ブログ(お役立ち情報)

2019.10.13

賃金(退職金)の相殺についての注意点

アリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士の郡山博之です。

本日は、従業員へ金銭の貸し付けをした場合のポイントをご案内します。

退職する際に、最後の給与または、退職金から相殺したいと相談を受けます。
しかし、会社の勝手な判断で相殺することは出来ません。
労働基準法は、「賃金全額払い原則」を規程していますので、その関係で慎重に相殺を行う必要があります。

それは、会社が従業員に貸し付けた金銭と賃金を相殺する場合、従業員の意思による相殺であることが必要です。つまり、会社側から強制的に相殺する、命令で相殺するというわけにはいきません。
その従業員の意思の存否を、相殺合意の経緯・貸付金の返済方法に関する従業員の理解、会社の自働債権の性質の観点から判断されます。 
また、従業員が退職金等をを放棄する場合にも、同様の判断です。 
一方、同じ相殺でも、従業員への過払い賃金を後の賃金から控除する調整的相殺(調整給)については、その時期、方法、金額などより、従業員の経済・生活の安定との関係より、不当と認められないものであれば、労働基準法に反しないとされます。 
いづれにしろ、相殺をする場合には、従業員に十分な説明を行う必要があります。ただし、口頭では会社と従業員との間で、言った、言わないの問題が生じるリスクがありますので、「同意書」などの書面を作成され、その「同意書」に従業員の署名・押印をしてもらうことが大切です。
また、従業員にとって金利等、メリットのある貸し付けをすることが大切です。 
もし従業員への貸付金などの債権を賃金(退職金)と相殺する場合は、従業員ともよく話し合い、慎重な対応が必要です。
当事務所のお客様の中には、中長期的な貸付金の場合は、最寄りの公証役場でしっかりと「金銭消費貸借契約書」を締結される事例もあります。
ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。 
※本記事の記載内容は、2019年9月現在の法令・情報等に基づいています。 

2019.10.06

消費税増税に係る労務管理の注意点

東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

2019年も10月に入り残すは3か月ですね。

今月のトピックスは、消費税増税でしょうか。
消費税の増税で、労務管理上、変更となる可能性があるのは、
1通勤費

2社会保険料です。

通勤費

公共交通機関の通勤費は、経過措置の特例がありますので、9月30日迄に購入した場合、10月1日以後の乗車であっても旧税率8%となりますので、従業員の定期代等を給与に合わせて支給している場合、どのタイミングで定期券を購入しているかの確認が必要となります。特に1か月定期の場合は、毎月給与に合わせて支給していますので、給与ソフトの定期代設定を変更される必要があります。また、6か月定期の場合は、2020年に支給月が到来する場合もありますので、8%時代の定期代と混同しないようにしましょう。

社会保険料

例え、増税で定期代等の通勤費が上昇したとしても、通勤費は、固定的賃金に含まれますので、通勤費が上昇し、かつ、残業が増えて、現在の社会保険料の標準報酬等級と今後3か月平均の平均報酬で2等級以上の差が発生した場合は、月額変更届が必要となりますので、ご注意ください。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2019.09.25

新しいクライアント様と税理士さんと3社の打ち合わせ

 東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所の
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

先日ですが、新しいクライアント様とその顧問税理士さんと3社間で打ち合わせをしてきました。
内容としては、税理士事務所と社会保険労務士事務所の業務分担についてです。
非常に、合理的な税理士さんで助かりました。

税理士業務で電子申請できる業務は税理士

社会保険労務士で電子申請できる業務は社会保険労務士

ということになりました。

税理士業務としては
・法人税や源泉徴収税、年末調整や住民税の異動届

社会保険労務士業務としては
・雇用保険、労働保険、社会保険手続き

当事務所で給与計算をさせていただくことになりましたが、給与計算は、税理士、社会保険労務士、行政書士等各士業の独占業務ではありません。
しかし、税関係や社会保険関係に関する業務が不随しますので、税理士が多く、次に社会保険労務士なんです。勿論、私の仲間で行政書士で給与計算をされている事務所もあります。

ここで、問題となるのは、給与計算=社会保険労務士=住民税の手続き=年末調整業務とお考えになられているお客様です。これは、お客様のせいではなく、各士業の独占業務等が伝わっていないということでしょう。また、税理士さんの中には、「住民税の異動届は引き受けない。年末調整業務は引き受けない。社会保険労務士に頼んでください」という事務所もあります。

当事務所は、税理士事務所と合同事務所ですので、お客様との契約で、顧問税理士が住民税異動届や年末調整業務を引き受けない場合は、合同事務所の税理士さんが申告等していますが、もし、社会保険労務士単独で、年末調整業務を引き受ける際は、非常にグレ-ゾ-ンですのでリスクがありますね。

ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2019.09.18

福利厚生等で差を付けるのは違法?(正社員と派遣社員)

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士の郡山博之です。

本日は、待遇差による注意点をご案内します。よく取りざたされるのは、正社員と派遣社員における福利厚生施設利用に関しての待遇差です。 
例えば
正社員は社員食堂を使えるが、派遣社員は使えない
正社員だけが無料のコ-ヒ-サーバ-が飲める
等の規定が設けられていたり、規程がないにしても、口頭などのル-ルとして運用している企業が存在し、ネットの社会では、待遇差に異論を唱えたり、企業を批判したりする内容も多く見受けられます。 
では、正社員と派遣社員で福利厚生面で待遇差を設けることは違法なのか?
 
今後、「働き方改革関連法」の一つとして、同一労働同一賃金の推進が定められており、2020年4月(中小企業は2021年4月)から施行されます。
契約社員やパート、アルバイトに対して、仕事内容が正社員と同じである場合には、賃金や休暇、そして福利厚生などを正社員と同じ待遇にしなければならないと義務付けられています。
 
派遣社員は派遣会社と雇用契約を結んでいます。つまり、派遣元である会社と雇用契約を結んでおり、派遣先との企業とは雇用契約を結んでいません。
從いまして、派遣先企業の正社員と同じように働いていても、あくまで派遣元会社から派遣されて派遣先企業にて勤務しています。
社員食堂や無料のコ-ヒ-サーバー、休憩室、更衣室などの施設及び共有の設備などの福利厚生は、原則、会社が自社雇用の従業員に対して提供しているものです。派遣社員は、派遣元会社の社員であり、派遣先に雇用されているわけではありません。つまり、派遣社員に対して、派遣先の会社は福利厚生を提供する義務はありません。 
したがって、正社員は社員食堂を使えるが、派遣社員は食堂を使えない等の待遇差は、法的には、ただちに違法、問題になるとはいえません。 
また、当事務所が給与計算しているクライアント様がそうですが、給与計算の源泉所得税や、厚生年金・社会保険の現物給付にも関わってきます。
昼食の無料提供などの場合は、厚生年金・健康保険の場合は、1食250円(東京都)/日の現物給付として通常の賃金に上乗せされて社会保険料の豊潤報酬月額が決定されます。また、従業員から源泉徴収も価格により発生します。価格が一定金額以下の場合は、福利厚生費となるようですが。
このような理由から派遣社員は、自社の社員でないので、社会保険や給与源泉徴収の問題から、派遣社員に福利厚生を提供することはできないのです。
しかし、例えば更衣室の利用等につきましては、2015年に「働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」が改正されました。 これは、派遣社員に対する、福利厚生施設の利用に関わる「配慮義務」となります。
これは、派遣社員が食堂や休憩室などの福利厚生施設を正社員と同じように利用できるよう配慮しなければならないというものです。 
この法律は、福利厚生については正社員と同待遇を提供することが出来なくても、可能な限り待遇格差を埋めるように配慮しなければならないものです。
たとえば、スぺ-スの都合上、派遣社員の食堂利用を制限していたとすれば、社員と派遣社員の食堂の利用時間をわけて利用させるなどの措置をとる必要がありますし、正社員だけにロッカーがある場合は、派遣社員にもロッカーを用意するように配慮しなければなりません。 
この法律は、協定ではなく、配慮義務のため、仮に違反しても罰則はありませんが、行政指導が行われる場合があります。 
結論から言えば、福利厚生利用での待遇差は、会社的にもよい結果をもたらしません。派遣社員への配慮はもちろん、派遣元会社と協議し、可能な限り待遇差をなくしていくことが大切です。 
一度、自社の派遣社員の待遇を見直してみてはいかがでしょうか。
ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございます。

2019.09.15

給与の締め日・支給日変更について

東京・渋谷のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日のテ-マは、給与の締め日と支給日の変更についてです。
給与の締め日が月末であり、翌月10日などの場合、給与計算担当者は、年末年始やゴ-ルウィ-クなどの休日出勤を必然的に行うことになります。
これは、一部の給与計算を担当している従業員だけが担う問題です。
しかし、これは、休日出勤を強要することになってしまいます。

当事務所のクライアント様も、月末締め翌月10日払いを月末締め翌月20日20払いに変更されたり、月末締め当月20日払いを月末締め翌月20日払いに変更されたり、多数の変更事例があります。

これは、今までの会社のル-ルだったからという理由で行ってきましたが、休日出勤や残業の洗い出しを行うと、給与計算の締め日と支給日に問題があることに気づいたからです。

では、給与締め日と支給日の変更についてポイントをご案内させていただきます。

そもそも、給与の締め日や支給日の変更は可能か?
勿論可能です。法令で規定されている就業規則(賃金規程)の変更手続きを行えば問題ありません。
法令で規定されていることとして、給与の締切りやび支払の時期については、就業規則の絶対的必要記載事項とされているため就業規則(賃金規程)の変更を行い、従業員の過半数代表者の意見聴取をしたのち、意見書を添えて管轄の労働基準監督署長に届け出る必要があります。もちろん従業員への就業規則の周知も必要です。
当事務所の案件で、当月10日締め、当月末払いを、当月末日締め、翌月20日払いに変更したときは、それだけにとどめず、全従業員に説明や地方支店などではメ-ルでクライアント様に告知していただき、反対、賛成を従業員150名に対して行いました。

※大切なポイントは、変更当月の支給額が減らないようにしてあげる。


これは、賃金の締切日や支払日を変更する際、変更当月の固給与が少なくなり、社員に不利益を与え、生活を脅かすおそれがあるからです。
会社の対応策として、
1.変更当月は特別支給として半月分の給与を上乗せして1カ月分の支給額を維持する
2.変更当月を夏や冬の賞与支給月と一致させる
3.不足分の給与相当額を上限に、希望者には無利子での貸し付けを実施する
等が考えられます。
その他にも、法令で毎月1回の賃金支払い原則の問題や、社会保険の算定時期を避けるようにし制度を変更されることをお勧めします。
ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

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