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2019.08.04

給与減給のパタ-ンとその注意点

東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

8月に入り、長い梅雨状況からやっと解放されましたね。しかし、急激な気温上昇による体調管理や熱中症対策が必要です。
今日のテ-マは従業員の給与をやむを得ず減給する場合の注意点についてご案内します。
この減給の理由としましては、
1.従業員の行動に問題があり減給する場合
2.従業員の評価により減給する場合
3.会社の経営状況により減給する場合
が考えられます。当事務所のクライアント様の中でも、業種により業績がよいケ-スと悪いケ-スが顕著化しています。

そもそも、従業員の給与の減給は、モチベーションの低下にもつながりますし、従業員と会社との間で労働トラブルに発展する場合も多いため避けたいところですが、減給しなければならないときは、ポイントをおさえ慎重に行う必要があります。
各減給のポイントをご案内します。

1.懲戒処分としての減給

懲戒処分とは、会社に不利益な損害を与えたり、社内秩序に反する行為を行った従業員に課せられる処分のことで、一般的に処分の軽い順に次のような種類があります。
〇戒告上・・・長から口頭で注意を受ける
〇譴責(けんせき)・・・始末書を提出させる
〇減給・・・給与を減らす
〇出勤停止・・・一定期間出勤を制限する
〇降格・・・役職、職位等を引き下げる
〇諭旨解雇(ゆしかいこ)・・・会社と従業員とで話し合い、解雇処分を進める
〇懲戒解雇・・・会社から一方的に労働契約を解消する

この懲戒処分は、会社の就業規則で定められて言いますので、自社の就業規則がどのようになっているのか、再確認をしてみてください。
この懲戒処分の減給には、法律で上限が規程されていますので注意すべきです。会社の判断で勝手に減給額を決めることはできません。労働基準法91条では、上限として1回の額が平均賃金の半日分と規程されています。つまり、1回の問題行動に対する減給は1日分の給料の半額までであり、これを超える減給処分はできません。当たり前ですが、1回の問題行動に対して、懲戒処分が行えるのは1回だけのみですので、当該月に給与を減給したら、次の月には元の給与に戻す必要があります。また減給に相当する行為が複数あった場合には、減給額は累積していきますが、そうであっても、一賃金支払期における減給額は、賃金の総額の10分の1を超えてはなりません。
:A社員の場合は、減給に相当する行為が仮に10回あったとすると、平均賃金の半額が5千円ですから、累積で50,000円の減給額となりますが、月給300,000円の10分の1は30,000円であるため、一賃金計算期間においては30,000円までしか減給できず、残りの20,000円は翌賃金計算期間において減給することになります。

懲戒処分は、重複しますが、は就業規則に基づいて行う必要があり、就業規則に記載がなければ課すことはできません。また、就業規則に記載があるからと一方的に課すことは出来ず、社内で懲戒委員会を開いて、その処分が適切か判断したり、処分を行う前に対象従業員に弁明の機会を与えたりしなければなりません。

2.人事評価

会社には人事権がありますので、その行使として行う減給です。人事権の行使は会社に一定の裁量が与えられています。この人事権は、人事評価制度を導入して、能力や仕事の成果に対して昇給降給を行う制度を取り入れます。この導入には、今まで、定期昇給制度を導入されていた会社がこの定期昇給制度を撤廃したことで、高い年齢給を得ていた一部の従業員の給料を減給しなければいけないケースも出てきます。また、成果不足に伴い、やむを得ず従業員の給与を減らさなければいけないケースも出てきます。この場合でも、就業規則への記載の有無や評価制度の正当性が問われると同時に、従業員との話し合いや丁寧な制度の説明の場も設けなければなりません。

3.業績不振

業績不振で経営が悪化している場合は、従業員に個別の説明を行い、新しい賃金を提示し、その同意を得る必要があります。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

 

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