ブログ(お役立ち情報)

2017年07月

2017.07.29

契約社員の期間満了 手続きについての注意点

東京・渋谷区のアリスト社労士事務所
代表の郡山 博之です。

本日は、有期雇用契約について、その契約社員の期間満了の際の手続きについての注意点をご案内します。

採用した社員がきちんと想定どおり働いてくれるかは、実際に働いてもらわないとわかりません。そのため、能力や適性を見る目的、または労働力調整の目的で最初に「有期雇用の契約社員」として雇うことがあります。この契約社員がもし企業とマッチングしなかった場合、企業は契約更新をせずに雇い止めをすることも選択肢に考えますが、そこには注意すべき法律上の制限があります。

1. 更新の有無と更新条件の明示

契約社員として雇い入れる時に、「その人の契約が更新となることがあるか」「更新条件はどういう風に決まるか」をきちんと伝えなければなりません。(労働基準法15条)通常、企業側としては「いい人・デキる人だったら更新したい」「会社の経営状態がよければ更新するかもしれない」と思いますが、それらの更新の基準をきちんと明文化して雇用契約書などで伝えておきましょう。

<例>

契約更新の有無

①自動更新 ②更新の場合がある ③更新しない

判断基準

①契約期間満了時の業務量

②勤務成績・態度

③能力 ④会社の経営状況

2. 雇い止めの予告

何度も契約更新している場合や、契約社員としての期間が一定の年数になっている場合、働いている側も契約更新を期待します。
期待していて急に雇い止めになると労働者が困るということから、一定の基準を超えた契約社員に対しては、30日以上前の「雇い止めの予告」をするよう厚生労働省の基準で定められています。雇い止め予告が必要な条件は次の通りです。

     契約が合計3回以上更新されている場合

     契約期間が1年以下の労働契約が更新、または反復更新され、 最初に労働契約を結んでから継続して合計1年を超える場合

     契約期間が1年を超える期間の労働契約を結んでいる場合

※あらかじめ更新しない旨明示されている場合を除く。

3. 雇い止めの合理性

有期の契約を結んでいるからといって、雇い止めの理由が何でもいいわけではありません。重要なポイントは「就いている仕事が季節的・臨時的か、それとも恒常的か」と、「更新手続きが厳格にされていたか」の二つです。雇い止めで揉めないためにも、更新の条件(特に能力や適性、成果に関する基準)をできるだけ詳しく決めておいた方が良いす。

4. 無期雇用への転換義務

期間の定めのある労働契約を結んでいた場合でも、会社で通算5年にわたり有期契約を更新していた場合で、労働者が「無期雇用に変えて欲しい」と申し出をした場合は、無期雇用に転換しなければなりません。
契約期間が通算5年を超える場合に無期転換の申し出が可能ですので、例えば3年間の有期雇用契約を締結している場合は、初めの3年が満了し、2度目の契約期間中に無期転換の申出が可能となりますので、注意が必要です。
契約社員を雇用している場合、上記の点に注意しながら労務管理をするようにしましょう。契約社員の契約書整備や処遇決定などに関するご相談は当事務所にお寄せください。
ここまで、弊所のブログを読んでいただき、ありがとうございます。

2017.07.26

どこから残業になるのか?-所定労働時間を超えると残業-

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の 郡山 博之です。

本日は、クライアントさんからよく質問の1つですが、「どこから残業になるのか?」について、ご案内します。

労働基準法では、「法定労働時間」として「1週間につき40時間、1日につき8時間まで」を条件としています。
「法定労働時間」の範囲内で、1日7時間など、会社が決めた労働時間が「所定労働時間」となります。
よく、混同されますが、「法定労働時間は8時間」「所定労働時間のMAXも8時間」ということです。
例えば、9時始業で17時終業(休憩1時間)の場合は、所定労働時間が7時間になります。
所定労働時間が終了した時刻から、法定労働時間の時刻までの部分の残業は、「法定内残業」になります。
例えば、1日の所定労働時間が7時間の会社が、法定労働時間の8時間働いた場合、1時間の法定内残業が発生します。
労働時間が法定労働時間(1日8時間、1週間40時間)を超えますと「法定外残業」となります。
ここで、ポイントは、1日の労働時間だけでなく、1週間の労働時間も同様に、法定内残業、法定外残業が発生します。

ここまで、弊所のブログを読んでいただき、ありがとうございます。

ご不明な点は、お気軽に、お問い合わせください。

2017.07.21

最近の労基署の是正勧告事例

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の郡山博之です。

梅雨もあけて、今年の夏は、猛暑ですね。
毎日、暑い日々が続きています。

さて、本題ですが、最近、宅配大手Y運輸の残業代未払い問題など、「残業」が社会的な関心になっています。
労働時間のどこからが残業時間となり、どこからが残業代(割増賃金)が発生するのか、残業時間と残業代について、
ご案内します。本日は、労働基準監督署の是正勧告事例をご案内します。

最近の労基署の是正勧告事例

労働基準監督署は、企業を調査し、労働基準法などの違反があった場合、事業主に対して是正勧告を行います。是正されない場合や、勧告に従わない場合は、送検することもあります。

事例1 「配達業務のみを労働時間とし、社内業務の算入をしなかった」

Y運輸の横浜市内の支店が、ドライバーに、
「昼食休憩を与えていなかった」「残業代の未払いがあった」ことから、労働基準法違反として、是正勧告を受けました。同支店では、タイムカードの他、ドライバーが配達時間を管理する携帯端末で労働時間を管理していましたが、携帯端末の稼働時間のみで、労働時間を計算し、支店内の業務の大部分が算入されていなかったです。これは、配送業務だけでなく、事務作業なども含み、使用者や管理者の指揮・命令下にあれば、当然に、労働時間となります。

事例2 「パソコンのログオフ記録から出勤簿との相違を指摘された」

B社は、「出勤簿」と、社員が事前に申請する「残業届」によって、残業時間を把握し、残業代を支払っていました。しかし、労基署の調査によって、パソコンのログオフ記録やEメールの送受信記録履歴から、時間外労働が正しく把握されておらず、「残業代が適切に支払われていない」として、労働時間を適正に把握すること、過去の労働時間の実態調査を行って、未払い賃金(残業代不払い)の不足額を支払うよう勧告をうけました。

事例3「始業5分前が勤務時間とされた」

C社では、15時から20時の勤務時間にあわせて労働時間としていましたが、実際には、始業の14時55分から勤務時間としていましたので、15時までの5分間についても、勤務時間として、未払い残業代の支払いを労基署から勧告されました。

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2017.07.05

民法の改正について

東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所の
代表 郡山博之です。
最近は、梅雨らしく、蒸し暑い毎日が続きていますね。
さて、2017年5月26日の参議院本会議で、企業や消費者の契約ルールを定める債権関係規定(債権法)に関する改正民法が賛成多数により可決・成立しました。
改正項目は約200項目に上り、約120年ぶりの抜本改正となります。
なお、本改正の対象業種は多岐にわたるため、3年ほどの周知期間が充てられ、法施行は平成32年になるとみられています。
本日は、主な改正の内容をご案内します。弊所は、社会保険労務士事務所だけでなく、行政書士事務所も兼業していますので、会社法や民法などの、労務だけでなく、法務についてもクライアント様にアドバイスさせていただいています。

1消滅時効について

「債権者が権利を行使できることを知ったときから5年(知らなかった場合は権利を行使できるときから10年)間行使しないとき」に統一されました。現行民法だと「債権」の消滅時効は原則10年とされていますが、「商事債権(会社を相手に取引する場合など)は5年」「旅館の宿泊料や飲み屋の付け払いの請求権は2年」といったように債権の種類によって違っていました。今回の改正で消滅時効は統一されましたが、労働者の賃金請求権については2年のままです。
今後、民法改正の影響で、労働基準法も改正される可能性がありますので改めてご案内します。

2法定利率について

法定利率が現行法の年5%から年3%に引き下げられました。さらに民間の金利動向に合わせて変動していく制度が導入されました。

3保証債務について

個人の保証人を保護する規定が詳細に定められました。事業用融資の債務についての保証契約については、特に公証人による公正証書の作成や保証人の意思を確認する制度が詳しく定められました。現在も、遺言書などは、公正証書遺言がメインとなっていますが、こういう個人保護の観点から、公正証書に確認制度は望ましいと考えます。

4.約款について

現在の市民生活は約款によって規制されています。電気・ガス・鉄道・運輸・航空・金融・インターネットなどで広く適用されている約款が当事者を拘束する契約となっています。そこで、約款の有効要件として、定型約款を契約内容とする旨の表示を要求する等、規定が整備されました。

5.敷金の返還について

これまで曖昧だった「敷金」と「原状回復」のルールが明文化されました。
経年劣化や通常損耗部分の原状回復費は貸主負担とし、故意・過失によって生じた損傷部分の原状回復費は借主負担となります。また、「借主が部屋を適法に引き渡したときは、貸主は敷金を返還しなければならない」と明文化されました。不動産賃貸借契約に係る最もトラブルが多い分野なので、明文化されて良かったと考えます。
ここまで、弊所のブログを読んでいただき、ありがとうございます。

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