近、人手不足や、学費の高騰により、アルバイトをされる学生さんが増えてきています。

その際、学生本人や会社(雇い主)は、社会保険(厚生年金・健康保険)の加入をどうするか?と悩まれることも多いでしょう。
しかし、学生のアルバイトに対しては、社会保険(厚生年金・健康保険)に加入する義務は原則ありません。
ただし、学生の場合、健康保険は親の扶養に入っているケースが多いです。
つまり、アルバイトの年間収入が、130万円以上になりますと親の扶養から外れることになり国民健康保険に加入する
必要があります。
※学生納付特例制度を利用されている場合は、国民年金保険料は発生しません。

前文で「加入する義務は原則ありません」の例外として、会社(雇い主)が社会保険(厚生年金・健康保険)適用事業所の場合、通常の社員の1週間の所定労働時間及び1か月の所定労働日数が4分の3以上であれば、社会保険(厚生年金・健康保険)の加入義務がありますので、ご注意ください。

ご参考までに、雇用保険については、対象外となりますが、下記の例外がありますのでご注意ください。
1.適用事業所に雇用され卒業後も引き続き当該事業所に雇用される事となっている学生人
2.休学中の学生
3.定時制課程(夜間部)の学生
4.前1~3で職業安定所局長定める学生は加入義務があります。

滋賀県労働局(ご参考):雇用保険被保険者の範囲について

労災保険は、自動的に対象となります。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2019.10.23

管理職は割増賃金は不要なのか?

東京・渋谷区のアリスト社労士行政所事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日のテーマは、管理職に対し残業代は不要か?です。
管理職につきましては、時間外労働や休日労働の割増手当を支払う必要はありません。

しかし、深夜残業については、支払う義務があります。

ここで、問題となるのは、一般の従業員は月の所定平均労働時間で割増賃金等の給与計算を行いますが、一方、管理職は労働時間に関する規定の適用を受けていないので、月の平均所定労働時間がない、必要ないと考えられる方も多いでしょう。
しかし、深夜残業については、深夜残業手当計算するために1日の所定労働時間、月の所定平均労働時間等の分母の根拠が必要です

例えば、月給を500,000円とし、月の平均所定労働時間が170時間の場合、
500,000円÷170時間≒2,942円が時給単価となります。
深夜残業手当の単価は、2,942円×0.25≒736円/1時間の手当が必要となります。

この月の平均所定労造時間ですが、管理職といえども会社の労働者です。つまり、管理職は時間外労働・休日労働に関する法律上の定めの適用を除外するのみで、管理職であっても毎日の所定労働時間の設定や月の平均所定労働時間の設定は必要です。 

ここでの所定労働時間は、例え、法定労働時間を超えていたとしても、管理職については時間外労働として取り扱わないということにすぎません。

 管理職の所定労働時間の定め方については法律上の規程はありませんが、一般に、過度に長時間を所定労働時間とすることは公序良俗に反して無効となる可能性があります。したがいまして、管理職でも所定労働時間を定める必要があるため、深夜業に対する割増賃金の計算基礎時間については、「当該職種の労働者について定められた所定労働時間を基礎とする」と通達が出されており、通常の従業員の勤務時間・勤務日数を参考にします。

ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございます。

 

 

2019.10.13

賃金(退職金)の相殺についての注意点

アリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士の郡山博之です。

本日は、従業員へ金銭の貸し付けをした場合のポイントをご案内します。

退職する際に、最後の給与または、退職金から相殺したいと相談を受けます。
しかし、会社の勝手な判断で相殺することは出来ません。
労働基準法は、「賃金全額払い原則」を規程していますので、その関係で慎重に相殺を行う必要があります。

それは、会社が従業員に貸し付けた金銭と賃金を相殺する場合、従業員の意思による相殺であることが必要です。つまり、会社側から強制的に相殺する、命令で相殺するというわけにはいきません。
その従業員の意思の存否を、相殺合意の経緯・貸付金の返済方法に関する従業員の理解、会社の自働債権の性質の観点から判断されます。 
また、従業員が退職金等をを放棄する場合にも、同様の判断です。 
一方、同じ相殺でも、従業員への過払い賃金を後の賃金から控除する調整的相殺(調整給)については、その時期、方法、金額などより、従業員の経済・生活の安定との関係より、不当と認められないものであれば、労働基準法に反しないとされます。 
いづれにしろ、相殺をする場合には、従業員に十分な説明を行う必要があります。ただし、口頭では会社と従業員との間で、言った、言わないの問題が生じるリスクがありますので、「同意書」などの書面を作成され、その「同意書」に従業員の署名・押印をしてもらうことが大切です。
また、従業員にとって金利等、メリットのある貸し付けをすることが大切です。 
もし従業員への貸付金などの債権を賃金(退職金)と相殺する場合は、従業員ともよく話し合い、慎重な対応が必要です。
当事務所のお客様の中には、中長期的な貸付金の場合は、最寄りの公証役場でしっかりと「金銭消費貸借契約書」を締結される事例もあります。
ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。 
※本記事の記載内容は、2019年9月現在の法令・情報等に基づいています。 

2019.10.06

消費税増税に係る労務管理の注意点

東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

2019年も10月に入り残すは3か月ですね。

今月のトピックスは、消費税増税でしょうか。
消費税の増税で、労務管理上、変更となる可能性があるのは、
1通勤費

2社会保険料です。

通勤費

公共交通機関の通勤費は、経過措置の特例がありますので、9月30日迄に購入した場合、10月1日以後の乗車であっても旧税率8%となりますので、従業員の定期代等を給与に合わせて支給している場合、どのタイミングで定期券を購入しているかの確認が必要となります。特に1か月定期の場合は、毎月給与に合わせて支給していますので、給与ソフトの定期代設定を変更される必要があります。また、6か月定期の場合は、2020年に支給月が到来する場合もありますので、8%時代の定期代と混同しないようにしましょう。

社会保険料

例え、増税で定期代等の通勤費が上昇したとしても、通勤費は、固定的賃金に含まれますので、通勤費が上昇し、かつ、残業が増えて、現在の社会保険料の標準報酬等級と今後3か月平均の平均報酬で2等級以上の差が発生した場合は、月額変更届が必要となりますので、ご注意ください。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

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