アリスト社労士行政書士事務所(港区・渋谷区)のブログ

2021.01.24

厚生労働省「令和2年就労条件総合調査 結果の概況」のご案内

 東京都渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日は、厚生労働省の「令和2年就労条件総合調査」の結果概要についてご案内します。
この調査は、主要産業における企業の労働時間制度、賃金制度等について総合的に調査され、民間企業における就労条件の現状を明らかにすることを目的として実施されています。

1. 企業平均の年間休日総数

平成31年・令和元年(または平成30会計年度)の年間休日総数を1企業平均で見てみると109.9日となりました。
平成30年は108.9日となっていましたので、1.0日増えたことになります。この年間休日総数について平成21年以降の推移より、近年は、年々増加傾向にあると言えます。

2. 年次有給休暇の取得状況

年次有給休暇(有給休暇)の取得状況については、平成31年・令和元年(または平成30会計年度)の1年間に企業が付与した有給休暇の日数(繰越日数は除く)は、労働者1人平均18.0日で、そのうち労働者が取得した日数は10.1日となっています。取得率をみてみると、前年52.4%から56.3%に上昇しています。また、企業規模別の取得率は、30人から99人が51.1%、100人から299人が52.3%、300人から999人が53.1%、1,000人以上が63.1%となっており、企業規模が大きくなるにつれて取得率が高くなっています。
次に、計画的付与制度の有無についてみてみると、企業割合は43.2%となっており、平成30年が22.2%であったことと比較し、倍増しています。
これは、平成31年4月より年休の5日取得義務がスタートしたことで、確実に年5日の年次有給休暇を取得させるために、導入する企業が増えたことが原因であると考えられます。

3. 週休制度

主な週休制は、「何らかの週休2日制」を採用している企業割合が82.5%で、「完全週休2日制」を採用している企業割合は44.9%でした。
以上、自社の状況と比較され、今後の労務管理のご参考にしていただければ幸いです。
ここまで当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2021.01.17

会社の行う一般健康診断は有給か?無給か?

東京都渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

さて、首都圏、関西圏、福岡など新型コロナウィルスの緊急事態宣言が発令されました。
当事務所も感染リスクを防止するため、昨年の緊急事態宣言解除後も時差通勤は継続していましたが再度、テレワークを開始する予定です。

本日のテーマは、会社が行う定期健康診断は、有給か?無休か?です。

有給=有給休暇ではありません。勤務時間として賃金が支払われるか。
無給=外出等とみなされ、その受診時間は通常の賃金から控除され無給なのか。

一般健康診断は、労働安全衛生法上、会社に年1回以上の定期健康診断を従業員に受けさせる義務の定めがありますので、実施されていない場合や一部の従業員にしか実施していない場合などは、労働基準監督署の調査の際、是正勧告を受けます。
勿論、従業員は、受診する義務がありますが、従業員の受診拒否に対する法律上の罰則は設けられていません。
この一般健康診断ですが、勤務時間中に行ってもらうか?行ってもらった場合は、勤務時間中のため外出としてその時間を無給としていいのか等の相談をクライアント様から受けることがあります。
この有給か?無給か?については、労働局から通達がでています。
昭和47年9月18日基発第602号
健康診断の受診に要した時間についての賃金の支払いについては、労働者一般を対象とする一般健康診断は、一般的な健康の確保を図ることを目的として事業者にその実施を義務づけたものであり、業務遂行との関連において行われるものではないので、その受診に要した時間については、当然には事業者の負担すべきものではなく、労使協議して定めるべきものであるが、労働者の健康の確保は、事業の円滑な運営の不可欠な条件であることを考えると、その受診に要した時間の賃金を事業者が支払うことが望ましい。
(この通達から言えること)
1. 一般健康診断については、従業員の受診に要した時間は、業務遂行中ではないため、無給でも良い
2. ただし、労働者の健康確保があって、事業の円滑な運営が行われるため、有給とした方が望ましい
あやふやな内容です。
つまり、「有給が望ましい」という内容は、義務ではないことです。つまり、無給だからと言って違法ではないと解釈されます。
ここで、誤解されていけないことは、一般健康診断の受診費用は会社が負担する義務があるということです。
労使トラブルを防ぐためにも、会社側と従業員が協議して取り決める事項であると考えます。
以上、ご参考にしていただければ幸いです。
ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2021.01.10

傷病手当金のポイント

東京都渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

本日は、クライアント様よりご質問の多い、傷病手当金についてご案内させていただきます。
傷病手当金は、私的の疾病やけがで会社へ出社・勤務できなくなった場合に健康保険から支給されます。 
出社途上や勤務中は労働者災害補償保険が対象となります。

ポイント
1.連続する3日間経過後(待期期間)の4日以降に仕事に就けなかった場合に対象となります。
※この待機には、会社の公休日(土日祝日や定休日)有給休暇も含まれます。給与の支払いがあったか否かは関係ありません。

2.有給休暇等で休業した場合は、有給休暇期間中は対象となりません。何故なら、有給休暇のため猶予の支払があるためです。無給であることが必要です。
※1 給与の支払いがあっても、その給与が傷病手当金より少ない場合は、給与と傷病手当金の差額が支給されます。
※2 会社を退職後の任意継続被保険者である期間中に発生した病気やけがは対象となりません。

3.支給される期間は1年6か月です。誤解されやすいのは、この期間は、復職された期間がある場合でも、その復職期間も含まれます。

4.支給される傷病手当金の額は、労働保険や雇用保険ところなり、健康保険特有の標準報酬月額が基準となります。初めて支給される日より以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額の平均額÷30日×3分の2が1日当たりの金額です。
※加入期間が1年満たない場合
➀支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均値
②標準報酬月額30万円
➀または②低い額

5.支給開始日以前に現職と前職をあわせて12か月の標準報酬がある場合は、現職と前職の標準報酬月額を合算して平均額が計算されます。
➀前職、現職とも協会けんぽの場合は、前職の在籍期間や会社名等を別紙に記載します。
②前職が独自の組合健保の場合は、その組合健保へ加入証明書を交付を依頼します。

6.退職後の継続給付について
退職日の前日までに現職のみまたは、現職、前職通算して1年以上の健康保険加入期間があり、退職日の前日までに、傷病手当金を受けているか、受けられる状態であれば、退職後も傷病手当金を受けることが出来ます。ただし、退職後、仕事に就くことが出来る状態なれば、その後は傷病手当金を受給することは出来ません。仕事に就くことが出来る状態の判断は、医師の診断書によります。

以上、ご参考にしていただければ幸いです。
詳しくは、協会けんぽや、組合健保へお問い合わせください。

ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。


2020.12.27

新卒者の採用内定取消時の注意点

東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

新型コロナウイルス感染症の拡大により、新規学卒者で内定を出していたにも関わらず、採用内定取消を行わざるを得ない企業がニュースやマスコミでとりざたされています。

本日は、新規学卒者について、内定取消を行う場合の注意点をご案内させていただきます。

そもそも採用内定とは

 採用内定とは、会社が内定者に対して採用する通知を行い、それに対して内定者が内定受理書や誓約書等を提出した時点で、労働契約が成立します。
ただし、新規学卒者については一般的に、学校を卒業するという条件がついていますので、最高裁判所の判例では、採用内定について、「始期付解約権留保付労働契約」の成立とされています。
このように採用内定によって労働契約が成立しますので、採用内定取消は労働契約の解約となり、解雇にあたり、労働契約法規程の解雇権の濫用でないかが問題となります。
そのため会社は、合理的と認められる正当な事由がなければ採用内定取消を行うことはできないとされています。

具体的な事由

〇条件付き労働解約の場合
 学校を卒業できなかった場合や、入社の際に必要と定められた免許・資格が取得できなかった場合
〇採用内定取消事由をあらかじめ定め、その定めた事由が発生
 健康を著しく害した場合や、履歴書や誓約書などに虚偽の記載がありその内容や程度が採否判断にとって重大なものである場合
〇不適格事由の発生
 犯罪行為による逮捕、起訴等
お分かりの通りで、通常の常識の範囲内での事由です。つまり、新型コロナウイルス感染症の拡大で業務量や売上が大幅に減少しているからといって、簡単に内定取消が認められるわけではありません。

万が一、採用取り消す場合の手続き

採用内定取消を行う場合の手続は、下記の通りです。
1.解雇予告等の解雇手続きを適正に行う必要があり、また、内定者が採用内定取消の理由について証明書を請求してきた場合、速やかに証明書を交付しなければなりません。
2.職業安定法に基づき、所定様式「新規学校卒業者の採用内定取消通知書(様式19)」により、ハローワークおよび大学・高校等の長に通知が必要です。
万が一、内定取消が事業活動縮小を余儀なくされているとは明確に認められない場合、求職活動をする学生の適切な職業選択に役立つよう、厚生労働大臣が企業名を公表します。
以上、ご参考にしていただければ幸いです。
ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございました。

2020.12.13

フリーランスが加入するべき公的保険制度 と経営者の質問事例

 東京・渋谷区のアリスト社労士行政書士事務所
代表の社会保険労務士・行政書士 郡山博之です。

最近、マスコミ等で、フリーランスの方が増えてきていると話題になっています。
フリーランスとは、業務委託で働く方や、自営業の方を指します。

本日は、フリーランスの方の公的保険制度をご案内させていただきます。

会社に勤務しているときは、健康保険、雇用保険、厚生年金、労働保険等の公的保険制度、また、住民税や所得税等の税金に関する手続きはすべて会社が代行するため、ほぼ会社任せで問題ありませんでしたが、フリーランスになれば、当然ですが全てご自身で手続きをされる必要があります。

1 国民健康保険健康保険 

国民健康健康保険は健康保険制度の一種で、被保険者が病気やけが、出産などで医療機関にかかったときに費用の70%を補填してくれる制度です。 
一般的に、国民健康保険は、前年度の所得に応じて保険料が変わります。
そのため、所得が高い人は支払う料も高額になるケースがあります。

2 国民年金 

会社に勤務している場合、厚生年金に加入しますが、フルーランスになりますと国民年金となり、ご自身で加入手続きや納付をしなくてはいけません。

3 労働保険 

労災保険と雇用保険を総称して労働保険と言います。
フリーランスの場合は、この労働保険という制度が、一部の業界を除きご自身で加入することが出来ません。

当事務所のクライアントさんからの質問事例

「従業員が社会保険に加入すると手取りが減ってこまる。」と言われるが、外注でも可能なの?と聞かれました。
その従業員さんは、前職では外交員委託契約で働いていたようです。
いくら、外交員委託契約で働いていても、会社側の指揮命令下で勤務する場合は、契約書の内容に係わらず、労働者として取り扱われます。
つまり、前職は、社会保険逃れをされていたのでしょう。
社会保険制度は、給与から保険料が控除されるため、手取りが低くくなると思われがちですが、実際は、国民年金や国民健康保険にご自身で加入し納付しなくてはならず、所得によりますが、大きな差異が生じない場合もあります。
外交員委託契約書上は、所得税控除後の額面支給のため、手取り額は多く感じられますが、後からご自身で保険料を納付する義務があります。
そもそも、会社側は、会社負担分があり、従業員は、将来の年金も多くもらえます。
万が一、従業員に、正社員でなく、外注が良いと言われた場合は、このように説明されたらいかがでしょうか?
以上、ご参考にしていただければ幸いです。
ここまで、当事務所のブログを読んでいただきありがとうございます。

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