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2018.08.26

成立した働き方関連法の主なまとめ

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表 社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

2018年8月も今週で最後の週になりましたね。来週からは、早いもので9月です。

さて、最近、同業者のFacebookなどで、働き方関連法のことが書かれています。
私も先日、有給休暇の5日の義務取得化について書いてみましたが、本日は、主な関連法案のまとめをご案内させていただきます。

時間外労働上限規制

労働基準法では、原則として1週間40時間、1日8時間という法定労働時間を超える労働を認めて
いません。
ただし、労働基準法第36条に基づく労使協定(36協定)を締結すること等により、法定労働時間
を超える労働(時間外労働)をさせることできる仕組みとなっています。この36協定には、時間
外労働が可能となる時間数を定める必要がありますが、これまで告示による定めはあった
ものの、労働基準法においてこの時間外労働の上限時間数は設けられていませんでした。
そして、今回、働き方改革関連法が成立し、告示から法律へ格上げとなる改正がされたことで、
新たに時間外労働の上限が設けられました。その内容は以下のとおりです。

・時間外労働の上限を原則、1ヶ月45時間、1年360時間とする。
・原則の時間を超えるような特別の事情があるときは、時間外労働の時間数を延長することがで
きる特別条項を設けることができるが、特別条項の上限は1年720時間、1ヶ月当たり100時間未
満(休日労働含む)、2~6ヶ月平均80時間以下(休日労働含む)を限度とする。

※大企業:2019年4月1日施行 中小企業:2020年4月1日施行

年次有給休暇の年5日の取得義務

労働基準法では、勤続6ヶ月以上で全労働日の8割以上出勤した労働者に対し、10労働日の年次
有給休暇を付与することを義務付けています。付与された年次有給休暇は、原則として労働者が
希望する日(時季)に取得できるとしていますが、年次有給休暇の取得率向上等のため、年10
日以上の年次有給休暇が付与される労働者については、会社は毎年、5日の年次有給休暇を取得
させる義務を負うことになりました。

※大企業・中小企業:2019年4月1日施行

1か月60時間超の時間外労働の割増率引上げ

労働基準法は法定労働時間を超える労働は認められておらず、36協定の締結等の手順に従って
労働させたときには、時間外労働について25%以上、休日労働について35%以上の割増賃金率
で計算した割増賃金を支払う必要があります。この点に関し、2010年4月1日以降、1ヶ月60時
間を超える時間外労働(以下、「月60時間超の時間外労働」という)については、割増賃金率
を50%以上で計算し、支払うこととされていますが
、中小企業についてはその適用が猶予され
てきました。
今回、労働基準法が改正されたことによって、現在、中小企業において適用が猶
予されている月60時間超の時間外労働の割増賃金率が、2023年4月以降、全面的に適用される
こととなりました。1ヶ月60時間を超える時間外労働がある中小企業では、人件費の負担が重
くなるとともに、割増賃金率にあった勤怠集計方法に変更することが求められます。

※大企業:施行済み 中小企業:2023年4月1日施行

高度プロフェッショナル制度の創設

労働基準法では、法定労働時間を超える労働や、休日労働に対し割増賃金の支払いを義務付けて
いますが、一定以上の年収の支払いが見込まれる特定高度専門業務に従事する労働者については、
労働時間、休日、深夜の割増賃金等の規定を適用の対象としない、いわゆる「高度プロフェッシ
ョナル制度」
が創設されます。現状のところ、一定の年収の基準は1,075万円以上となる予定で
あり、制度を利用するときには年間104日以上の休日確保等、健康確保措置の実施が義務となり
ます。

※大企業・中小企業:2019年4月1日施行

フレックスタイム制の見直し

始業時刻および終業時刻を労働者の裁量により決定できるフレックスタイム制は、柔軟で自律的
な働き方として導入が進められてきました。今回、この制度に関しても見直しが行われ、現在、
清算期間の上限が1ヶ月となっているものが、3ヶ月に見直されています。
なお、1ヶ月を超える
清算期間を設けるときには、労働基準監督署へ労使協定の届出が必要になるといった細かな要件
が定められています。

※大企業・中小企業:2019年4月1日施行

雇用形態に係わらない公正な待遇の確保

現在、正規社員(正社員)と非正規社員(パートタイマー、有期契約労働者、派遣労働者)の間
に、不合理な待遇の格差がみられることが多くなっています。この格差を解消するために、個々
の待遇ごとに、待遇の性質・目的に照らして適切と認められる事情を考慮することが求められます。
なお、すでにガイドライン案として2017年12月20日に「同一労働同一賃金ガイドライン案」が公開されており、今後、これが正式にガイドラインとなる予定です。

※大企業:2020年4月1日施行 中小企業:2021年4月1日施行

ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

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